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鈴鹿市自動車利用禁止事件の裁判を支える会(仮)結成集会


鈴鹿市自動車利用禁止事件の裁判を
支える会(仮)結成集会

 身体に障害や難病のある原告さん親子(80代母親と50代息子さん)は生活保護の開始が決定され、自動車保有を容認されました。しかし、市から運転記録票の提出を強要され、これを拒否したところ保護停止処分を受けました。原告さんらは身体障害者手帳を所持しており、通院や買い物などに自動車は欠かせませんが、運転記録票の提出を義務とすることはプライバシーや移動の自由という人権の侵害に他なりません。原告さんらは支援者や弁護士とともに、津地裁に処分の停止をもとめて提訴しました。
 このたび、この裁判を広く社会に呼びかけ、勝訴を後押しするために支える会を立ち上げます。ぜひ皆さまも本集会にご参加いただき幅広いご支援をお願いいたします。

【日時】2023年1月7日(土)
【時間】10時~12時
【場所】アスト津4階 第1会議室(津市羽所町700)
【内容】
1. 鈴鹿自動車利用禁止事件の裁判経過の解説(芦葉甫 弁護士)
2. 原告さんからの訴え
3. 自動車保有問題をめぐる全体的な解説(太田伸二 弁護士)
4. 他地域からの状況報告
5. 質疑応答
6. 賛同団体からの挨拶
など



参加お申込は、下フォームへご入力または別紙をFAXでお送りください。
https://forms.gle/7ZUTag8Ybz5LDkn77

別紙参加申込書


【お問合せ先】

・三重県生活と健康を守る会連合会 下井信夫
電話:090-1098-6029  FAX :059-354-5088

・三重県社会保障推進協議会 田中武士
電話:090-9830-5492
e-mail:bushi.tanaka.7@gmail.com


2022/12/7


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2020年7月22日


生活保護基準引下げに関する
名古屋地裁“不当判決”の克服をめざして


いのちのとりで裁判全国アクション
生活保護基準引下げにNO!全国争訟ネット


1 はじめに
 2020年6月25日、名古屋地方裁判所は、2013年からの大幅(平均6.5%、最大10%)な生活保護基準引下げ(以下、「本件引下げ」という。)処分の取消等を求める集団訴訟について、原告らの請求を棄却する判決(以下、「本判決」という。)を言い渡した。

 しかし、本判決には、以下のとおり、見過ごすことのできない重大な問題点が多々存在しており、到底容認できない。

2 自民党の政権公約、国民感情、財政事情の考慮を積極的に容認したことの問題点
本判決(118頁~)は、本件引下げが2012年末の総選挙において生活保護の1割引下げを政権公約とした自民党の政策の影響を受けた可能性を認めた。この争点について、被告の国側は、「生活扶助基準の見直しは、その必要性に応じて適切に行われたものであって、自民党の政権公約を実現するとの政治的な意図で行われたものではない」と主張している(被告準備書面(9))。一般に政治領域に踏み込むことを避ける傾向にある裁判所は、争点から外すか、被告側の主張を認めることが予想されたが、本判決は、原告側の主張を正面から認めたのである。これは、本件引下げの根幹に横たわる動かしようのない「真実」から裁判所も逃げることができなかったものと評価できる。

 ところが、本判決は、その自民党の政策は「国民感情や国の財政事情を踏まえたもの」であるから、厚生労働大臣が、生活扶助基準を改定するに当たり、「これらの事情を考慮することができることは明らか」と判示し、その判断に積極的なお墨付きを与えてしまった。ここに本判決の根本的な問題点がある。

(1)政治的意図の考慮は生活保護基準の本質に反する
 現行生活保護法の立法担当者(厚生省保護課長)であった小山進次郎は、「保護の基準は飽く迄合理的な基礎資料によって算定さるべく、その決定に当り政治的色彩の混入することは厳に避けらるべき」としていた(「改訂増補生活保護法の解釋と運用」168頁)。すなわち、わが国の生存権保障の水準(ナショナル・ミニマム)を画する保護基準は、立法当初から、客観的資料に基づいて科学的に定められるべきであり、政治的意図で歪められてはならないものとされていたのである。

 にもかかわらず、本判決は、政権与党の選挙公約の影響を受けても良いとした点において、生活保護基準の本質に反する。

(2)「財政事情」や「国民感情」の考慮は、生活保護法による委任の趣旨を逸脱する
 生活保護法8条1項は、保護基準設定の権限を厚生労働大臣に委任しているが、フリーハンドの権限を与えているわけではない。同法8条2項と9条は、厚生労働大臣が保護基準を設定するにあたって考慮すべき事項を、要保護者の年齢、世帯構成、所在地域、健康状態等の生活上の要素に限定している。厚生労働大臣は、これらを考慮したうえで、「健康で文化的な最低限度の生活」上の「需要(=ニーズ)」を「満たすに十分な(=確実に満たす)」保護基準を設定することを義務付けられている。すなわち、生活保護法が考慮を求めているのは、こうした生活上の需要を判断するための諸要素に限定されており、「国民感情」や「財政事情」等の生活外要素は考慮できる事項とはされていないのである。

 ところが、本判決(72頁)は、厚生労働大臣が生活扶助基準の設定における裁量権を行使するにあたり、「生活保護法8条2項所定の事項を考慮することが義務づけられるということはできず、同項及び9条に定められた事項以外の事項を考慮することが許されないということはできない」とまで言い切り、その結果、前記のとおり「財政事情」や「国民感情」の考慮を認めた。法律の規定を正面から否定した、あり得ない判断である。

(3)「財政事情」や「国民感情」の考慮は、過去の最高裁判決にも反する
 まず、朝日訴訟最高裁判決(昭和42年5月24日)には「国民感情」の考慮を認める判示部分があるが、これは、訴訟自体が上告人死亡によって終了した中、先例拘束性のない傍論部分で示された判断である。実際、その後の最高裁が、憲法25条の解釈論として朝日訴訟最高裁判決を引用したことは一度もない。

 次に、堀木訴訟最高裁判決(昭和57年7月7日)には「財政事情」の考慮を認める判示部分があるが、これは立法(児童扶養手当法)裁量の判断として示されたものであり、厚生労働大臣の裁量権の範囲を判断したものではない。

 そして、老齢加算廃止に関する東京訴訟最高裁判決(平成24年2月28日)と同福岡訴訟最高裁判決(平成24年4月2日)に「国民感情」の考慮を認める部分は全くない。また、両判決とも、「健康で文化的な最低限度の生活」ラインを画する判断場面では「財政事情」の考慮を認めておらず、老齢加算の根拠となる特別需要が認められない場合の「激変緩和措置」(つまり、最低生活は確保されたうえでのプラスα)の判断場面で初めて「財政事情」を考慮している。

 したがって、「最低限度の生活」ラインを画する判断場面において、財政事情の考慮を認める本判決は、過去の最高裁判決にも明らかに反している。
 
3 時代錯誤の「絶対的貧困観」に立脚する問題点
 本判決(119頁~)は、原告側が提出した調査結果でも、1日の食事回数が3回の者が一定割合(6~7割以上)いることや、冷蔵庫・炊飯器などの生活必需品に類する耐久財を保有する者が多いことなどを指摘して、「健康で文化的な生活を下回っているとまではいえない者が一定割合存在する」と判示した。

