大阪市の4区が顔写真付きの「確認カード」を作成交付している問題で、本日、浪速区の生活保護利用当事者14名(うち7名は代理人弁護士への委任)が「確認カード」を返上し、保管されている写真の廃棄を求めました。これは、10月18日の協議の際、大阪市が「作成はあくまで任意であり、カードの返上、写真の廃棄の要請があれば応じる」旨述べたことを受けたものです。
 当事者代表が下記声明文を読み上げた後、同区の保護課長が、順次、手動シュレッダーでカードと写真を裁断しました。
 保護課長が一人でシュレッダーを回そうとするとうまくいかず、当事者代表が手を添えてシュレッダーを固定するとスムーズにいきました。課長と当事者の共同作業で14人分のカードと写真が裁断されたのです。役所が上から監視管理しようとすると空回りし、役所と当事者が信頼に基づいて手を携えればうまくいくことを象徴しているようで印象的でした。
 私たちは、確認カードの返上が自由であることを当事者に周知するとともに、引き続き大阪市に対して制度の廃止を求めていきます。



2017年11月17日

声明文


大阪市浪速区長 榊  正文 殿


浪速区生活保護利用者一同


 私たちは、貴区に顔写真を撮られ、その顔写真がついた確認カードを交付されました。しかし、この確認カードは、生活保護行政において、全く不要のものであることから、本日これを返却しますので、貴区において保管している私たちの顔写真とともに私たちの面前で廃棄処分をするよう求めます。

確認カードの交付の際、カードの作成が任意であることやこれを拒否しても不利益がないこと、大阪市の4区だけの特別な制度であることについて一切説明がなかったので、私たちはカードの作成は必要なものだと誤解してしまいました。このように何ら説明無く、まるで犯罪者のように顔写真と番号の入った確認カードを作成したことに対し、強く抗議いたします。

確認カード導入の理由について、窓口での生活保護費の支払時や医療券発行時に本人確認を確実に行い、保護費の誤支給やなりすましによる不正受給を防止するとともに窓口での本人確認を速やかに行うためと説明されております。しかし、誤支給はそもそも職員側の事務ミスによって生じるものであり、またなりすましについても、実際に窓口での支給の際になりすましたという例は全くありません。さらに、「確認カード」以外の本人確認の方法と「確認カード」による本人確認で交付の時間にそれほど差が生じるとも考えられません。

このように確認カードは有害無益なものですので、直ちに廃止してください。
そして、このような有害無益なカードにではなく、子どもの学習支援など生活保護利用者にとっても行政にとっても有益なことに力を入れ、血の通った生活保護行政を行ってください。




東北生活保護利用支援ネットワークが自治体HPの調査を実施しました。



自治体ホームページ調査結果概要

平成29年10月25日
東北生活保護利用支援ネットワーク


 東北生活保護利用支援ネットワークでは、今年度、東北地方の各自治体(県を含む。)のホームページに生活保護制度の説明が掲載されているかを調べた。そのきっかけとなったのは、「『生活保護なめんな』ジャンパー問題」で話題になった小田原市のホームページに、生活保護制度の説明に関して問題のある記載が見られたことである。同様の記載が無いか、東北地方の自治体のホームページを見ていったところ、そもそもホームページが無い自治体が散見されたため、まずはホームページの有無について調査を行うこととした。
 独自調査の結果、生活保護制度の情報が掲載されていないことを確認した自治体には、今後そのようなページを作成する予定があるか否かを尋ねるアンケート調査を実施した。

1 生活保護制度を説明したページのある自治体の数
  青森県 41自治体中22自治体(53.7%)
  岩手県 34自治体中21自治体(61.7%)
  秋田県 26自治体中18自治体(69.2%)
  宮城県 36自治体中23自治体(63.9%)
  山形県 36自治体中16自治体(44.4%)
  福島県 60自治体中17自治体(28.3%)
  全体  233自治体中117自治体(50.2%)

2 講評
(1)生活保護制度を説明するページの有無

◯県によって大きなバラツキがあった。秋田県で多いのは、生活保護についての運動団体が強いことも影響していると思われる。

◯福島市は、県庁所在地では唯一、生活保護制度の説明ページを持っていなかった(同市は、給付型奨学金を収入認定するという誤った運用を行い、厚労省から処分取消裁決を受けた自治体でもある)。

