上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


生活保護制度に関する公開質問について
 生活保護の生活扶助基準及び住宅扶助基準・冬季加算の引き下げが行われたことで、生活保護利用世帯の生活が圧迫されるとともに、低所得者層にもその影響が出ています。また、生活保護基準の引き下げに対しては、これを憲法違反であるとする訴訟が全国27都道府県で提起されています。
 この引き下げ問題を始めとした生活保護制度や貧困問題について、政党に対して、生活保護制度に関する公開質問を送付し、アンケート調査を実施しました。各政党よりご回答いただいた内容について、原文のまま掲載いたします。

調査期間:2016年5月17日~6月27日
アンケート送付政党(10政党):自由民主党、民進党、公明党、日本共産党、大阪維新の会、生活の党と山本太郎となかまたち、社会民主党、日本を元気にする会、日本のこころを大切にする党、新党改革

201606301301.jpg
2016063013022.jpg

回答一覧表印刷版(PDF)のダウンロードはこちらからclick!

回答をいただけていない政党の説明内容
①公明党:ご希望に添えないと思います。
②日本を元気にする会:アンケート送付済み。電話で確認試みるも不奏功。
③新党改革:アンケート送付済み。電話で確認試みるも不奏功。
となっております。



Q1.貧困の拡大について
 我が国の貧困率は年々悪化して16.1%に達しています。貧困率が改善されるよう、取り組むべきだと思いますか。

回答 ①思う  ②思わない  ③その他
その理由等(自由記載欄)

【自由民主党】 ①思う
 子どもたちの未来が家庭の経済事情によって左右されてはなりません。特に、経済的にも様々な困難を抱えるひとり親家庭には、きめ細かな支援が必要です。このため、ひとり親家庭に対しては、児童扶養手当の多子加算の倍増、子どもの居場所づくり、親の資格取得支援など、子育て・生活支援、学習支援などの総合的な支援を充実する必要があると思います。

【民進党】 ①思う
 OECD平均の11.3%を目標にして、貧困率の改善に取り組むべきです。

【公明党】

【日本共産党】 ①思う
 国民の約6人に1人が貧困ライン以下であり、子どもの貧困率は16.3%にのぼります。母子家庭など一人親家庭の貧困率は54.6%と突出した高さを示し、経済協力開発機構(OECD)加盟34か国で最悪となっています。
 安部首相は国会において貧困率を突き付けられ、日本が貧困大国かどうかの認識を問われたとき、「日本は裕福な国」と答弁しました(16年1月18日予算委員会:共産党小池晃議員の質問)。”裕福な国”の日本で貧困が広がっていることが大問題なのです。首相が貧困対策に「政府挙げて取り組む」といくら繰り返しても、このような認識ではまともに取り組むつもりがないことを露呈しています。実施されることになった児童扶養手当の増額は、ひとり親世帯の約6割を占める子ども1人世帯には何の恩恵もないなどの例からも、貧困対策が不十分なことは明らかです。社会保障の削減、抑制はやめて、目標をもって貧困率の改善をはかるべきです。

【大阪維新の会】 ①思う

【生活の党と山本太郎となかまたち】 ①思う

【社会民主党】 ①思う
 日本の貧困率は、国際比較で見ても高い。貧困・格差の拡大は、国民の生活を壊すとともに、国民相互の不安、不信感を募らせ、社会の不安定につながります。所得格差、雇用のあり方、社会保障と税の再分配機能が機能不全を起こしている問題など、喫緊の大きな課題だと考えます。

【日本を元気にする会】

【日本のこころを大切にする党】 ①思う
 貧困が社会から見えづらくなっていること、社会が貧困に関心を持っていないことが現在の問題と考えます。

【新党改革】

Q2.生活保護の捕捉率について
 日本の生活保護の「捕捉率」(本来なら生活保護を利用することができる人たちのうち、実際に生活保護利用に至っている人の比率)は2~3割にとどまっており、受給漏れが多いと言われています。生活保護の「捕捉率」を上げるべきだと思いますか。

回答 ①思う  ②思わない  ③その他
その理由等(自由記載欄)

【自由民主党】 ③その他
 生活保護は、所得のみではなく本人の申請に基づき資産等も考慮して実施されるのもですので、一概に「捕捉率」の高低について議論することは難しいと考えています。
 最後のセーフティネットとして、生活保護を必要とされる方が確実に保護を受給できるようにすることは重要であると考えており、制度や相談窓口の周知や福祉事務所と民生委員等の関係機関との連携強化等に取り組んできたところです。

【民進党】 ①思う
 生活保護受給資格の要件をわかりやすく提示し、要件を満たした場合は適切に受給資格を付与するとともに、受給資格があるにもかかわらず、給付を受けない事態が放置されないように対応すべきです。

【公明党】

【日本共産党】 ①思う
 各国の捕捉率はドイツ6割、イギリス5~6割(求職者)、フランス9割(OECD基準)などであり、日本の捕捉率はあまりにも低い水準にとどまっています。
 2013年5月、国連の社会権規約委員会は、「スティグマ(恥辱)のために生活保護の申請が抑制されている」日本の現状に「懸念」を表明し、「生活保護の申請を簡素化」すること、「申請者が尊厳をもって扱われることを確保するための措置をとる」こと、「生活保護につきまとう恥辱を解消する」手立てをとることを日本政府に勧告しました。これらを真摯に受け止めてとりくむとともに、国として捕捉率を向上させる年次目標を設定し、生活保護法にも違反した行為や無法な指導をやめさせ、必要な人がきちんと保護をうけられるようにすべきです。

【大阪維新の会】 ③その他
 生活保護制度自体を見直して、より就労のインセンティブを与える形とする一方、本当に支援の必要な人には手厚い支給が出きるようにすべき

【生活の党と山本太郎となかまたち】 ①思う

【社会民主党】 ①思う
 日本の生活保護は、非常にスティグマ(烙印を押されたような恥辱感)が強く、申請に抵抗感があったり、手続きが煩雑であるなど問題が非常に多いと考えます。生活保護の受給は、憲法25条(生存権)にもとづいています。必要な人が権利を行使しやすくすべきです。

【日本を元気にする会】

【日本のこころを大切にする党】 ①思う

【新党改革】

Q3.生活扶助基準の引き下げについて
 2013年から2015年にかけて実施された史上最大(平均6.5%、最大10%)の「生活扶助基準引き下げ」についてどう思いますか。


回答 ①引き下げに賛成  ②引き下げに反対  ③その他
その理由等(自由記載欄)

