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東京都生活保護運用事例集2017-1
東京都生活保護運用事例集2017-2
東京都生活保護運用事例集2017-3
生活保護問題対策全国会議は、すべての人の健康で文化的な生活を保障するため、貧困の実態を明らかにし、福祉事務所の窓口規制を始めとする生活保護制度の違法な運用を是正するとともに、生活保護費の削減を至上命題とした制度の改悪を許さず、生活保護法をはじめとする社会保障制度の整備・充実を図ることを目的として、2007年6月に設立された団体です。法律家・実務家・支援者・当事者などで構成されています。
1 居宅保護が原則であることに鑑み、利用者が希望すれば、居宅生活ができない場合、居宅生活によっては保護の目的を達しがたい場合を除き、居宅保護を行うこと。
2 介護保険法、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等に基づいて提供されるサービスを利用して日常生活を営むことができる場合は、「居宅生活が可能な場合」に該当し、安易に無料低額宿泊所に入所させてはならないこと。
3 保護の実施機関及び無料低額宿泊所が、無料低額宿泊所入所後も速やかに居宅へ移行できるよう支援すべきであること。
4 無料低額宿泊所の入所期間の上限(原則3か月、最大6か月)を具体的に定めること。
5 条例に定める無料低額宿泊所の職員のうち施設長の資格要件については、少なくとも、「法第19条第1項各号のいずれかに該当する者若しくは社会福祉事業等に2年以上従事した者」に限定すること。
6 条例の定める無料低額宿泊所の設備基準については、物理的水準としても居住空間として相応しい施設となるよう、居室の面積は、経過措置を設けず、少なくとも7.43平方メートル(四畳半)以上、例外なく個室とし、入居者に対し1日に1回の頻度で入浴の機会を提供しなければならないこと。
7 無料低額宿泊所が入居者の金銭管理を行ってはならないこと。
8 無届施設に対する届出勧奨を進めるとともに、最低基準を満たさない施設を無届で運営している事業者に対しては、社会福祉法72条3項に基づく事業の制限・停止命令を行い得ること。
日本国憲法22条1項は居住、移転の自由を保障している。また、生活保護法30条1項は「生活扶助は、被保護者の居宅において行うものとする」として居宅保護の原則を定めている(同項本文)。
居宅での生活は誰もが望むものである。と同時に地域社会で自らの意思決定に基づいて生活することこそが「自立の助長」という生活保護法の目的(同法1条)を達成するためにふさわしいからである。
2015年(平成27年)に厚生労働省社会・援護局保護課が全国の都道府県、指定都市、中核市本庁において行った「無料低額宿泊事業を行う施設に関する調査」から明らかなように、無料低額宿泊所の入所者の大多数は生活保護利用者である(届出施設537施設、入所者総数15,600人のうち生活保護利用者14,143人)。そして、無料低額宿泊所のうち要件を満たして届出を行う社会福祉住居施設の多くが日常生活支援住居施設と位置づけられ、生活保護利用者の一時的居住の場となると予想される。
無料低額宿泊所が社会福祉住居施設、日常生活支援住居施設という位置づけに変わったとしても、そこに入所している利用者は、あくまでも例外的に施設に入っているだけであって一日も早く居宅への移行を果たせるよう支援をしなければならない人であることに変わりはない。無料低額宿泊所が社会福祉住居施設、日常生活支援住居施設と位置づけられることによって、それがあたかも住居の1つであるかのように扱われ、居宅保護の原則が後退するようなことがあってはならない。
経済的困難のみならず日常生活においても支援が必要だから無料低額宿泊所に入所しているのだと言われることがあるが、身体上または精神上の障害があっても居宅生活は可能である。介護保険法に基づく介護サービスや、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(以下「総合支援法」という)に基づく障害福祉サービスは、居宅生活を前提としたものも当然に存在する。そのほか、成年後見制度や、都道府県・指定都市社会福祉協議会が実施主体となって定期訪問や日常的金銭管理を行う日常生活自立支援事業(社会福祉法2条3項12号)等、様々な制度やサービスを用いて居宅生活を送ることが可能である。