◯町村ではホームページを持っていない自治体が多かった。ただ、その理由として、生活保護を実施する責任が県にあるためとの回答が複数見られた。しかし、生活保護制度の相談は、町村が第1次的には受けることになっている。町村のホームページに記載が無いとすれば、どこに相談に行って良いかの情報を、住民が得られないことになる。

◯今回は掲載内容を問う調査ではないが、極めて簡素な説明に留まるページも多く、また、内容的にも問題のあるもの(扶養義務を強調するもの等)もあり、今後は内容面の調査も必要と思われる。



(2)生活保護制度を説明するページを作成する予定の有無

◯「有り」や「検討中」という回答が多かったが、「無し」という回答も少なくなかった。しかし、生活保護という重要な制度の情報を、ホームページに載せないことは望ましくない。

◯今回の調査を受けて、ホームページに生活保護制度の説明をするページを作ったとの回答も複数あり、その重要性を受け止めてもらえたことは良かったと考える。





[調査結果]
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青森県 岩手県  秋田県 宮城県 山形県  福島県





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 当団体らは、本日、大阪市(保護課長代理)と4区(保護課長)と面談協議の場を持ち、要請書を提出して「本人確認カード」の廃止を求めました。
 当団体らは、引き続き、本制度の廃止を求めて取り組みを進めていきます。



2017年10月18日


「本人確認カード」の廃止を求める要請書


大阪市長    吉村 洋文 殿
同市浪速区長  榊  正文 殿
同市福島区長  大谷 常一 殿
同市東住吉区長 上田 正敏 殿
同市港区長   筋原 章博 殿

生活保護問題対策全国会議他29団体


当団体らの2017(平成29)年8月8日付けの公開質問状に対し、貴市より同年9月15日付け及び同年10月2日付けでいただいた回答をふまえ、以下のとおり、要請いたします。

第1 要請事項
 1 「本人確認カード」の制度を直ちに廃止してください。
 2 各区において保管している生活保護利用者の顔写真を当事者に返却してください。

第2 要請の理由
 貴市のご回答によれば、「本人確認カード」は、窓口での生活保護費の支払時や医療券発行時に本人確認を確実に行い、保護費の誤支給やなりすましによる不正受給を防止するとともに窓口での本人確認を速やかに行うことを目的とするとのことです。
しかし、以下のとおり、貴市の回答によって「本人確認カード」が有害無益であることがより一層明らかとなりました。

 1 生活保護行政において「確認カード」による本人確認が全く不要であること
 上記質問状で述べたとおり、「誤支給」は職員側の事務ミスによって生じるものでそもそも「確認カード」によって防止できるものではありません。交付時の「なりすまし」による不正受給についても、当該生活保護利用者と面識のある職員が窓口にいて発覚するおそれがあるのに利用者本人になりすまして生活保護費や医療券の交付を受けようとする者がいるとは考えられず、「確認カード」による本人確認を行う必要は全くありません。
 このことは貴市からの回答によって、より一層明らかとなりました。
 すなわち、「確認カード」を試行実施している4区では誤支給やなりすましによる不正受給は発生しておらず、過去に他区であったなりすましの3事例は、いずれも保護申請の段階で既に他人になりすましていた事例であり、生活保護費や医療券の交付時におけるなりすましの事例は存在しないとのことです。申請段階におけるなりすまし事例では、なりすました他人の「確認カード」が作成されることになるだけなので、「確認カード」によってなりすましを防止できないことが明らかです。
 また、「確認カード」導入のきっかけとなったと貴市が回答する2012(平成24)年7月18日の市会民生保健委員会において、冨岡朋治委員(当時)は、「被保護者にあらかじめ顔写真を添付してカードを交付しておき、そのカードの提示でもって確実に本人であることを確認した上で保護費を支給するというような方法を考えることはできないか」と提案していますが、その理由としては、「区役所での窓口支給に際しましては、受給者本人であることは確認の上で交付されていると思われますが、やはり中には他人が受給者に成り済まして二重受給を受けているというようなことがないように、やはり防止策をつくることが必要ではないかと思われます。」としか述べていません。
 つまり、貴市の回答によれば、「確認カード」の作成を必要とするような、なりすましによる不正受給事案自体が全く存在しないのであり、制度導入の前提事実を欠くことが明らかとなったのです。
 そもそも、貴市の回答では、「確認カード」以外の本人確認の方法としては氏名、生年月日,住所による確認を行っているとのことであり、この方法と「確認カード」による本人確認とで,所要時間にさしたる差が生じるとも考えられないことからすれば、こうした通常の方法をとればよいだけの話です。
 以上のとおり、生活保護費の支給や医療券の発行の際の,誤支給,不正受給(なりすまし)を防止するためにも,窓口の「混雑緩和」のためにも,「確認カード」によって本人確認をする必要は全くありません。
    
