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生活保護・資産申告書問題に関するアンケートの御協力のお願い


 日頃から、生存権保障のためにご尽力されていることに心から敬意を表します。
さて、昨年3月、厚生労働省は、年1回資産申告書の聴取を求める課長通知を発しました(通知の内容とその問題点は当会議ブログ掲載の「資産申告書問題ハンドブック」をご覧ください。
http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-254.html)。
この通知に基づき、福祉事務所において資産申告書を徴取した結果、グループホーム入居者に対して、50~60万円程度の累積金を理由に保護の停廃止等の不利益処分が行われるなどの問題事例が発生し始めています。
当会議といたしましては、まずは資産申告書の提出により保護の停廃止を受けた等の問題事例の実態把握を行い、審査請求への支援や国や自治体への申入れ、世論喚起などを行う必要があると考えております。
お送りいただいたアンケートについては、個別ケースが特定されない形で集約、分析して発表するほか、ご協力いただける方については集会やマスコミを通じて個別事例を社会に発信していきたいと考えております。
つきましては、別紙のアンケートについてご協力をお願いいたします。

1 アンケート(別紙)
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2 期限 2016年10月15日(第1次)
3 集約方法 全国会議事務局まで、FAX,PDF等にてお送りください。


[本件の問合先]
〒530-0047 大阪市北区西天満3-14-16 西天満パークビル3号館7階
あかり法律事務所
TEL 06-6363-3310 FAX 06-6363-3320 E-mail tk-akari@wmail.plala.or.jp
生活保護問題対策全国会議 事務局長 弁護士 小久保 哲 郎



【アンケート内容】
【送付先】FAX 06-6363-3320 / E-mail:tk-akari@wmail.plala.or.jp

資産申告書問題アンケート
Ⅰ 当事者の方の属性
1 都道府県(       )、福祉事務所名(       )
2 保護利用世帯の状況
(1)在宅・入院・入所の別(いずれかに○を☟)
  ①在宅  ②病院  ③施設(救護施設、老人ホーム、障害者施設、その他の施設)、 ④グループホーム

(2)入院・入所・グループホームの場合、金銭の管理はだれが行っているか(いずれかに○を☟)
 ①施設管理者  ②本人(保護利用者) ③その他(       )

(3)傷病・障害名(可能な範囲で教えて下さい)
  (                                 )

Ⅱ 資産申告書の提出を「強制された」と感じた方
  本当は資産申告書の提出はしたくなかったが、提出を強制されたと感じた方は、その理由を教えてください。(いずれかに○を☟。複数回答可。渡された文書があれば、その写しをご提供ください。)
① 資産申告書の提出が義務であるかのような説明をされた。
② 資産申告書の提出を断ったところ、提出を求める指導指示文書を出された。
③ その他[                              ]

Ⅲ 保護費の累積金を理由の保護の停廃止を受けた方
 1 不利益処分について
(1)(いずれかに○を☞)  ①保護の停止  ②保護の廃止
(2)不利益処分の決定年月日(   年  月  日)
実施年月日(   年  月  日)

2 保護費の累積金額   (           円)

3 保護の停廃止通知に記載されている理由(できれば、停廃止通知の記載理由をそのまま写し書きするか、通知書の写しをご提供ください)
(                                                  )                        
         
4 保護の停廃止に当っての、ケースワーカーからの聞き取りや説明等の有無
(いずれかに○を☞)    ① 有     ② 無

5 4で有の場合、どのようなことを聞かれたり、説明されたりしましたか。(該当するものに○を☟。複数回答可)
① 保護費等の累積理由を聞かれた(何のために貯めたか。なぜたまったのか)
② 保護の目的趣旨に反しない預貯金は保有できることを説明された。
③ 当該世帯の生活の維持向上のため、累積金を計画的に支出するように指導・援助された。
④ 何故保護を停廃止するのか説明された。
(説明内容:                              )
⑤ その他(                               )

Ⅳ その他
1 気になることやご意見を自由にご記入願います。
例 調査にあたり、ケースワーカーから財布の中まで見られた。
不利益処分により保護利用者の病気が悪化した。
(                                        )

2 ケースの詳細を集会で発表したり、マスコミ取材に応じていただくことは可能ですか。(いずれかに○を☟)
① 顕名で可能  ② 匿名なら可能  ③ 控えたい  ④ 内容によって検討

ご回答者連絡先(差支えない範囲で)
お名前[           ]
所属[             ]
ご住所[                             ]
お電話[         ]
E-mail[              ]

                                                               以 上


生活保護制度に関する公開質問について
 生活保護の生活扶助基準及び住宅扶助基準・冬季加算の引き下げが行われたことで、生活保護利用世帯の生活が圧迫されるとともに、低所得者層にもその影響が出ています。また、生活保護基準の引き下げに対しては、これを憲法違反であるとする訴訟が全国27都道府県で提起されています。
 この引き下げ問題を始めとした生活保護制度や貧困問題について、政党に対して、生活保護制度に関する公開質問を送付し、アンケート調査を実施しました。各政党よりご回答いただいた内容について、原文のまま掲載いたします。