 しかし、上記調査結果は、むしろ、1日3食とれていない者が3~4割いることや、3食とれていてもその質が劣悪であることを示している。生活保護利用者が「健康で文化的な生活」を営めている根拠と捉えることは到底できない内容である。

 今日では、少なくとも、人との交流や趣味等の文化的活動を含め、社会で当たり前とされている生活ができない状態が貧困であると捉えられている(「相対的貧困観」)。上記判示は、肉体的生存さえ維持できていれば貧困とはいえない、という終戦直後の「絶対的貧困観」に立脚する時代錯誤の判断であり、生存権という重要な人権の本質を全く理解していないと言わざるを得ない。

4 人権の国際標準を無視した問題点
 日本も批准する国連の社会権規約9条は、締約国が全ての者に社会保障の権利を認めることを定めており、社会保障についてとられる後退的措置は、権利の漸進的実現についての法的義務を定める規約2条1項の趣旨に反し、規約違反の強い推定を受ける。憲法98条2項で人権条約を「誠実に遵守する」と謳う日本は、これらの条約解釈を尊重しなければならない。

 ところが、本判決(71頁)は、過去の最高裁判決を踏襲して、社会権規約9条、2条1項の規定を政治的責任の宣明に過ぎないとし、社会権規約の法的規範性を否定した。

 社会権規約委員会は、日本の政府報告書審査において、社会権規約の法的規範性を認めない裁判所の姿勢が誤りであり、日本政府が裁判所の立場を支持することで規約上の義務に違反していると度々指摘している。本判決が、今回再び誤った解釈に基づく判断を示したことは、裁判所が人権の国際標準を無視していることを改めて国内外に示したものと言わざるを得ない。

5 老齢加算廃止に関する最高裁判決から大きく後退し、専門家の意見の軽視を容認した問題点
(1)生活保護基準の改定は専門家の意見を踏まえて行うものとされてきた
 小山進次郎は、1(1)で引用した箇所に続けて、保護基準の算定のための「合理的な基礎資料は社会保障制度審議会の最低生活水準に関する調査研究の完了によって得らるべきことを説明し、且つ、社会事業審議会に部会を設け実際の運用に当りその趣旨を生かすことを言明して(国会の)了解を得た」と記している。

 そして、実際、その後の生活保護基準の改定は、常に専門家からなる審議会の検討結果を踏まえて行われてきたのが歴史的事実である。

(2)老齢加算廃止に関する最高裁判決の規範
 老齢加算訴訟の二つの最高裁判決は、いずれも、堀木訴訟最高裁判決を「参照」し、保護基準の具体化にあたっては、「高度の専門技術的な考察とそれに基づいた政策的判断」が必要としたうえで、これを一歩進めた。すなわち、まず行わなければならない「高度の専門技術的な考察」において、「統計等の客観的な数値等との合理的関連性や専門的知見との整合性」の有無について審査判断すべき、という具体的な判断基準を示したのである(特に、福岡事件判決は、処分取消しを認めた福岡高裁判決を破棄し審理を差し戻すにあたって、上記の点を審査すべきことを明確に示している。)。

 これは、最高裁が、(1)で述べた歴史的事実を裁量判断の判断規範として取り入れたものとも評価できる。

(3)本件引下げは老齢加算訴訟最高裁判決の規範に明らかに反する
 1983年から現在に至るまで国が採用している「水準均衡方式」という生活保護基準の改定方式は、消費水準と生活保護基準を比較する方式であり、物価を直接考慮したことはこれまで一度もない。

 ところが、総額670億円の本件引下げのうち、9割近くを占める580億円は、物価を考慮した「デフレ調整」である。史上初めて物価を考慮するのであれば、当然専門家の意見を聞くべきであるが、専門家からなる審議会である生活保護基準部会での検討は全くなされなかった。しかも、厚労省は、物価を考慮するにあたって、特殊な計算方式を敢えて作出し、「マイナス4.78%」もの物価下落率を導いた。しかし、これは、生活保護利用世帯の消費実態を全く反映しない一般世帯の消費データを基礎資料として、総務省が通常用いるラスパイレス式と異なる物価下落率が大きくなる計算方式が用いられた点で、およそ生活保護利用世帯の物価の実態を反映しないものである。

 残りの90億円の削減は、基準部会の検討を一応ふまえた「ゆがみ調整」であるが、ここでも、基準部会に無断で検証結果の数値を増額方向のものも含めて一律2分の1にしていたことが、北海道新聞のスクープ報道(2016年6月18日朝刊)によって明らかになった。基準部会の検証結果では本来増額となるはずであった単身高齢世帯の増額幅が、この一律2分の1計算によって削減された結果、総額で98億円程度の削減効果が追加されることとなった(原告弁護団による計算であるが、被告国も総額で削減効果があったことは認めた)。

 また、貧困研究の第一人者で基準部会の部会長代理の要職にあった岩田正美氏(日本女子大学名誉教授)は、原告側の証人として、「デフレ調整について基準部会は容認などしていない」「物価の本格的考慮は水準均衡方式の本質に反する」と明確に証言した。さらに、岩田氏は、「財政削減のために私たちは利用されたのかもしれない」とまで述べ、その忸怩たる思いを語られた。

 このように総額670億円の削減額のほとんど全てが、基準部会という専門家集団の意見を無視して強行されたことが審理の中で否定することのできない事実となった。

 本件引下げが、「統計等の客観的数値」や「専門的知見」を踏まえていないことはもはや明白であり、老齢加算最高裁判例の規範に照らせば、当然違法と判断されてしかるべきであった。

(4)本判決は老齢加算訴訟最高裁判決の規範を採用せず、ほぼ無限定の裁量を認めた
 ところが、本判決は、老齢加算訴訟最高裁判決の「統計等の客観的数値等との合理的関連性や専門的知見との整合性」の有無という判断基準を採用せず、ほぼ無限定といってもよい、極めて広範な裁量を厚生労働大臣に認めた。

 その結果、本判決(73頁)は、「生活扶助基準の改定に当たっては専門家により構成された審議会等による検討結果を踏まえて行うことが通例であった」と認めながら、「専門家の検討を経ていないことをもって直ちに生活扶助基準の改定における厚生労働大臣の裁量権が制約されるということはできない」とした。

 そして、本判決は、原被告間で激しく争われたすべての論点において、広範な裁量論に逃げ込み、ほとんど理由を示すこともなく被告国側の主張を丸のみしたのである。

6 最後に
 以上のとおり、本判決は、老齢加算訴訟最高裁判決の到達点から大きく後退し、厚生労働大臣にほぼ無限定な裁量を認め、専門家の検討を経ない、時の政権党の政治的意図に基づく生活保護基準引下げを容認した。