2 生活保護に対するスティグマを強め,保護申請を萎縮させること
 貴市の回答によれば、浪速区と東住吉区においては、申請書受理後に「確認カード」の顔写真を撮影しているとのことです。
しかし、上記質問状で述べたとおり、生活保護申請時に写真撮影の同意を求められた場合,保護決定への影響を恐れ,これを拒否することは極めて困難です。
 また、今回貴市から開示された4区の説明文書においては、顔写真の撮影及び確認カードの作成が任意であって、これらを拒否した場合に不利益が何ら無いことについての明記がありません。したがって、「確認カード」の作成が任意であることが説明されているものとは認められません。
 以上より、上記写真撮影が形式的には当事者の同意のもとに行われているとしても,それは事実上の強制によるものと言わざるを得ず、上記質問状で述べたとおり、生活保護に対するスティグマ(「恥の意識」「偏見」)を強め,保護申請を萎縮させる効果があると考えられます。

3 個人情報保護条例上の問題及び肖像権侵害の問題
 上記のとおり、顔写真の撮影や「確認カード」の作成が任意であること及びこれを拒否しても不利益が一切無いことが顔写真撮影時に説明されておらず、写真撮影について本人の真摯な同意が十分に確認されているとはいえません。したがって、上記質問状で述べた個人情報保護条例違反や肖像権侵害の恐れも未だに残っております。

4 別の目的(生活保護利用者に対する尾行調査等への利用目的)で利用される危険性
 貴市の回答によれば、浪速区以外の3区は同意受領書兼原票またはケース記録の個人台帳に予備の写真1枚を貼付し、港区以外の3区ではさらに残った写真を袋に入れてケース記録に保管しているということです。
 貴市においては,各区に警察官OBが配置され,不正受給が疑われる生活保護利用者の尾行や張り込みが行われているところ,貴市の上記回答によれば、保管されている顔写真を,上記警察官OBが見ることができるのであり、顔写真が上記尾行・張り込み活動の際の「面割り」写真として利用される危険が現実に存在します。

 以上のとおり、貴市の回答によって、「確認カード」が有害無益なものであることがより一層明らかとなったため、私たちは、同制度を直ちに廃止するよう求めるものです。

以 上



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大阪市からの回答書
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回答書② 印刷版(PDF) のダウンロードはこちらから click!

提出した公開質問状こちら



緊急院内集会

印刷版(PDF)のダウンロードはこちらから

緊急院内集会

ガマンくらべを終わらせよう。


生活保護でも大学に!

下げるな!上げろ!生活保護基準

 来年度、5年に一度の生活保護の基準見直しが予定されています。
 5年前の改定の際には、基準部会での結論とは全くかけ離れた形で基準の引き下げが行われましたが、今回も、母子加算の削減など子どものいる世帯などの基準の引き下げが懸念されています。
 生活保護世帯の子どもの大学等への進学を認めるべきだとの世論も高まる中、大学進学も認めず保護基準を引き下げたのでは、貧困の連鎖が強まる一方です。
 道理のない保護基準引き下げを許さず、誰もが「健康で文化的な生活」をおくることができるよう、私たちの声を国会に届けましょう!
 

