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 吉村大阪市長は、大阪市立大学が行った生活保護に関するビッグデータ分析を受けて、①生活保護受給審査特別チームの設置や②母子世帯に対する就労支援の強化を提言しています。しかし、吉村市長の提言は、上記データ分析を曲解し、いたずらに生活困窮者を追い詰めるものであるため、私たちは、本日、大阪市に意見書を提出しました。



2017年8月8日


生活保護ビッグデータ分析を曲解した
吉村大阪市長提案に関する意見書


生活保護問題対策全国会議,反貧困ネットワーク大阪,シンママ大阪応援団,野宿者ネットワーク,近畿生活保護支援法律家ネットワーク,全大阪生活と健康を守る会連合会,なにわユニオン,ユニオンぼちぼち,大阪子どもの貧困アクショングループ(CPAO),特定非営利活動法人ジョイフルさつき,一般社団法人エープラス,NPO法人多重債務による自死をなくす会コアセンター・コスモス,全国「精神病」者集団,「骨格提言」の完全実現を求める大フォーラム実行委員会,怒っているぞ!障害者切りすて!全国ネットワーク,兵庫県精神障害者連絡会,生活保護支援九州・沖縄ネットワーク(以上18団体)

第1 はじめに
 大阪市と大阪市立大学公共データ解析プロジェクトチームは,本年7月7日,大阪市が保有する行政データを活用したビッグデータ分析における国内初の事例として,生活保護を対象としたデータ分析の結果を取りまとめ(以下,「本件報告書」という。),公表した。
 これを受けて,吉村洋文大阪市長は,大阪市の生活保護受給者数や金額は橋下市政の代から5年連続で減少しているとし,「更にもっと,やっぱり今後下げていくためには,どうしたらいいのかってことです。ほっとけばやっぱり増えますんでね…より厳しく,きちっとこの施策を進めていかないとすぐ広がってくるだろうな,という危機意識は持っています。」と生活保護削減の必要性を強調したうえで,①大阪市に転居してすぐの生活保護申請に対応するため受給審査の専門チームを立ち上げること,②受給期間が長期化している母子世帯に対する就労支援策を強化することを提案している(7月20日市長記者会見。大阪市HP)。
 しかし,吉村市長の上記提言は,生活困窮者が置かれている実情をリアルに把握することなく,本件報告書を曲解している。何の根拠もなく,生活保護の削減のみを目標として,いたずらに生活困窮者を追い詰めようとするものであって,到底容認できない。

第2 「生活保護目的で大阪市に転居してすぐの生活保護申請が多い」というデータなどない
1 吉村市長の発言内容
 前者の「大阪市に転居してすぐの生活保護申請」については,「生活保護を目的に大阪市に引っ越してきたとみられる人たちは平成27年度に男性受給者の19.8%,女性受給者の10.6%」といった報道がされ(7月8日NHKニュース),吉村市長は,「大阪市に入ってのすぐの生保申請については,原因をさらに分析調査し,受給審査の専門チームを立ち上げる(7月10日ツイッター)」,「大阪市に転入してすぐ生活保護を申請するケースが突出して多い。なんでだ?これを適正に審査するのは当たり前。だって大阪市民の税金を使うんだから(7月20日ツイッター)」と発言した(7月20日の市長会見でも同旨の発言をしている)。
 吉村市長の上記発言は,①生活保護受給を目的として②大阪市に転居してきてすぐ(6か月以内)に③生活保護を不適正に受給している者の割合(パーセンテージ)が④他都市と比較して突出して多いこと,⑤生活保護費が大阪市民の税金を原資としていることを前提にしている。しかしながら,以下述べるとおり,吉村市長の発言は,上記①ないし⑤のすべての点において,まったく根拠を欠いている(なお,上記NHKの報道にあるパーセンテージは,新規の保護開始数を分母にした数字のはずだが,生活保護受給者全体を分母と誤解させる不正確な報道である。)。

2 吉村市長の発言内容の問題点
 まず,①については,本件ビッグデータ分析からは何を目的に大阪にやってきたのかという「主観」は全く読み取れない。また,②について,本件報告書は,「市民日(=住民登録日)」を起点としており,「大阪市に転居してきた日」を起点としているわけではない。支援の現場感覚では,地元に住民票を残したまま仕事を求めて来阪したものの,仕事が見つからず,あるいは,しばらく仕事をしたものの失業し,やむを得ず生活保護を利用するに至る人が多い。上記の数字にはこうした人々も多数含まれていることが当然に想定される。なお,本件報告書も,受給が長引かず,「短期に廃止にいたることも多いので,必ずしも増加要因を形成しているとは言い難い。」としている。
 ③については,仮に来阪してすぐに生活保護申請をしたからといって,それ自体が不適正な生活保護受給であるということにはならない。かつて言われた大阪行きの片道切符を渡すような自治体の扱いは非難されてしかるべきであるが,そのような扱いをされた当事者についても,生活保護の要件を満たす限り保護を適用するのが当然である。また,吉村市長自身,そのような事例が最近はあまりない旨述べている(7月20日市長記者会見)。
 ④については,本件報告書も,「全国でも初めて数値としてはじき出したので,比較事例はない」と明記しているとおり,来てすぐの生活保護受給が「他都市と比較して突出して多い」という根拠は全くない。
 ⑤については,生活保護費の4分の3は国庫負担である(生活保護法75条)。残りの4分の1は地方負担ではあるが,地方交付税交付金で裏打ちされており,大阪市の「持ち出し」はごく一部に過ぎない。むしろ,保護費の大部分は国費が投入されており,そのほぼ全額が消費に回るので地域経済の活性化に役立っている面があることも見逃してはならない。

3 小括
 以上のとおり,吉村市長の発言は,事実の根拠を全く欠く無責任な思い付きというほかない。しかも,市長は,特別の審査チームを各区に置くのは人員上無理なので,問題の多い区には常駐させるが,その他の区は本庁にチームを置き,必要に応じて各区に派遣する旨述べている(7月20日市長会見)。しかし,こうした体制を実効的に稼働させることは実務上困難と思われる。来阪後,あるいは,住民登録後間もない申請者に対する審査をいたずらに長期化・厳格化し,生活困窮者を排斥し追い詰めるおそれが強い。「闇の北九州方式」と言われたかつての北九州市のように「水際作戦」を強化するものであって到底容認できない。

第3 母子世帯の母親に対するさらなる就労強化は母子を苦しめることになる
1 吉村市長の発言内容
 次に,吉村市長は,ひとり親世帯の生活保護利用期間が長期化している対応策として,「就労支援策の強化」を打ち出している。
 しかし,今回のビッグデータ調査では,ひとり親世帯がどのような困難を抱えて生活しているのか,なぜ生活保護利用期間が長期化しているのか,その実態については何ら明らかとなっていない。母子世帯が抱える疾病その他の就労阻害要因に何ら目を向けることなく,「就労支援の強化」といったお題目を唱えても効果は限定的であるばかりか,困難を抱えた母子世帯の母親と子どもをさらに追い詰めることとなる。