【自由民主党】 ①引き下げに賛成
 生活扶助基準については、一般低所得世帯の消費実態や物価動向を踏まえて適切な水準となるように見直されたものと認識しています。
 生活保護制度は一般低所得世帯の消費実態とのバランスを踏まえながら、最低生活が保障される適切な水準を設定していくことが必要と考えています。

【民進党】 ②引き下げに反対
 生活保護基準引き下げについては、生活保護世帯のみならず、多くの低所得者が負担増となることが懸念されるため、その影響や実態把握を行い、勤労世帯がさらなる生活苦に陥らないよう見直しを求めてきました。

【公明党】

【日本共産党】 ②引き下げに反対
 強行された戦後最悪の保護基準引き下げは、物価高騰に苦しむ保護世帯にさらなる困窮を押し付け、とくに、子どもの数が多いほど減額幅も大きくなるやり方によって、「子どもの貧困」にも拍車をかけました。
 国民生活の最低ラインをしめす生活扶助基準の引き下げは、就学援助や住民税の非課税限度額、最低賃金や医療・介護の負担減免基準、保育料の減免基準などに連動しており、その切り下げは、保護を受けていない広範な低所得者にも被害を与えています。
 日本共産党は実施された保護費削減の改悪を全面的に見直し、物価上昇や生活実態にふさわしい水準への引き上げを求めて国会でも論戦してきましたが、今後も奮闘していきます。
 
【大阪維新の会】 ③その他
 引き下げの前に議員の身を切る改革と公務員人件費の削減が必要

【生活の党と山本太郎となかまたち】②引き下げに反対

【社会民主党】 ②引き下げに反対
 そもそも、この基準の引き下げは、「物価下落」を理由に実施されていますが、物価が下がっているのはパソコン、家具、大型の電気製品で、食費や光熱費などは下がっておらず作為的な引き下げです。生活扶助基準は、最低賃金、非課税世帯のラインなど、他の分野にも影響が及ぼすため、基に戻すべきです。

【日本を元気にする会】

【日本のこころを大切にする党】 ③その他
 デフレからの脱却を進め、基準の維持を最大限努力すべき。

【新党改革】

Q4.老齢加算の廃止について
 2004年から2006年にかけて減額、廃止された老齢加算について、復活されるべきと思いますか。


回答 ①思う  ②思わない  ③その他
その理由等(自由記載欄)

【自由民主党】 ②思わない
 老齢加算については、70歳以上の消費支出が70歳未満の消費支出よりも少ないことを踏まえて見直されたものと認識しています。
 生活保護制度は一般低所得世帯の消費実態とのバランスを踏まえながら、最低生活が保障される適切な水準を設定していくことが必要と考えています。

【民進党】 ③その他
 生活保護を受給する高齢者世帯の生活実態を踏まえて検討すべき課題であると考えます。

【公明党】

【日本共産党】 ①思う
 老齢加算は、「加算」といっても、不必要な「上乗せ」ではなく、かむ力が弱まるので消化吸収のよい食品、寒さや湿気に対応できる寝具、葬儀や墓参など社会的な付き合いなど特別な出費の必要性を保証するためのものです。老齢加算があったからこそ、高齢者が憲法25条が要請する「健康で文化的な最低限度の生活」を満たす上でも老齢加算は不可欠の給付だったと思います。
 保護費の2割をしめていた老齢加算の廃止によって、「香典を包めず葬儀にいけない」「故郷にいる兄弟の見舞いにもいけない」「お風呂を我慢している」「エアコンを使わず熱中症で病院に運ばれた」などの事態を引き起こし、高齢者の人間らしいくらしと健康をむしばんでいます。
 母子加算が復活されたように、老齢加算の復活が当然おこなわれるべきです。

【大阪維新の会】 ②思わない

【生活の党と山本太郎となかまたち】①思う

【社会民主党】 ①思う
 老齢加算の復活に賛成です。生活保護基準以下の生活を強いられている高齢者が存在する事実を政府はきちんと認識すべきです。老齢加算の廃止は高齢保護受給者の生存権を侵害しています。

【日本を元気にする会】

【日本のこころを大切にする党】 ②思わない
 高齢者の貧困については、抜本的な対策が必要。捕捉率の低い生活保護の制度ではいき届かない。

【新党改革】

Q5.社会保障全体の引き下げについて
 この間、生活保護基準の引き下げだけでなく、社会保障の負担増や給付の引き下げが続いていますが、これについてどう思いますか。


回答 ①引き下げはやむを得ない  ②引き下げるべきではない  ③その他
その理由等(自由記載欄)

【自由民主党】 ③その他
 世界に冠たる社会保障制度をしっかりと次世代に引き渡していくべく、制度の充実・安定化を図りつつ、同時に、重点化・効率化も進めていくことが必要であると考えています。

【民進党】 ③その他
 世代間公平に配慮しつつ、重点化を効率化によって、子どもから高齢者にわたる、持続可能な社会保障制度を構築すべきです。以前の時効政権のように一律に社会保障費をカットすべきではありません。

【公明党】

【日本共産党】 ②引き下げるべきではない
 社会保障の給付を引下げ、負担増を拡大させいくことには、いっそうの貧困と格差を増大させていくことにつながるため、給付の引き下げをおこなうべきではありません。格差をなくし貧困をなくしていくことは、すべての国民に健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障した25条の要請であり、家計をあたためて経済の好循環を生み出すカギとなります。
 社会保障の財源は富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革をおこない、消費税増税にたよらない「別の道」を歩むべきです。社会保障、若者、子育てに優先して税金を使うべきです。

【大阪維新の会】 ③その他
 引き下げの前に、議員の身を切る改革と公務員の人件費の削減が必要

【生活の党と山本太郎となかまたち】②引き下げるべきではない

【社会民主党】 ②引き下げるべきではない
 防衛費の縮減(普天間基地の辺野古移設を止める、オスプレイ配備を止める等)や不要不急の大規模公共事業の中止(リニヤ中央新幹線等)など歳出の見直し、予算を組み替えて社会保障の負担増や給付の引き下げを止めるべきです。

【日本を元気にする会】

【日本のこころを大切にする党】 ③その他
 経済成長する日本を取戻し、年率5%の成長を実現すれば、税収と社会保険収入が上がり、低所得者に回す給付を増やすことができる。

【新党改革】

6.憲法25条(生存権規程)の改正について
 日本の憲法25条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定めています。この間、憲法改正について議論されていますが、この生存権規定を今後も維持させるべきであるとお思いですか、あるいは家族の役割をもっと重視する など何らかの改正が必要であるとお考えですか。