【日時】2017年11月15日(水)

12:30~14:30


※事前申込み不要・入場無料


(12時から参議院議員会館1階ロビーで通行証を配布します。)


【場所】参議院議員会館講堂

永田町駅(地下鉄 有楽町線・半蔵門線・南北線)、国会議事堂前駅(地下鉄 丸ノ内線・千代田線)アクセスはこちら







司会

雨宮処凛さん (作家)


稲葉剛さん (住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人)



基調講演「憲法25条が保障する生存権と生活保護基準引き下げ」

木村草太さん (首都大学東京大学院教授)



基調報告「生活保護基準部会での議論の状況」

田川英信さん (いのちのとりで裁判全国アクション事務局)



特別報告「生活保護世帯の大学生の現状と課題~堺市実態調査から」

桜井啓太さん (名古屋市立大学講師、元堺市ケースワーカー)



当事者の声
 ・子どもの専門学校進学で「世帯分離」された母子世帯の方
 ・生活保護を利用する高齢世帯、障がい世帯、母子世帯等の方々

国会議員あいさつ

集会アピール・行動提起

閉会あいさつ


【主催】いのちのとりで裁判全国アクション
[問い合わせ先]あかり法律事務所 弁護士 小久保 哲郎
TEL:06-6363-3310 Fax:06-6363-3320


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見てみよう行ってみよう聞いてみよう

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生活保護制度は、誰もが「健康で文化的な最低限度の生活」をいとなむことができるよう、生活に困った人の命と暮らしを支える大切な制度です。
 でも、残念なことに、生活保護制度には誤解や偏見がつきまとい、制度を利用できるはずの人のうち2割程度しか利用できていません。その原因のひとつには、政府や自治体の広報や窓口体制の不十分さがあります。
 
 「わたしのまち」の生活保護は、生活に困った人、さまざまなしんどさを抱えている人にとって、優しく使いやすいものになっているでしょうか?
 チェックして改善を求めてみましょう。

①見てみよう!
「保護のしおり」やホームページをチェックする
 生活保護の利用を考える人が制度内容を知る手がかりとなるのが「保護のしおり」や自治体のホームページ。でも、中には誤った情報や誤解を招く記載があったり、必要な情報が記載されていなかったりします。
 何をどのように記述するか、完璧を求めるのは難しい面もありますが、少なくとも誤った情報や誤解を招く記載はなくし、より良い内容となるようチェックしてみましょう。

手順①:切手を貼った返信用封筒を入れて、福祉事務所設置自治体に、「保護のしおり」の送付を依頼する。
※送付依頼文例(word) (PDF)
  ↓
手順②:別紙チェックシートに基づいて「保護のしおり」やHPをチェックする
※保護のしおりチェックシート(excel) (PDF)
注)このチェックシートについては、完全なものではなく、より適正な評価ができるよう、チェック項目の設定や評価の方法について改善の余地があります。適宜改善してご利用いただくとともに、改善のご意見をお寄せください。

※チェック例
 小田原市(改定前後)編 
 神奈川県・同県政令市編
 神奈川県中核市・一般市編

  ↓
手順③:チェックの内容を福祉事務所設置自治体に還元し、是正を求める。
※訂正要請文例(word) (PDF)

②行ってみよう!
生活保護の窓口は、相談に訪れた人にとって親切なものになっているか。窓口に行って確かめてみましょう。
※福祉事務所チェックシート(excel) (PDF) Q1~Q6

良い例(相談室に絵や観葉植物が飾っている、待合室に子ども用のおもちゃや絵本などが置いている等)
悪い例(「STOP!不当要求」「不正受給は犯罪です」「監視カメラ作動中」などのポスターがこれ見よがしに貼ってある、監視カメラがある、「さすまた」がこれ見よがしに置いている等)

それぞれ写真を撮るなどして情報提供をお願いします。

③聞いてみよう!
 生活保護の窓口が親切できめ細かい対応がなかなかできない理由には、ケースワーカーの人員不足や専門性の不足があります。
 あなたのまちの生活保護窓口の職員体制がどうなっているか、聞いてみましょう。
※福祉事務所チェックシート(excel) (PDF) Q7~Q11
※質問文例(word) (PDF)

<みなさんへお願い!>
◆各地での取組みの結果を集約します。当会までぜひ、取組情報をお寄せください。


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