現在、早期に審査請求を申し立てた生活保護利用当事者に対して、都道府県知事より、「これを棄却する」との裁決が出始めています。

 棄却裁決に対しては、

 ① 厚生労働大臣に対する「再審査請求」
     (裁決を知った日の翌日から30日以内)

 ② 処分取り消しを求める裁判(裁決を知った日の翌日から6ヶ月以内)

という、2つの手段があります。


 同じ都道府県内でも、棄却裁決の出た方と、まだ裁決の出ていない方もおられます。
 なるべく、裁判の時には足並みを揃えたいと思いますので棄却裁決が出た方は、ぜひ、①の厚労大臣に対する再審査請求手続きを取ってください。 
 以下から、「再審査請求書」のひな形と記入見本をダウンロードできるようにしていますので、ご利用下さい。
 ご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

【書式ダウンロード】
 ・再審査請求書(ひな形)
    WORD版 PDF版
 ・記入説明付きひな形
    WORD版 PDF版 


〈送り先〉〒100-0013 東京都千代田区霞が関1丁目2−2 厚生労働大臣宛

下記にも、記入説明付きのひな形を掲載します。


再審査請求書

2013(平成25)年
●●●●日 ※1
※1 提出する日を書いてください。

厚生労働大臣 田村憲久 殿

                        再審査請求人 
●● ※2  印 
                  ※2 あなたの名前を書いてください。押印も忘れずに。    

 生活保護法に基づく保護(減額・停止・廃止)※3 処分について不服があるので、次のとおり再審査請求を行う。※3 減額・停止・廃止などあてはまるものに○を付けてください。

1 再審査請求人の住所、氏名及び年齢
  住所 
 ●● ※4 あなたの住所、氏名、年齢、生年月日を書いてください。
  氏名  ●●  (満●●歳、昭和●●●●●●日生まれ) ※4

2 再審査請求にかかる処分
  ●●※5福祉事務所長が平成25年●●●●日付※5で審査請求人に対して行った生活保護(変更・停止・廃止)※6処分
※5 処分の日付と福祉事務所名を書いてください。(決定通知書や裁決書に書いてあります)
※6 減額・停止・廃止などあてはまるものに○を付けてください。


3 再審査請求にかかる処分があったことを知った年月日
   平成●●●●●●日頃※7 
  ※7 8月分の保護決定通知書を受け取った日を書いて下さい。

  なお、
●●●知事 ※8による棄却裁決があったことを知った日は、平成25年●●●●日 ※9である。
  ※8 裁決をした知事の都道府県名を書いて下さい。(知事の名前ではありません。)
  ※9 裁決書を受け取った日を書いてください。

4 再審査請求の趣旨
  上記「再審査請求にかかる処分」記載の処分を取り消す
  との裁決を求める。

5 再審査請求の理由
(1)憲法25条、法1条、3条違反
 審査請求人は、生活保護基準引き下げに伴う本件処分によって、健康で文化的な最低限度の生活(憲法25条)を下回る生活を余儀なくされた。よって本件処分は憲法25条及び法1条、3条に違反する。

(2)法8条1項、2項違反
 生活保護法8条1項は、「保護は、厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし、そのうち、その者の金銭又は物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行うものとする」とし、同条2項は、厚生労働大臣の定める生活保護基準について、「要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであつて、且つ、これをこえないものでなければならない。」と定めている。
 しかし今回の基準引き下げは、上記事情を考慮せず、かえって生活保護費全体の削減という至上命題のもと、以下のとおり「要保護者の需要」(法8条1項)及び「年齢別、性別、世帯構成別、所在地域その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要」(同条2項)とはかけ離れた統計データの恣意的抽出ないし分析を行ったものであり、失当である。
 すなわち、「国費ベース」での「財政効果」を見込んで定められた削減幅670億円のうち、まず、厚生労働省が「ゆがみ分」すなわち「生活保護基準部会における検証結果を踏まえ、年齢・世帯人員・地域差による影響を調整」した結果と標榜する90億円分については、生活保護の捕捉率が高々3割にも満たない中で最も低所得者の層であって漏給層を多く含む第1・十分位を生活扶助基準と対比する一般低所得世帯として設定した手法自体に問題があるうえ、同手法を採用した社会保障審議会生活保護基準部会報告書ですら「検証結果に関する留意事項」において「今回の手法についても専門的議論の結果得られた透明性の高い一つの妥当な手法である一方、これが唯一の手法でもない。今後、政府部内において具体的な基準の見直しを検討する際には、今回の検証結果を考慮しつつも、同時に検証方法について一定の限界があることに留意」すべしとの指摘をはじめ、数々の観点から安易な引き下げに釘を刺しているのであって、同報告書を大きく逸脱している。
 また、厚生労働省が「デフレ分」すなわち「前回見直し(平成20年)以降の物価の動向を勘案」したものであると述べる580億円については、そもそもデフレ論自体前記基準部会でも全く検討されず突然持ち出されたものであって専門家による吟味を一切経ていないうえ、基準年の設定の仕方も総務省統計局が行う通常の方式とは全く異なり、しかもそこで用いられる「生活扶助相当消費者物価指数(CPI)」についても、物価下落の主因となっている電気製品の値下がりが過大に影響するなど、生活保護利用世帯の需要(法8条1項、2項)ないし実態と大きく乖離している。
 以上要するに、厚生労働大臣の裁量を逸脱した基準引き下げ告示に基づく本件処分は、法8条1項2項に違反する。

(3)知事裁決の誤りについて
 平成25年●●●●日付※10 ●●●知事※11裁決の論理構造は要するに、本件処分は厚労省告示に基づき、法8条1項のとおり計算を正確に行っているから違法または不当な点は見当たらないというものである。
  ※10 裁決された日を書いてください。(裁決書の末尾に書いてます)
  ※11 裁決をした知事の都道府県名を書いて下さい。(知事の名前ではなく。)

 しかしそもそも、生活保護制度は憲法25条の要請を受け(法1条)、同制度により保障される生活水準は「健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない」(法3条)とされ、しかも法1条、法3条はいずれも「この法律の基本原理であつて、この法律の解釈及び運用は、すべてこの原理に基いてされなければならない」(法5条)とされている。
 したがって、生活保護基準は、憲法25条に定める「健康で文化的な生活水準」を維持できるものでなればならない。
 しかも、「被保護者は、正当な理由がなければ、既に決定された保護を、不利益に変更されることがない」とされている(法56条)。
 憲法及び生活保護法の上記構造からしてみれば、本件処分が合憲性を持ち、適法であるためには、単に各福祉事務所長が「厚労省告示どおりに変更決定を正確に行った」というだけでは到底足りない。厚労省告示そのものが憲法25条の要請する法1条、3条の趣旨に合致し、かつ、8条1項だけでなく同条2項にも違反していないことが処分庁によって証明されて初めて、法56条所定の「正当な理由」があると認められることになるのである。

 この点について正しく判断しなかった
●●●知事※12 裁決は誤っている。
  ※12 裁決をした知事の都道府県名を書いて下さい。(知事の名前ではなく。)

6 処分庁の教示の有無及びその内容
 再審査請求、裁決取消しの訴え及び処分取消しの訴えについて、それぞれの要件及び期限に関する教示があった。




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