調査期間:2016年5月17日~6月27日
アンケート送付政党(10政党):自由民主党、民進党、公明党、日本共産党、大阪維新の会、生活の党と山本太郎となかまたち、社会民主党、日本を元気にする会、日本のこころを大切にする党、新党改革

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回答をいただけていない政党の説明内容
①公明党:ご希望に添えないと思います。
②日本を元気にする会:アンケート送付済み。電話で確認試みるも不奏功。
③新党改革:アンケート送付済み。電話で確認試みるも不奏功。
となっております。



Q1.貧困の拡大について
 我が国の貧困率は年々悪化して16.1%に達しています。貧困率が改善されるよう、取り組むべきだと思いますか。

回答 ①思う  ②思わない  ③その他
その理由等(自由記載欄)

【自由民主党】 ①思う
 子どもたちの未来が家庭の経済事情によって左右されてはなりません。特に、経済的にも様々な困難を抱えるひとり親家庭には、きめ細かな支援が必要です。このため、ひとり親家庭に対しては、児童扶養手当の多子加算の倍増、子どもの居場所づくり、親の資格取得支援など、子育て・生活支援、学習支援などの総合的な支援を充実する必要があると思います。

【民進党】 ①思う
 OECD平均の11.3%を目標にして、貧困率の改善に取り組むべきです。

【公明党】

【日本共産党】 ①思う
 国民の約6人に1人が貧困ライン以下であり、子どもの貧困率は16.3%にのぼります。母子家庭など一人親家庭の貧困率は54.6%と突出した高さを示し、経済協力開発機構(OECD)加盟34か国で最悪となっています。
 安部首相は国会において貧困率を突き付けられ、日本が貧困大国かどうかの認識を問われたとき、「日本は裕福な国」と答弁しました(16年1月18日予算委員会:共産党小池晃議員の質問)。”裕福な国”の日本で貧困が広がっていることが大問題なのです。首相が貧困対策に「政府挙げて取り組む」といくら繰り返しても、このような認識ではまともに取り組むつもりがないことを露呈しています。実施されることになった児童扶養手当の増額は、ひとり親世帯の約6割を占める子ども1人世帯には何の恩恵もないなどの例からも、貧困対策が不十分なことは明らかです。社会保障の削減、抑制はやめて、目標をもって貧困率の改善をはかるべきです。

【大阪維新の会】 ①思う

【生活の党と山本太郎となかまたち】 ①思う

【社会民主党】 ①思う
 日本の貧困率は、国際比較で見ても高い。貧困・格差の拡大は、国民の生活を壊すとともに、国民相互の不安、不信感を募らせ、社会の不安定につながります。所得格差、雇用のあり方、社会保障と税の再分配機能が機能不全を起こしている問題など、喫緊の大きな課題だと考えます。

【日本を元気にする会】

【日本のこころを大切にする党】 ①思う
 貧困が社会から見えづらくなっていること、社会が貧困に関心を持っていないことが現在の問題と考えます。

【新党改革】

Q2.生活保護の捕捉率について
 日本の生活保護の「捕捉率」(本来なら生活保護を利用することができる人たちのうち、実際に生活保護利用に至っている人の比率)は2~3割にとどまっており、受給漏れが多いと言われています。生活保護の「捕捉率」を上げるべきだと思いますか。

回答 ①思う  ②思わない  ③その他
その理由等(自由記載欄)

【自由民主党】 ③その他
 生活保護は、所得のみではなく本人の申請に基づき資産等も考慮して実施されるのもですので、一概に「捕捉率」の高低について議論することは難しいと考えています。
 最後のセーフティネットとして、生活保護を必要とされる方が確実に保護を受給できるようにすることは重要であると考えており、制度や相談窓口の周知や福祉事務所と民生委員等の関係機関との連携強化等に取り組んできたところです。

【民進党】 ①思う
 生活保護受給資格の要件をわかりやすく提示し、要件を満たした場合は適切に受給資格を付与するとともに、受給資格があるにもかかわらず、給付を受けない事態が放置されないように対応すべきです。

【公明党】

【日本共産党】 ①思う
 各国の捕捉率はドイツ6割、イギリス5~6割(求職者)、フランス9割(OECD基準)などであり、日本の捕捉率はあまりにも低い水準にとどまっています。
 2013年5月、国連の社会権規約委員会は、「スティグマ(恥辱)のために生活保護の申請が抑制されている」日本の現状に「懸念」を表明し、「生活保護の申請を簡素化」すること、「申請者が尊厳をもって扱われることを確保するための措置をとる」こと、「生活保護につきまとう恥辱を解消する」手立てをとることを日本政府に勧告しました。これらを真摯に受け止めてとりくむとともに、国として捕捉率を向上させる年次目標を設定し、生活保護法にも違反した行為や無法な指導をやめさせ、必要な人がきちんと保護をうけられるようにすべきです。