この点、解釈通知の第1の2(2)も、「介護保険法、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等に基づいて提供されるサービスを利用して独立して日常生活を営むことができる場合」が、「入居者が一般の居宅等において独立して日常生活を営むことができる」場合に含まれることを明記しているところである。
したがって、かかる場合は、「居宅生活が可能な場合」に該当し、安易に無料低額宿泊所に入所させてはならないことを条例に明記すべきである。
2017年(平成29年)10月25日に施行された改正住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(住宅セーフティネット法)では、高齢者、障害者、低額所得者等の住宅確保要配慮者に対し、民間の空き家・空き室を活用した入居を拒まない賃貸住宅の供給を促進し、併せて、入居相談や見守りなどの生活支援を充実させる方針が打ち出された。
また、2018年(平成30年)4月1日に施行された改正総合支援法では、従前の地域移行支援・地域定着支援サービスに加え、障害者支援施設やグループホーム等から一人暮らしへの移行を希望する障害者について、本人の意思を尊重した地域生活を支援するため、一定期間、定期的な巡回訪問等の支援を行う自立生活援助というサービスを新たに創設した。
これらは、施設ではなく居宅生活を希望する人の意思をできる限り尊重し、地域での生活を支援していこうという取り組みである。
今回の法改正による社会福祉住居施設及び日常生活支援住居施設の創設が、これらの地域移行への動きと矛盾し、逆行する結果とならないよう留意が必要である。
省令3条3項では、無料低額宿泊所は基本的に一時的な居住の場であるとされており、同条4項では、入居者の円滑な退居のための必要な援助に努めなければならないとされている。
したがって、仮に居宅生活ができない、あるいは、居宅生活によっては保護の目的を達しがたい、あるいは、生活保護利用者が希望した場合に該当したとして(生活保護法30条1項但書)、無料低額宿泊所に入所したとしても、保護の実施機関及び無料低額宿泊所は、入所者が可及的速やかに居宅生活に移行するための支援を行うことが重要である。
「宿泊所」とは「一時的な宿泊をさせる場所」とされている(社会福祉法令研究会編『社会福祉法の解説』96頁)。無料低額宿泊所が一時的な利用に供する場所であることは、厚生労働省も前提としていたところである(平成25年5月15日社援保発0515第2号厚生労働省社会・援護局保護課長通知、平成27年5月13日社援保発0513第1号厚生労働省社会・援護局保護課長通知)。
社会福祉住居施設ないし日常生活支援住居施設という位置づけがあっても、無料低額宿泊所である以上「一時的な宿泊をさせる場所」であることに変わりはない。速やかに居宅へ移行するか、真に居宅生活が困難な場合は老人ホームやグループホーム等、必要な支援が整っている施設へ入所することが本人の利益に適うことである。
特に日常生活支援住居施設は、生活保護施設となるため無料低額宿泊所の「一時的な利用の場」という性質は後退するようにも考えられるが、居宅保護が原則であり施設保護は例外であることを考えるならば、その利用は必要最小限にとどめるべきである。
省令3条3項では、無料低額宿泊所は基本的に一時的な居住の場であるとされている。「一時的」の基準は必ずしも明確ではないが、生活困窮者自立支援法において、一定の住居を持たない生活困窮者に対し一時的な宿泊場所を供与する事業として法制化されている一時生活支援事業に鑑みれば、「原則3か月、最大6か月」とするのが妥当である(生活困窮者自立支援法施行規則7条参照)。
省令は「無料低額宿泊所の長(以下「施設長」という。)は、法第19条第1項各号のいずれかに該当する者若しくは社会福祉事業等に2年以上従事した者又はこれらと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない」と規定した(6条)。これはガイドラインの定める要件と同じである。