回答 ①維持すべき  ②個人や家族の役割を強化すべき  ③その他
その理由等(自由記載欄)

【自由民主党】 ①維持すべき

【民進党】 ①維持すべき

【公明党】

【日本共産党】 ①維持すべき
 生存権を定めた25条は、世界の中の憲法でも先駆的で豊かな人権条項のうちの一つです。
 25条を力に生活保護費の引き上げがたたかわれた「朝日訴訟」では、東京地裁の第一審において「健康で文化的な生活水準』は単なる生存の水準ではなく、...年々の国家の予算額や政治的努力の如何によって左右されるべきものではない」という判決が出されました。国の責任で「人間に値する生存」を保障しなければならず、「健康で文化的な最低限度の生活水準」には、一定の客観的な基準があり、基準は予算の有無ではなく、むしろ予算を指導支配すべきものであることが鮮明になりました。この1960年10月19日の判決は、日本共産党の議会活動においても、多くの社会保障関連の運動においても、いまなお大きなよりどころとなっています。
 自民党の改憲案では、前文や家族の規定である24条において 自助・共助を強調し、さらに92条1項や93条3項などで地方自治体に責任をおしつけて「自立」を迫ることで、国の社会保障に対する第一義的な責任を免れようとしています。今後も生存権規定を維持すべきであり、改憲によって生存権・社会保障を自己責任化して家族や国民どおしの助け合いにゆだねられるべきではありません。
 また、自民党の改憲案では、25条に新たに「環境保全の責務」を加えて、いわゆる”環境権”を新しい人権の一つとして規定しようとしています。しかし、「国民と協力して」の挿入で、国の責任が弱められるおそれがあり、現状よりも後退しかねません。
 現在の憲法が「時代に合わない」のではなく、憲法の先駆的な原則を踏みにじり続けてきた自民党政治こそ、「時代おくれ」になっています。

【大阪維新の会】 ①維持すべき

【生活の党と山本太郎となかまたち】 ①維持すべき

【社会民主党】 ①維持すべき
 家族の尊重義務を設け、福祉や社会保障を家族の責任に転嫁し、その費用の削減も狙う憲法改悪には反対です。家族や生き方が多様化するなかで、個人の尊重を軸とし、すべての国民に生存権を規定する現憲法はさらにいかすべきです。

【日本を元気にする会】

【日本のこころを大切にする党】②個人や家族の役割を強化すべき

【新党改革】

以上

スポンサーサイト


160718権利としての生活保障を求めて
印刷版(PDF) のダウンロードはこちらから click!


生活保護問題対策全国会議設立9周年記念集会
「健康で文化的な生活」は何処へ?~権利としての生活保障を求めて


 予算の削減が続く社会保障の現場は一触即発。保育の分野では「保育園落ちた」という-個人のブログが大きなうねりを巻き起こし、高等教育の分野でも給付型奨学金の創設が政治課題となりつつあります。
 時代の転換点にある今、生活保護の分野でも、バッシングを乗り越えて、制度への理解と利用を促すにはどうすればよいか。全国27都道府県で900名近い当事者が原告として提訴している生活保護基準引き下げ違憲訴訟を足場に取り組めることは何か。各界のパネリストの方々とともに考えたいと思います。

 ぜひ、ご参加ください。

日時 2016年7月18日(月・海の日)
     13時~17時(12時30分受付開始)
場所 ハイライフプラザいたばし

  
申込不要・入場無料

プログラム
13時 開会挨拶・基調報告
「生活保護をめぐる最近の状況」

   小久保哲郎(弁護士・当会議事務局長)

13時10分 基調講演
 「当事者アンケートにみる生活保護基準引き下げの影響」

   山田 壮志郎さん(日本福祉大学社会福祉学部准教授)

【山田さんのプロフィール】1976年生まれ。日本福祉大学大学院社会福祉学研究科社会福祉学専攻博士後期課程修了。
社会福祉士。2010年4月より現職。専攻は公的扶助論。
著書に『ホームレス支援における就労と福祉』(明石書店、2009年。同署で第16階社会政策学会賞受賞)。
『無料定額宿泊所に関する研究』(明石書店、2016年)。


13時30分 当事者発言

13時45分 基調講演
 「大きなパイを隠してるのは誰?こんな分け前じゃ生きられない!」

   さいき まこさん(漫画家)

【さいきさんのプロフィール】2013年『陽のあたる家~生活保護に支えられて~』(秋田書店刊)を出版・「生活保護を日本で最初に本格的に取り上げた漫画」として新聞各紙、テレビ番組などで取り上げられ話題となる。2014年「貧困ジャーナリズム大賞」特別証を受賞。2015年『神様の背中~貧困の中の子どもたち~』(秋田書店刊)を出版。

14時35分 休憩

パネルディスカッション「権利としての生活保障を求めて」
   コーディネーター:稲葉 剛さん(住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人)
   パネリスト
   ・花井 圭子さん(労働者福祉中央協議会事務局長)
   ・我那覇 圭さん(東京新聞政治部記者)
   ・山田 壮志郎さん(日本福祉大学準教授)
   ・さいき まこさん(漫画家)

16時25分 まとめ
 「これからの私たちの取り組み」

   尾藤 廣喜(弁護士、党会議代表幹事)

主催 生活保護問題対策全国会議
後援 公正な税制を求める市民連絡会







印刷用(PDF)のダウンロードはこちら click!
2016(平成28)年5月18日


Q&A 震災と生活保護

【2016年 熊本地震版】


作成:生活保護問題対策全国会議


 生活に困ったとき、被災の現場で生活保護制度が活用されることを願って、震災と生活保護をめぐる主な論点について、改めて整理しました。
 このQ&Aは、引用・配布など、どうぞご自由にご活用ください。  
(2016年5月18日)

Q1(厚生労働省の主な通知)
 震災時の生活保護の取扱いについて、国は、どのような通知を出していますか?

