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 当団体らは、本日、大阪市(保護課長代理)と4区(保護課長)と面談協議の場を持ち、要請書を提出して「本人確認カード」の廃止を求めました。
 当団体らは、引き続き、本制度の廃止を求めて取り組みを進めていきます。



2017年10月18日


「本人確認カード」の廃止を求める要請書


大阪市長    吉村 洋文 殿
同市浪速区長  榊  正文 殿
同市福島区長  大谷 常一 殿
同市東住吉区長 上田 正敏 殿
同市港区長   筋原 章博 殿

生活保護問題対策全国会議他29団体


当団体らの2017(平成29)年8月8日付けの公開質問状に対し、貴市より同年9月15日付け及び同年10月2日付けでいただいた回答をふまえ、以下のとおり、要請いたします。

第1 要請事項
 1 「本人確認カード」の制度を直ちに廃止してください。
 2 各区において保管している生活保護利用者の顔写真を当事者に返却してください。

第2 要請の理由
 貴市のご回答によれば、「本人確認カード」は、窓口での生活保護費の支払時や医療券発行時に本人確認を確実に行い、保護費の誤支給やなりすましによる不正受給を防止するとともに窓口での本人確認を速やかに行うことを目的とするとのことです。
しかし、以下のとおり、貴市の回答によって「本人確認カード」が有害無益であることがより一層明らかとなりました。

 1 生活保護行政において「確認カード」による本人確認が全く不要であること
 上記質問状で述べたとおり、「誤支給」は職員側の事務ミスによって生じるものでそもそも「確認カード」によって防止できるものではありません。交付時の「なりすまし」による不正受給についても、当該生活保護利用者と面識のある職員が窓口にいて発覚するおそれがあるのに利用者本人になりすまして生活保護費や医療券の交付を受けようとする者がいるとは考えられず、「確認カード」による本人確認を行う必要は全くありません。
 このことは貴市からの回答によって、より一層明らかとなりました。
 すなわち、「確認カード」を試行実施している4区では誤支給やなりすましによる不正受給は発生しておらず、過去に他区であったなりすましの3事例は、いずれも保護申請の段階で既に他人になりすましていた事例であり、生活保護費や医療券の交付時におけるなりすましの事例は存在しないとのことです。申請段階におけるなりすまし事例では、なりすました他人の「確認カード」が作成されることになるだけなので、「確認カード」によってなりすましを防止できないことが明らかです。
 また、「確認カード」導入のきっかけとなったと貴市が回答する2012(平成24)年7月18日の市会民生保健委員会において、冨岡朋治委員(当時)は、「被保護者にあらかじめ顔写真を添付してカードを交付しておき、そのカードの提示でもって確実に本人であることを確認した上で保護費を支給するというような方法を考えることはできないか」と提案していますが、その理由としては、「区役所での窓口支給に際しましては、受給者本人であることは確認の上で交付されていると思われますが、やはり中には他人が受給者に成り済まして二重受給を受けているというようなことがないように、やはり防止策をつくることが必要ではないかと思われます。」としか述べていません。
 つまり、貴市の回答によれば、「確認カード」の作成を必要とするような、なりすましによる不正受給事案自体が全く存在しないのであり、制度導入の前提事実を欠くことが明らかとなったのです。
 そもそも、貴市の回答では、「確認カード」以外の本人確認の方法としては氏名、生年月日,住所による確認を行っているとのことであり、この方法と「確認カード」による本人確認とで,所要時間にさしたる差が生じるとも考えられないことからすれば、こうした通常の方法をとればよいだけの話です。
 以上のとおり、生活保護費の支給や医療券の発行の際の,誤支給,不正受給(なりすまし)を防止するためにも,窓口の「混雑緩和」のためにも,「確認カード」によって本人確認をする必要は全くありません。
    
2 生活保護に対するスティグマを強め,保護申請を萎縮させること
 貴市の回答によれば、浪速区と東住吉区においては、申請書受理後に「確認カード」の顔写真を撮影しているとのことです。
しかし、上記質問状で述べたとおり、生活保護申請時に写真撮影の同意を求められた場合,保護決定への影響を恐れ,これを拒否することは極めて困難です。
 また、今回貴市から開示された4区の説明文書においては、顔写真の撮影及び確認カードの作成が任意であって、これらを拒否した場合に不利益が何ら無いことについての明記がありません。したがって、「確認カード」の作成が任意であることが説明されているものとは認められません。
 以上より、上記写真撮影が形式的には当事者の同意のもとに行われているとしても,それは事実上の強制によるものと言わざるを得ず、上記質問状で述べたとおり、生活保護に対するスティグマ(「恥の意識」「偏見」)を強め,保護申請を萎縮させる効果があると考えられます。

3 個人情報保護条例上の問題及び肖像権侵害の問題
 上記のとおり、顔写真の撮影や「確認カード」の作成が任意であること及びこれを拒否しても不利益が一切無いことが顔写真撮影時に説明されておらず、写真撮影について本人の真摯な同意が十分に確認されているとはいえません。したがって、上記質問状で述べた個人情報保護条例違反や肖像権侵害の恐れも未だに残っております。

4 別の目的(生活保護利用者に対する尾行調査等への利用目的)で利用される危険性
 貴市の回答によれば、浪速区以外の3区は同意受領書兼原票またはケース記録の個人台帳に予備の写真1枚を貼付し、港区以外の3区ではさらに残った写真を袋に入れてケース記録に保管しているということです。
 貴市においては,各区に警察官OBが配置され,不正受給が疑われる生活保護利用者の尾行や張り込みが行われているところ,貴市の上記回答によれば、保管されている顔写真を,上記警察官OBが見ることができるのであり、顔写真が上記尾行・張り込み活動の際の「面割り」写真として利用される危険が現実に存在します。

 以上のとおり、貴市の回答によって、「確認カード」が有害無益なものであることがより一層明らかとなったため、私たちは、同制度を直ちに廃止するよう求めるものです。

以 上



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大阪市からの回答書
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