しかし、「これらと同等以上の能力を有すると認められる者」という判断基準は曖昧であり、資格要件を課した趣旨が没却しかねない。職員が利用者に対して適切な支援を行い、速やかに居宅移行させることが肝要であり、そのために職員とりわけ施設長の資質は担保しなければならい。
よって、「これらと同等以上の能力を有すると認められる者」という規定は削除すべきである。
省令は、一居室の面積は7.43平方メートル(四畳半)以上とし、地域の実情によりこれにより難い場合は、居室の床面積が1人当たり4.95平方メートル(三畳)以上確保することとしている(省令12条6項1号ハ)。これはガイドラインの基準と同じである。
しかし、住生活基本法に基づいて2016年3月18日に定められた住生活基本計画によれば、単身者の最低居住面積水準は25平方メートルである。これと比較すると、無料低額宿泊所の基準は著しく低い。さらには、平成27年6月以前からある無料低額宿泊所の場合は3.3平方メートル(二畳)以上であれば「当分の間は」容認されるかのような基準となっている(附則3条)。そもそも、従前のガイドラインが2015年4月に改正された際にも、原則7.43平方メートル(例外4.95平方メートル)という床面積の基準に満たない施設は、段階的、計画的に基準を満たすよう整備することとされていた。それからすでに4年以上が経過している現時点においてもなお、段階的、計画的に基準を満たすことができていない施設が、この先、基準を満たせるという保証はない。
以上から、居室の面積は少なくとも7.43平方メートル(四畳半)以上とし、経過措置は設けるべきではない。
省令では、個室を原則とし(省令12条6項1号イ)、多人数個室及び簡易個室については3年の間に解消を図ることとするなど(附則2条)、一定の前進はみられる。しかし、経過措置が3年というのは長すぎる。
無料低額宿泊所がときに「貧困ビジネス」と非難される主要な原因の一つが相部屋・簡易個室である。仮に2023年3月まで相部屋・簡易個室を温存する条例が制定されるとなれば、貧困ビジネス対策は「骨抜き」との批判は免れない。
したがって、例外なく個室とし、経過措置は設けるべきではない。
省令は「無料低額宿泊所は、入居者に対し1日に1回の頻度で入浴の機会を提供しなければならない。ただし、やむを得ない事情があるときは、あらかじめ、当該入居者に対し当該事情の説明を行うことにより、1週間に3回以上の頻度とすることができる」と定める(19条)。これも、ガイドラインの「入浴は、週に3回以上行うこと」という基準を踏襲したものと思われる。
しかし、近時の夏の暑さは異常であり、真夏にも1週間に3回しか入浴できないとなると、衛生上及び健康上、多大な支障が生じる。1週間に3回の入浴しかできない施設は居住空間として不適切である。但書以下は条例に設けるべきではない。
日本弁護士連合会の2010年6月18日「『無料低額宿泊所』問題に関する意見書」で述べられているとおり、「生計困難者を無料又は低額な料金で入所させて生活の扶助を行うことを目的とする施設を経営する事業」が第一種事業であり、「生計困難者のために、無料又は低額な料金で、簡易住宅を貸し付け、又は宿泊所その他の施設を利用させる事業」が第二種事業であって、その違いを端的に言うならば施設内で「生活の扶助」を行うかどうかである。
施設の入所者に対して「生活の扶助」を行うことは、その入所者の人格に対して非常に大きな影響を及ぼしうるため、経営の適正化を欠くようなケースが生じれば、非常に重大な人権侵害を生ずる可能性がある。そのため、第一種事業は、事業経営の適正化を確保することが不可欠であることから、強い公的規制を行うこととされているのである(社会福祉法令研究会編『社会福祉法の解説』69頁)。
しかるところ、本来、無料低額宿泊所(社会福祉住居施設を含む)は第二種事業であるため、「生活の扶助」を行うことはできない。この基本的な規定は今般の社会福祉法改正後も変わっていない。