 このような判断が是認され定着することとなれば、司法府は時の政権党と行政府の追認機関と堕し、その存在意義を失うとともに、わが国の生存権保障は「絵に描いた餅」となりかねない。

 本年7月7日、名古屋地裁の原告らは既に名古屋高裁に控訴し、他の28地裁での同種訴訟の審理も大詰めを迎えつつある。私たちは、名古屋地裁の最低最悪な不当判決の克服をめざして、改めて全力を尽くすことを誓うとともに、後続の審理及び判決を担う裁判所に対し、行政裁量に対する司法的統制を通じて本来の職責を果たすことを強く求める。

 そして、全ての国民・市民、メディア関係者に対し、この判決の問題点を知り、ともに声をあげることを呼び掛けるものである。
以 上






[概要版]

2020年7月22日

生活保護基準引下げに関する
名古屋地裁“不当判決”の克服をめざして
【概要版】

いのちのとりで裁判全国アクション
生活保護基準引下げにNO!全国争訟ネット


1 はじめに
〇 2020年6月25日、名古屋地方裁判所は、2013年からの大幅(平均6.5%、最大10%)な生活保護基準引下げ処分の取消等を求める集団訴訟について、原告らの請求を棄却する判決を言い渡した。

2 自民党の政権公約、国民感情、財政事情の考慮を積極的に容認したことの問題点
○ 判決は、この引下げが2012年末の総選挙において生活保護の1割引下げを政権公約とした自民党の政策の影響を受けた可能性を認めた。

○ 判決は、自民党の政策は国民感情や国の財政事情を踏まえたものであり、厚生労働大臣はこれらの事情を考慮することができるとし、その判断にお墨付きを与えてしまった。

(1)政治的意図の考慮は生活保護基準の本質に反する
○ 日本の生存権保障の水準(ナショナル・ミニマム)を決める保護基準は、客観的資料に基づいて科学的に定められるべきであり、政治的意図で歪められてはならない。

○ 判決は与党の公約の影響を受けても良いとした点で、生活保護基準の本質に反する。

(2)「財政事情」や「国民感情」の考慮は、生活保護法の趣旨からはずれている
○ 生活保護法は、厚生労働大臣が保護基準を設定するにあたって考慮すべき事項を、要保護者の年齢、世帯構成、所在地域、健康状態等の生活上の要素に限定している。

○ 厚生労働大臣はこれらを考慮したうえで、健康で文化的な最低限度の生活上のニーズを満たすに十分な保護基準を設定することを義務付けられており、国民感情や財政事情等の生活とは関係ない要素は、考慮すべき事項とはされていない。

○ 判決は、厚生労働大臣が生活扶助基準を決めるにあたり、生活保護法に書かれた考慮事項は義務とまではいえず、またそれ以外の事項を考慮することが許されないとまではいえないとして、法律の規定を正面から否定した。

(3)「財政事情」や「国民感情」の考慮は、過去の最高裁判決にも反する
○ 朝日訴訟最高裁判決(昭和42年5月24日)は国民感情の考慮を認めたが、これは上告人死亡によって訴訟が終了した中、先例として拘束性のない部分で示された判断である。

○ 堀木訴訟最高裁判決(昭和57年7月7日)は財政事情の考慮を認めたが、これは立法(児童扶養手当法)裁量の判断であり、厚生労働大臣の裁量権について判断したものではない。

○ 老齢加算廃止に関する東京訴訟最高裁判決(平成24年2月28日)と同福岡訴訟最高裁判決(平成24年4月2日)に国民感情の考慮を認める部分はない。また、両判決とも、健康で文化的な最低限度の生活ラインについての判断では財政事情の考慮を認めていない。

○ 最低限度の生活ラインを決める際に財政事情の考慮を認める今回の判決は、過去の最高裁判決に明らかに反している。
 
3 時代錯誤の判断に立脚する問題点
○ 判決は原告が示した調査結果から、原告の中に1日3食たべている人が6~7割以上いることや、冷蔵庫・炊飯器などをもつ人が多いことなどを指摘して、健康で文化的な生活を下回っているとまではいえないとした。

○ 上記調査結果は、むしろ、1日3食とれていない人が3~4割いることや、3食とれていてもその質が劣悪であることを示している。

○ 人との交流や趣味等の文化的活動を含め、社会で当たり前とされている生活ができない状態を貧困というにもかかわらず、判決は、肉体的生存さえ維持できていれば貧困とはいえないという時代錯誤の判断であり、生存権の本質を全く理解していない。

4 人権の国際標準を無視した問題点
○ 国連の社会権規約は、締約国が全ての人に社会保障の権利を認めることを定めており、社会保障を後退させることは社会権規約の趣旨に反する。

○ 判決はこうした社会権規約の規定は政治的責任を述べたに過ぎないとし、締約国が社会権規約を守る義務があることを否定した。

○ 判決は、裁判所が人権の国際標準を無視していることを国内外に示した。

5 老齢加算廃止に関する最高裁判決から大きく後退し、専門家の意見の軽視を容認した問題点
(1)生活保護基準の改定は専門家の意見を踏まえて行うものとされてきた
○ 生活保護基準の改定は、常に専門家からなる審議会の検討結果を踏まえて行われてきたのが歴史的事実である。

(2)老齢加算廃止に関する最高裁判決の規範
○ 老齢加算訴訟の二つの最高裁判決は、保護基準の具体化にあたって、高度の専門技術的な考察をする上で統計等の客観的な数値等との合理的関連性や専門的知見との整合性を踏まえ、審査判断すべきという判断基準を示した。

(3)今回の引下げは老齢加算訴訟最高裁判決に明らかに反する
○ 国が生活保護基準を決めるにあたっては消費水準と生活保護基準を比較する方式をとっていて、物価を考慮したことはこれまで一度もない。

○ 今回の総額670億円の引下げのうち、9割近くを占める580億円は、史上初めて物価を考慮したデフレ調整なのに、専門家からなる生活保護基準部会での検討はされなかった。

○ 厚労省は物価を考慮するにあたって特殊な計算方式を作り出し4.78%も物価が下がったという。しかしこれは一般世帯の消費データをもとに、物価下落率が大きくなるように作られた計算方式であり、生活保護利用世帯の実態を反映していない。

○ 残り90億円の削減は、低所得層の消費実態を踏まえて保護基準を見直すゆがみ調整だが、厚労省が基準部会に無断で検証結果の数値を2分の1にしたため、全体として削減となった。

(3)判決は老齢加算訴訟最高裁判決を採用せず、ほぼ無限定の裁量を認めた
○ 判決は「生活扶助基準の改定に当たっては専門家により構成された審議会等による検討結果を踏まえて行うことが通例であった」と認めながら、「専門家の検討を経ていないことをもって直ちに生活扶助基準の改定における厚生労働大臣の裁量権が制約されるということはできない」として、極めて広い裁量を厚生労働大臣に認めた。

