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渋谷区生活保護「水際作戦」事案 記者会見資料
                     2013年6月6日(木)
                     NPO法人POSSE

1.本事案について

 渋谷区福祉事務所で生活保護を申請しようとした男性が、「実家に住まわせてもらえ」「限界が来ていることを証明するものを持ってこい」などの理由を付けられ、申請権を侵害された事案。

2.事案の概要
(1)本人

・30代男性。
・障害基礎年金(精神2級)、障害者手帳所持。統合失調症を抱え、「就労不可」と診断。
・事件当時は渋谷区内の事務所に宿泊。

(2)経緯
・大学在学中に精神科で統合失調症と診断される。現在も2週に1回の通院。
・大学中退後、家族からの仕送りとアルバイトを転々としながら生計を立てる。
・6年前から障害基礎年金(精神2級、12~13万円/2ヶ月)受給、昨年11月に障害者手帳を取得。「就労不可」の診断。
・家族から「実家に帰ってこないなら仕送りを打ち切る」と言われる。しかし、実家の近くに精神科がないため、帰ることができない。
・仕送りが打ち切られ、家賃を滞納するようになる。最終的にアパートを退去し、友人宅を転々とするようになる。
・所持金が尽きてきたため、生活保護申請を決意。

(3)生活保護申請
・4月17日に渋谷区福祉事務所へ生活保護申請に行く。「その状態で一人暮らしはさせられない」「家族と和解して家に帰りなさい」などと職員に言われ、追い返される。
・4月20日に再度、渋谷区福祉事務所へ生活保護申請に行くが、追い返される(下記参照)。
・本人の希望もあり、他市で生活保護申請。5月23日に決定済み。

3.録音データの反訳文・日時:2013年4月20日
・場所:渋谷区役所
・登場人物:相談者、面接担当(渋谷区)

相談者「生活保護の相談に来ました」
面接担当「じゃあ一人で自立が難しいところは解決したのね」
相談者「いえ、実家に連絡してみたんですが、無理という感じで。一応知り合いがいますので・・・住むところに困っています」

面接担当「何で実家は無理なの」

相談者「そろそろ限界だったんで、お金的に」
面接担当「だから言ったじゃない、お金もらってるんだから住まわしてもらえって
相談者「どこにですか」
面接担当「実家に
相談者「実家に帰りますと、精神科の病院まで(遠いので)」
面接担当それはうちの知ったこっちゃないって言ったじゃないですか病院がうんぬんかんぬんじゃないと」
相談者「何言っても自分で何とかしろと」

面接担当「何でそんなにご両親とはこじれたの? だって息子が病気なわけでしょ? それを何でそんな無理とかさあ、厳しいこと言われないといけないのかっていう、このこじれ方が私には理解できないんだけど」
相談者「病気だからです」
面接担当「病気だったらみんなどっかにやっちゃうのか、っていう話になりますよね? 病気だから困ってるんじゃないんですか? ですよね? まずは自分のことを相談するのはご両親が一番でしょう? 相談するのにできないとか、無理っていうのは一般的に理解できないんだけど」
相談者「精神障害者を家に置いておけるのか、とかそういう感じではあります。田舎なので昼間歩いているだけでどうしたの、どうしたのって」

面接担当「今のところはもう置いておけないから出てけって言われたの?」
相談者「直接そういう言葉で言われたわけではないですが」
面接担当言われてからきてよ、じゃあ! 自分から気を使って出て行って税金使ってください、じゃあ話通らないんですよ、こちらも。生活保護を出すということはあなたに税金を使うということなんですよ。だから生活保護に対するバッシングが厳しいんですよ。だったら厳しくやってくださいよ、●●さんの方も」

相談者「じゃあこっちから実際邪魔ですよね、と言えばいいですか」
面接担当「生活保護を前提に物事を進めるのはやめてください。今のは生活保護があるからやめてくださいと言うわけですよね? 保護がなかったらやめてくださいと言えませんよね? そういう逆転の発想はやめてください。本当に困窮された方を対象にするんですから」

相談者「そろそろ自分が精神的に限界というのがあるんです」

面接担当「自分が、じゃなくて何かそれを証明するものがあればいいですよ。もう限界ですよ、というのがあれば。自分が限界だっていうのは何だって言えるじゃないですか。」
相談者「事務所の知り合いにですか?」
面接担当「それが客観的なものか知らないけど普通の人が限界ですって書いても受け取らないからね。書くってドクターくらいのものしか信じられないんですよ。精神的に限界だっていうのは、こちらが認められるのは。知人が書いたって何の根拠が、っていう話になるから」
相談者「医者に行ってこいということですか」
面接担当「もしそういうのが必要であれば」

相談者「自分から出て行った場合はどうなりますか?」
面接担当「それは困窮してないから保護にはならないですよね。ダメだと言われてないのに自分から出て行くわけですよね?」
相談者「そうですね」
面接担当「そういう人をなぜこちらが保護しなければならないんですか?

面接担当「●●さんに相談する人が必要だろうと思うんだけど。知人の人は相談相手にならないんですか? 聞いているところ両親が相談相手にならないし、誰か相談相手になる人が必要だと私は思うんだけど。何か一人で頑張られても難しいところがあるんで。知り合いの方に相談したらいいと思うんですけど」
相談者「そうですか」
面接担当「生活保護の前にやるべきことがある気がするんだけど

相談者「何を相談すればいいんですか?」
面接担当「一つは住むところがないので困っていると。それと支援がないとやっていけないと。その二つの相談じゃないですか? どうやったら支援が得られるか、どうやったら屋根つきのところに住めるか。うちがやるべきことは、追い出されたときに屋根付きのところを紹介することはできるけれども、支援はできないんですよ。保護費を支給することしかできないんですよ、ここは。」
相談者「保護費以外も出る人は出るんですか?」
面接担当「保護費しか出せないですよ、支援は誰かにやってもらわないとダメなんですよ」
相談者「支援っていうのは?」
面接担当「だから、自立してないでしょ。そこのところの支援をどうするかですよ。」

相談者「では受理していただけないということですか?」
面接担当「まあ申請権があるから・・・じゃあ医者の話を持ってきてくださいよ。まだ出てけって言われてないのに出て行くんだから。そうじゃないとこちらも納得できませんよ。いくら申請権があると言われても」

相談者「そうですか・・・病院には近々行きますが・・・」

相談者「じゃあ追い出されたとします。その時本当に追い出されたのかっていうのは?」
面談担当「確認するでしょうね」

面接担当、他の職員に呼び出され、一時退席。

面接担当「あれ、何の話だったっけ?」
相談者「追い出されたら」
相談者「申し込みはできないのですか?」
面接担当「申し込みしたら保護になっちゃう。申請したら保護になってしまうんですよ
相談者「そうですか」
面接担当「だからできないです。申請だけできませんだったら、私はこれまで何を説明してきたのか」
相談者「じゃあわかりました」
面接担当「住むところは住めるんだよね?」
相談者「住んでいると言っていい状況かわからないですけど」
面接担当「ただ出てけとは言われてないんだよね?」
相談者「分かりました」
面接担当「まだ何かあるの?
相談者「いや・・・特に」
面接担当「いいんですか? 相談があるなら受けるけど」
相談者「他の話は特にないです」
面接担当「じゃあ終わり」

退出。


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