無料低額宿泊所によるサービスの提供及び対価の受領は、利用者から文書で同意を得る、または入居契約とは別に契約書を作成する、ということが求められてはいるが、ほかに行く場所がなく、自力で他の居所を設定することもできない入居者(だからこそ無料低額宿泊所に来ているのである)が、施設から、金銭負担を伴うサービス(金銭管理を含む)の提供を提案されて、契約締結を拒むことが可能であるとは考えにくい。
したがって、本来、施設側と入居者の契約の場面における力の差を考えれば、無料低額宿泊所における、入所者の金銭負担を伴うサービスの提供(生活の扶助)は禁止すべきである。省令16条が、入所者からの「基本サービス費」の受領を許容していることには問題があると言わざるを得ない。
省令では、入居者の金銭管理について、入居者本人が行うことを原則としつつ、「金銭の適切な管理を行うことに支障がある入居者であって、無料低額宿泊所による金銭の管理を希望するもの」に対しては、入居にかかる契約とは別に金銭管理に係る契約を行うこと等を条件に、無料低額宿泊所が日常生活に係る金銭を管理することを妨げないという規定も置かれている(省令26条)。
しかしながら、「金銭の適切な管理を行うことに支障がある」かどうかを判断するのは当該無料低額宿泊所であるから、その判断が適正になされることの担保がない。平成29年3月1日さいたま地裁判決は、生活に困窮した人を無料低額宿泊所に入所させ、生活保護を申請させて、入所者に劣悪なサービスしか提供せず、生活保護費の大半を搾取して不当な利益を得ていた事業者に対し、「生活保護法の趣旨に反し、その違法性は高い」「最低限度の生活を営む利益を侵害したものとして不法行為が成立する」として、総額約1580万円の損害賠償や支払った利用料の返還を命じた。この事案にみられるように、無料低額宿泊所が入居者の金銭管理を行うことは、生活保護費の大半を取得し、本人には少額の小遣いしか渡さないといった悪質な貧困ビジネスにつながりかねない。
したがって、善意で入居者支援としての金銭管理を実施する無料低額宿泊所が存在するとしても、一方で悪質な貧困ビジネスの温床となっている実態がある以上、少なくとも金銭管理は例外なく禁止し、成年後見制度、社会福祉協議会の日常生活自立支援事業の活用など他の手法に委ねるべきである。

【日時】2019年7月14日(日)午後1時30分~午後5時(受付開始午後1時)
【場所】仙台弁護士会4階大会議室
資料代1000円(当事者割引あり)・申込不要

吉永純さん(花園大学社会福祉学部教授)
報告1 沼田崇子さん(元岩手県二戸保健福祉環境センター福祉課長)
報告2 奥森祥陽さん(元京都府山城南保健所福祉室 査察指導員)
山脇武治さん、太田伸二さん、吉永純さん
進行役 小久保哲郎(弁護士・生活保護問題対策全国会議事務局長)
[目次]
はじめに
第1 事件発覚の経緯と調査団の結成
1 事件発覚の経緯
2 調査団の結成と活動の概要
第2 調査団の活動より判明した事実関係
1 判明した事実の詳細
2 真相究明のために実施した調査活動
◆「立川生保廃止自殺事件」M さんの死府中緊急派遣村髙見俊司
第3 問題の所在
1 立川における就労指導・就労支援の実態
2 法的観点からの問題点の整理
3 本件の背景にある問題点~立川市の不当な廃止の目標値の設定~
4 他自治体でも明らかになった就労指導の問題点
◆立川市の生活保護の現状立川市議会議員上條彰一
第4 東京都及び立川市に対する調査団の活動と成果
1 東京都に対する申し入れ
2 記者発表
3 立川市に対する申し入れ
4 研修会の開催
5 就労指導違反による保護の停止・廃止時の文書交付の運用
6 調査団の活動を振り返って-成果と残された課題
おわりに── 実情にあわない「就労指導」「自立促進」と生活保護制度の矛盾
就労指導のあり方等に関する調査団の提言
調査団の主な活動一覧
添付資料一覧
「立川市生活保護廃止自殺事件調査団」参加団体・参加者一覧
はじめに
2015年12月、立川市で生活保護を利用されていた40代の男性(Mさん)が、就労指導に違反したとして保護を停止され、さらに廃止され、自殺するという大変痛ましい事件が起こりました。昨今の生活保護制度に対する締め付け、とりわけ厚生労働省が就労指導による自立に力を入れていることからすると、立川市に限らず、日本全国の自治体においても同種の事件が発生する危険性があります。