2 母子世帯が置かれている状況
(1)被保護母子世帯の7割がDV被害を受け精神疾患の割合が高い
 厚生労働省の調査(平成21年12月11日付「生活保護母子世帯調査等の暫定集計結果~一般母子世帯及び被保護母子世帯の生活実態について~」)によれば,被保護母子世帯の7割がDV被害の経験を持ち,そのうち8割の母親が精神的不調を来たし,6割の子どもがDV被害の影響を受けている(18頁)。
 被保護母子世帯のうち,病気やけがなどによる体の具合に対する自覚症状があるとする母親は72.9%に達し,一般母子世帯の37.1%の2倍に及ぶ(11頁)。現在通院をしている母親の傷病の種類についても,うつ病等の精神疾患の割合が3割と一般母子世帯の3倍に及んでいる(13頁)。
 こうした母親の精神状態へのケアを抜きに就労指導のみを強化することは,その精神状態をさらに悪化させるおそれが強い。

(2)被保護母子世帯の子どもの健康状態も悪い
 被保護母子世帯のうち,病気やけがなどによる体の具合に対する自覚症状があるとする子どもの割合は34.1%もあり,一般母子世帯の24.8%よりもかなり高い(20頁)。実際に通院している子どもの傷病の種類についてみると,「うつ病やその他こころの病気」は12.2%で,一般母子世帯の1.3%と比較すると約10倍に及んでおり,被保護母子世帯の子どもの心の病気の割合は著しく高い(22頁)。
 実務感覚からしても,被保護母子世帯の子どもは,発達障害等の障害を抱えていたり,学校でイジメにあって不登校となっているなど,母親の就労阻害要因となっていることが少なくない。こうした子どもへの支援を抜きに,いたずらに母親の就労時間を増加させることは,子どもが抱える問題をより悪化させるおそれが強い。

(3)働ける母親はすでに働いている
 上記のとおり,被保護母子世帯は,一般母子世帯の中でも特にDV被害経験やうつ病等の精神疾患等の多重の困難を抱えているにもかかわらず,42.2%が働いている(2頁)。一般母子世帯の有職率81.4%(同前2頁)と比較するとかなり低いが,職がないと回答した理由は,一般母子家庭では「健康に自信がない」とする回答が37.4%であるのに対し,被保護母子世帯は64.7%となっており(3頁),前述のとおりの精神疾患を初めとする健康状態の悪さが背景にあることがうかがえる。また,現在就業中の母親の健康状態については,被保護母子世帯では29.9%が「よくない」又は「あまりよくない」と回答しており(一般母子世帯では14.3%),健康状態が悪い中,無理をおして働いている様子がうかがわれる(6頁)。
 一方,実態により近いと思われる毎年の全数調査の結果によれば,被保護母子世帯のうちの稼働世帯の構成比は,1995(平成7)年以降一貫して5割前後(平成26年12月速報値では49.4%)で推移している。これは,高齢者世帯4.2%,傷病者・障害者世帯13.1%,その他の世帯39.3%と比較しても突出して高い。
 このように,多重の困難を抱えた被保護母子世帯のうち,働ける者は皆,かなり無理をしながら働いている。それでも生活保護から脱することができないのは,低賃金の不安定雇用にならざるを得ない現実(女性の平均賃金は男性の約7割,非正規女性社員の平均賃金は正規女性社員の7割程度)があるからである。
 十分な収入が得られる就労場所の提供なくして就労指導だけを強化しても生活保護基準を上回る収入を得ることは期待できない。

3 小括
 以上のとおり,厚生労働省の調査によれば,被保護母子世帯の7割がDV被害の経験をもち,そのうち8割の母親が精神的不調をきたしている。被保護母子世帯の母親,子どもともに健康状態が悪く,特にうつ病等心の病気の罹患率が高い。そして,働ける母親はすでに働いている。
 こうした実情を何ら考慮することなく,単純に「就労支援策の強化」のみを打ち出すことは,多重の困難(特に心の病気)を抱えた被保護母子世帯の母親と子どもをさらに追い詰め,貧困の連鎖を増幅することにつながりかねないことに思いを致すべきである。


(連絡先)
 〒530-0047 大阪市北区西天満3丁目14番16号 西天満パークビル3号館7階
 あかり法律事務所 電話06-6363-3310 fax06-6363-3320
 生活保護問題対策全国会議 事務局長 弁護士 小久保 哲郎





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 大阪市の4区で生活保護利用者の顔写真付きの「確認カード」の作成・交付が事実上強要されていることが発覚しました。私たちは、本日、この「確認カード」の問題点を指摘するとともに事実関係について質問する公開質問状を大阪市に提出しました(4区には郵送執行)。(回答期限:2017年8月末日)



2017年8月8日


「本人確認カード」に関する公開質問状


大阪市長    吉村 洋文 殿
同市浪速区長  榊  正文 殿
同市福島区長  大谷 常一 殿
同市東住吉区長 上田 正敏 殿
同市港区長   筋原 章博 殿

 生活保護問題対策全国会議,全大阪生活と健康を守る会連合会,大阪府保険医協会,大阪府歯科保険医協会,大阪民主医療機関連合会,自由法曹団大阪支部,反貧困ネットワーク大阪,引き下げアカン!大阪の会(生活保護基準引き下げ違憲大阪訴訟を支える会),近畿生活保護支援法律家ネットワーク,野宿者ネットワーク,なにわユニオン,ユニオンぼちぼち,大阪子どもの貧困アクショングループ(CPAO),特定非営利活動法人ジョイフルさつき,全国生活と健康を守る会連合会,アルバイト・派遣・パート非正規等労働組合(略称/あぱけん神戸),個人社会福祉士事務所フリーダム,有限会社おとくに福祉研究所,きょうと福祉倶楽部,NPO法人多重債務による自死をなくす会コアセンター・コスモス,夜まわり三鷹,生存権がみえる会,全国「精神病」者集団,特定非営利活動法人 出発のなかまの会,「骨格提言」の完全実現を求める大フォーラム実行委員会,怒っているぞ!障害者切りすて!全国ネットワーク,兵庫県精神障害者連絡会,NPO法人ささしまサポートセンター,全京都生活と健康を守る会連合会,生活保護支援九州・沖縄ネットワーク(以上30団体)

第1 はじめに
 今般,貴市の浪速区,福島区,東住吉区において,生活保護担当職員が,生活保護利用者に対し,申請時等に写真撮影を行った上で,顔写真付きの「確認カード」なるもの(以下「確認カード」といいます。)を作成・交付していることが判明しました(その後,港区においても「確認カード」の作成・交付がなされていることが分かりました。)。この点について,以下のとおり,意見を申し述べるとともに,質問及び資料提供の要請をいたします。
 ご多忙中にお手数をおかけして恐縮ですが,2017年8月末日までに本書末尾記載の連絡先あてにご回答いただきますようお願いいたします。なお,回答内容については,申入れ団体のHP等で公開する場合がありますので,予めご承知おき願います。