A 国は、熊本地震においても東日本大震災時の取扱いに準じるとしています。

 厚生労働省は、東日本大震災のとき、生活保護の取扱いについて、次の3つの通知を出しています。
 ① 平成23年3月17日付け社会・援護局保護課長通知「東北地方太平洋沖地震による被災者の生活保護の取扱いについて」(以下、「通知①」といいます)
 ② 平成23年3月29日付け社会・援護局保護課長通知「東北地方太平洋沖地震による被災者の生活保護の取扱いについて(その2)」(以下、「通知②」といいます)
 ③ 平成23年5月2日付け社会・援護局保護課長通知「東日本大震災による被災者の生活保護の取扱いについて(その3)」(以下、「通知③」といいます)

 そして、今般の熊本地震を受けて、厚生労働省は、平成28年4月27日付け社会・援護局保護課保護係長事務連絡「平成28年熊本地震による被災者の生活保護の取扱いについて」を出し、東日本大震災の際の上記3つの保護課長通知に「準じて取り扱う」としています。

厚生労働省HP
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000123912.html
上記通知類PDF
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10600000-Daijinkanboukouseikagakuka/0000123911.pdf



Q2(避難所等の避難先での生活保護受給)
 私は、今、避難所で生活しています。生活保護の申請に行ったら、炊き出し、配給等によって最低生活が確保されているし、居住地(被災地)と離れているからダメと言われました。避難所で生活保護は受けられないのでしょうか。

A そんなことはありません。避難所でも生活保護は受けられます。
 通知①は、「今般の地震により本来の居住地を一時的に離れて遠方に避難している場合、本来の居住地に帰来できない等被災者の特別な事情に配慮し、避難先の保護の実施機関が実施責任を負い現在地保護を行うものとすること。」とし、さらに「被災者の状況を十分配慮し、生活保護の申請意思が確認された場合においては、申請権の侵害がないよう留意の上、迅速に対応すること。」と注意が呼び掛けられています。
 通知②も、避難所で生活保護が受けられることを当然の前提としています。
 つまり、居住地を離れた避難所で避難している場合、避難所を管轄する役所で生活保護を受けることができます。



Q3(被災地に残した資料や資産)
 被災地から着のみ着のまま避難してきました。通帳など資産を証明する書類が手元に何もありませんし、地元に残した自動車や自宅がどうなっているかも分かりませんが、生活保護を受けることができますか。

A 資産を証明する書類がなくても生活保護を受けることができます。
 通知②も、「避難所において保護費を支給する場合、必要な保護費を遺漏なく支給すること。被災状況によっては、生活実態の把握が十分できない場合も考えられるが、被災者の特別な事情に配慮し、不足が生じることのないよう配慮すること」として、手持ち資料等が不十分で生活実態や財産状況が不明確であっても、まずは保護を適用すべきことを明確にしています。
 また、通知①は、「被災者が本来の居住地に資産を残さざるを得ない場合等については、被災者の特別な事情に配慮し、『生活保護法による保護の実施要領について』(略)第3の3に掲げる『処分することができないか、または著しく困難なもの』として取り扱うこととすること。」としており、被災地に処分困難な資産があっても生活保護は適用し得ることを明確にしています。
 ただし、被災地に残した自動車、不動産その他の資産について、後日、処分可能となって資産が現実化した場合には、生活保護法63条によって、それまで受給した保護費の費用返還義務を負う可能性がありますので、その点注意が必要です。



Q4(避難所で受け取れる生活保護費)
 避難所で生活保護を受ける場合、生活保護費はいくら受け取れますか。炊き出し等の実費分を差し引かれたりするのでしょうか。

A 炊き出し等の実費分を生活保護費から差し引かれることはありません。
 避難所等において災害救助法による「炊き出しその他による食品等の給与」等を受けていたとしても、これは緊急時の給与という性格で、被災による新たな需要のごく一部を補うものに過ぎないこと、実額の算出が事実上不可能であることなどから、収入認定すべきではありません。
 通知②が、「体育館・公民館等の避難所における最低生活費の算定に当たり、生活扶助は居宅基準を計上すること。ただし、避難所の代わりに旅館・ホテル等を借り上げた場合については、具体的な事例に即し、個別に判断すること」としているのは、上記と同一の見解に立ち、少なくとも,「体育館・公民館等の避難所」については、炊き出し等の食品等の給与を受けていても収入認定することなく居宅基準の生活扶助費を支給すべきとしているものです。
 なお、阪神淡路大震災の際にも避難所で供与された食品等についての収入認定は行われませんでした。



Q5(義援金その他の給付金と生活保護)
 震災後、生活保護を受給していますが、このたび、義援金を受け取りました。義援金は収入認定されて、その分保護費は減らされてしまうのでしょうか。
 日本財団や熊本市等の見舞金や、災害救助法等に基づく給付金の場合はどうでしょうか。

A 「自立更生計画書」を出すことで、生活用品、家具、家電等の生活基盤の回復に直接必要なものはもちろん、生業、教育、住家(建築・補修)、介護等当該世帯の自立更生に必要な費用は幅広く収入認定除外されます。

 本来、生活保護を受給している者が受領した義援金については、次官通知第8-3(3)アの「臨時的に恵与された慈善的性質を有する金銭」として、自立更生計画書の提出を要せず収入認定の対象にならないものと解すべきです。
 通知③は、次官通知第8-3(3)オの「臨時的に受ける補償金、保険金または見舞金」に該当し、「自立更生計画書」を提出することによって、「当該被保護世帯の自立更生のために当てられる額」については収入認定しないという立場ですが、以下のとおり、かなり柔軟な取扱いを指示しています。

1)第1次義援金等について
 まず、第1次義援金のように緊急的に支給される義援金等については、費目・金額を積み上げずに包括的に自立更生計画に計上すればよく、使途の確認も必要ないとしています。つまり、第1次義援金については、自立更生計画書を出しさえすれば、生活再建に関わる支出なら事実上自由に使うことができます。

2)その他の義援金等について
 その他の義援金等についても、自立更生計画書に、生活用品・家具、家電等の生活基盤の回復に直接必要なものはもちろん、生業、教育、住家(建築・補修)、介護等の当該世帯の自立更生に必要な費目と金額を明記すれば、収入認定除外されます。同通知は、「被災者の被災状況や意向を十分に配慮し、一律・機械的な取扱いとならないよう留意するとともに、(略)被災者の事務負担の軽減に努めること。」として、自立更生計画の内容や疎明の程度については柔軟かつ弾力的に対応することを求めています。
通知③に「自立更生計画書」の様式が示されていますので活用してください。

3)経費が計画を下回り余りが生じた場合について
 通知③は、実際の経費が計画を下回り残余が生じた場合についても、「計上額と購入額との差額分の範囲内で、別途、自立更生のために充てられる費用として認定して差し支えな」く、このような場合、差額分の使途を事前に報告するなどすれば、「自立更生計画を再度策定する必要はない」としています。
 つまり、事前に報告さえすれば、再度自立更生計画をつくらなくても、余った差額分を自立更生のために使うことが認められるのです。