「立川市生活保護廃止自殺事件調査団」は、この事件の真相の究明と、同種の事件を再発させないという二つの目的のために結成されました。
調査団は本事件を記者発表し、東京都及び立川市に対して事実経過の説明と再発の防止を要請しました。事件のニュースは新聞報道やネットニュース、SNSを通じて拡散され、反響を呼びました。
しかし、東京都及び立川市は、真相を明らかにすることなく、自殺と保護廃止の因果関係を否定しています。調査団の懸命な活動にも関わらず、保護廃止に至る経緯の真相は最後まで明らかにされませんでした。それでも、調査の結果、不完全ながらも事件像が浮かび上がりました。Mさんは、懸命に働き、「自立」を目指しながらも、「軽度」の障害のために職場に定着することができずに苦悩していた青年でした。他方で、立川市の就労指導は、こうしたMさんのパーソナリティへの配慮を欠いた、画一的・形式的なものだったと感じさせるものです。調査団としては、生活保護法を逸脱する違法な就労指導があり、これがMさんを自殺に追い込んだ可能性が高いという認識に到達しました。
調査団の粘り強い活動の結果、立川市は、2019年1月30日、生活福祉課職員に対して、「軽度」の知的障害等をかかえる方への支援のあり方について、専門的な知見を有する森川すいめい医師(精神科医)の研修会を実施するに至りました。また、今後、就労指導違反を理由とする保護の廃止・停止を行なう際には、相談機関等を記載した文書を交付する運用の実施を約束しました。これらは調査団の活動の重要な成果といえ、立川市において同様の事件の再発を防止するために、一定の効果が期待できるものといえます。
調査団の活動は、上記2つの目的を十分に達成することはできなかったかもしれませんが、同種事件の再発防止、ひいては、軽度の障害をかかえた方にも寄り添った生活保護制度の確かな運用を実現するうえで、今後の取り組みの足がかりとなる成果を残すことができたのではないかと考えます。
本書面は、こうした調査団の活動報告と本件の教訓を踏まえた就労指導のあり方等に関する提言を行うものです。
Mさんのご冥福を祈りつつ、この調査団に参加した諸団体、個人、そしてこの報告書をお読みになった全ての方が、本件の教訓と成果を活かし、それぞれの持ち場でますます奮闘されることを期待します。
地方から生活保護行政は変えられる!
いのちを守る自治体に


【対象者】 地方議会議員
【定員】300名
(請求書を送付し、ご送金の順にお席を確保し領収書をお送りいたします。)
【参加費】1万5000円
(キャンセル料:8月1日以降 1万円、8月10日以降 1万5000円)
【お弁当】900円
(2日目昼食 ※8月15日以降のキャンセルはご遠慮ください)
【交流会】1日目 8月23日(金)18時から、研修会場で交流会を行います。
参加費1000円(茶菓・ソフトドリンク付き)
【問合せ先・申込先(宿泊先の手配も承ります)】
㈱国際ツーリスト・ビューロー 担当:大村・倉長
電話:078-351-2110 FAX:078-351-2140
E-mail:ktb-info@jupiter.ocn.ne.jp
「生活保護の現状と改革の論点~地方は何ができるか」
吉永 純さん(全国公的扶助研究会会長・花園大学教授)
「地方から、生活保護行政は変えられる!」
桜井 啓太さん(立命館大学准教授)
加藤 和永さん(小田原市企画部企画政策課)
塚田 崇さん(小田原市健康福祉部福祉政策課)
和久井 みちるさん(元生活保護利用者・小田原市生活保護行政のあり方検討会委員)
コーディネーター 小久保 哲郎さん(弁護士、生活保護問題対策全国会議事務局長)
「新潟県における福祉事務所のあり方に関するアンケート調査結果報告」
小澤 薫さん(新潟県立大学子ども学科准教授)
「福祉事務所における自立支援の取組み」
箕輪 亜由美さん(新潟県見附市教育委員会こども課元気子育て係、社会福祉士、にいがた公的扶助研究会役員)
第1分科会 生活保護基礎講座+なんでもQ&A
第2分科会 生活困窮者自立支援制度の現状と課題~子どもへの支援を中心に
第3分科会 地方から自動車保有要件の緩和をめざす!
