貧困対策はどこに向かうのか
長野で生活保護を考える
貧困の連鎖を止める
例年、ご好評いただいている地方議員の皆さま方を対象とする生活保護制度に関する研修会を今年も開催いたします。
各分野の専門家を講師として迎え、地方行政に何ができるのかを考えます。
是非、多数ご参加いただけますよう、ご案内申し上げます。

★リーフレット(PDF/2.2MB)をダウンロード
★申込み書(PDF)のみダウンロード
【日時】8月25日(金)~8月26日(土)
【場所】信州大学 長野(工学)キャンパス(両日) アクセス
◆参加申し込みについて◆
【対象者】 地方議会議員
【定員】300名
(請求書を送付し、ご送金の順にお席を確保し領収書をお送りいたします。)
【参加費】1万5000円
(キャンセル料:8月1日以降 1万円、8月10日以降 1万5000円)
【お弁当】900円
(2日目昼食 ※8月15日以降のキャンセルはご遠慮ください)
【交流会】1日目 8月25日(金)午後6時~
参加費1000円(軽食・ソフトドリンク付き)
【問合せ先・申込先(宿泊先の手配も承ります)】
㈱国際ツーリスト・ビューロー 担当:大村・倉長
電話:078-351-2110 FAX:078-351-2140
E-mail:ktb-info@jupiter.ocn.ne.jp
①申込書をFAX、②メールを送信、の方法によりお申し込み下さい。
※会場の信州大学では申し込みを受け付けておりませんのでご注意ください。
【主催】生活保護問題対策全国会議
全国公的扶助研究会
 プログラム・1日目(12:00 受付開始) 
13:00 開会挨拶・基調報告
「生活保護の動向と生存権の保障」
吉永 純さん(全国公的扶助研究会会長・花園大学教授)
14:00 講演1
「メディアから読み取る『生活保護と子供の貧困』」
さいき まこさん(漫画家)
15:05 講演2
「医療現場から見える子どもの貧困」
和田 浩さん(長野県飯田市・健和会病院小児科医)
16:40 特別報告1
「当事者の声を聞く~生活保護世帯実態調査をふまえて」
鮎澤 ゆかりさん(上伊那生協病院 医療相談室 医療ソーシャルワーカー)
17:10 特別報告2
「私のまちの生活保護~議員としてのチェックポイント~」
横山 秀昭さん(横浜市旭福祉保健センター ソーシャルワーカー)
18:00 交流会(自由参加)
 プログラム・2日目(9:00 受付開始) 
9:15 分科会
第1分科会 生活保護なんでもQ&A
第2分科会 生活困窮者自立支援制度は機能しているか
第3分科会 子どもの貧困と自治体のとりくみ
第4分科会 自治体で考える住宅セーフティネット
第5分科会 低所得者への医療保障(国保、無料定額診療事業)を考える
12:45 講演3
「『誰もが受益者』という財政戦略」
井手 英策さん(慶應義塾大学経済学部教授)
14:30 まとめ「今こそ生きる権利の確立を」
尾藤廣喜さん(弁護士・生活保護問題対策全国会議代表幹事)
 各プログラムの内容ご紹介 
【1日目】
基調報告「生活保護の動向と生存権の保障」
2013年度から最大10%の保護費減額が強行され、生活保護世帯は厳しい生活を余儀なくされていますが、現在、2018年度からの保護基準と制度改定を目指して、母子加算など有子世帯加算、級地制度の検討などが進んでいます。生存権を保障する生活保護制度の在り方を考えます。
講師:吉永純さん
全国公的扶助研究会会長・花園大学教授。福祉事務所20年、生活保護ケースワーカー12年の経験を生かして、貧困問題、生活保護、無料定額診療制度等を研究。著書は「生活保護『改革』と生存権の保障」(2015年)明石書店など。
講演1 「メディアから読み取る『生活保護と子供の貧困』」
子どもの貧困対策法が施行されて3年。「子どもの貧困」がクローズアップされたこの3年の間、新聞やテレビ、ウェヴメディアはそれをどう伝えてきたか。私たちは、そこから何を、どう読み取り、問題解決の糸口を探るべきか。貧困問題を理解するために、記事や番組を分析し、報道側の意図や思いも探りながら考えていきます。
講師:さいき まこさん
漫画家。著書「陽のあたる家~生活保護に支えられて」(秋田書店)、「神様の背中~貧困の中の子どもたち」(同)など。2014年「貧困ジャーナリズム大賞」特別賞を受賞。2017年秋に「家族の約束」を刊行予定。同作では家族が互いに支え合う際に起こる問題を描く。
講演2「医療現場から見える子どもの貧困」
貧困は子供の心身に様々な悪影響を及ぼします。貧困はどんな現れ方をするか、それにどう気づき、どう支援するか、実際の事例を含めて医療現場からの報告を行います。