第2 「本人確認カード」の問題点
1 生活保護行政において「確認カード」による本人確認が全く不要であること
 貴市は,顔写真付きの「確認カード」の必要性について,「窓口での保護費の支払い時などに本人確認に活用することにより,保護費の誤支給や不正受給(なりすまし)を防止すると共に,保護費の支給日の混雑緩和にも活用することで実施機関の事務の軽減に寄与する」旨説明しています。
 しかしながら,まず,「誤支給」というのは,職員側の事務ミスによって保護費の袋や医療券を間違えて別の生活保護利用者に渡してしまう場合なので,そもそも「確認カード」によって防止できるものではありません。
 次に,「なりすまし」による不正受給ですが,そもそも,当該生活保護利用者と面識のある職員が窓口にいて発覚するリスクが相当あるのに,わざわざ他人になりすまして保護費や医療券を取りに来る者がいるとは考えられません。
 生活保護費の支給は原則口座振込みとされており,窓口支給とされるのは極めて例外的な場合です(口座振込みの手続が間に合わない新規ケースや保護費からの返還金があるケースなど)。窓口での生活保護費の支給に際しては,通常,本人と直接面識のある担当ケースワーカー等が対応をするため,「確認カード」による本人確認の必要性は全くありません。
 また,医療機関の受診については,定期的継続的に同一の医療機関に受診する場合には,本人に医療券が交付されることはなく,生活保護利用者のかかりつけの医療機関と福祉事務所が直接やり取りをします。生活保護利用者のかかりつけの病院に別人がなりすまして行けば,医師等に発覚するので,そのようなことは考えられません。突発的単発的な受診の場合には,通常,生活保護利用者がケースワーカー等に事前に電話等で相談のうえ,窓口では生年月日等で本人確認をして医療券を渡してもらいます。先にも述べたとおり,窓口で当該生活保護利用者と面識のある職員に見破られるリスクがあるのに,わざわざ他人になりすまして医療機関を受診しようとする者はいません。したがって,医療券の発行にあたっての不正受給(なりすまし)も考えられません。
 事務処理の迅速化による「混雑緩和」についても,一般に行われている生年月日,住所等の通常本人しか知り得ない個人情報の聴取による確認と「確認カード」による本人確認とで,所要時間にさしたる差が生じるとも考えられません。
 以上のとおり,生活保護費の支給や医療券の発行の際の,誤支給,不正受給(なりすまし)を防止するためにも,窓口の「混雑緩和」のためにも,「確認カード」によって本人確認をする必要は全くありません。
 私たちが知る限り,全国的にもこのような「確認カード」を作成しているのは,貴市の4区だけです。生活保護制度が始まって以来今日に至るまで,他の地域において特段問題が生じていないことからしても,「確認カード」が無用の長物であることは明らかです。

2 生活保護に対するスティグマを強め,保護申請を萎縮させること
 私たちの調査によれば,貴市浪速区では,まだ生活保護の受給が決まっていない生活保護申請時に面談室において,写真撮影を行っているようです。また,生活保護利用中の者については,来庁者が行き来する場所の壁に立たせて写真を撮影しているようです。上記のとおり,必要性がないのにわざわざ「確認カード」を作成・交付するのは何のためなのでしょうか?
 本来,申請保護の原則がとられている生活保護においては,申請権の保障は極めて重要であり,「申請保護の原則を生かすためには,一般の国民から見て申請がしやすいように保護の実施機関側でも工夫すべきであ」るとされています((小山進次郎「改訂増補 生活保護法の解釋と運用」165頁)。
 仮に,「確認カード」の作成・提示を義務付け,それがなされない限り保護費の支給や医療券の交付を行わないとすれば,法的根拠なく保護請求権を制限するものであって明らかに違法です。したがって,かかる制度が許容されうるのは,あくまでも当事者の真摯な同意がある場合に限られます。
 しかし,生活保護申請時において,申請者は,保護決定がなされるかどうかによって今後の生活,ひいては生命・健康が大きく影響される立場にあります。このような立場にある申請者が,写真撮影の同意を求められた場合,保護決定への影響を恐れ,これを拒否することは極めて困難です。
 また,確認カードの作成について,医療券の交付や生活保護費の支給の際に必要であるとの説明がなされていた場合,生活保護利用者にとってこれらの交付・支給が生存のために必要不可欠であることから,カードの作成や,写真の撮影を,拒否することは極めて困難です。
 したがって,写真撮影が形式的には当事者の同意のもとに行われているとしても,それは事実上の強制によるものと言わざるを得ません。
 刑事訴訟法218条2項は,「身体の拘束を受けている被疑者の…写真を撮影するには,被疑者を裸にしない限り,前項の令状によることを要しない」と規定しており,警察に逮捕・勾留された被疑者は写真を撮影されます。生活保護を申請する者の顔写真の撮影を事実上強制することは,生活保護を利用する者を犯罪者のように扱うものです。
 このように,法律上の根拠も,実質的な必要性もないのに,顔写真を撮影され,管理番号で管理された「確認カード」の携帯や提示を事実上強制されることは,通常,少なからぬ不快感・屈辱感を与えるものであり,生活保護に対するスティグマ(「恥の意識」「偏見」)を強め,保護申請を萎縮させる効果があると考えられます。

3 個人情報保護条例上の問題
 貴市個人情報保護条例6条1項は,「実施機関は,個人情報を収集しようとするときは,個人情報を取り扱う事務の目的を明確にし,当該明確にされた事務の目的の達成に必要な範囲内で,適正かつ公正な手段により収集しなければならない。」と規定しています。
 1で述べたとおり,「確認カード」の事務目的に合理性はなく「明確」とはいえませんし,仮に事務目的が明確であるとしても,生活保護の利用が決まっていない申請段階の者の写真を撮影することは「事務の目的の達成に必要な範囲内」を逸脱していることが明らかです。
 仮に,生活保護利用者本人に作成交付された「確認カード」以外に予備の写真や画像データを保管したり,「確認カード」の写しをケース記録に編綴するなどして,「生活保護利用者の容ぼう」という個人情報を「収集」しているとすれば,個人情報保護条例に違反する違法行為であると言わざるを得ません。

4 肖像権侵害の問題
 個人の私生活上の自由の一つとして,承諾なしにみだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由(いわゆる肖像権)を有するところ,貴市による確認カード作成のための写真撮影は,形式的な同意の下に行われていたとしても,この自由を侵害している恐れがあります。
 2で述べたとおり,申請者や生活保護利用者が写真撮影を拒否することが困難な立場にあることから,形式的な同意があったとしても,それは任意かつ真摯な同意とはいえない場合が多いと考えられます。そして,前述のとおり,「確認カード」の必要性がないことも合わせて考えると,写真撮影を正当化する理由も乏しく,肖像権の侵害にあたる恐れがあります。

