当会は、1月24日(金)に、NPO法人POSSEと共同で、厚生労働省と東京都に対して、水際作戦など各福祉事務所による生活困窮者の生存権侵害に対する指導等を求める要望書を提出しました。
 また、併せて厚生労働記者会にて記者会見を開催し、NPO法人POSSEが相談・支援をおこなった、福祉事務所による水際作戦の事例について報告しました。

報告された水際作戦の事例
 ①東京都大田区大森:度重なる追い返し click!
 ②東京都目黒区:施設への入居を強要 click!
 ③東京都武蔵野市:追い返され、多額の借金 click!
 ④京都市下京区:住民票のある自治体で申請せよ click!


印刷用(PDF)は、こちら。
 厚生労働省宛要望書 click!
 
東京都宛要望書 click!


要 望 書


生活保護問題対策全国会議/NPO法人POSSE

(1)要望趣旨
 私たち生活困窮者支援団体は、日常的に生活困窮者からの相談を受けており、その多くは各福祉事務所における違法・不適切な窓口対応に関するものである。しかも、相談件数は年々増加しており、ますます多くの生活困窮者がそのような福祉事務所の対応によって生存権が侵害されている状況となっていると思われる。
 更に、昨年12月に改正された生活保護法では、いくつかの附帯決議が付されたものの、申請書や添付資料を提出することが原則とされ、扶養義務者への調査強化、不正受給対策を名目とした締め付け強化などが条文化され、生活保護受給者または申請者に対する権利侵害が強まることが危惧される。
 本要望書は、各福祉事務所による生活困窮者の生存権を侵害する対応への、国による徹底した指導監督を実施することを求めるものである。

(2)要望事項

1.生活保護申請の意思がある者を窓口で追い返したり、明らかな困窮状態にある者に対して生活保護を適用する、もしくは申請を助言するなど適切な対応がとられないなど、福祉事務所では違法・不適切な対応が未だに横行している。厚生労働省はこのような運用について調査監督を実施しているが、その中で明らかになった実態を公表するとともに、徹底した指導をすべきである。
 このような対応が行われないよう、各自治体に対し窓口の誰もが手に取れるところに生活保護の申請書を常置するよう指導すべきである。仮に、直ちに指導を行うことが困難なのであれば、申請書を常置している自治体が全国でどれだけあるか、常置している自治体においてそのことによる不都合が生じているか否かを調査し、公表すべきである。

2.「改正」生活保護法によって扶養義務者に対する調査権限が強化され、そのことによって保護を必要とする者が排斥されるのではないかとの懸念が指摘されている。この点について、厚生労働省は、2013年12月10日付自治体向け説明会において、「当該扶養義務者に対し扶養を求めることにより明らかに要保護者の自立を阻害する等の場合には、当該扶養義務者に対し直接照会しない取扱いとしているところであるが、そのような場合であっても直接照会がなされているとの指摘もあった。このような誤った取扱いは、支援の必要な者が保護を受けられなくなるおそれがあるとともに、生活保護を受給した場合であっても、かえって本人の自立を阻害することになりかねない場合もあることから厳に慎むべきである。」としている。しかし、その後も、遺産分割に関して係争中の兄に対する直接照会をしようとしたため申請取り下げに至るという問題事案が発生している。厚生労働省社会・援護局長通知第5の2(2)で「重点的扶養能力調査対象者に対して直接照会することが真に適当でないと認められる場合」には扶養義務者本人に対する直接照会は差し控えることとなっており、同省保護課長通知第5の2で「要保護者の生活歴等から特別な事情があり明らかに扶養できない者」はこれにあたるとしてよいとされていることを、改めて全国の福祉事務所に対して周知徹底されたい。

3.自己に関して行政が保有する情報を市民が知る権利は、十分に保障されてしかるべきである。面接記録票やケース記録の開示請求などについて、福祉事務所が十分に知る権利を保障するべく対応するよう、徹底した指導をされたい。

4.生活保護法第30条1項において居宅保護の原則が掲げられ、2項において施設入所の強制はできないことが述べられている。しかしながら、福祉事務所においては、いわゆるホームレス状態の生活保護申請者に対し実質的な施設入所の強制が行われている。原則に立ち返って居宅保護を適用すべきであり、申請後開始決定までの待機期間においてカプセルホテルやネットカフェ等の一時的宿泊費を住宅扶助費として上乗せ支給することができるという平成21年10月30日付保護課長通知の存在と内容を要保護者に周知すべきであることを、各福祉事務所に対して徹底して指導をされたい。

5.先述の通り、福祉事務所を訪れる市民は相当な困窮状態にあり、ほとんど所持金がないという場合も多い。生活保護の申請から決定までの期間は原則14日以内とされているが、その間の待機が困難な場合、各福祉事務所では臨時特例つなぎ資金貸付などの法外貸付を活用していると思われる。臨時特例つなぎ資金の貸付額の上限は10万円であるのに、保護決定までの期間の生活費をまかなうことが不可能な少額の貸付上限額を独自に設定している自治体がある。その結果、いわゆるホームレス状態の要保護者が施設入所を断ると待機期間の生活を維持できないために、結局施設入所を受け入れざるを得ないという事態が起こっている。
 そもそも法25条においては、要保護者が急迫状況にある場合にはすみやかに保護を開始しなければならないとされている。所持金が無いまたは僅少である場合、ホームレス状態にある場合などを「急迫状況」と認定し、そのような状況に陥った場合にはすみやかに保護を開始するよう、福祉事務所に対して徹底した指導をされたい。また、急迫保護の適用を行わないのであれば、待機期間の生活を維持し得るだけのつなぎ資金を貸し付けるよう、各自治体及び社会福祉協議会に対して徹底した指導をされたい。

6.昨年5月に出された通知「就労可能な被保護者の就労・自立支援の基本方針について」において、6ヶ月を活動期間として集中的な就労支援を行い、十分な求職活動を行わない被保護者に対しては必要な指導・指示を行うことができるとされている。そこでは就労先が見つからないことを理由として指導・指示を行わないように注意が喚起されているが、現実にはそのような運用が行われている。かかる不適切な就労支援について、厚生労働省は調査監督を実施しているが、その中で明らかになった実態を公表するとともに、徹底した指導をすべきである。

以上



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