【大阪維新の会】 ③その他
 生活保護制度自体を見直して、より就労のインセンティブを与える形とする一方、本当に支援の必要な人には手厚い支給が出きるようにすべき

【生活の党と山本太郎となかまたち】 ①思う

【社会民主党】 ①思う
 日本の生活保護は、非常にスティグマ(烙印を押されたような恥辱感)が強く、申請に抵抗感があったり、手続きが煩雑であるなど問題が非常に多いと考えます。生活保護の受給は、憲法25条(生存権)にもとづいています。必要な人が権利を行使しやすくすべきです。

【日本を元気にする会】

【日本のこころを大切にする党】 ①思う

【新党改革】

Q3.生活扶助基準の引き下げについて
 2013年から2015年にかけて実施された史上最大(平均6.5%、最大10%)の「生活扶助基準引き下げ」についてどう思いますか。


回答 ①引き下げに賛成  ②引き下げに反対  ③その他
その理由等(自由記載欄)

【自由民主党】 ①引き下げに賛成
 生活扶助基準については、一般低所得世帯の消費実態や物価動向を踏まえて適切な水準となるように見直されたものと認識しています。
 生活保護制度は一般低所得世帯の消費実態とのバランスを踏まえながら、最低生活が保障される適切な水準を設定していくことが必要と考えています。

【民進党】 ②引き下げに反対
 生活保護基準引き下げについては、生活保護世帯のみならず、多くの低所得者が負担増となることが懸念されるため、その影響や実態把握を行い、勤労世帯がさらなる生活苦に陥らないよう見直しを求めてきました。

【公明党】

【日本共産党】 ②引き下げに反対
 強行された戦後最悪の保護基準引き下げは、物価高騰に苦しむ保護世帯にさらなる困窮を押し付け、とくに、子どもの数が多いほど減額幅も大きくなるやり方によって、「子どもの貧困」にも拍車をかけました。
 国民生活の最低ラインをしめす生活扶助基準の引き下げは、就学援助や住民税の非課税限度額、最低賃金や医療・介護の負担減免基準、保育料の減免基準などに連動しており、その切り下げは、保護を受けていない広範な低所得者にも被害を与えています。
 日本共産党は実施された保護費削減の改悪を全面的に見直し、物価上昇や生活実態にふさわしい水準への引き上げを求めて国会でも論戦してきましたが、今後も奮闘していきます。
 
【大阪維新の会】 ③その他
 引き下げの前に議員の身を切る改革と公務員人件費の削減が必要

【生活の党と山本太郎となかまたち】②引き下げに反対

【社会民主党】 ②引き下げに反対
 そもそも、この基準の引き下げは、「物価下落」を理由に実施されていますが、物価が下がっているのはパソコン、家具、大型の電気製品で、食費や光熱費などは下がっておらず作為的な引き下げです。生活扶助基準は、最低賃金、非課税世帯のラインなど、他の分野にも影響が及ぼすため、基に戻すべきです。

【日本を元気にする会】

【日本のこころを大切にする党】 ③その他
 デフレからの脱却を進め、基準の維持を最大限努力すべき。

【新党改革】

Q4.老齢加算の廃止について
 2004年から2006年にかけて減額、廃止された老齢加算について、復活されるべきと思いますか。


回答 ①思う  ②思わない  ③その他
その理由等(自由記載欄)

【自由民主党】 ②思わない
 老齢加算については、70歳以上の消費支出が70歳未満の消費支出よりも少ないことを踏まえて見直されたものと認識しています。
 生活保護制度は一般低所得世帯の消費実態とのバランスを踏まえながら、最低生活が保障される適切な水準を設定していくことが必要と考えています。

【民進党】 ③その他
 生活保護を受給する高齢者世帯の生活実態を踏まえて検討すべき課題であると考えます。

【公明党】

【日本共産党】 ①思う
 老齢加算は、「加算」といっても、不必要な「上乗せ」ではなく、かむ力が弱まるので消化吸収のよい食品、寒さや湿気に対応できる寝具、葬儀や墓参など社会的な付き合いなど特別な出費の必要性を保証するためのものです。老齢加算があったからこそ、高齢者が憲法25条が要請する「健康で文化的な最低限度の生活」を満たす上でも老齢加算は不可欠の給付だったと思います。
 保護費の2割をしめていた老齢加算の廃止によって、「香典を包めず葬儀にいけない」「故郷にいる兄弟の見舞いにもいけない」「お風呂を我慢している」「エアコンを使わず熱中症で病院に運ばれた」などの事態を引き起こし、高齢者の人間らしいくらしと健康をむしばんでいます。
 母子加算が復活されたように、老齢加算の復活が当然おこなわれるべきです。

【大阪維新の会】 ②思わない

【生活の党と山本太郎となかまたち】①思う

【社会民主党】 ①思う
 老齢加算の復活に賛成です。生活保護基準以下の生活を強いられている高齢者が存在する事実を政府はきちんと認識すべきです。老齢加算の廃止は高齢保護受給者の生存権を侵害しています。