5 別の目的(生活保護利用者に対する尾行調査等への利用目的)で利用される危険性
 貴市においては,各区に警察官OBが配置され,不正受給が疑われる生活保護利用者の尾行や張り込みが行われているところ,保管されている顔写真が,こうした活動の際の「面割り」写真として利用されているのではないか,私たちは危惧を抱いています。
 万一仮に,現にこうした使い方がされているとすれば,個人情報保護条例上明らかに違法であるだけでなく,極めて重大な人権侵害であると言わざるを得ません。

第3 要望事項
1 「確認カード」は有害無益なものですので直ちに制度を廃止してください。
2 各区において保管している生活保護利用者の顔写真を当事者に返却するとともに,容ぼう情報を廃棄してください。

第4 質問事項
1 「確認カード」の作成・交付の経緯について
 (1) 生活保護費の窓口支給や医療券の交付に際して,「人違い」による誤支給や「なりすまし」による不正受給が発生したことはありますか。ある場合は,その詳細(時期,具体的内容等)をすべて明らかにしてください。
 (2) 「確認カード」を作成・交付していない行政区において,窓口での本人確認はどのような方法で行っているか,明らかにしてください。
 (3) なぜ顔写真付きの確認カードを作成・交付することになったのか,その具体的な経緯(誰がいつ発案したか等)を明らかにしてください。
 (4) 貴市において現在までに「確認カード」の作成・交付を行っている行政区について,その①導入開始時期,②導入の経緯,③年度ごとの交付率(カード交付枚数÷生活保護利用者数)を明らかにしてください。
 (5) あるいは今後確認カードの導入を予定している区があれば,その具体的経緯と予定時期を明らかにしてください。
 (6) 「確認カード」の作成・交付を現に行い,または,今後導入を予定している区における直近の生活保護利用者数と,口座振込みでなく窓口で保護費を支給している者の数を明らかにしてください。

2 各区の「確認カード」の運用について
 (1) 「確認カード」を作成・交付している各行政区において,①「確認カード」の作成・交付は任意であるか,強制であるか,②「確認カード」の作成を求められたが,これを拒否した保護申請者または利用者がいるのか(いる場合はその人数)を,それぞれ明らかにしてください。
強制である場合には,それが正当化される根拠を併せてお答えください。
任意である場合には,同意を撤回し,「確認カード」の利用を拒否することは当然許されるものと解されますが,そのような理解でよいかお答えください。
 (2) 「確認カード」を作成・交付している各行政区において,窓口での保護費の支給や医療券の交付の際に「確認カード」の提示がない場合,①保護費の支給や医療券の交付を行わないものとされているのか,②現に保護費の支給や医療券の交付が行われなかった事例があるのか,明らかにしてください。仮に保護費の不支給等があり得るとする場合には,それが正当化される根拠も併せてお答えください。
 (3) 仮に,上記(1)において強制ではなく,上記(2)において「確認カード」がなくても保護費の支給等がなされるとすれば,そのような説明を「確認カード」作成前に生活保護利用者に対して明確に行っていますか。行っていないとすればなぜですか。
 (4) 「確認カード」を作成・交付している各行政区において,生活保護開始決定前の申請者の写真撮影を行っているかどうか,写真撮影を行っている場合は,なぜ申請者についても写真撮影を行うのか明らかにしてください。また,申請者に対し,写真撮影をする理由や撮影に応じなかった場合どうなるのかについて,どのような説明をしていますか。

3 写真撮影後の写真データ等の保存・処分方法について
 (1) 複数枚プリントアウトされる機器で撮影される場合に利用されなかった写真や,デジタルカメラで撮影された場合の画像データについては,速やかに廃棄していますか。仮に,保管している場合には,その具体的な保管方法と保管している理由を回答してください。
 (2) 上記(1)のような,画像データや予備の写真を保管する以外の方法(例えば「確認カード」の写しをケース記録に貼付または編綴する等)によって,生活保護利用者の容ぼう情報を保管していることはありますか。仮に,保管している場合には,その具体的な保管方法と保管している理由を回答してください。
 (3)「確認カード」を作成・交付している各行政区において,保管している予備の写真や画像データを張り込み・尾行等の不正受給対策に活用している事例はないか,明らかにしてください。また,万一にもそのような活用をしないよう周知徹底すべきと考えますが,かかる予定はあるか,明らかにしてください。

(連絡先)
 〒530-0047 大阪市北区西天満3丁目14番16号 西天満パークビル3号館7階
 あかり法律事務所 電話06-6363-3310 fax06-6363-3320
 生活保護問題対策全国会議 事務局長 弁護士 小久保 哲郎



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2016(平成28)年4月25日


大阪市の生活保護費プリカ支給断念をふまえ
吉村市長発言の危険性を指摘する声明
 
  

生活保護問題対策全国会議
代表幹事 尾 藤 廣 喜


1 はじめに
 大阪市は,本年4月14日,昨年4月からモデル事業として実施していたプリペイドカード(以下,「プリカ」という。)による生活保護費の支給(以下,「本事業」という。)を今年3月末をもって終え,本格実施を断念することを明らかにした。当会は,他の160団体とともに,昨年3月5日,大阪市に対し,「プリペイドカードによる生活保護費支給のモデル事業撤回を求める要望書」を提出し,本事業の実施に強く反対していたところであり ,今般の大阪市の事業断念そのものについては,当然のこととはいえ歓迎する。しかし,各種報道によれば,同市の吉村洋文市長は,会見で,「本当は原則カード支給にしたいが,法律上強制はできない。国の制度を変えないと普及は難しい。利用者アンケートの結果を検証して国に制度変更を要望したい。」などと述べたという。この吉村市長の発言は,本事業の違法性や問題点を全く理解しない発言であって到底容認できない。

2 本事業の問題点1~生存権(憲法25条)・プライバシー権(憲法13条)侵害等
 生活保護法31条が金銭給付を原則とした趣旨は,生活保護費の使途は自由であることを確認した福岡高等裁判所平成10年10月19日判決(最高裁第三小法廷平成16年3月16日判決によって確定)が判示したとおり,生活保護制度の目的が,憲法25条の生存権保障を具体化し,人間の尊厳にふさわしい生活を保障することにあり,そのような生活の根本は,自らの生き方ないし生活を自ら決するところにあるからである。
 しかし,プリカが使える店は非常に限られていて選択の範囲が著しく狭められるだけでなく,化学物質過敏症等のアレルギーや糖尿病等の疾病をもつため特定の店舗等を通じてしか安全な食材等を入手できない人にとっては生命や健康さえ危険にさらされる。また,生活保護の実施機関が,プリカの利用履歴を把握し,生活保護利用者の生活全般を管理支配することは,生活保護利用者のプライバシー権・自己決定権(憲法13条)の著しい侵害である。
 なお,「保護費をパチンコ等に費消する人の支援」が本事業導入の理由の一つに挙げられていたが,ギャンブルやアルコール依存症の問題は,きめ細やかで根気強い専門的な治療や支援なくして解消できるものではなく,プリカで強制管理すれば解決するというような問題ではない。