4)その他の見舞金や災害救助法の給付金について
 熊本地震では、日本財団が「全壊」「大規模半壊」の世帯に20万円、熊本市が「全壊」の世帯に5万円、「半壊」の世帯に3万円の見舞金を支給するとしています。これらの金銭については、金額の規模と見舞金という性格から、上記1)の第1次義援金と同様に包括的記載で良いものと取り扱われるべきです。
 被災者生活再建支援法による支援金、災害弔慰金法による弔慰金等については、金額の規模が比較的大きいので、上記2)と同様に取り扱われることになると思われます。
 また、災害を受けたことにより臨時的に必要となる経費として社会福祉協議会から生活福祉資金を借りた場合や、災害弔慰金法に基づいて災害援護資金を借りた場合には、それらが自立更生に充てられるのであれば、貸付金は収入認定せず、また、その償還金は生活保護の収入認定にあたって収入から控除される取扱いになっています〔保護課長通知第8-11〕。つまり、その両方が認められれば、事実上給付を受けたのと同じ効果を持つこととなります。



Q6(被災者の自動車保有と生活保護)
 生活保護の申請に行きましたが、自動車は処分するように言われました。被災地の交通の便が悪く、今後の生活基盤の再建のためにも自動車は手放したくないのですが認められないのでしょうか。

A 行方不明の家族を捜す等の特別事情があれば自動車を処分せずに生活保護を受ける余地があります。

 生活保護受給者の自動車保有については、運用上厳しく制限されて来ましたが、2011年4月19日の参議院厚生労働委員会における川田龍平議員の質問に対して、清水美智夫厚生労働省社会・援護局長(当時)は、通知①に言及しながら、「行方不明のご家族をお捜しになるためであるとか、そういった特別な事情がある場合の自動車といったものはこの通知に該当しますので、処分されなくとも生活保護の適用というものが十分考えられると思ってございます。」と答弁しました。
 なお、生活保護受給者の自動車保有を厳しく制限する従来の通知の問題点については、日本弁護士連合会の2010年5月6日付「生活保護における生活用品としての自動車保有に関する意見書」(日弁連HPhttp://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2010/100506.html)をご参照ください。
 


Q7(避難先との世帯認定)
 震災後、実家に避難して生活しているのですが、両親も年金暮らしで余裕がないため出ていきたいと思っています。生活保護申請に行くと、両親と同一世帯なので全体として保護の要否を判定すると言われました。私だけ生活保護を受けて出ていく方法はないのでしょうか。

A 避難が一時的であれば、避難者だけが生活保護を受けて転居先の敷金等の支給を受けることができます。

 この点、平成21年12月25日付厚生労働省社会・援護局保護課長通知「失業等により生活に困窮する方々への支援の留意事項について」は、「失業等により住居を失い、一時的に知人宅に身を寄せている方々から保護の申請がなされた場合には、一時的に同居していることをもって、知人と申請者を同一世帯として機械的に認定することは適当ではないので、申請者の生活状況等を聴取したうえ、適切な世帯認定を行うこと」としています。ここで書かれていることは、震災で住居を失った方にも当然にあてはまりますし、知人宅のみならず、生活保持義務関係(夫婦や親と未成熟子の関係)にない親族、きょうだい、親子宅であっても、一時的な避難先として居住している場合には、形式的に同一世帯と見ることなく、適切な世帯認定を行うべきです。
 そして、被災者の単身世帯として生活保護が開始された場合には、局長通知第7の4(1)カの「転居に際し、敷金等を必要とする場合」の解釈に関する課長通知第7の30の答12「住宅が確保できないため、親戚、知人宅等に一時的に寄宿していたものが転居する場合」に該当するものとして、転居先の敷金や引っ越し代等の支給を認めるよう申請するとよいでしょう。



Q8(避難先からの住宅の確保)
 避難所や仮設住宅から一般の民間賃貸住宅に転居する場合、新住居の敷金その他の転居費用を生活保護から支給してもらうことはできますか。

A 避難所や仮設住宅で生活保護の適用を受けると新住居の敷金等の転居費用を支給してもらえます。

 前出の課長通知第7の30の答6「宿所提供施設、無料低額宿泊所等を一時的な起居の場として利用している場合」または同8「火災等の災害により現住居が消滅し、又は居住に耐えない状態になったと認められる場合」に該当するものとして、敷金、保証金や引っ越し代等を支給してもらうことができます。



Q9(家具什器費、布団代、被服費)
 地震で住宅が全壊し、家財道具、布団、服等がほとんど使えなくなってしまいました。これらの費用を生活保護から支給してもらうことができますか。

A 家財道具、布団、衣服等の費用を保護費で支給してもらうことができます。

 局長通知第7の2では、「災害にあい、災害救助法が発動されない場合において、当該地方公共団体等の救護」もない場合には、炊事用具、食器等の家具什器費として27,800円(特別基準44,400円)の支給が認められます。しかし、2000年までは、「限度額を超えて費用を必要とする特別の事情があると認められ、都道府県知事が承認した場合」は7万円とされており、阪神淡路大震災の際には家具什器費として7万円まで認められていました。現在は特別基準設定の権限は厚生労働大臣にしかないことになっていますので、今回も同様の対応が強く求められます。
また、同様に「布団類」に18,800円、「平常着」や「学童服」に13,600円、おむつ代に20,100円なども支給が認められます。





印刷用(PDF)のダウンロードはこちら click!
2016(平成28)年4月25日


大阪市の生活保護費プリカ支給断念をふまえ
吉村市長発言の危険性を指摘する声明
 
  

生活保護問題対策全国会議
代表幹事 尾 藤 廣 喜


1 はじめに
 大阪市は,本年4月14日,昨年4月からモデル事業として実施していたプリペイドカード(以下,「プリカ」という。)による生活保護費の支給(以下,「本事業」という。)を今年3月末をもって終え,本格実施を断念することを明らかにした。当会は,他の160団体とともに,昨年3月5日,大阪市に対し,「プリペイドカードによる生活保護費支給のモデル事業撤回を求める要望書」を提出し,本事業の実施に強く反対していたところであり ,今般の大阪市の事業断念そのものについては,当然のこととはいえ歓迎する。しかし,各種報道によれば,同市の吉村洋文市長は,会見で,「本当は原則カード支給にしたいが,法律上強制はできない。国の制度を変えないと普及は難しい。利用者アンケートの結果を検証して国に制度変更を要望したい。」などと述べたという。この吉村市長の発言は,本事業の違法性や問題点を全く理解しない発言であって到底容認できない。