【日本を元気にする会】

【日本のこころを大切にする党】 ②思わない
 高齢者の貧困については、抜本的な対策が必要。捕捉率の低い生活保護の制度ではいき届かない。

【新党改革】

Q5.社会保障全体の引き下げについて
 この間、生活保護基準の引き下げだけでなく、社会保障の負担増や給付の引き下げが続いていますが、これについてどう思いますか。


回答 ①引き下げはやむを得ない  ②引き下げるべきではない  ③その他
その理由等(自由記載欄)

【自由民主党】 ③その他
 世界に冠たる社会保障制度をしっかりと次世代に引き渡していくべく、制度の充実・安定化を図りつつ、同時に、重点化・効率化も進めていくことが必要であると考えています。

【民進党】 ③その他
 世代間公平に配慮しつつ、重点化を効率化によって、子どもから高齢者にわたる、持続可能な社会保障制度を構築すべきです。以前の時効政権のように一律に社会保障費をカットすべきではありません。

【公明党】

【日本共産党】 ②引き下げるべきではない
 社会保障の給付を引下げ、負担増を拡大させいくことには、いっそうの貧困と格差を増大させていくことにつながるため、給付の引き下げをおこなうべきではありません。格差をなくし貧困をなくしていくことは、すべての国民に健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障した25条の要請であり、家計をあたためて経済の好循環を生み出すカギとなります。
 社会保障の財源は富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革をおこない、消費税増税にたよらない「別の道」を歩むべきです。社会保障、若者、子育てに優先して税金を使うべきです。

【大阪維新の会】 ③その他
 引き下げの前に、議員の身を切る改革と公務員の人件費の削減が必要

【生活の党と山本太郎となかまたち】②引き下げるべきではない

【社会民主党】 ②引き下げるべきではない
 防衛費の縮減(普天間基地の辺野古移設を止める、オスプレイ配備を止める等)や不要不急の大規模公共事業の中止(リニヤ中央新幹線等)など歳出の見直し、予算を組み替えて社会保障の負担増や給付の引き下げを止めるべきです。

【日本を元気にする会】

【日本のこころを大切にする党】 ③その他
 経済成長する日本を取戻し、年率5%の成長を実現すれば、税収と社会保険収入が上がり、低所得者に回す給付を増やすことができる。

【新党改革】

6.憲法25条(生存権規程)の改正について
 日本の憲法25条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定めています。この間、憲法改正について議論されていますが、この生存権規定を今後も維持させるべきであるとお思いですか、あるいは家族の役割をもっと重視する など何らかの改正が必要であるとお考えですか。


回答 ①維持すべき  ②個人や家族の役割を強化すべき  ③その他
その理由等(自由記載欄)

【自由民主党】 ①維持すべき

【民進党】 ①維持すべき

【公明党】

【日本共産党】 ①維持すべき
 生存権を定めた25条は、世界の中の憲法でも先駆的で豊かな人権条項のうちの一つです。
 25条を力に生活保護費の引き上げがたたかわれた「朝日訴訟」では、東京地裁の第一審において「健康で文化的な生活水準』は単なる生存の水準ではなく、...年々の国家の予算額や政治的努力の如何によって左右されるべきものではない」という判決が出されました。国の責任で「人間に値する生存」を保障しなければならず、「健康で文化的な最低限度の生活水準」には、一定の客観的な基準があり、基準は予算の有無ではなく、むしろ予算を指導支配すべきものであることが鮮明になりました。この1960年10月19日の判決は、日本共産党の議会活動においても、多くの社会保障関連の運動においても、いまなお大きなよりどころとなっています。
 自民党の改憲案では、前文や家族の規定である24条において 自助・共助を強調し、さらに92条1項や93条3項などで地方自治体に責任をおしつけて「自立」を迫ることで、国の社会保障に対する第一義的な責任を免れようとしています。今後も生存権規定を維持すべきであり、改憲によって生存権・社会保障を自己責任化して家族や国民どおしの助け合いにゆだねられるべきではありません。
 また、自民党の改憲案では、25条に新たに「環境保全の責務」を加えて、いわゆる”環境権”を新しい人権の一つとして規定しようとしています。しかし、「国民と協力して」の挿入で、国の責任が弱められるおそれがあり、現状よりも後退しかねません。
 現在の憲法が「時代に合わない」のではなく、憲法の先駆的な原則を踏みにじり続けてきた自民党政治こそ、「時代おくれ」になっています。

【大阪維新の会】 ①維持すべき

【生活の党と山本太郎となかまたち】 ①維持すべき

【社会民主党】 ①維持すべき
 家族の尊重義務を設け、福祉や社会保障を家族の責任に転嫁し、その費用の削減も狙う憲法改悪には反対です。家族や生き方が多様化するなかで、個人の尊重を軸とし、すべての国民に生存権を規定する現憲法はさらにいかすべきです。