3 本事業の問題点2~大手カード会社による国家的規模の貧困ビジネスの始まり
 そもそも大阪市は,2013年9月の時点では,本事業に消極的な姿勢を明確にしていたにもかかわらず ,橋下徹前市長が,三井住友カードと富士通総研の提案を採用して,「日本初」の本事業が開始された経緯がある。提案企業は,児童手当や災害手当等の各種給付年間100億ドル以上がプリカ支給されている米国を模範に,大阪市を皮切りに全国の自治体への展開を進め,公的給付全般についての利用拡大を目指す野心を露わにしている 。生活保護でプリカ支給が原則とされれば,同様に税金が財源(の一部)となっている,老齢年金,障害年金,児童手当,児童扶養手当等の公的給付も,プリカ支給されるようになることは決して杞憂ではない。大手カード会社が,福祉給付を利潤の源として食い物にする国家的規模の貧困ビジネスの始まりである。

4 吉村市長発言の危険性
 仮に,吉村市長が,生活保護法31条の金銭給付原則を改正すれば本事業が許されることになると考えているとすれば大きな間違いであり,それは,生存権(憲法25条)やプライバシー権(憲法13条)の根幹を否定する極めて危険な発想であると言わなければならない。また,福祉給付を利潤の源として大手カード会社に売り渡す,自治体の首長としてあるまじき姿勢であると言わなければならない。
 当会は,吉村市長が国に対する軽率な提言や要望を行うことのないよう予め強く要望するとともに,大阪市が,かかる軽挙に出ることのないよう,他の心ある諸団体と連携しつつ,その動静を注視していく決意を表明するものである。
 


 3月5日(木)13時から、当会は大阪市に対してプリペイドカードによる生活保護費支給のモデル事業撤回を求める要望の申し入れを行いました。
 支援者、生活保護利用当事者、依存症専門の精神保健福祉士、元ケースワーカー、弁護士が、それぞれの立場から発言し、この事業の問題を多層的に浮き彫りにできました。多くのマスコミの取材があり、記者も皆さん真剣に聞きいってくれてました。
 以下のとおり、申し入れについてご報告します。

※要望書の内容については、こちらをご覧ください。
http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-231.html

要望書を手渡す尾藤弁護士
大阪市の担当者に要望書を手渡す尾藤代表

要望書の説明をする小久保弁護士
概要を説明する小久保事務局長

取材するマスコミ



■ 申し入れ参加者からの発言および大阪市とのやりとり

大口耕吉郎さん(全大阪生活と健康を守る会)
 1月26日に大阪市の生活保護課と協議に基づく話し合いをした。生活保護世帯含め80人が参加し、うち40分間でプリペイドカードについて協議。一斉に、保護利用者が反対の意見を述べた。その意見を紹介する。

●よく利用する安売り量販チェーン店ではカードを取り扱っていない。カードを使う店は割高で、カードを使っていない店で買い物ができず不安だ。
● 一日あたりの利用金額を設定されたら、安いときにまとめ買いをすることができない。
 年寄りはカードは使えない。馴染みの店で買い物をする。
● 足の悪いから、近所でしか買い物しない。 
● 市は、支出の適正化を理由にするが、生活保護世帯はお金の管理ができないとでも言うのか。

 CWが指導するというが、その人が支給された保護費の中で、きちんとお金を使っていれば、これはこうだあれはこうだと内容をとやかくいう必要はないという判決もある。市長はそれをわかっているのか。
 全市的に広げる予定というが、海外での報道で、大阪市全体がカード化したら、生活扶助費の1%として年間10億円くらいを企業が儲ける試算がされている。企業のためにやっているとしか思えない。撤回を求めたい。

小野史絵さん(大阪精神保健福祉士協会会員)
 精神科のソーシャルワーカーをしている。日常業務として、ギャンブル、アルコール依存症の支援。要望書でも「依存症の対策にならない」としているが、依存において金銭管理が有効に働くこともあるが、前提として本人の自発的な意思と専門家による慎重なアセスメントが必要。本人の自己決定を欠いては支援にならない。
 依存症からの回復には専門家の支援は欠かせないが、管理は支援になり得ない。それが支援になるというなら、それなりの科学的根拠が必要である。一律に管理することでアセスメントができるとは思えない。一律管理は本人の自主性や主体性を奪い、支援者が責任の肩代わりをすることになる。そういう観点からも、プリカ支給には反対。

越前和夫さん(釜ヶ崎医療連絡会議、生活保護利用当事者)
 東成で生活保護を利用して14年。釜ヶ崎で相談を受けている。
 西成の現状だが、コンビニで物を買うと儲かるのは企業。相談を受ける中で、保護費をもらったらまず米を10㎏買うように助言している。保護費を落としても、米があれば何とか食べていける。しかし、コンビニでは、そういう米10㎏も扱っていない。自分も西成で昼食100円のおかずですませるが、一食200~300円でご飯にする人多い。安売りスーパーで買うよりずっと安い。コンビニで買うと一食500円になる。
 その残りのお金でお酒を飲む人もいるかも知れない。飲むなとは言えない。けじめだけつけておいて、家賃をちゃんと払えばずっと住めると助言している。プリカになると、そういう風に200円や300円でご飯が食べられなくなる。そういう人が西成にたくさんいる。

生田武志さん(野宿者ネットワーク)
 この事業が公表されたとき、しばらく理解できなかった。生活保護利用者は自分でお金を管理できない、という主張が特に理解できない。ほとんどの利用者は、自分で金銭管理して生活をしている。
 中には依存症の方がいるというのも事実だ。しかし、生活保護利用者は、仕事ができない状態であることが多く、労働の生き甲斐がなくなる。スティグマにより地域社会でも暮らしにくい。親族も血縁が切れている。といったように、社縁・血縁・地縁が切れている。
 その中でお酒に頼ったりパチンコが(悪い)友達になったりして、依存症になる人がいる。そこで、自分たちは生活保護利用者の集まりを開くなど、社会的な関係の構築をしている。個別の支援がないと解決しない。
 大阪市の生活保護行政で最も大きな問題は、ケースワーカー(以下「CW」と表記)が少なすぎること。圧倒的に足りていない。本来ケースワーカーは生活保護利用者とじっくり話しをして、地域や血縁との縁を結ぶのが大きな仕事。しかし、それができていない。自分たちは、CWを増やすことを要望してきたが、それは対処しないのに、このようなプリカ支給を導入している。