講師:和田 浩さん
長野県飯田市・健和会病院小児科医。日本外来小児科学会「子どもの貧困問題検討会」代表。「貧困と子供の健康シンポジウム」実行委員長。著書「健康な子ってどんな子?」(ひとなる書房)、共著「子どもの貧困ハンドブック」(かもがわ出版)ほか。
特別報告1「当事者の声を聞く~生活保護世帯実態調査をふまえて」
「生活保護の利用者/1日2食以下 27%、教養娯楽費ゼロ 38%、理美容室利用年ゼロ回 26%」など、生活保護世帯の厳しい生活が明らかになった長野民医連生活保護世帯調査を紹介するとともに、利用者の声を聞きます。
講師:鮎澤 ゆかりさん
上伊那生協病院 医療相談室 医療ソーシャルワーカー(社会福祉士・精神保健福祉士)。民主医療機関連合会でソーシャルワーカー24年。地域の反貧困活動やアルコール依存症の自助グループ活動などにもかかわっている。
特別報告2「私のまちの生活保護~議員としてのチェックポイント~」
生活保護法に基づいて実施される生活保護制度ですが、実際は、自治体によってかなり運用にバラツキがあります。HPや「保護のしおり」はわかりやすいか、窓口に申請書が置いてあるか、ケースワーカーの数は足りているか、専門職の配置は進んでいるか・・・・「私のまちの生活保護」が住民の生活を命を守るものとなっているか、そのチェックポイントを考えます。
講師:横山 秀昭さん
横浜市旭福祉保健線t-あ ソーシャルワーカー。全国公的扶助研究会事務局長。精神障碍者福祉と社会福祉職の人材育成を専門としています。
【2日目】
分科会
■第1分科会 生活保護なんでもQ&A
生活保護相談でよく問題になる点とその対応、各自治体の生活保護行政を正しく運用さえるための具体策について、「歩く生活保護手帳」と呼ばれ、あるべき実務運用を知り尽くした鉄壁コンビが解説します。当日は質問の時間を設け議員の皆さんの悩みや質問にも即座に回答。当議員研修会の定番分科会です。
講師:觜本 郁さん
阪神・淡路大震災の支援活動の中で生まれた「神戸の冬を支える会」(ホームレスの方や生活に困った方への支動)や「NGO神戸外国人救援ネット」(外国人支援)の立ち上げに関わり、以降相談支援活動にたずさわる。元神戸市職員。
講師:谷口 伊三美さん
生活保護ケースワーカー養成講座代表。28年にわたり、生活保護の現業に携わり、生活保護の実務に精通。また後進育成のため、自主的研修会である生活保護のケースワーカー養成講座を運営。
講師:森 弘典さん
弁護士。1999年弁護士登録。司法修習中に、野宿労働者の生活保護適用等が問題となった林訴訟に関わる。2002年、愛知県弁護士会の人権擁護委員会に生活保護問題チームを立ち上げ、2003年以降、炊き出しの場で行う野宿者総合法律相談を企画し実施。
■第2分科会 生活困窮者自立支援制度は機能しているか
生活困窮者自立支援法が施行されて2年が過ぎました。制度の要となる自立相談支援機関に求められる役割は何か。また、住居確保給付金や家計相談、各種就労支援など、本制度が生活困窮者への有効な支援として機能するためにはどうすればよいのか。実践現場に即した課題と解決の方向性について検討します。
講師:今井 伸さん
田園調布学園大学教授 社会福祉士 東京練馬区議員としてケアワーカー。生活保護現業員、地域包括支援センター所長、総合福祉事務所長等を経て現職。福祉専門職と行政管理職の双方の視点から、行政福祉における公的責任の在り方について研究。編著「わかるみえる社会保障論」(みらい)など。
講師:仲野 浩司郎さん
大学卒業後、民間の医療機関で医療ソーシャルワーカーとして10年勤務。平成21年に羽曳野市に入職。生活保護CWを経て、現在は生活困窮者自立支援制度を担当。主任相談支援員として生活保護制度と積極的に連携しながら困窮者の支援を行っている。
講師:小久保 哲郎さん
弁護士、生活保護問題対策全国会議事務局長。1995年弁護士会登録。大阪弁護士会で自治体と連携した生活困窮者法律相談事業にとりくんでいる。編著に「Q&A生活保護利用者の法律相談」(新日本法規)など。
■第3分科会 子どもの貧困と自治体のとりくみ
子どもを取り巻く社会課題「子どもの貧困」問題に対し、現在、子ども食堂や学習支援といった民間のとりくみが広がっています。さらに参加できない子どもたちへの対応や、抜本的な解決となるようなとりくみが自治体には求められています。負の連鎖をくいとめるための教育、それを支える生活支援について考えたいと思います。
講師:徳丸 ゆき子さん