【日本を元気にする会】

【日本のこころを大切にする党】②個人や家族の役割を強化すべき

【新党改革】

以上



160718権利としての生活保障を求めて
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生活保護問題対策全国会議設立9周年記念集会
「健康で文化的な生活」は何処へ?~権利としての生活保障を求めて


 予算の削減が続く社会保障の現場は一触即発。保育の分野では「保育園落ちた」という-個人のブログが大きなうねりを巻き起こし、高等教育の分野でも給付型奨学金の創設が政治課題となりつつあります。
 時代の転換点にある今、生活保護の分野でも、バッシングを乗り越えて、制度への理解と利用を促すにはどうすればよいか。全国27都道府県で900名近い当事者が原告として提訴している生活保護基準引き下げ違憲訴訟を足場に取り組めることは何か。各界のパネリストの方々とともに考えたいと思います。

 ぜひ、ご参加ください。

日時 2016年7月18日(月・海の日)
     13時~17時(12時30分受付開始)
場所 ハイライフプラザいたばし

  
申込不要・入場無料

プログラム
13時 開会挨拶・基調報告
「生活保護をめぐる最近の状況」

   小久保哲郎(弁護士・当会議事務局長)

13時10分 基調講演
 「当事者アンケートにみる生活保護基準引き下げの影響」

   山田 壮志郎さん(日本福祉大学社会福祉学部准教授)

【山田さんのプロフィール】1976年生まれ。日本福祉大学大学院社会福祉学研究科社会福祉学専攻博士後期課程修了。
社会福祉士。2010年4月より現職。専攻は公的扶助論。
著書に『ホームレス支援における就労と福祉』(明石書店、2009年。同署で第16階社会政策学会賞受賞)。
『無料定額宿泊所に関する研究』(明石書店、2016年)。


13時30分 当事者発言

13時45分 基調講演
 「大きなパイを隠してるのは誰?こんな分け前じゃ生きられない!」

   さいき まこさん(漫画家)

【さいきさんのプロフィール】2013年『陽のあたる家~生活保護に支えられて~』(秋田書店刊)を出版・「生活保護を日本で最初に本格的に取り上げた漫画」として新聞各紙、テレビ番組などで取り上げられ話題となる。2014年「貧困ジャーナリズム大賞」特別証を受賞。2015年『神様の背中~貧困の中の子どもたち~』(秋田書店刊)を出版。

14時35分 休憩

パネルディスカッション「権利としての生活保障を求めて」
   コーディネーター:稲葉 剛さん(住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人)
   パネリスト
   ・花井 圭子さん(労働者福祉中央協議会事務局長)
   ・我那覇 圭さん(東京新聞政治部記者)
   ・山田 壮志郎さん(日本福祉大学準教授)
   ・さいき まこさん(漫画家)

16時25分 まとめ
 「これからの私たちの取り組み」

   尾藤 廣喜(弁護士、党会議代表幹事)

主催 生活保護問題対策全国会議
後援 公正な税制を求める市民連絡会







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2016(平成28)年5月18日


Q&A 震災と生活保護

【2016年 熊本地震版】


作成:生活保護問題対策全国会議


 生活に困ったとき、被災の現場で生活保護制度が活用されることを願って、震災と生活保護をめぐる主な論点について、改めて整理しました。
 このQ&Aは、引用・配布など、どうぞご自由にご活用ください。  
(2016年5月18日)

Q1(厚生労働省の主な通知)
 震災時の生活保護の取扱いについて、国は、どのような通知を出していますか?

A 国は、熊本地震においても東日本大震災時の取扱いに準じるとしています。

 厚生労働省は、東日本大震災のとき、生活保護の取扱いについて、次の3つの通知を出しています。
 ① 平成23年3月17日付け社会・援護局保護課長通知「東北地方太平洋沖地震による被災者の生活保護の取扱いについて」(以下、「通知①」といいます)
 ② 平成23年3月29日付け社会・援護局保護課長通知「東北地方太平洋沖地震による被災者の生活保護の取扱いについて(その2)」(以下、「通知②」といいます)
 ③ 平成23年5月2日付け社会・援護局保護課長通知「東日本大震災による被災者の生活保護の取扱いについて(その3)」(以下、「通知③」といいます)

 そして、今般の熊本地震を受けて、厚生労働省は、平成28年4月27日付け社会・援護局保護課保護係長事務連絡「平成28年熊本地震による被災者の生活保護の取扱いについて」を出し、東日本大震災の際の上記3つの保護課長通知に「準じて取り扱う」としています。

厚生労働省HP
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000123912.html
上記通知類PDF
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10600000-Daijinkanboukouseikagakuka/0000123911.pdf



Q2(避難所等の避難先での生活保護受給)
 私は、今、避難所で生活しています。生活保護の申請に行ったら、炊き出し、配給等によって最低生活が確保されているし、居住地(被災地)と離れているからダメと言われました。避難所で生活保護は受けられないのでしょうか。