中山直和さん(元生活保護CW)
 生活保護行政の現場は、ともかく人手が足りない。厚労省からは基準より500人も足りないと年々指摘されている。CWの実態はめまぐるしく、精神的に追い詰められて病気になる人もたくさんいる。
 本来、生活支援が必要な人との関係は、家庭訪問や話をすることにより、その人の自発的な方向を引き出すことだが、実態はそうではなく、そのようなことができる条件を大阪市が崩している。それなのに、このような管理的なプリカを導入することは、まったく逆行している。
 高齢者、ギャンブル、過度の飲酒への支援が目的というが、誰も、それが目的につながるとは思っていない。そういう客観的合理的な説明も職場ではされていない。プリカ問題の取扱についてのCW向けの研修の話を聞いたが、VISAの社員が話をしておりCWがVISAの下請けをするような印象だったとのこと。なんのためのCWなのか。このような制度はするべきではない。
 報道で5件しか希望がないとのことだが、今後2000件の希望者を出すために、CWに強制圧力がかかるのではないかと、現場では心配している。

ここで、小久保弁護士が大阪市に質問。
小久保:応募状況は?CWに募集を強制するのか。
大阪市:強制はできない。やってはいけない。
小久保:2000世帯が目標?
大阪市:それに達しなくても目標達成でない、ということではない。随時募集はする。
小久保:3000円とのことだが。
(注:モデル事業参加者へ3000円の謝礼が予定されている件について)
大阪市:まだ決まっていない。アンケートをして協力してくれる方には相当の謝礼。具体的な内容は決まっていない。収入認定にはならない。
小久保:カード会社のお金で、(生活保護利用者の)プライバシーを買うのでは?
大阪市:本日は要望書を受け取るだけ。内容はまた後日…
小久保:せっかくなので内容についても。2013年9月4日の時点では、電子マネー支給すべきという市民の声に対して、利用できる店舗が少ないなどの課題があるので否定的、という見解だったが、ここはどういう形でクリアされたのか。
大阪市:当時はそういう電子マネー化しべきという声があって、課題があるということだったが、それはクリアされたということで今回導入することに。当時と今では規模が違う。
小久保:(プリカを使える)加盟店が増えたということか。何店舗から何店舗に増えたのか。
大阪市:(黙)小久保:今現在、加盟店が何店舗あるか把握していないのか。
大阪市:今日は協議や質問を受ける用意ができていない。今後、要望書にもとづき調整したい。

尾藤廣喜(弁護士、当会代表代表幹事)
 プリカ支給の問題点は要望書に記載されているとおりである。
 いろいろな問題点が指摘されている中で、本当に問題点を受け止めて、問題の所在について分析をして欲しい。特に当事者がどのような不利益を受けるのか、どんな問題が生じるのか真剣に受け止めなければならない
 我々は生活保護法31条に違反していると考えている。
 「今日は要望書を受け取るだけ」との対応をしているが、真剣に検討し、そして撤回して欲しい。

大口さん
 今日の要望書に対しては、書面回答を求める。


 大阪市が、昨年末にプリペイドカードによる生活保護費支給のモデル事業を、今年4月から実施する旨発表しました。
 しかし、このモデル事業は、生活扶助費の金銭給付の原則に反し、生活保護利用者のプライバシー権等を侵害するなど、様々な問題点があります。
 生活保護問題対策全国会議では、大阪市に対して以下のモデル事業の撤回を求める旨の要望書への団体賛同を求めたところ、本日までに160団体から賛同をいただきました。賛同いただいた団体の皆さま、ありがとうございます。

3月5日、大阪市に対して申し入れと記者会見を行いました。
申し入れの内容は、別途ご報告します。


印刷版(PDF)のダウンロードはこちらから click!

平成27年3月5日


プリペイドカードによる生活保護費支給の
モデル事業撤回を求める要望書


大阪市長 橋 下  徹 殿
生活保護問題対策全国会議
他160団体(計161団体)


第1 要望の趣旨
 貴市は,2014年12月26日,全国で初めてプリペイドカードによる生活保護費の支給をモデル事業(以下「本モデル事業」という。)として2015年4月から実施する旨発表した。しかし,本モデル事業には,以下指摘する様々な問題点があり,到底容認できないので,速やかに撤回し,実施することのないよう要望する。

第2 要望の理由
1 金銭給付の原則(生活保護法31条1項)に違反する

 救護法(施行令7条)が金銭給付と現物給付の併用を規定していたのに対して,現行生活保護法31条1項が「生活扶助は,金銭給付によって行うものとする」と規定して,特に金銭給付主義を原則的に採用したのは,経済統制が大幅に解除された今日においては,金銭給付により各人の自由購入に任せることが適当であるが故とされている(小山進次郎「改訂増補・生活保護法の解釈と運用」442頁)。
 しかし,プリペイドカード(いわゆる電子マネー)は,「その金額に応ずる対価を得て電磁的に記録された情報であって,その記録者との契約関係に基づき一定の範囲で金銭債務の弁済としての効力を有するもの」であって1,金銭(貨幣)そのものではないから,プリペイドカードによる支給が「金銭給付」にあたらないことは明らかである。
 また,生活保護法31条1項但し書は,「これによることができないとき」(施設等において寝具等の物品を貸与する場合等),「これによることが適当でないとき」(物品を一括大量購入することが非常に有利である場合とか,一般には入手し難い物品を給与する場合等),「その他保護の目的を達するために必要があるとき」(被保護者の性状,給付するものの性質等からみて現物給付でないと保護の目的を達しがたい場合)には現物給付によることができる旨規定しているが,一般的に生活扶助費をプリペイドカードによって給付する本モデル事業は,これらの例外的場合にあたらない。そもそも「現物給付」とは,「衣料,食糧その他生活必需品の給貸与及び移送,理髪,入浴又は被服修理等を行うこと,介護等の役務の提供」(前掲小山444頁)など,特定の物品の給貸与又は特定のサービスの提供であるとされている。プリペイドカードの提供は,このいずれにも該当しないから,「現物給付」としても許されないことが明らかである。
 そうすると,プリペイドカードによる生活扶助費の支給は,金銭給付の原則を定めた生活保護法31条1項に真っ向から違反することが明らかである。これはプリペイドカードが「金銭給付」にも「現物給付」にもあたり得ないことから一義的に導かれる結論であって,生活保護利用者の承諾を得られたからといって,その違法性が治癒されるという性格のものではない2。厚生労働省は,生活保護利用者の承諾があれば民法482条が規定する代物弁済として許されるとの見解を示している模様であるが,かかる解釈は生活保護法31条1項の趣旨を没却するものであって到底許されない。
 自民党などは,生活扶助・住宅扶助等の現物給付化の法改正案を提案しているが3,本モデル事業は,本来法改正をしなければなし得ないことを,法改正を行うことのないまま強行しようとするものであって,法令遵守精神の欠如もはなはだしいものと言わざるを得ない。

1 杉浦宣彦・片岡義広「電子マネーの将来とその法的基盤」
2 日本弁護士連合会2015年2月27日付「生活保護費をプリペイドカードで支給するモデル事業の中止を求める会長声明」
3 自民党政調生活保護に関するPT平成24年11月20日「生活保護法改正PT案のポイント」