6 最後に
○ 判決は厚生労働大臣にほぼ無限定な裁量を認め、専門家の検討を経ない、時の政権党の政治的意図に基づく生活保護基準引下げを容認した。

○ このような判断が是認され定着すれば、司法は時の政権と行政の追認機関となり、その存在意義を失う。また、わが国の生存権保障は「絵に描いた餅」となる。

○ 私たちは、名古屋地裁の最低最悪な不当判決の克服をめざして全力を尽くすことを誓うとともに、裁判所が本来の職責を果たすことを強く求める。

○ 全ての国民・市民、メディア関係者に対し、この判決の問題点を知り、ともに声をあげることを呼び掛ける。

以上





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当会は、2月1日、生活保護基準引き下げ訴訟に関して、全国争訟ネットと共同で、以下のとおり公開質問状を発しました。

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2016(平成28)年2月1日


法務大臣  岩城光英 殿
最高裁判所長官  寺田逸郎 殿

全国各地で提訴される集団訴訟において、元「訟務部付検事」が裁判官職務復帰後に事件担当することに強く抗議し、徹底調査を求める公開質問状


生活保護基準引き下げにNO!全国争訟ネット代表 弁護士 竹下義樹
生活保護問題対策全国会議代表幹事 尾藤廣喜



第1 はじめに~自己紹介
 生活保護問題対策全国会議は、弁護士、司法書士、研究者、支援者、生活保護ケースワーカー、マスコミ関係者、生活保護利用当事者など500名近い会員で構成し、生活保護をはじめとする社会保障制度の改善・充実を求めて活動している市民団体です。
 また、生活保護基準引き下げにNO!全国争訟ネットは、弁護士、司法書士、研究者及び支援者で構成される市民団体であり、後記集団訴訟ないしこれに先立つ審査請求運動に関する情報共有や意見交換の中核を担っています。

第2 本公開質問に至る経緯ないし理由
1 本件集団訴訟の概要

 2013年8月から2015年4月まで3回に分けて、大半(96%)の保護世帯を対象として、生活扶助基準が平均6.5%、最大10%引き下げられたことを受け、全都道府県で延べ2万人以上の生活保護利用者が審査請求を行いました。そして、2014年2月の佐賀地裁への提訴を皮切りに、全国各地で提訴が相次いでいます(以下、当該訴訟事件を総称して「本件集団訴訟」といいます。)。
 本件集団訴訟の被告は、保護変更等決定をなした実施機関の所属する行政庁(取消請求)だけでなく、保護基準引き下げを決定した国も含まれています(国家賠償請求)。本日現在、北は北海道から南は沖縄まで26の都道府県の地裁で、850人を超える原告が、本件集団訴訟に加わっているのです。
 各地の弁護団も、それぞれの地域での訴訟進行状況について情報交換・意見交換を重ね、準備を行っています。
また、本件集団訴訟の本質は、被告国の政策決定が憲法25条や生活保護法に違反しているか否か、その是非を問うものですから、個々の原告に関する被害の実態についての違いは格別、各地の訴訟において、論点の大部分は共通しています。

2 川﨑慎介裁判官の本件集団訴訟への関わり
(1)さいたま地裁における関わり
 川﨑慎介裁判官(新62期。以下、「川﨑裁判官」といいます。)は、平成22年1月16日にさいたま地裁第1民事部の左陪席として赴任した後、いわゆる「訟務部付検事」に転じ、同地裁での集団訴訟(平成26年(行ウ)第34号事件。以下、「さいたま事件」といいます。)において、被告国外8名の筆頭指定代理人として、下記の期日に出廷し、訴訟活動を行いました。
       記
2014年11月19日 第1回口頭弁論期日
2015年2月6日   進行協議期日   
2015年2月25日  第2回口頭弁論期日
2015年3月25日  進行協議期日   
(2)金沢地裁への転任ないし同地裁における関わり
川﨑裁判官は、2015年4月1日付けで金沢地裁へ着任となり、同地裁における集団訴訟(平成26年(行ウ)第8号事件。以下、「金沢事件」といいます。)において、同地裁民事部右陪席として合議体に加わり、下記の期日に出廷し、審理に加わりました。
      記
2015年5月14日  第2回口頭弁論期日
2015年8月10日  第3回口頭弁論期日
2015年11月26日 第4回口頭弁論期日

3 除斥・忌避事由の存在
 裁判を受ける権利の保障(憲法32条)は、公正な審理・裁判を受ける権利の保障を含意していますが、公正な審理・裁判を保障するためには、手続の公正だけでなく、裁判所(その構成員のうちでもとりわけ裁判官)の公平が確保されなければなりません。除斥・忌避等は、このような憲法的要請を受けて、個々の事件との関係で裁判官の公平を確保し、裁判の公正に対する利用者・国民の信頼を維持するための手当の1つとされています。事件と特殊な関わりのある裁判官であっても公正な裁判をなしえないというわけではなく、そのような場合でも公正な裁判をするのがむしろ裁判官の職責です。にもかかわらず、除斥・忌避等の制度が設けられているのは、むしろ公正に関する当事者・国民の疑惑を払拭するためであって、いいかえれば裁判官の公平の外観が重視されているのです(以上、新堂幸司外編「注釈民事訴訟法(1)」311頁・有斐閣)。
 民事訴訟用23条1項5号は、除斥事由として「裁判官が事件について当事者の代理人(略)であったとき」を挙げていますが、上記の除籍・忌避制度の趣旨から、ここでいう「事件」とは、受訴裁判所における当該事件のみを意味するのではなく、これと同一のものとみられるべき紛争事件を広く含むものと解されています(名古屋高裁昭和63年7月5日決定、判例タイムズ669号270頁)。
 しかるところ、前述のとおり、さいたま事件も金沢事件も、平成25年厚生労働省告示第174号による保護変更決定及び平成26年厚生労働省告示第136号による保護変更決定の取消し、及び、生活保護基準引下げを内容とする上記告示等を発出したことについての損害賠償を求める訴訟であり、生活保護基準部会における検証結果を踏まえた調整の問題点や生活扶助相当CPIの問題点等の紛争の主たる争点は同じであり、原被告双方がほぼ同一の主張を応酬しています。したがって、さいたま事件は、頭書事件と実質的にみて同一のものとみられるべき紛争事件に該当します。
 このように実質的にみて同一のものとみられるべき事件について、川﨑裁判官は、国の指定代理人として訴訟活動を行い、その後、裁判官として審理を行うことになったのですから、民事訴訟法第23条第1項5号の「裁判官が事件について当事者の代理人であったとき」に該当し、また、民事訴訟法第24条第1項の「裁判の公正を妨げるべき事情」が認められることが明らかです。すなわち、除斥事由及び忌避事由のいずれもが存在します。
 ここで、インフルエンザなどの予防接種で死亡したり、障害を負った患者や遺族らが裁判官の忌避を申し立てた事件(名古屋高裁昭和63年7月5日決定、判例タイムズ669号270頁)では、単に法務局訟務部付検事として国の指定代理人の職務に従事していたことというだけでは裁判官の除斥事由(現行民事訴訟法23条1項5号)には該当せず、裁判官を忌避すべき事案(同法24条1項)には該当しないとされました。
 しかし、同事件は、一般的に国の指定代理人の職務に就いていたことが忌避事由としての「裁判ノ公正ヲ妨グヘキ事情」(旧民事訴訟法37条)に該当するかが争点となった事件です。これに対し、本件では紛争の主たる争点が全く同じ事件の指定代理人になっていたことが問題となっているもので、事案が全く異なります。実際、同裁判例も「(旧)民事訴訟法35条5号にいう『裁判官カ事件ニ付当事者ノ代理人・・・・・・ナリシトキ』との『事件』とは受訴裁判所に係属する具体的な個々の事件又はこれと同一のものとみられるべき紛争事件をいうものと解されるところ、本件の裁判官Aが右の本案事件等につきこれの代理人になつた形跡のないことは前記のとおりであるから、同裁判官が前記の期間同法務局訟務部付として前記の職務等に従事したことの一事をもつて、同裁判官が本案事件の審理裁判に関与することにつき実質的に(旧)民事訴訟法35条5号の事由ありということのできないこと、従つて、このことにつき(旧)同法37条の裁判の公正を妨げるべき事情ありとみることのできないことは明らかであ(る)」(括弧書き部分及び下線は執筆者による。以下同じ。)と判示しております。当該裁判官が「同一のものとみられるべき紛争事件」について被告代理人として訴訟活動を行っていた場合には、裁判の公正を妨げる極めて重大な事情があるといわなければなりません。川﨑裁判官は金沢事件からは、当然に除斥または忌避されるべきです。
 なお、川﨑裁判官がさいたま地裁において訟務部付検事として被告国外8名の指定代理人として訴訟活動を行っていたことにつき、金沢地裁における集団訴訟の弁護団が知ったのは、さいたま地裁の弁護団から訴訟の進行状況について情報提供があった、2015年12月4日のことです。したがいまして、上記第2回~第4回の口頭弁論期日には、「忌避の原因があることを知らなかったとき」(民事訴訟法24条2項但し書き)に該当します。

