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書類の添付の必要性等を理由として行われた「水際作戦」の実例

1 事案の概要
(1)申請者
   (内縁の夫妻)
    夫(50歳台) 網膜剥離、白内障等 
    妻(30歳台) うつ状態、体調悪化
(2)状況 
    当面無職無収入、多重債務あり。
    医療費、就職活動のための交通費等も支出不能
    電話・ガス停止、入浴できず、食事は友人の差し入れ等に頼る
    両名とも精神状態が悪化~友人らに自死をほのめかす
(3)家賃
    月額11万円~滞納中

2 問題のポイント(前提知識)
(1)申請→審査応答義務

    ・次官通知第9
    ・局長通知第9の1
  ・申請書に添付書類不要
   生活保護申請権訴訟 大阪高裁平成13年10月19日判決
    ⇒申請意思が客観的に明確であれば、口頭による申請も可
(2)住宅扶助基準額(厚労省告示)の意味
   ・「支給できる限度」の基準
   ・「実際の家賃が基準を超えたら不可」との根拠なし
   ・申請時に実際に困窮→保護要件あり
(3)敷金・転居費用の支給が可能
    局長通知第7の4(1)カ、問第7の30の答2
   ・まず保護申請受け付け、適用
     →保護費で生活できる住居へ転居可能となるように
      敷金・転居費用を支給が「正解」


3 経緯 
   6.20 最初に福祉事務所を訪問・相談
       「まず基準内家賃の居宅を確保せよ」と申請書交付せず
   6.27 福祉事務所再訪(友人が同行)      (録音)

4 やり取りの詳細

職員:(前回から)もう一週間くらい経っているけど、(転居の件は)どの辺で話しを進めてもらっているかな。
本人:結局、食事代もあれなんで…どないしたらいいか…
職員:どないしたらじゃなくて、まず自分たちで考えなあかんことがあるやろ。とにかく今のままでは住められへんやろ。ここ。
本人:今の生活費とかでは、どうもならん?
職員:あそこで、無条件では受けられへん。
本人:どんな条件ですか。
職員:だからそれは、あなた達はまず出ていかなあかんやろ。まず出ていくことを必死で努力して、引越先見付けて来ないと、何も話前にすすめへんよ。
本人:不動産屋通したら、敷金もいるし礼金もいりますやんか。
職員:(敷金礼金が)ないとこもあるよ。
本人:どないしたら、そんなとこ何処…紹介してくれるんですか。
職員:それは、周旋屋さんに行ったら、色々と考えてはって、みんなそういう形で見つけている人もあるわけや。まあ、現実的に部屋が狭くなったりで荷物捨てていかなあかん場合もあるけど、本当に行き詰まって苦しなったら、いろんな工夫して家見つけて来はります。
本人:引っ越しせえへんかったら100%無理なんですか。
職員:だってあのままあそこに居って保護受けてもらうわけに行かないから、
本人:引っ越しは、引っ越しすんのやけども、
職員:だから、見つけてくれんと。
本人:だから一生懸命探してんけどね、結局お金なんですよ。
職員:それは、生活保護が救済する問題ちゃうからな。
本人:ああそうですか…。
友人:いや、ただ、電話は止められてる、ガスも止められているということで、餓死してしまうから、食事、米を差し入れてたりしてたわけなんですね。
私自身も失業保険もらってる身分でですね、それがもうさすがに私のほうもできなくなったし、こうやって、本人たち精神的にも追い詰められているの分かりますし、ちゃんとした…
職員:あのね、勘違いしてはんのは、役所にね、何でも相談して、役所の言うとおりするんかという話やろ。どうしたらいいんですか言うけどね、私こうしたいんです、そやけどここで困ってますねん言われたら、いろんな制度があるから、あなたはここで救済できるよと。だけど今私が一番嫌なのは、どないしたらいいんですと、そんなことに、人の指図受けて生きて行くのが本来の人生じゃないやろし、あなたが自分でどないして生きて行きたいんか、ほな家決めなあかん。何処に済むか、家に住むことは、生活保護が決めることでもないし、お手伝いすることでもないよ。
本人:だから、今こういう状態やから、家を探すにも、当たったけど、お金がなくて探されない状態やから、生活が現実に困ってるから、
職員:家がなかったら生活保護受けられへん。
本人:これ、申請しても受けられへんですか。
職員:今、家賃が高くて、そこに1ヶ月しかおれませんという場合、今のままやったら却下されると思います。
友人:とりあえず生活保護の申請をしたいんですけど、申請用紙は頂けますか。
職員:で、申請して、却下されて、どないするの。
友人:いや、却下されても一応まあ構わないですから。
職員:西成区で割り切るんや、と言わはって、周旋屋さん飛びこんでいったら、敷金のいらんとこ、教えてくれはりますわ。実際に、一杯…。ものすごい条件悪いよ、そのかわり。
本人:だから勿論安いところ探してるんですけど、高いところから安いところにかわるのに、そういうのも生活保護の関係じゃないんですか。
職員:だから、もともと高かったら、緊急性がなければ保護受けられへんから。まだ…
友人:いや、かなり緊急なんですよ。
職員:それはあなた方が自分を見て思ってるだけで、周りの人間と役所は緊急性が高いと思ってない。緊急性いうのはね、例えば今日もう倒れちゃって放っときゃ命に関わると。ドクターが入院、だから入院してるんやと。そしたらとにかく治療せなあかんから家賃が高いとか言っててもしゃあないから…。
本人:だから、とりあえず申請させてもらって、また判断してもらったらよろしいやんか。
職員:いや、出す言わはんのやったら、私は、あなた方の権利やけど、却下されるから、私は保護受けれる要件がないということをお教えしてあげなあかん訳や。
友人:とりあえず分かりましたんで、あの、申請だけしたいんですけど。
職員:それは、そんな無駄なことしたい言わはんのやったら、私はあなたの権利やから、ただ申請書には病気の診断書つけなあかん、それから、家の契約書持ってこなあかん、通帳とか、いろんな書類をつけて出さなあかんから、あなた自身がそこまで手間暇かけたい言わはんのやったら、出さはることはあなたの権利として私は拒否も勧めもしません。ただ無意味なことに近いですよと。一杯書類集めて出して。
職員:生活保護申請したら、すぐ住民票移して来いいうことになるよ。
本人:よろしいわ別に。
職員:申請今日出したら、今日中に住民票持ってこなあかんよ。
本人:あ、今日は無理ですわ…
友人:今から行っても5時までやし…
職員:うん、だからその辺も出てくるよと。だから、契約書も持ってこなあかんことになってるし…。


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