A そんなことはありません。避難所でも生活保護は受けられます。
 通知①は、「今般の地震により本来の居住地を一時的に離れて遠方に避難している場合、本来の居住地に帰来できない等被災者の特別な事情に配慮し、避難先の保護の実施機関が実施責任を負い現在地保護を行うものとすること。」とし、さらに「被災者の状況を十分配慮し、生活保護の申請意思が確認された場合においては、申請権の侵害がないよう留意の上、迅速に対応すること。」と注意が呼び掛けられています。
 通知②も、避難所で生活保護が受けられることを当然の前提としています。
 つまり、居住地を離れた避難所で避難している場合、避難所を管轄する役所で生活保護を受けることができます。



Q3(被災地に残した資料や資産)
 被災地から着のみ着のまま避難してきました。通帳など資産を証明する書類が手元に何もありませんし、地元に残した自動車や自宅がどうなっているかも分かりませんが、生活保護を受けることができますか。

A 資産を証明する書類がなくても生活保護を受けることができます。
 通知②も、「避難所において保護費を支給する場合、必要な保護費を遺漏なく支給すること。被災状況によっては、生活実態の把握が十分できない場合も考えられるが、被災者の特別な事情に配慮し、不足が生じることのないよう配慮すること」として、手持ち資料等が不十分で生活実態や財産状況が不明確であっても、まずは保護を適用すべきことを明確にしています。
 また、通知①は、「被災者が本来の居住地に資産を残さざるを得ない場合等については、被災者の特別な事情に配慮し、『生活保護法による保護の実施要領について』(略)第3の3に掲げる『処分することができないか、または著しく困難なもの』として取り扱うこととすること。」としており、被災地に処分困難な資産があっても生活保護は適用し得ることを明確にしています。
 ただし、被災地に残した自動車、不動産その他の資産について、後日、処分可能となって資産が現実化した場合には、生活保護法63条によって、それまで受給した保護費の費用返還義務を負う可能性がありますので、その点注意が必要です。



Q4(避難所で受け取れる生活保護費)
 避難所で生活保護を受ける場合、生活保護費はいくら受け取れますか。炊き出し等の実費分を差し引かれたりするのでしょうか。

A 炊き出し等の実費分を生活保護費から差し引かれることはありません。
 避難所等において災害救助法による「炊き出しその他による食品等の給与」等を受けていたとしても、これは緊急時の給与という性格で、被災による新たな需要のごく一部を補うものに過ぎないこと、実額の算出が事実上不可能であることなどから、収入認定すべきではありません。
 通知②が、「体育館・公民館等の避難所における最低生活費の算定に当たり、生活扶助は居宅基準を計上すること。ただし、避難所の代わりに旅館・ホテル等を借り上げた場合については、具体的な事例に即し、個別に判断すること」としているのは、上記と同一の見解に立ち、少なくとも,「体育館・公民館等の避難所」については、炊き出し等の食品等の給与を受けていても収入認定することなく居宅基準の生活扶助費を支給すべきとしているものです。
 なお、阪神淡路大震災の際にも避難所で供与された食品等についての収入認定は行われませんでした。



Q5(義援金その他の給付金と生活保護)
 震災後、生活保護を受給していますが、このたび、義援金を受け取りました。義援金は収入認定されて、その分保護費は減らされてしまうのでしょうか。
 日本財団や熊本市等の見舞金や、災害救助法等に基づく給付金の場合はどうでしょうか。

A 「自立更生計画書」を出すことで、生活用品、家具、家電等の生活基盤の回復に直接必要なものはもちろん、生業、教育、住家(建築・補修)、介護等当該世帯の自立更生に必要な費用は幅広く収入認定除外されます。

 本来、生活保護を受給している者が受領した義援金については、次官通知第8-3(3)アの「臨時的に恵与された慈善的性質を有する金銭」として、自立更生計画書の提出を要せず収入認定の対象にならないものと解すべきです。
 通知③は、次官通知第8-3(3)オの「臨時的に受ける補償金、保険金または見舞金」に該当し、「自立更生計画書」を提出することによって、「当該被保護世帯の自立更生のために当てられる額」については収入認定しないという立場ですが、以下のとおり、かなり柔軟な取扱いを指示しています。

1)第1次義援金等について
 まず、第1次義援金のように緊急的に支給される義援金等については、費目・金額を積み上げずに包括的に自立更生計画に計上すればよく、使途の確認も必要ないとしています。つまり、第1次義援金については、自立更生計画書を出しさえすれば、生活再建に関わる支出なら事実上自由に使うことができます。

2)その他の義援金等について
 その他の義援金等についても、自立更生計画書に、生活用品・家具、家電等の生活基盤の回復に直接必要なものはもちろん、生業、教育、住家(建築・補修)、介護等の当該世帯の自立更生に必要な費目と金額を明記すれば、収入認定除外されます。同通知は、「被災者の被災状況や意向を十分に配慮し、一律・機械的な取扱いとならないよう留意するとともに、(略)被災者の事務負担の軽減に努めること。」として、自立更生計画の内容や疎明の程度については柔軟かつ弾力的に対応することを求めています。
通知③に「自立更生計画書」の様式が示されていますので活用してください。