4 判検交流の問題点
裁判官と検察官との相互の人事交流(いわゆる「判検交流」)は、なれ合いとの強い批判を浴び、刑事部門については平成24年に4月に廃止されたものの(http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00289.html)民事部門では継続しており、また、川﨑裁判官が金沢地裁に赴任した平成27年4月は折しも、行政改革のため2001年に廃止された法務省内の「訟務局」が14年ぶりに復活した時期です(2015年4月20日読売新聞記事)。しかしながら、全国各地で審理されている集団訴訟事件において訟務部付検事として訴訟活動を行った人物が、裁判官としての職務に復帰し、本件同様地域をまたいで当該集団訴訟事件の審理に加わることがあっては、人権保障の最後の砦としての裁判所が、被告国との間でなれ合いをしているという、強い批判を受けて当然です。

5 まとめ
 私たちは、川﨑裁判官が金沢地裁において本件集団訴訟の審理に加わったことは「裁判官が事件について当事者の代理人・・・で・・・あったとき」(民事訴訟法23条1項5号)、「裁判の公正を妨げるべき事情」(同法24条)に該当するものと確信しますが、この点については、本日申立予定の、裁判官除斥または忌避申立て事件における同地裁の審理結果に委ねるほかありません。
そこで、私たちは、裁判の公正を根底から疑わせる事態が生じたことを深く憂慮し、断固として抗議するとともに、下記事項について公開質問を行う次第です。
 ご多忙中に恐縮ですが、本質問に対する回答は、2016年(平成28)年2月29日までに、末尾記載の連絡先まで書面にていただきますようお願い致します。

第3 公開質問事項
1 いわゆる「判検交流」によって訟務部付検事となった(もと)裁判官が、全国各地の裁判所で審理されている集団訴訟事件において、一方当事者とりわけ国家ないし国家機関の指定代理人として訴訟活動を行った場合、たとえ別の裁判所であったとしても裁判官の職務復帰後当該集団訴訟事件の審理に加わることは、国民の裁判所に対する信頼を著しく害し、「判検交流」があたかも国家機関と裁判所との癒着の象徴として受け取られるおそれがあるのではないか。
この点に対する貴職らの認識ないし見解を明らかにされたい。

2 本件集団訴訟事件において、川﨑裁判官同様、いわゆる「判検交流」によって訟務部付検事として被告国の指定代理人として訴訟活動を行った後、裁判官の職務に復帰した人物は何名いるか。
全ての氏名と、指定代理人として訴訟活動を行った地域、職務に復帰した際ないし現在の所属を明らかにされたい。

3 上記のうち、復帰した裁判官の職務において本件集団訴訟を担当した人物は、川﨑裁判官の他にもいるのか。
いる場合には、全ての氏名と、担当時点の所属を明らかにされたい。

4 本件集団訴訟事件において、裁判官として事件を担当した後、いわゆる「判検交流」によって、訟務部付検事として被告国らの指定代理人として、同一または他の裁判所において訴訟活動を行った人物はいるのか。
いる場合には、全ての氏名を明らかにされたい。

5 民事事件部門における「判検交流」について、今後も継続するのか。仮に継続する場合、本件を受けて、制度設計または運用面について、何らかの見直しをするのか。

以 上



 当会は、本年7月18日に最高裁第2小法廷がした永住外国人の生活保護についての判決について、以下のとおりの意見書を発表します。ぜひ、ご一読下さい。

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2014年(平成26年)7月28日

外国人の生活保護訴訟に関する最高裁判決についての
意見書


生活保護問題対策全国会議


第1 意見の趣旨
1 外国人は現行生活保護法による法的保護の対象外であると解釈した本年7月18日最高裁第2小法廷判決は、難民条約等の内外人平等の原則に真っ向から反し、不当である。

2 現行の生活保護の実施においては、永住外国人を含むいわゆる定住外国人等については日本人と同水準・同内容の保護が実施されている。上記最高裁判決は、現在行われている外国人に対する保護費の支給をいささかも否定していない。今後とも日本人に対するものと同内容の保護を行うことに変わりがないことについて、厚生労働省は、各実施機関に対して通知等で徹底すべきである。

3 厚生労働省通知に基づく行政措置としての保護費の支給についての却下や廃止に対して審査請求や訴訟で争うことができるかどうかは、上記最高裁判決の射程外であり、今後の争訟によって認められる余地が十分あることに留意すべきである。

4 国会は、生活保護法を改正し、永住者等の外国人が法による保護を受ける権利を有することを明確化すべきである。

第2 意見の理由
1 最高裁判決は不当である

(1)本件訴訟の概要

 最高裁判所第2小法廷(千葉勝美裁判長)は、2014年(平成26年)7月18日、国内での永住権を持つ外国人が日本人と同様に生活保護法による保護を受ける権利を持つかどうかという裁判について、第2審の福岡高等裁判所判決のうち行政側敗訴部分を破棄し、原告側の主張を退ける判決を言い渡した。
この事件の争点は、「永住者」としての在留資格を持つ外国人が、権利として生活保護法に基づく受給権を有しているかどうか、また、生活保護の申請が拒否(却下)された場合に、これに対して不服の申立てや、その取り消しを求める訴訟等で救済を受けることができるかという点にあったが、上記最高裁判決は、いずれも否定する判断をしたのである。