2 本事業の問題点1~生存権(憲法25条)・プライバシー権(憲法13条)侵害等
 生活保護法31条が金銭給付を原則とした趣旨は,生活保護費の使途は自由であることを確認した福岡高等裁判所平成10年10月19日判決(最高裁第三小法廷平成16年3月16日判決によって確定)が判示したとおり,生活保護制度の目的が,憲法25条の生存権保障を具体化し,人間の尊厳にふさわしい生活を保障することにあり,そのような生活の根本は,自らの生き方ないし生活を自ら決するところにあるからである。
 しかし,プリカが使える店は非常に限られていて選択の範囲が著しく狭められるだけでなく,化学物質過敏症等のアレルギーや糖尿病等の疾病をもつため特定の店舗等を通じてしか安全な食材等を入手できない人にとっては生命や健康さえ危険にさらされる。また,生活保護の実施機関が,プリカの利用履歴を把握し,生活保護利用者の生活全般を管理支配することは,生活保護利用者のプライバシー権・自己決定権(憲法13条)の著しい侵害である。
 なお,「保護費をパチンコ等に費消する人の支援」が本事業導入の理由の一つに挙げられていたが,ギャンブルやアルコール依存症の問題は,きめ細やかで根気強い専門的な治療や支援なくして解消できるものではなく,プリカで強制管理すれば解決するというような問題ではない。

3 本事業の問題点2~大手カード会社による国家的規模の貧困ビジネスの始まり
 そもそも大阪市は,2013年9月の時点では,本事業に消極的な姿勢を明確にしていたにもかかわらず ,橋下徹前市長が,三井住友カードと富士通総研の提案を採用して,「日本初」の本事業が開始された経緯がある。提案企業は,児童手当や災害手当等の各種給付年間100億ドル以上がプリカ支給されている米国を模範に,大阪市を皮切りに全国の自治体への展開を進め,公的給付全般についての利用拡大を目指す野心を露わにしている 。生活保護でプリカ支給が原則とされれば,同様に税金が財源(の一部)となっている,老齢年金,障害年金,児童手当,児童扶養手当等の公的給付も,プリカ支給されるようになることは決して杞憂ではない。大手カード会社が,福祉給付を利潤の源として食い物にする国家的規模の貧困ビジネスの始まりである。

4 吉村市長発言の危険性
 仮に,吉村市長が,生活保護法31条の金銭給付原則を改正すれば本事業が許されることになると考えているとすれば大きな間違いであり,それは,生存権(憲法25条)やプライバシー権(憲法13条)の根幹を否定する極めて危険な発想であると言わなければならない。また,福祉給付を利潤の源として大手カード会社に売り渡す,自治体の首長としてあるまじき姿勢であると言わなければならない。
 当会は,吉村市長が国に対する軽率な提言や要望を行うことのないよう予め強く要望するとともに,大阪市が,かかる軽挙に出ることのないよう,他の心ある諸団体と連携しつつ,その動静を注視していく決意を表明するものである。
 


第8回生活保護問題議員研修会
  "貧困の連鎖"を断ち切るために
  富山で生活保護を考える。



  行政だからこそ、 
    出来ることがあります。
      連鎖を止める第一歩。


例年、ご好評いただいている地方議員の皆さま方を対象とする生活保護制度に関する研修会を今年も開催いたします。
近年、史上最大の生活保護基準の引き下げや法「改正」が相次ぐ一方、生活困窮者自立支援法や子どもの貧困対策基本法などの新たな法制度も実施され始めています。
各分野の専門家を講師として迎え、地方行政に何ができるのかを考えます。是非、多数ご参加いただけますよう、ご案内申し上げます。

第8回生活保護問題議員研修会

★リーフレット(PDF/2.2MB)をダウンロード
★申込み書(PDF)のみダウンロード

本研修会については、定員をオーバーしましたので、申込みを締め切りました。
大変申し訳ありません。



【日時】8月26日(金)~8月27日(土)

【場所】富山県民共生センター・サンフォルテ(両日) アクセス

【対象者】地方議会議員

【参加費】1万5000円
 ※1日目交流会(自由参加)1000円
 ※2日目お弁当 900円

【参加申し込み】
 ①申込書をFAX、②メールを送信、の方法によりお申し込み下さい。
 ※ホテルは、各自でご準備ください。
 ※会場の富山共生センター・サンフォルテでは申し込みを受け付けておりませんのでご注意ください。
→【申込先】マックチャレンジサポート議員研修会担当
 電話070-5567-4771 FAX 03-6912-4854
  koufuken@gmail.com
 営業時間:平日9:00~17:00(土日祝休)
参加申込みは締め切りました。

【主催】生活保護問題対策全国会議
    全国公的扶助研究会



 プログラム・1日目(11:30 受付開始)  
 11:55 ドキュメンタリー映画「隣る人」刀川和也監督(自由参加)
 13:30 開会挨拶・基調報告
     「生活保護『改革』と生存権の保障 〜生活保護をめぐる最近の動きについて〜」
       吉永 純さん(全国公的扶助研究会会長・花園大学教授)
 13:50 講演1
    「いまなぜ『下流老人』なのか 〜広がる高齢者の貧困と対策の必要性」
       藤田孝典さん
       (NPO法人ほっとプラス代表理事、聖学院大学客員准教授)
 15:40 講演2「自治体に求められる子どもの貧困対策」
       中塚久美子さん(朝日新聞生活文化部専門記者)
 17:10 特別報告「生活扶助基準引き下げ訴訟は今…」
       西山貞義さん
       (弁護士・生活保護基準引き下げ違憲訴訟富山弁護団事務局長)
 18:00 交流会(自由参加)

  プログラム・2日目(9:00 受付) 
  9:30 分科会
   第1分科会 生活保護なんでもQ&A
   第2分科会 違法運用を起こさない職員体制とは
   第3分科会 生活困窮者自立支援法は機能しているか
   第4分科会 子どもの学びを自治体でどう支えるか
   第5分科会 自治体で考える住宅セーフティネット
   第6分科会 低所得者への医療保障(国保、無料定額診療事業、医療扶助)を考える
 13:00 講演3
  「反貧困の財政と地方自治~『救済』から『連帯』へ」
       高端正幸さん(埼玉大学准教授)
 14:30 まとめ「行政だからできること」
       尾藤廣喜さん(弁護士・生活保護問題対策全国会議代表幹事)
 