3)経費が計画を下回り余りが生じた場合について
 通知③は、実際の経費が計画を下回り残余が生じた場合についても、「計上額と購入額との差額分の範囲内で、別途、自立更生のために充てられる費用として認定して差し支えな」く、このような場合、差額分の使途を事前に報告するなどすれば、「自立更生計画を再度策定する必要はない」としています。
 つまり、事前に報告さえすれば、再度自立更生計画をつくらなくても、余った差額分を自立更生のために使うことが認められるのです。

4)その他の見舞金や災害救助法の給付金について
 熊本地震では、日本財団が「全壊」「大規模半壊」の世帯に20万円、熊本市が「全壊」の世帯に5万円、「半壊」の世帯に3万円の見舞金を支給するとしています。これらの金銭については、金額の規模と見舞金という性格から、上記1)の第1次義援金と同様に包括的記載で良いものと取り扱われるべきです。
 被災者生活再建支援法による支援金、災害弔慰金法による弔慰金等については、金額の規模が比較的大きいので、上記2)と同様に取り扱われることになると思われます。
 また、災害を受けたことにより臨時的に必要となる経費として社会福祉協議会から生活福祉資金を借りた場合や、災害弔慰金法に基づいて災害援護資金を借りた場合には、それらが自立更生に充てられるのであれば、貸付金は収入認定せず、また、その償還金は生活保護の収入認定にあたって収入から控除される取扱いになっています〔保護課長通知第8-11〕。つまり、その両方が認められれば、事実上給付を受けたのと同じ効果を持つこととなります。



Q6(被災者の自動車保有と生活保護)
 生活保護の申請に行きましたが、自動車は処分するように言われました。被災地の交通の便が悪く、今後の生活基盤の再建のためにも自動車は手放したくないのですが認められないのでしょうか。

A 行方不明の家族を捜す等の特別事情があれば自動車を処分せずに生活保護を受ける余地があります。

 生活保護受給者の自動車保有については、運用上厳しく制限されて来ましたが、2011年4月19日の参議院厚生労働委員会における川田龍平議員の質問に対して、清水美智夫厚生労働省社会・援護局長(当時)は、通知①に言及しながら、「行方不明のご家族をお捜しになるためであるとか、そういった特別な事情がある場合の自動車といったものはこの通知に該当しますので、処分されなくとも生活保護の適用というものが十分考えられると思ってございます。」と答弁しました。
 なお、生活保護受給者の自動車保有を厳しく制限する従来の通知の問題点については、日本弁護士連合会の2010年5月6日付「生活保護における生活用品としての自動車保有に関する意見書」(日弁連HPhttp://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2010/100506.html)をご参照ください。
 


Q7(避難先との世帯認定)
 震災後、実家に避難して生活しているのですが、両親も年金暮らしで余裕がないため出ていきたいと思っています。生活保護申請に行くと、両親と同一世帯なので全体として保護の要否を判定すると言われました。私だけ生活保護を受けて出ていく方法はないのでしょうか。

A 避難が一時的であれば、避難者だけが生活保護を受けて転居先の敷金等の支給を受けることができます。

 この点、平成21年12月25日付厚生労働省社会・援護局保護課長通知「失業等により生活に困窮する方々への支援の留意事項について」は、「失業等により住居を失い、一時的に知人宅に身を寄せている方々から保護の申請がなされた場合には、一時的に同居していることをもって、知人と申請者を同一世帯として機械的に認定することは適当ではないので、申請者の生活状況等を聴取したうえ、適切な世帯認定を行うこと」としています。ここで書かれていることは、震災で住居を失った方にも当然にあてはまりますし、知人宅のみならず、生活保持義務関係(夫婦や親と未成熟子の関係)にない親族、きょうだい、親子宅であっても、一時的な避難先として居住している場合には、形式的に同一世帯と見ることなく、適切な世帯認定を行うべきです。
 そして、被災者の単身世帯として生活保護が開始された場合には、局長通知第7の4(1)カの「転居に際し、敷金等を必要とする場合」の解釈に関する課長通知第7の30の答12「住宅が確保できないため、親戚、知人宅等に一時的に寄宿していたものが転居する場合」に該当するものとして、転居先の敷金や引っ越し代等の支給を認めるよう申請するとよいでしょう。



Q8(避難先からの住宅の確保)
 避難所や仮設住宅から一般の民間賃貸住宅に転居する場合、新住居の敷金その他の転居費用を生活保護から支給してもらうことはできますか。

A 避難所や仮設住宅で生活保護の適用を受けると新住居の敷金等の転居費用を支給してもらえます。

 前出の課長通知第7の30の答6「宿所提供施設、無料低額宿泊所等を一時的な起居の場として利用している場合」または同8「火災等の災害により現住居が消滅し、又は居住に耐えない状態になったと認められる場合」に該当するものとして、敷金、保証金や引っ越し代等を支給してもらうことができます。



Q9(家具什器費、布団代、被服費)
 地震で住宅が全壊し、家財道具、布団、服等がほとんど使えなくなってしまいました。これらの費用を生活保護から支給してもらうことができますか。