(2)最高裁判決の内容
 最高裁は、その理由として、まず、生活保護法の利用主体となる「国民」の意味について「現行の生活保護法は、1条及び2条において、その適用の対象につき『国民』と定めたものであり、このように同法の適用の対象につき定めた上記各条にいう『国民』とは日本国民を意味するものであって、外国人はこれに含まれないものと解される。」としている。
 そして、法の適用があるかどうかについては、「現行の生活保護法が制定された後、現在に至るまでの間、同法の適用を受ける者の範囲を一定の範囲の外国人に拡大するような法改正は行われておらず、同法上の保護に関する規定を一定の範囲の外国人に準用する旨の法令も存在しない。したがって、生活保護法を始めとする現行法令上、生活保護法が一定の範囲の外国人に適用され又は準用されると解すべき根拠は見当たらない。」と判断した。
 また、「昭和29年5月8日、厚生省において、各都道府県知事に宛てて『生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について』と題する通知(昭和29年社発第382号厚生省社会局長通知。以下「本件通知」という。)が発出され、以後、本件通知に基づいて外国人に対する生活保護の措置が行われている」ことについては、「外国人は、行政庁の通達等に基づく行政措置により事実上の保護の対象となり得るにとどまり、生活保護法に基づく保護の対象となるものではなく、同法に基づく受給権を有しないものというべきである。」としている。
 そして、「本件却下処分は、生活保護法に基づく受給権を有しない者による申請を却下するものであって、適法である。」と結論づけたものである。

(3)法の文言だけから日本国民に限ると判断すべきではない
 確かに、憲法第25条を受けた生活保護法第1条では、「全ての国民に対し、…その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」と定めており、法第2条では「すべて国民は、…この法律による保護を、無差別平等に受けることができる。」と定めている。
  しかしながら、各種の法律における「国民」という表現は、単純に文字通り日本国籍を有する者を示すだけでなく、その性質上日本国民にのみ認められるべきものは別として、原則として、日本国内に住む外国人をも含むものと解すべきである(例えば、憲法第26条の教育を受ける権利、同第30条の納税の義務など)。特に、世界人権宣言や国際人権規約において、社会保障の権利は、全ての人に備わった権利として宣言・規定されていること、さらに、生存権の保障は、国家が社会構成員の生存のために積極的にかかわりを持つべきであるとの考えに基づくものであり、国籍があるかどうかではなく、その国家の基礎となっている社会の実質的な構成員であるかどうかに重点が置かれるべきであることからすれば、法の文言にとらわれることなく、「国民」の意味は、広く「その国に住む全ての人」を包含するものとして解釈すべきところである。
よって、生活保護法第1条で言う「国民」とは、広く日本国内に住む外国人を含むものと解すべきである。

(4)最高裁判決は難民条約の内外人平等の原則に反する
 また、仮に「国民」の意味が、日本国籍を有する者を示すものと解釈したとしても、1954年(昭和29年)5月8日の本件通知によって、日本国内に在住する一定範囲の外国人については、「当分の間、生活に困窮する外国人に対しては一般国民に対する生活保護の決定実施の取扱いに準じて…必要と認める保護を行う」として、生活保護法による保護に「準じる」取扱いをすることが明言されている。そして、以降今日まで、外国人に対しても、国籍が日本でないことで、ことさらに日本人と差異を設けたり、支給されるべきものを支給しなかったりと言う取り扱いは一切なされていない。
 しかも、1981年(昭和56年)3月の難民条約等への加入及びこれに伴う国会の審議の中では、難民条約第23条が「公的扶助及び公的援助に関し、自国民に与える待遇と同一の待遇を与える」と規定しているところから、その内容を生活保護法にも明文化することが課題となった。その際、「生活保護については、外国人についても、生活保護法が適用又は準用され、自国民と同様の給付が保障されているところから、あえて外国人についても自国民と同様の給付が保障されるという内容を新規の立法で明文化する必要がない」ことが、立法府、行政府の双方で確認された経過がある。
 政府委員は、「保護の請求権ということでございますが、昭和二十五年以来安定的に、外国人に対しましても行政措置として生活保護を適用しております。こういう安定した関係を裁判等におきましても考慮いたしまして、確かに生活保護法上の審査請求にはなじまないわけでございますが、最終的には裁判上の訴えの利益というものも認められております。最終的な保護の受給というものは、外国人に対しましても確保されるというふうに考えております。」〔1981年(昭和56年)5月29日衆議院法務委員会での加藤説明員の答弁〕と回答し、外国人の生活保護の給付に関する訴訟における原告適格(訴訟を提起できる資格があること)をはっきりと認めていたのである。
  したがって、上記の法の準用は、最高裁のいう、「行政措置により事実上の保護の対象となり得るにとどま」るなどというものではなく、生活保護法に基づく保護の受給権を権利として持つものであると、解釈すべきは当然のことである。そうでなければ、日本は、難民条約第23条の「公的扶助及び公的援助に関し、自国民に与える待遇と同一の待遇を与える」旨国際的に約束しながら、難民条約調印後は、手のひらを返し、その約定に反した行為を行っていることになる。
 以上から、難民条約等への加入及びこれに伴う国会審議を契機として、国が外国人に対する生活保護について一定の範囲で法的義務を負い、一定の範囲の外国人に対し日本国民に準じた生活保護法上の待遇を与えることになったことは明白であり、その上で1990年に生活保護の対象となる外国人の範囲を永住的外国人等(「永住者」・「定住者」・「永住者の配偶者等」・「日本人の配偶者等」のいずれかの在留資格を有する者、「特別永住者」、入管法による難民認定を受けた者。なお、これら以外の外国人で保護の対象とならないか疑義のあるケースは厚生労働省に照会することとされている。)に限定したことは、永住外国人等の持つ生活保護の利用について、権利性をより強めたものと解すべきである。

(5)2審・福岡高裁判決の正当性
 この点、2審・福岡高裁の判決は、「昭和56年3月の難民の地位に関する条約(昭和56年条約第21号。以下「難民条約」という。)及び難民の地位に関する議定書(昭和57年条約第1号。以下、難民条約と併せて「難民条約等」という。)への加入及びこれに伴う国会審議を契機として、国が外国人に対する生活保護について一定の範囲で法的義務を負い、一定の範囲の外国人に対し日本国民に準じた生活保護法上の待遇を与えることを立法府と行政府が是認したものということができ、一定の範囲の外国人において上記待遇を受ける地位が法的に保護されることになったものである。また、生活保護の対象となる外国人の範囲を永住的外国人に限定したことは、これが生活保護法の制度趣旨を理由としていることからすれば、外国人に対する同法の準用を前提としたものとみるのが相当である。よって、一定の範囲の外国人も生活保護法の準用による法的保護の対象になるものと解するのが相当であり、永住的外国人である被上告人(原告)はその対象となるものというべきである。」として、生活保護の利用について、権利性を認め、生活保護法に基づく生活保護の申請が拒否(却下)された場合に、これに対する不服申立て及び取消しを求める訴訟等で救済を受ける権利があることを認めていた。
 上に述べたところからすれば、かかる福岡高裁の判断こそが正当であることが明らかである。