第4分科会 進む居住支援と縮む公営住宅。これからの住宅政策を考える
第5分科会 地方税の滞納処分に対する実践的対応
13:20~14:20 講演
「元福祉事務所長が語る、議会質問10の心得」
今井 伸さん(十文字学園女子大学人間生活学部教授)
「地方から、どう生活保護行政を変えるか」
尾藤廣喜さん(弁護士・生活保護問題対策全国会議代表幹事)
講師:吉永純さん
全国公的扶助研究会会長・花園大学教授。福祉事務所20年、生活保護ケースワーカー12年の経験を生かして、貧困問題、生活保護等を研究。著書に「生活保護『改革』と生存権の保障」(2015年)、編著に「生活保護手帳の読み方、使い方」(2017年)いずれも明石書店など。
講師:桜井 啓太さん
立命館大学准教授。堺市でケースワーカーなど生活保護業務に10年間従事。専門は貧困、生活保護。著書に「〈自立支援〉の社会保障を問う」(2017年、法律文化社)など。
講師:加藤 和永さん
小田原市企画部企画政策課。同課において、2017年1月のジャンパー問題に係る「生活保護行政のあり方検討会」の事務局として、検討会の運営、報告書のとりまとめ等を担当
講師:塚田 崇さん
小田原市健康福祉部福祉政策課。2017年4月から同課にて、生活支援課職員の生活保護行政の改善に向けた取り組みをサポートするとともに、地域共生社会の実現に向けた施策を担当
講師:和久井 みちるさん
元生活保護利用者・小田原市生活保護行政のあり方検討会委員。著書に「生活保護とあたし」(2012年、あけび書房)、共著に「生活保護で生きちゃおう・崖っぷちのあなた!死んだらダメです」(2013年、あけび書房)。
コーディネーター:小久保 哲郎さん
弁護士。生活保護問題対策全国会議事務局長。1995年大阪弁護士会登録。野宿からの居宅保護を求めた佐藤訴訟、障害者の自動車保有を認めた枚方訴訟などを担当。編著に「これがホントの生活保護改革-『生活保護法』から『生活保障法』へ」(明石書店)など。
小澤 薫さん
新潟県立大学子ども学科准教授。にいがた公的扶助研究会副会長。新潟市東区の学習支援事業を産官学共同で運営。専門は、社会政策、社会保障。関係論文に「生活保護ケースワーカーの業務と意識:新潟における福祉事務所調査の結果から」(中央大学経済研究所年報、49号、2017年)など。
箕輪 亜由美さん
新潟県見附市教育委員会こども課元気子育て係。社会福祉士。にいがた公的扶助研究会役員。2008年見附市役所入庁。見附市社会福祉事務所にて生活保護CWとして10年勤務。現在は、教育委員会こども課にて要保護児童対策協議会、こども支援に従事。
講師:田川 英信さん
社会福祉士。生活保護問題対策全国会議事務局次長。世田谷区でケースワーカー・保護係長を15年間経験。共著に「子どもの貧困ハンドブック」「『生活保護なめんな』ジャンパー事件から考える」「これがホントの生活保護改革『生活保護法』から『生活保障法』へ」。
講師:大山 典宏さん
社会福祉士。埼玉県で生活保護利用者、児童養護施設退所者の自立支援事業等を担当。児童福祉司のスーパーバイザーとして勤務。著書に「生活保護VSワーキングプア」「生活保護VS子どもの貧困」「隠された貧困」など。
講師:森 弘典さん
弁護士。1999年弁護士登録。司法修習中から野宿労働者の生活保護訴訟(林訴訟)に関与。2002年、愛知県弁護士会人権擁護委員会に生活保護問題チームを立ち上げ、2003年以降、野宿者総合法律相談を実施。2010年から日弁連貧困問題対策本部セーフティネット部会で活動(現在、同部会長)。
講師:仲野 浩司郎さん
社会福祉士。全国公的扶助研究会運営委員。2009年に社会福祉専門職として羽曳野市に入庁。生活保護ケースワーカーを経験し、現在は生活困窮者自立支援制度を担当。課題を抱える子ども達の居場所支援のために「ちるさぽ」を運営している。
講師:星野 哲也さん
新潟県新発田市社会福祉課生活支援係長。主任相談支援員。社会福祉士。にいがた公的扶助研究会幹事。2001年新発田市役所入庁。2009年から生活保護ケースワーカーを4年、査察指導員を2年務める。生活困窮者自立支援事業の立ち上げに携わり、2015年の本制度開始とともに現職。
講師:藤原 千沙さん
法政大学大原社会問題研究所教授。専門は社会政策・労働問題。地方自治体とひとり親世帯に関する調査多数。関連論文に「地方における母子世帯の暮らしと生活保護―自動車の保有・使用の視点から」(『月刊自治研』59巻694号、2017年)など。
講師:髙野 正秀さん