 各プログラムの内容ご紹介 
【1日目】
ドキュメンタリー映画「隣る人」(監督:刀川和也)(自由参加)  
地方のとある児童養護施設。ここでは様々な事情で親と一緒に暮らせない子どもたちが 「親代わり」の保育士と生活を共にしている。壊れた絆を取り戻そうと懸命に生きる人々の、平凡だけど大切な日々の暮らしは今日も続く。
→詳しくはこちらをご覧下さい

基調報告「生活保護『改革』と生存権の保障 〜生活保護をめぐる最近の動きについて」
講師:吉永純さん
全国公的扶助研究会会長・花園大学教授。福祉事務所20年、生活保護ケースワーカー12年の経験を生かして、貧困問題、生活保護、福祉事務所の在り方を研究。著書は『生活保護「改革」と生存権の保障』(2015年)明石書店など。

講演1 「いまなぜ『下流老人』なのか 〜広がる高齢者の貧困と対策の必要性〜」
全国で高齢者の貧困が見えるようになっています。老老介護、一家心中事件、孤立死、高齢者世帯の生活保護増加、低年金…。今後ますます高齢化が進む地域社会において、まずは現状を把握し、政治や政策的な課題に迫ります。
講師:藤田 孝典さん
NPO法人ほっとプラス代表理事、聖学院大学客員准教授.1982年生まれ。社会福祉士。首都圏で生活困窮者支援を行うソーシャルワーカー。生活保護や生活困窮者支援の在り方に関する活動と提言を行う。反貧困ネットワーク埼玉代表。ブラック企業対策プロジェクト共同代表。厚生労働省社会保障審議会特別部会委員。著書に『下流老人 一億総老後崩壊の衝撃』(朝日新聞出版 2015)『ひとりも殺させない』(堀之内出版 2013)など。

講演1「自治体に求められる子どもの貧困対策」
6人に1人の子どもが貧困状態にある我が国。2013年、子どもの貧困対策法が成立し、自治体は具体的な対策の担い手としての役割が期待されています。自治体はどのような取り組みを進めていけばいいのか、事例を参考に学びながら、地方議員に何ができるのかをお話いただきます。
講師:中塚 久美子さん
朝日新聞生活文化部専門記者(子ども、貧困)。家庭の貧困や学びの格差による高校中退や定時制志願者急増など、子どもの貧困関連報道で2010年、貧困ジャーナリズム賞受賞。著書に「貧困のなかでおとなになる」(かもがわ出版)。

特別報告「生活扶助基準引き下げ問題は今…」
全国26都道府県で850名を超える原告が違憲訴訟を提起して立ち上がっています。何が問題か弁護団の弁護士が報告するとともに、当事者の生活実態と訴訟にかける思いについて原告が語ります。
講師:西山 貞義さん
生活保護基準引き下げ違憲訴訟富山弁護団事務局長。2007年検事任官。2010年検事退官,弁護士登録。ホームレス等生活困窮者支援に取り組んでいる。富山県弁護士会貧困問題対策委員会委員長等。

【2日目】
分科会
●第1分科会 生活保護なんでもQ&A
生活保護相談でよく問題になる論点について、「歩く生活保護手帳」と呼ばれ、あるべき実務運用を知り尽くした鉄壁のコンビが解説します。議員の皆さんの悩みや質問にも即座に回答。当議員研修会、恒例の分科会です。
講師:觜本 郁さん
神戸公務員ボランティア。阪神淡路大震災の支援活動の中で生まれた「神戸の冬を支える会」(ホームレス支動)や「NGO神戸外国人救援ネット」(外国人支援)の活動にたずさわる。元神戸市職員。

講師:林 直久さん
自治体職員。ケースワーカーをはじめ、生活保護の仕事に20年近く携わり、生活保護の実務運用を隅々まで知り尽くす。共著に「誰も書かなかった生活保護法」、「これが生活保護だ」などがある。

講師:森 弘典さん
弁護士。1999年弁護士登録。司法修習中に、野宿労働者の生活保護適用・稼働能力活用が問題となった林訴訟に関わる。2002年、愛知県弁護士会の人権擁護委員会に生活保護問題チーム(後に部会)を立ち上げ、2003年以降、炊き出しの場で行う野宿者総合法律相談を企画し実施する。日弁連・貧困問題対策本部委員。

●第2分科会 違法運用を起こさない職員体制とは
生活保護現場は、経験年数3年未満のケースワーカーが約63%を占めています。「標準数」をはるかに超える世帯を担当したり、非正規雇用のケースワーカーも増えています。また、指導監督する査察指導員も生活保護業務未経験者が配置されています。本分科会では、絶えない違法運用の背景にある職員体制を改善するにはどうすれば良いかを考えます。
講師:松崎 喜良さんさん
神戸女子大学教授。大阪市役所で31年間、生活保護ケースワーカーに従事。大学での仕事をする傍ら、生活保護問題対策全国会議、全国公的扶助研究会などにも参加。大阪市生活保護行政問題全国調査団では、大阪市の職員体制問題を担当した。
講師:衛藤 晃さん
神戸市兵庫区役所保護課、全国公的扶助研究会事務局次長。人と接する仕事がしたくて大学では公的扶助を専攻。生活保護ケースワーカー19年目。これまでの経験と実践を通して、福祉事務所のケースワーカーのあり方、実施体制のあり方について、様々な形で研究中。

●第3分科会 生活困窮者自立支援制度は機能しているか
生活困窮者自立支援法は、2015年4月から、福祉事務所を設置する全ての自治体に「自立相談支援事業」の実施を義務づけました。制度開始から1年を過ぎ、本当に生活困窮者のための制度として機能しているのでしょうか。現状と問題点、有効な活用方法、そして改善への展望を探ります。
講師:谷口 伊三美さん
生活保護ケースワーカー養成講座代表。27年にわたり、大阪市東淀川区で生活保護の現業に携わる。2014年度からは生活困窮者自立支援法の関連事業も担当。後進育成ため、自主的研修会である生活保護ケースワーカー養成講座を運営。
講師:仲野 浩司郎さん
羽曳野市自立相談支援窓口、主任相談支援員。大学卒業後、民間の医療機関で医療ソーシャルワーカーとして勤務。平成21年に羽曳野市に入職し生活保護CWを経て、現在は生活困窮者自立支援制度を担当。主任相談支援員として困窮者の支援を行っている。
講師:小久保 哲郎さん
弁護士、生活保護問題対策全国会議事務局長。1995年大阪弁護士会登録。野宿からの居宅保護を求めた佐藤訴訟など、野宿生活者や生活保護利用者の法律相談や裁判に取り組んできた。編著に「すぐそこにある貧困」(法律文化社)、「Q&A生活保護利用者の法律相談」(新日本法規)など。