(6)経済成長のため外国人材の活用を謳いながら最低限の安心・安全を保障しない国は国際社会で信頼されない
 現在、安倍政権は、「世界の人材、資金、技術を引き付け、日本の成長に結び付けるためにも、日本国内の徹底したグローバル化を進めていかなければなりません。」として(4月4日経済財政諮問会議における安倍首相発言)、新たな成長戦略を打ち出し、高度な能力を有する外国人(研究者・技術者・経営者等)に対して優遇措置(親を帯同しやすくする、永住許可までの在留歴を短縮する)を講じることや、東京オリンピックの成功に万全を期すための2020年(平成32年)度までの時限的措置として、日本で建設・造船分野の技能を学んだ外国人が、その後2年間(場合によっては3年間)、建設業務に従事できるようにして即戦力となり得る外国人材の活用促進を図ることなどを決めている。また、介護業界の人手不足や女性の能力活用のため、国家戦略特区において、育児や介護・家事援助に従事する外国人を先行して受け入れることが検討されている。
 このように、日本政府は、有用または安価な労働力として外国人を積極的に受け入れて活用する方針を示しているが、今般の最高裁判決は、かかる政府方針の下で来日し永住資格を取得しても、何らかの理由で生活困窮に陥った場合にも権利としての生活保護は保障しないというものである。
 これでは、日本の成長という日本の利益のために呼び寄せられる外国人は、日本で野たれ死んでも当然の、単なる「使い捨ての労働力」でしかないということであり、国際社会における最低限の礼儀・礼節にも欠けると言うほかない。生活に行き詰まった時の最低限度の「安心・安全」さえ保障しない国には、優秀・有用な外国人は集まりにくいであろうし、国際社会における信頼や尊敬も得られないであろう。

2 最高裁判決は、永住外国人等に対して行われている日本人と同水準・同内容の保護費の支給をいささかも否定したものではない
 現行の生活保護の実施においては、永住外国人を含むいわゆる定住外国人等については日本人と同水準・同内容の保護が実施されている。誤解があってはならないことは、上記最高裁判決の、現行生活保護法においては外国人が「生活保護法による保護の受給権を有しない」という結論は、永住外国人等に「生活保護費の受給」が一切認められないということを意味するものでは全くない、という点である。
 つまり、上記最高裁判決は、外国人の権利としての、生活保護法に基づく保護の受給権については認めなかったものの、永住外国人等が「生活保護を利用すること」ができないとか利用することが違法であると判断したものではない。その意味で、外国人であっても、これまでと同様に日本人と同内容の保護費の受給が認められることに変わりはない。
 この点、外国人へ生活保護費を支給することに反対する人々が起こした住民訴訟において、横浜地裁2010年(平成22年)10月27日判決〔(判例地方自治2011年(平成23年)8月号)〕は、外国人は生活保護法による保護の対象とならないという今回の最高裁判決と同じ立場に立ちながら、「生活保護法が外国人に対して生活保護法による保護とは別に生活保護扶助費の支出をすること自体を否定するものではない以上、外国人に対して行政上の措置として生活保護扶助費を支出することが生活保護法1条に違反するという原告らの主張は理由がない」として、原告らの請求を棄却しているところである。
 今回の最高裁判決は永住外国人等に対して生活保護費を支給することを否定したものではない。したがって、われわれは、これまで通り生活保護を利用することができること、また、その内容が日本国籍を有する者と変わりがないことを厚生労働省は通知等で周知徹底することを求めるものである。

3 最高裁判決は外国人が生活保護について訴訟等で争う道を全否定したものではない
(1)最高裁における審理対象

 今回の最高裁判決は、あくまで「生活保護法による保護の適用を求める申請に対する却下決定」について判断したものであり、厚生労働省通知に基づく行政措置としての保護費の支給に対する却下については、審理の対象とならなかったことに留意すべきである。
 すなわち、原告側は、予備的請求として厚生労働省通知に基づく行政措置としての保護を行うことも求めていたのであるが、前述のとおり、福岡高裁においては、主位的請求である生活保護法による保護を求める申請の却下処分取消請求が認容された一方、行政措置として保護費の支給を求める請求は棄却された。これに対し、行政側が主位的請求部分について上告したが、原告側は敗訴部分について(附帯)上告をしなかったため、もともとの原告の請求のうち、行政措置としての保護費の支給を求める申請に対する却下決定に対して訴訟で争えるかは、最高裁では審理の対象とならなかったのである。
 したがって、外国人が「生活保護法による保護に準じた行政措置」による保護費の支給を求める申請の却下や廃止に対して、審査請求しても内容を問わずに門前払いする現在の運用が正しいかどうかや、訴訟が提起できるかどうかは、今回の最高裁判決の射程外であることに留意すべきである。

(2)行政措置としての事実上の保護について審査請求や訴訟で争うことが認められる余地は十分にある
 行政事件訴訟法第9条1項によれば、処分又は裁決の取消しの訴えは、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」であるとされている。そして、最高裁2009年(平成21年)2月27日判決は、神奈川県公安委員会が「優良運転免許証の交付」をなさずに「一般運転者の免許証の交付」をしたことについて、優良運転者の免許証が「その記載に基づいて何らかの法律上の効果が生じるものでは」なく、「抗告訴訟に関し,運転免許証にその記載を受けることについて、直ちに法的な利益があるということは困難である」としつつも、そのような場合でも「法律上の利益」を認め、訴えの利益があると判示している。
 とすれば、仮に、百歩譲って生活保護法に基づく保護の受給権が認められないとしても、通知等に基づく行政措置により事実上の生活保護の対象となり得る立場にあることは、最高裁も認めているのであるから、行政措置により事実上生活保護の対象となり得るかどうかは、申請者にとっては、まさに“生き死に”に関係する重大な「法律上の利益を有する」ところである。このような場合に、「法律上の利益がない」と判断することは、これまでの最高裁の判例にも明らかに反するものであるうえ、1(4)で述べた難民条約加入の際の国会審議の内容に照らして、国際的にも容認できない結果となる。
したがって、今般の最高裁判決によっても、この問題の決着はついておらず、今後とも行政措置としての保護について審査請求や訴訟で争うことが認められる余地は、十分残されていることに留意しなければならない。今般の最高裁判決が、2度にわたり(2回目はわざわざ判決末尾部分に)、「なお、原判決中上記請求に係る部分以外の部分(被上告人敗訴部分)は、不服申立てがされておらず、当審の審理の対象とされていない」と注意を促しているのは、この部分については、争いの余地が残されていることを示すメッセージと受け取ることができる。