新潟県南魚沼市福祉事務所査察指導員。社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員。にいがた公的扶助研究会幹事。土木畑から30代で福祉に開眼。生活保護業務6年、地域包括支援センター業務7年。ライフワークは依存症支援に取り組む仲間づくり。
講師:小久保 哲郎さん
※ミニシンポ参照
講師:稲葉 剛さん
一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事。立教大学大学院特任准教授。1994年より生活困窮者支援に従事。2014年、つくろい東京ファンドを設立し、低所得者向け住宅支援事業に取り組んでいる。住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人。生活保護問題対策全国会議幹事。著書に『ハウジングファースト』(共編著、山吹書店)等。
講師:坂庭 国晴さん
NPO住まいの改善センター理事長、日本住宅会議理事、建設政策研究所副理事長。日本住宅公団(現・UR都市再生機構)入社。団地施設・建築設備設計などに従事。同公団労働組合書記長、同中央執行委員長を歴任。2009年に稲葉剛氏らと住まいの貧困に取り組むネットワークを結成し、世話人を務める。
講師:觜本 郁さん
社会福祉士、精神保健福祉士。元神戸市職員。阪神・淡路大震災の支援活動の中で生まれたNPO法人神戸の冬を支える会(野宿生活者支援)等の立ち上げに関わり、以降相談活動に従事。現在、同会は一時生活支援事業を13自治体から受託し、居住支援法人の指定も受けている。
講師:角谷 啓一さん
税理士。滞納処分対策全国会議代表、滞納相談センター代表。国税の職場を定年退職するまで40年余り滞納整理事務に従事。並行して、全国税組合員として定年まで活動。2004年以降は、税理士業務のかたわら、納税者の視点に立った徴収実務の研究・相談活動に従事。共著に「差押え:滞納処分の対処法」
講師:柴田 武男さん
滞納処分対策全国会議副代表。東京大学大学院経済学研究科第二種博士課程満期退学。財団法人日本証券経済研究所主任研究員を経て、聖学院大学政治経済学科教授。2018年3月定年退職。現在、同大学講師。
講師:今井 伸さん
十文字学園女子大学人間生活学部教授。大学で福祉を学び、東京都練馬区へ入区。障がい者施設、生活保護現業員、地域包括支援センター所長、福祉事務所長等を経て大学教員に。介護支援専門員。社会福祉士。共編著に「地方自治問題解決事例集」(ぎょうせい)、「わかる・みえる社会保障論」(みらい)他
講師:尾藤 廣喜さん
弁護士、生活保護問題対策全国会議代表幹事。70年、厚生省入省。75年、京都弁護士会に弁護士登録後、数々の生活保護裁判を勝利に導いてきた。日弁連・貧困問題対策本部副本部長。共著に「これが生活保護だ」「社会保障レボリューション」など。

1 根拠のない一連の生活保護基準の引き下げを直ちに撤回するとともに,インフレを考慮して,むしろ引き上げてください。
2 生活保護基準部会が設置を強く求めた新たな検証手法の検討・開発を継続的に行う体制を可及的速やかに整備してください。
3 猛暑に備えて夏季加算を創設してください。
国は,生活保護基準を3年かけて平均1.5%,最大5%引き下げ,年間160億円(国費のみ)削減する方針を決め,2018年10月から引き下げを開始しました。
2013年からの史上最大(平均6.5%,最大10%)の生活扶助基準の引き下げに対し,全国29都道府県で1000名を超える原告が違憲訴訟を闘っているさなかのさらなる引き下げに対して,生活保護利用当事者からは,「これ以上何を切り詰めればよいのか」,「いつまで引き下げが続くのか」,「国から死ねと言われている気がする」といった悲痛な声が寄せられています。
そして,この度の生活保護基準引き下げに対しては,現時点で私たちが把握する限りで6000件を超える審査請求(不服申立て)が提起されています。
2 今般の生活保護基準引き下げに根拠がないこと
(1)下位10%の最貧困層との比較は際限ない引き下げを招く
今般の生活保護基準引き下げは,第1・十分位(下位10%)の一般低所得世帯の消費実態に生活保護基準を合わせる形で行われました。しかし,生活保護の「捕捉率」(生活保護の利用要件を満たす人のうち実際に利用している人が占める割合)が2割程度といわれ,非常に低いわが国では,第1・十分位層の中には,生活保護基準以下の生活をしている人々が多く含まれています。
こうした最貧困層の生活水準と比較すれば際限ない生活保護基準の引き下げを招くことが必定です。国には,生活保護基準の引き下げではなく,生活保護基準以下の生活を強いられている最貧困層の生活水準の底上げこそが求められているはずです。