2 プライバシー権・自己決定権(憲法13条)の侵害である
 中嶋訴訟・福岡高等裁判所平成10年10月19日判決は,「憲法25条の生存権保障を具体化するものとしての生活保護制度は,被保護者に人間の尊厳にふさわしい生活を保障することを目的としているものであるところ,人間の尊厳にふさわしい生活の根本は,人が自らの生き方ないし生活を自ら決するところにあるのであるから,被保護者は収入認定された収入はもとより,支給された保護費についても,最低限度の生活保障及び自立助長といった生活保護法の目的から逸脱しない限り,これを自由に使用することができるものというべきである。」としている4
 ところが,保護費がプリペイドカードによって支給されることになると,生活保護利用者がいつ,どこで,何を購入したのか,食生活から趣味嗜好に至る日常生活のすべてが福祉事務所に把握され,生活全般を管理・支配され得ることにつながる。これは,上記の判例に反するのみならず,生活保護利用者のプライバシー権・自己決定権(憲法13条)に対する著しい侵害である。
 なお,本モデル事業は,被保護者の「申し出」を得て行うものとされていることから,貴市は,プライバシー権等の放棄がなされていると主張するかもしれない。しかし,後述のとおり,プリペイドカードによる保護費の支給は生活保護利用者にとって不便不利益なだけであって何らの利益にもつながらない以上,任意かつ真摯な「申し出」が生活保護利用者の側から自発的に行われることは想定し難い。異論をはさまない生活保護利用者をケースワーカーが選別して,その圧倒的な力関係の差を利用し,「申し出」に名を借りた事実上の強制が行われることが容易に想定されるところである。

4 最高裁平成16年3月16日判決・判時1854号48頁も「同法は,世帯主等に当該世帯の合理的な運営をゆだねているものと解するのが相当」として追認。
 
3 被保護者の日常生活に著しい不便・危険が生じる
 プリペイドカードは,通貨とは異なり,当該カードの加盟店でしか利用できない。生活保護利用者それぞれの地域で利用している馴染みの小規模な商店や食堂などでは利用できない事態が多々起こりえる。特に,生活保護利用者がアレルギー(化学物質過敏症等を含む),糖尿病等の疾病や障害をもつ場合,例えば,アレルギーのため無農薬・無添加の食材を購入するなど,疾病・障害特性に合わせ,細心の注意を払って食材,衣服,洗剤などの生活用品を選択,利用することで,かろうじて生命,健康を維持する者が多い。そして,こうした生活用品は,特定の店舗,市場,生産者等を通じてしか購入できない場合が多いため,本モデル事業導入により生活用品購入の選択肢が狭められることになれば,こうした生活保護利用者の生命や健康の安全を即時かつ直接脅かすことになる。
このように本モデル事業は,生活保護利用者の日常生活に著しい不便や危険を生じさせるものである。
 この点,貴市自身が,2013年9月4日の時点においては,「本市におきましても保護費の電子マネー化やクレジットカード払いが可能かどうかの検討を行いましたが,購入先が限定され,近隣の小規模店舗では使用できない可能性があることなどの課題があると考えています。」としていたにもかかわらず5,わずか1年で認識を180度転換させ本モデル事業の実施に踏み切ったことは不可解というほかない。

5 大阪市HP『お寄せいただいた「市民の声」』「福祉平成25年7月」

4 巨大企業による国家的貧困ビジネスの始まりである 本モデル事業は,三井住友カードと富士通総研が提案してきた事業を貴市が採用したものである。モデル事業の協定先である上記2社とVisa,NTTデータは,「米国では既に児童手当や災害手当といった各種給付がVisaプリペイドによって給付」されており,「2012年には年間100億ドル以上がプリペイドカードにより給付」されているとして,「今回のモデル事業を通じ,大阪市同様に全国の自治体への展開を進め,(略)政府の日本再興戦略における具体策の一つである,公的分野での電子決済の利用拡大を含むキャッシュレス決済の普及を目指」すとしている。上記4社は,200万人の生活保護利用者を新たな巨大市場として獲得することを皮切りとして,さらにはアメリカのように児童手当その他の公的給付についてもプリペイドカードによる支給を実現することによって,爆発的に市場を拡大していくことを目論んでいるのである。その目的は,もちろん巨額の手数料収入を得ることによる利潤の追求である。アメリカでのSNAP(旧フードスタンプ。補足的栄養支援プログラム)が助けているのは,困窮したワーキングプアでも失業者でも,零細農家でもなく,売上げが入る大手食品業界と,偏った食事が生む病気が需要を押し上げる製薬業界,カード事業を請け負う金融業界の三者であるという報告もある(堤未果「㈱貧困大国アメリカ」11頁)。
 本モデル事業によって,既に述べたとおり,生活保護利用者が利益を得ることがないだけでなく,貴市をはじめとする自治体も何ら支出を減らすことはできず,むしろ委託手数料等の支出を増やすことにつながりかねない。利益を得るのは大手カード会社だけであり,まさに国家的規模で福祉給付を利潤の源として食い物にする貧困ビジネスの始まりである。

5 プリペイドカードの支給はアルコールやギャンブル依存症の対策にはならない
 貴市は,本モデル事業実施の理由として,「ギャンブルや過度な飲酒等に生活費を費消し,自立に向けた生活設計を立てることが困難な方等への支援」をあげている。
 しかし,プリペイドカードを支給して使途を把握し,不適切な使途があれば問い質して叱責したからといって,アルコールやギャンブルの問題が解消・解決するというような簡単な話ではない。依存症は病気なのであるから,当事者に寄り添った支援を通じて信頼関係をつくり,専門クリニックへの通院や自助グループへの通所などにつなげ,当事者自身が自分で自分の生活を日々コントロールしていく力を身に着けていくための,地道で息の長い援助が不可欠であり,そのためには,恒常的に400名規模の人員不足が生じているケースワーカーの大量増員と専門性の向上こそが必要である。本モデル事業は,生活保護利用者に対する地域社会のスティグマ(偏見)と生活保護利用者の抑圧感を助長し,社会的に排除された生活保護利用者がいっそうギャンブルなどへの依存を強めることが強く懸念される。なお,そもそも本モデル事業は,単身者で約8万円の保護費のうち一部(3万円)のみをプリペイドカード支給するというものであり,残りの現金5万円で飲酒やギャンブルをすれば把握のしようがないのであるから,保護費の使途を把握してギャンブルなどを抑止するという説明自体が論理破綻している。
 したがって,本モデル事業の本質は,当事者に対する支援を名目・隠れ蓑にしながら,真の目的は,生活保護利用者を管理支配して制度利用から締め出すことによって自治体の保護費を減らすことにあることが明らかである。