4 生活保護法を改正して外国人の受給権を明記すべきである 
 今回の最高裁判決の、永住外国人に生活保護法に基づく保護の受給権を認めず、訴訟による救済が受けられないという内容は、社会保障の国際的潮流に真っ向から反し、かつ、難民条約等における日本国籍の有無による生存権保障の差異を認めないという内容と背反するものである。したがって、国会は、早急に、永住外国人に権利としての保護の受給権を認め、司法による救済が可能になる内容の法改正を行うべきである。
 なお、念のため付言すると、かつて最高裁はオーバーステイの外国人が提起した保護申請却下処分取消訴訟に対して、「不法残留者を保護の対象に含めるかどうかが立法府の裁量の範囲に属することは明らか」との判決を言い渡している(最判2001年(平成13年)9月25日)。つまり、不法残留者を保護の対象とする法改正も、立法府の裁量の範囲内であり合憲であると最高裁は判断したことになる。今回の最高裁判決も、生活保護法を改正して外国人を法による保護の対象とすることがあり得ることを、当然の前提としている。

以 上

※追記
第2の2で言及している横浜地裁2010年(平成22年)10月27日判決に対して、原告らの一人が控訴したところ、東京高裁2011年(平成23年)3月24日判決(賃金と社会保障1622号)は、地裁判決を全面的に支持し、原告の控訴を棄却していたことが分かりました。上告および上告受理申立ては行われず、東京高裁判決は確定しています。



申請、扶養で厚生労働大臣の認容裁決相次ぐ! 吉永 純(花園大学)

 平成26年2月14日付で、2つの重要な厚生労働大臣の認容裁決(請求人の主張を認めるもの)が出されました。滅多に出ない大臣の認容裁決であることはもちろんですが、争点が、それぞれ保護申請と扶養に関するものであることが重要です。いずれの論点も、生活保護法改正で、水際作戦の法制化や、扶養の要件化として危惧され、批判を浴びた点だからです。厚生労働省は、しきりに、現行の運用を変わらないと言明していますが、本裁決の両事案とも、現場の運用が、現行法のもとでも逸脱したものであることが明らかになっており、大臣の認容裁決は当然のものです。改正法施行を7月に控え、重要論点に関する大臣裁決が連続して出されるのは、当会や利用者の皆さんのこれまでの運動の成果でもあります。すべての自治体は、両大臣裁決の重みをしっかりと受け止め、自らの生活保護行政を点検すべきです。

(注)厚生労働大臣裁決とは
 生活保護では、福祉事務所の不利益処分(保護費の減額や停廃止)に対して、すぐには裁判でできません。まず、都道府県知事に不服申立て(審査請求)を行わなければなりません(審査請求前置主義といいます)。知事が請求人の主張を認めない場合(却下、棄却)に初めて裁判ができますが、その場合でも、さらに厚生労働大臣に対して再審査請求ができます。今回の2つの裁決は、知事が請求人の主張を棄却したため、大臣に対して再審査請求を行ったもので、これに対する大臣の判断が示されたものです。

1 保護申請に関する平成26年2月14日厚生労働大臣裁決
(1)事案と裁決要旨

「…しかしながら、関係資料によれば、請求人が平成24年4月9日に処分庁に相談に訪れた際に、病気で仕事がなく、生活費、住宅費及び医療費に困窮しており、唯一の収入である失業手当は、同年2月で終了していることを申し立てていることを踏まえれば、請求人が生活に困窮しており、保護の申請意思を有していることも優に推定されるにもかかわらず、処分庁が、請求人に対して保護の申請意思を確認したことは窺えず、また、面接結果の欄に何ら記載のない日もある等、面接相談時の処分庁の対応が不適切であったものと認められる。
 そして、面接相談時においては、基本的には相談者の保護の申請意思を確認すべきものであるところ、処分庁の面接相談記録の様式には、そもそも相談者の申請意思の有無を記載する欄がなく、たとえ相談者が申請の意思を示したとしても、その旨を客観的に記録する様式とはなっていなかったこと、また、特別監査結果通知によると、相談者が申請の意思を示したとしても、申請させるか否かを処分庁が判断していたこと等、処分庁が面接結果において極めて不適切な対応を行っていることが認められるといった事情を踏まえると、処分庁において生活保護の受給歴のある請求人が、病気による失業で収入がない状況で、処分庁に相談に訪れた際に、明確に口頭で保護を受けたいとの申請の意思を示さなかったとする処分庁の一連の主張は採用し難いものと言わざるを得ない。
 したがって、平成24年4月9日の相談時において、口頭で明確に保護の申請意思を表示したという請求人の主張を認め、請求人に対する保護開始日を6月21日とした原処分については、これを取り消すことが相当である」

(2)意義 ― 口頭の保護申請を認めた画期的な厚生労働大臣裁決
 本裁決の内容は、生活保護法改正で最も懸念された水際作戦の合法化(保護申請書や給与明細などの書類を役所に出さないと申請とみなさない)に対して、申請者の困窮状況から申請意思が推定される場合には福祉事務所は申請意思を確認すべきとし、申請書が提出された2カ月以上も前に口頭の申請があったことを認めました。これまでは、本件の京都府知事裁決をはじめ、福祉事務所がなかなか申請書を渡さないことは不問に付して、申請書が提出されたときからしか申請を認めないとする判断が多数でしたが、本裁決は、そうした運用が誤りであると認めました。国は改正後も申請権の尊重を再三明言しています。すべての自治体は、法改正(7月施行)に当たり、申請窓口での対応や面接票の様式(申請意思の確認欄を設けること)をしっかりと再点検すべきです。

2 扶養に関する平成26年2月14日厚生労働大臣裁決
(1)事案と裁決要旨
 扶養能力、扶養意思のある兄からの同居を条件とした扶養申出があったとしても、この申出は同居を条件とした扶養であり、請求人と兄との関係は良好とは言い難い状況の下で、処分庁が兄との同居を求めることは、「扶養義務者の側が扶養の履行と引き換えに要保護者に対してかなりの努力を必要とするような行為を要求する場合」(別冊問答集問5-9)に該当するとして、法4条1項の要件を欠くとして申請却下した原処分の運用は誤っているとして取り消しました。

(2)意義 ― 同居を条件とする扶養の強制は違法
 本件事案は、兄から請求人への事実上の障害者虐待事例(請求人は審査請求後の判定で知的障害B判定)であり、その障害ゆえに兄の期待通りに生活できないことや金銭管理能力が低いことを理由にして生活の場であるトイレ、浴室、洗面所を自由に使うこともできなくさせられ、「野たれ死にすればいい」と言われていました。すでに1年6カ月間兄とは一切の連絡がない状態ですが、請求人は兄の金銭的扶養を拒否していません。請求人は「同居による扶養」を受けることができないと主張しているのです。虐待を受けていてもなお「同居の条件」による扶養を受けるべきとし、生活保護申請は却下にするという福祉事務所の処分は、もともと保護開始要件ではない扶養を、それも同居を条件とする扶養を要件化するものです。さらに、本件のように、障害者虐待にあっている請求人に同居を求めることは虐待を容認する行為に他ならず、個人の人権、生存権を侵害するものです。本裁決が、処分庁、それを容認した審査庁の処分を取消したのは当然です。

(本稿は、吉永純先生に当会のNEWSLETTERに寄稿していただいたものです)


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