●第4分科会 子どもの学びを自治体でどう支えるか
生活保護法で義務教育や高校生にどのような扶助をしているのか、大学等への進学についての扱いについて説明します。そのうえで、貧困の連鎖を避けるためには、現在の制度や運用のどこに課題があり、それを補うために、自治体でできることは何かについて考えます。
講師:田川 英信さん
東京都世田谷区玉川福祉事務所。東京都世田谷区で、生活保護ケースワーカー、保護係長を15年間経験し、定年退職。現在、再任用で再び生活保護職場に戻り、現場での問題意識を発信し続けている。全国公的扶助研究会運営委員・生活保護問題対策全国会議幹事
講師:中塚 久美子さん
朝日新聞生活文化部専門記者(子ども、貧困)。家庭の貧困や学びの格差による高校中退や定時制志願者急増など、子どもの貧困関連報道で2010年、貧困ジャーナリズム賞受賞。著書に「貧困のなかでおとなになる」(かもがわ出版)。

●第5分科会 自治体で考える住宅セーフティネット
昨年の研修会の講演で初めて住宅問題を取り上げたところ好評を頂いたので、分科会で取り上げてさらに深めることにしました。先進地域の取り組みをご紹介しながら、自治体でできる住宅政策を考えます。
講師:稲葉 剛さん
住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人。1994年より、東京で路上生活者を中心とした生活困窮者の相談支援に取り組む。2014年に一般社団法人つくろい東京ファンドを立ち上げ、空き家を活用した居住支援をおこなっている。立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任准教授。
講師:露木 尚文さん
(株)都市・住宅問題研究所代表取締役。都市計画コンサルタント。一級建築士、技術士(都市及び地方計画)。2012年より豊島区居住支援協議会の事務局メンバーとして、空き家を活用した居住支援の仕組みづくりに取り組んでいる。日本住宅会議理事。

●第6分科会 低所得者への医療保障(国保、無料低額診療事業、医療扶助)を考える
市町村国保会計の徹底分析による国保料引き下げの展望、2018年度からの都道府県単位化による影響、国保からの排除層の受け皿となっている無料低額診療事業・生活保護の医療扶助の課題について、最新情報をもとに考えます。寺内順子著「基礎から学ぶ国保」(2015年日本機関紙出版センター)をお持ちの方はご持参ください。
講師:寺内順子さん
大阪社会保障推進協議会事務局長。佛教大学社会学部卒業後豊中市の障害児・者施設に勤務。1991年大阪社会保障推進協議会入局。所謂「無保険のこども」解消のきっかけとなった調査を2008年6月に実施し、発信した。著書(共著含む)に「国保広域化でいのちは守れるのか?」(かもがわ出版)等。
講師:吉永 純さん
全国公的扶助研究会会長・花園大学教授。福祉事務所20年、生活保護ケースワーカー12年の経験を生かして、貧困問題、生活保護、福祉事務所の在り方を研究。著書は『生活保護「改革」と生存権の保障』(2015年)明石書店など。

講演3 「反貧困の財政と地方自治〜「救済」から「連帯」へ」
多くの社会保障分野で「財源不足」を理由に削減が相次いでいます。人間の暮らしを支えるという「国の財政」の本来的使命を果たすためには、どのような税と社会保障の制度が必要なのか、地方政治に出来ることは何か。気鋭の経済学者の提言です。
講師:高端 正幸さん
埼玉大学准教授。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。聖学院大学、新潟県立大学等をへて、2015年より現職。博士(経済学)。東京都税制調査会委員、新潟県税制調査会委員等を務める。著書に『復興と日本財政の針路』(岩波書店)、『地域切り捨て-生きていけない現実』(岩波書店、金子勝氏との共編著)等。

まとめ 「行政だからできること」
講師:尾藤 廣喜さん
弁護士、生活保護問題対策全国会議代表幹事。70年、厚生省入省。75年、京都弁護士会に弁護士登録後、数々の生活保護裁判を勝利に導いてきた。著書に「生存権」「生活保護『改革』ここが焦点だ!」(共著)など。


<これまでの参加者の声>

●初めて参加しましたが、たいへん勉強になりました。頭の中でバラバラになっていた社会保障、 生活保障をキーワードにつながった気がします。
●毎回、目からウロコの学習をさせていただいています。生活困窮者支援の声を政策に活かす為頑 張ります。ケースワーカーの待遇改善もワーキングプア対策として重視しています。
●このような全面的な議員研修会が、毎年、7回にわたって開催されていることは素晴らしいことです。 今後も出来る限り参加したいと思います。


RECENT ENTRYS

RECENT COMMENTS

RECENT TRACKBACKS

来場者数 (2012.6.19~)

コンテンツ

書籍のご案内

生活保護に関する書籍を監修・編著・発行しています。
書籍のご案内は、こちらをご覧下さい
①ネットのでのお申込は
 → 注文フォーム
②FAXでのお申込は、
 → 注文用紙をダウンロード

入会案内・寄付お願い

当会の活動・趣旨に賛同いただける方の入会・寄付を、随時受け付けています。
 →当会の設立趣旨と活動
会員には年1~2回の会報をお送りするほか、メーリングリストで生活保護問題についての情報交換をしています。
入会は、こちらから入会申込書をダウンロード(クリックしてください) の上、事務局までFAXをお願いします。

年会費
○弁護士・司法書士 5,000円
○団体      5,000円
○一般      2,000円
(生活保護利用者、それに準じる所得の方は1,000円)

会費・寄付のお振り込みは以下の口座までご送金下さい。
 りそな銀行 柏原支店
 普通 0096268
 生活保護問題対策全国会議

問い合わせ先


【お願い】個別事例に対する相談はお受けしておりません。各地の生保ネット clickにご相談下さい。

(事務局)
〒530-0047
大阪市北区西天満3-14-16
西天満パークビル3号館7階
あかり法律事務所
  弁護士 小久保 哲郎
 電話 06-6363-3310
 FAX 06-6363-3320

(ブログ作成担当)
〒582-0006
大阪府柏原市清州1-2-3-4
とくたけ司法書士事務所
司法書士 徳武聡子
電話 072-970-2232
FAX 072-970-2233

 seihokaigi@hotmail.co.jp

過去の記事を探す

リンク


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。