A 家財道具、布団、衣服等の費用を保護費で支給してもらうことができます。

 局長通知第7の2では、「災害にあい、災害救助法が発動されない場合において、当該地方公共団体等の救護」もない場合には、炊事用具、食器等の家具什器費として27,800円(特別基準44,400円)の支給が認められます。しかし、2000年までは、「限度額を超えて費用を必要とする特別の事情があると認められ、都道府県知事が承認した場合」は7万円とされており、阪神淡路大震災の際には家具什器費として7万円まで認められていました。現在は特別基準設定の権限は厚生労働大臣にしかないことになっていますので、今回も同様の対応が強く求められます。
また、同様に「布団類」に18,800円、「平常着」や「学童服」に13,600円、おむつ代に20,100円なども支給が認められます。





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2016(平成28)年4月25日


大阪市の生活保護費プリカ支給断念をふまえ
吉村市長発言の危険性を指摘する声明
 
  

生活保護問題対策全国会議
代表幹事 尾 藤 廣 喜


1 はじめに
 大阪市は,本年4月14日,昨年4月からモデル事業として実施していたプリペイドカード(以下,「プリカ」という。)による生活保護費の支給(以下,「本事業」という。)を今年3月末をもって終え,本格実施を断念することを明らかにした。当会は,他の160団体とともに,昨年3月5日,大阪市に対し,「プリペイドカードによる生活保護費支給のモデル事業撤回を求める要望書」を提出し,本事業の実施に強く反対していたところであり ,今般の大阪市の事業断念そのものについては,当然のこととはいえ歓迎する。しかし,各種報道によれば,同市の吉村洋文市長は,会見で,「本当は原則カード支給にしたいが,法律上強制はできない。国の制度を変えないと普及は難しい。利用者アンケートの結果を検証して国に制度変更を要望したい。」などと述べたという。この吉村市長の発言は,本事業の違法性や問題点を全く理解しない発言であって到底容認できない。

2 本事業の問題点1~生存権(憲法25条)・プライバシー権(憲法13条)侵害等
 生活保護法31条が金銭給付を原則とした趣旨は,生活保護費の使途は自由であることを確認した福岡高等裁判所平成10年10月19日判決(最高裁第三小法廷平成16年3月16日判決によって確定)が判示したとおり,生活保護制度の目的が,憲法25条の生存権保障を具体化し,人間の尊厳にふさわしい生活を保障することにあり,そのような生活の根本は,自らの生き方ないし生活を自ら決するところにあるからである。
 しかし,プリカが使える店は非常に限られていて選択の範囲が著しく狭められるだけでなく,化学物質過敏症等のアレルギーや糖尿病等の疾病をもつため特定の店舗等を通じてしか安全な食材等を入手できない人にとっては生命や健康さえ危険にさらされる。また,生活保護の実施機関が,プリカの利用履歴を把握し,生活保護利用者の生活全般を管理支配することは,生活保護利用者のプライバシー権・自己決定権(憲法13条)の著しい侵害である。
 なお,「保護費をパチンコ等に費消する人の支援」が本事業導入の理由の一つに挙げられていたが,ギャンブルやアルコール依存症の問題は,きめ細やかで根気強い専門的な治療や支援なくして解消できるものではなく,プリカで強制管理すれば解決するというような問題ではない。

3 本事業の問題点2~大手カード会社による国家的規模の貧困ビジネスの始まり
 そもそも大阪市は,2013年9月の時点では,本事業に消極的な姿勢を明確にしていたにもかかわらず ,橋下徹前市長が,三井住友カードと富士通総研の提案を採用して,「日本初」の本事業が開始された経緯がある。提案企業は,児童手当や災害手当等の各種給付年間100億ドル以上がプリカ支給されている米国を模範に,大阪市を皮切りに全国の自治体への展開を進め,公的給付全般についての利用拡大を目指す野心を露わにしている 。生活保護でプリカ支給が原則とされれば,同様に税金が財源(の一部)となっている,老齢年金,障害年金,児童手当,児童扶養手当等の公的給付も,プリカ支給されるようになることは決して杞憂ではない。大手カード会社が,福祉給付を利潤の源として食い物にする国家的規模の貧困ビジネスの始まりである。

4 吉村市長発言の危険性
 仮に,吉村市長が,生活保護法31条の金銭給付原則を改正すれば本事業が許されることになると考えているとすれば大きな間違いであり,それは,生存権(憲法25条)やプライバシー権(憲法13条)の根幹を否定する極めて危険な発想であると言わなければならない。また,福祉給付を利潤の源として大手カード会社に売り渡す,自治体の首長としてあるまじき姿勢であると言わなければならない。
 当会は,吉村市長が国に対する軽率な提言や要望を行うことのないよう予め強く要望するとともに,大阪市が,かかる軽挙に出ることのないよう,他の心ある諸団体と連携しつつ,その動静を注視していく決意を表明するものである。
 


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