大阪子どもの貧困アクショングループ・NPO法人CPAO/しーぱお代表。大阪市生まれ。NPO法人にて不登校、ひきこもり支援に従事した後国際協力NGOに所属。K国内事業を担当。子どもの社会参画、子どもの貧困、東日本大震災復興支援のスタッフを経て、2013年現団体設立。
講師:田川 英信さん
社会福祉士。東京都世田谷区で生活保護ケースワーカー、保護係長を15年間経験し定年退職。現在、全国公的扶助研究会運営委員・生活保護問題対策全国会議事務局次長として、現場感覚に基づいた発信を続けている。昨年末に出版された「子どもの貧困ハンドブック」(かもがわ出版)にも寄稿している。
■第4分科会 自治体で考える住宅セーフティネット
高齢者、障害者、母子家庭、低所得者など、誰もが排除されることなく、安心して住み続けられる「住」を確保できる社会的な仕組みが、今、切実に求められています。住宅行政と福祉行政との連携、官民が共同するネットワークづくり、貧困ビジネスの規制など、居住支援と住宅セーフティネットの今日的な課題を探ります。
講師:山田 壮志郎さん
日本福祉大学準教授。ホームレスや生活困窮者を支援するNPO法人ささしまサポートセンター副理事長。貧困ビジネス対策全国連絡会代表。著書に「ホームレス支援における就労と福祉」(2009年、明石書店)、「無料定額宿泊所の研究」(2016年、明石書店)など。
講師:芝田 淳さん
NPO法人やどかりサポート鹿児島理事長。司法書士。2004年ホームレス支援活動を始め、その後、居住支援や連帯保証を行うNPO、よりそいホットラインと生活困窮者自立支援事業を行う一般社団法人などを展開。2017年、居住支援全国ネットワークの事務局長に就任。
■第5分科会 低所得者への医療保障(国保、無料低額診療事業)を考える
国保と生活保護の狭間で医療を受ける権利を侵害されている実態を医療現場から報告するとともに、国保料引き下げの展望、正規保険証の取り上げを許さない取り組み、2018年度からの都道府県単位化による影響などを検討し、国保からの排除層の受け皿となっている無料定額診療事業の拡大のための方策を最新情報をもとに考えます。
講師:鮎澤 ゆかりさん
上伊那生協病院 医療相談室 医療ソーシャルワーカー(社会福祉士・精神保健福祉士)。民主医療機関連合会でソーシャルワーカー24年。地域の反貧困活動やアルコール依存症の自助グループ活動などにもかかわっている。
講師:寺内 順子さん
大阪社会保障推進協議会事務局長。佛教大学社会学部卒業後の豊中市の障害児・者施設に勤務。1991年大阪社会保障推進協議会入局。所謂「無保険の子ども」改称のきっかけとなった調査を2008年6月に実施し、発信した。著書(共著含む)に「国保広域化でいのちは守れるのか?」(かもがわ出版)等
講師:吉永 純さん
全国公的扶助研究会会長・花園大学教授。福祉事務所20年、生活保護ケースワーカー12年の経験を生かして、貧困問題、生活保護、無料定額診療制度等を研究。著書は「生活保護『改革』と生存権の保障」(2015年)明石書店など。
講演3 「『誰もが受益者』という財政戦略」
目に見えて低下する所得、将来への言い知れぬ不安、そして、価値観を分かち合えない人びと-日本社会にはいたるところに分断線が引かれてしまいました。この分断社会を乗り越え、だれもが尊厳を持って生きられる「尊厳保障社会」を実現する。そのために私たちにできることは何なのでしょうか。みなさんと一緒に考えたいと思います。
講師:井手 英策さん
慶應義塾大学経済学部教授。1972年生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。専門は財政社会学。これまで、朝日新聞論壇委員、日本医師会医療政策会議委員、小田原市「生活保護行政のあり方研究会」座長などを歴任。「財政から読みとく日本社会~君たちの未来のために」(岩波書店)ほか著書多数。大佛次郎論壇賞、慶應義塾賞などを受賞。
まとめ 「今こそ生きる権利の確立を」
講師:尾藤 廣喜さん
弁護士、生活保護問題対策全国会議代表幹事。70年、厚生省入省。75年、京都弁護士会に弁護士登録後、数々の生活保護裁判を勝利に導いてきた。日本弁護士連合会貧困問題対策本部副本部長。著書に「生存権」「生活保護『改革』ここが焦点だ!」(共著)など。
<これまでの参加者の声>
- 全体通して、たくさんのデーターや調査に基づく報告ですごく勉強になりました。講師のみなさんご苦労様でした。ありがとうございます。
- 今回の研修会は、どの内容でも、熱心な講師のお話に、あっとういう間の時間でした。有意義な講義でした。今後の議会活動に活かしていきたいと思います。ありがとうございました。
- 今回参加して本当によかったです。本も読んでしっかり取り組まねばと思います。