6 生活保護利用者だけでなく地域の小規模商店や児童手当・年金等の公的給付受給者にとっても死活問題である
 3で述べたとおり,プリペイドカードが加盟店でしか使えないということは,加盟店契約をしていない地域の小規模な商店や食堂等の側から見れば,大切な顧客を大規模チェーン店等に奪われ,経営の基盤を脅かされることを意味している。特に,生活保護利用者が多く住む地域では,顧客を奪われて廃業を迫られる小規模店も少なからず出てくる一方,大手のコンビニやスーパーのチェーン店が出店数や規模を拡大することが予想される。これは地域コミュニティの衰退にも,つながる問題である。
 また,橋下市長は,会見で,「本来ならば全員,一定額についてはカード利用にしたほうがよい」旨述べており,将来的には希望者だけではなく生活保護利用者全員についてプリペイドカードによる支給を行うことを示唆している。また,同市長は,「生活保護制度の財源が税であることから,支出について適正さが求められることの一環として,受給者にこれくらいの負担を負ってもらっても然るべきである」旨も述べている。その理屈からすれば,生活保護に限らず,児童手当,児童扶養手当,老齢年金,障害年金などの税を財源とする公的給付については,すべてプリペイドカードによって支給することが一貫していることになる。実際,4で述べたとおり,三井住友カード等の発案企業は,そのようなアメリカ型の社会の実現を望んでいるのであり,これは決して杞憂とは言えない。
 したがって,本モデル事業は,この国で暮らすすべての人にとって対岸の火事ではありえないのであり,その意味からも現段階において撤回されることが強く求められる。

以 上


【賛同団体】
全国クレサラ・生活再建問題対策協議会/特定非営利活動法人 大阪医療ソーシャルワーカー協会/一般社団法人日本アルコール関連問題ソーシャルワーカー協会/ホームレス法的支援者交流会/ホームレス総合相談ネットワーク/認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい/全国生活保護裁判連絡会/日本自治体労働組合総連合/NPO法人かごしまホームレス生活者支えあう会/NPO法人やどかりサポート鹿児島/一般社団法人つくろい東京ファンド/野宿者ネットワーク/生存権裁判を支える愛媛の会/生存権裁判を支えるとくしまの会/生活保護基準引下げ反対埼玉連絡会/東北生活保護利用支援ネットワーク/東海生活保護利用支援ネットワーク/近畿生活保護支援法律家ネットワーク/反貧困ネットワーク/反貧困ネットワーク大阪/反貧困ネットワーク京都/反貧困ネット長野/反貧困ネットワークあいち/反貧困ネットワーク埼玉/反貧困ネット北海道/大阪子どもの貧困アクショングループ/きょうと福祉倶楽部/首都圏青年ユニオン/樹花舎/総合社会福祉研究所/NPOカインドネス名古屋支部/福井県社会保障推進協議会/北大阪総合法律事務所/25条を守る会 ぽぽろ/怒っているぞ!障害者切りすて!ネットワーク関西/ビッグイシューかごしまサポーターズ/精神障害者カワセミの会/死刑廃止・タンポポの会/関西合同労働組合/木津川ダルク/NPO法人くまもと支援の会/長野県民主医療機関連合会/反貧困陽だまりネット/関西非正規等労働組合(ユニオンぼちぼち)/きょうと夜まわりの会/特定非営利活動法人いっぽいっぽの会/さまりたんプログラム/マッド・プライド・ジャパン/ユニオン未来/特定非営利活動法人ひとりネット/権力とマスコミの横暴を正し人権を守る国民の会in入間/北九州市社会保障推進協議会/沖縄クレサラ・貧困被害をなくす会/便利屋・社会福祉相談処「ゆいの家」/特定非営利活動法人ほっとポット/日本福音ルーテル教会・喜望の家/自立生活センターたいとう/なかまユニオン なかまおおさか分会/特定非営利活動法人ジョイフルさつき/全国障害者問題研究会京都支部/NPO法人神戸の冬を支える会/北海道労働組合総連合/東京多摩借地借家人組合/ふぁみりあ・浜松/平和・民主・革新の日本をめざす福井の会/ゆにおん同愛会/泉州☆精神障害者俱楽部「青い鳥」/年金者組合大阪府本部/生活総合支援ネットワーク佐賀(通称「絆ネット」)/釜ヶ崎医療連絡会議/奈良自治労連/枚方市職員労働組合/愛媛・人間らしく生きたい裁判弁護団/釜ヶ崎キリスト教協友会/東京多摩借地借家人組合/自立生活センターHANDS世田谷/全国「精神病」者集団/怒っているぞ!障害者切りすて!全国ネットワーク/関西学生アルバイトユニオン準備会議/健康よろずプラザ/日本LGBT障害者患者運動連絡会/監視社会を拒否する会/愛媛県保険医協会/京都自治体労働組合総連合/大阪自治労連/大阪衛星都市職員労働組合連合会/みさと協立病院患者会ポレポレの会/自治労連福井県事務所/大阪いちょうの会/みやぎ青葉の会/生活保障支援ボランティアの会/公益社団法人やどかりの里/埼玉障害者市民ネットワーク/NPO法人近畿地域活性ネットワーク/釜ヶ崎公民権運動/風をおこす女の会/反貧困連絡会/自治労連秋田県本部/秋田県公務公共一般労組/派遣労働ネットワーク・関西/日本バプテスト連盟ホームレス支援特別委員会/NPO法人ささしまサポートセンター/京都府職員労働組合連合/特定非営利活動法人長居公園元気ネット/大阪精神保健福祉士協会/全国公的扶助研究会/NPO法人 日本障害者協議会/板橋生活と健康を守る会/NPO労働と人権サポートセンター・大阪/野宿者のための静岡パトロール/NPO法人くまもと支援の会/働く女性の全国センター(ACW2)/あざみの会/生活保護改悪に反対する人々の会/全国生活と健康を守る会連合会/東京都生活と健康を守る会連合会/全京都生活と健康を守る会連合会/久御山生活と健康を守る会/奈良県生活と健康を守る会連合会/兵庫県生活と健康を守る会連合会/滋賀県生活と健康を守る会連合会/全大阪生活と健康を守る会連合会/住之江生活と健康を守る会/住吉生活と健康を守る会/浪速生活と健康を守る会/西成生活と健康を守る会/港生活と健康を守る会/大正生活と健康を守る会/此花生活と健康を守る会/西淀川生活と健康を守る会/東淀川生活と健康を守る会/淀川生活と健康を守る会/北生活と健康を守る会/旭生活と健康を守る会/城東生活と健康を守る会/東成生活と健康を守る会/鶴見生活と健康を守る会/都島生活と健康を守る会/平野生活と健康を守る会/生野生活と健康を守る会/東住吉生活と健康を守る会/豊中生活と健康を守る会/吹田生活と健康を守る会/茨木生活と健康を守る会/摂津生活と健康を守る会/門真・守口生活と健康を守る会/大東生活と健康を守る会/枚方・交野生活と健康を守る会/寝屋川生活と健康を守る会/堺市生活と健康を守る会/泉大津生活と健康を守る会/貝塚生活と健康を守る会/岸和田生活と健康を守る会/泉南生活と健康を守る会/東大阪生活と健康を守る会/八尾生活と健康を守る会/柏原生活と健康を守る会/松原生活と健康を守る会/富田林生活と健康を守る会/羽曳野・藤井寺生活と健康を守る会(以上、160団体)


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