(2)生活保護基準部会も引き下げを是とはしていない
生活保護基準の見直しのための検証作業を行った社会保障審議会・生活保護基準部会も,第1・十分位層の消費水準に生活保護基準を合わせることを是とはしていません。
すなわち,同部会の報告書には,「今回は,夫婦子1人世帯について,生活扶助基準額と年収階級第1・十分位の生活扶助相当支出額の均衡を確認しただけであり,そこから展開した様々な世帯類型における生活扶助基準額と一般低所得世帯の生活水準の均衡を確認するまでには至らなかった。」(24頁),「今回の検証においては,…夫婦子1人世帯では,展開により機械的に得られる基準額が年収階級第3・五分位の生活扶助相当支出額の6割を超える見込みである一方,高齢世帯では,この割合が5割台となる見込みであ」る(27頁)と記載されています。
現行の生活扶助基準の改定方式は,一般国民の消費実態の6割以上の水準で生活扶助基準との均衡を図る「水準均衡方式」です。上記の基準部会報告書の指摘は,一般国民と措定される第3・五分位の消費水準と比較した生活扶助基準と第1・十分位の消費水準が,夫婦子1人世帯については,いずれも6割を超えて均衡している(つまり,現行の保護基準が妥当である)一方で,高齢単身世帯については,いずれも5割程度にとどまっている(つまり,現行の保護基準が低すぎるし,保護基準を第1・十分位に合わせることも適当ではない)ということを意味しています。
そして,むしろ,基準部会報告書は,「単に消費水準との均衡を図ることが最低生活保障水準を満たすものと言えるのか,水準均衡方式のあり方が問われる本質的な課題である」(24頁),「一般低所得世帯との均衡のみで生活保護基準の水準をとらえていると,比較する消費水準が低下すると絶対的な水準を割ってしまう懸念がある」(27頁)とまで述べて,第1十分位との安易な比較に警鐘を鳴らしているのです。
(3)デフレは考慮するがインフレは考慮しないご都合主義
2013年からの生活保護基準引き下げに際して,国は,「生活扶助相当CPI(消費者物価指数)」という学説上も実務上も前例のない特異な指数を用い,2008年から2011年にかけて4.78%の物価下落があったとし,同率の生活保護基準の引き下げの根拠としました。
ところが,第34回基準部会資料4(11頁)に記載された試算によると,2011年から2016年にかけての「生活扶助相当CPI」は,5.2%上昇しています。2014年に消費増税対応で生活保護基準が2.9%増額されたことを考慮しても,2013年の時と一貫した考え方をとれば,生活保護基準を2.3%は引上げなければならないはずです。しかし,国は,今回は一切物価を考慮しませんでした。これは,首尾一貫性を全く欠く,「引き下げありき」のご都合主義というほかありません。
現在,「毎月勤労統計」の不適切調査が問題となっていますが,「生活扶助相当CPI」問題は,それ以上に悪質な「統計の偽造・悪用」ともいうべき問題です。
生活保護基準部会は,その報告書において,「最低限度の生活を送るために必要な水準とは何か,本質的な議論を行った上で,単に消費の実態に合わせるとの考え方によらず,理論的根拠に基づいた複雑ではない検証手法を開発することが求められる」(28頁),「いずれにしても,新たな検証方法の開発に,早急かつ不断に取り組むために,データの収集・分析や新たな検証手法の検討を継続的に行う体制を厚生労働省として整備する必要があり,そのために,年次計画を立てて計画的かつ不断に検討を進めていくことを強く求めたい。」(29頁)と指摘しています。
つまり,同部会は,2(2)で述べたとおり,低所得世帯との均衡のみでは絶対的な水準を割り込む危険があることから,新たな検証手法を開発するための継続的な体制を整備すべきことを繰り返し強く求めているのです。
国が,こうした専門部会の強い要請を無視するとすれば,それは,専門家の部会を生活保護基準引き下げのために都合よく利用するだけという国の姿勢を露呈するものと言わざるを得ません。
2018年7月26日付け「厚労省通知の改善・周知と夏季加算創設等を求める緊急要望書」でも述べたとおり,この間のあいつぐ生活保護基準の引き下げのため,生活保護利用者の多くは,エアコン等の家電製品の買替費用を貯蓄する余裕を失い,仮にエアコンが自宅にあったとしても,電気代を節約するためにほとんど使わないようにしています。
毎年過酷さを増す猛暑の夏はすぐにやってきます。悲劇が起きる前に,国は,一連の生活保護基準引き下げを撤回して元に戻し,夏季加算を創設すべきです。

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