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 2020年1月17日深夜、愛知県海部福祉相談センターの職員2名が、立つことも話すこともできない70代男性を名古屋市中村区の公園まで公用車で連れて行き、置き去りにするというショッキングな事件が発生しました。

 当会議は、本日、反貧困ネットワークあいち・東海生活保護利用支援ネットワークとともに、愛知県海部福祉相談センターと同県大治町を訪れ、公開質問状を提出しました。






2020年2月28日

愛知県海部福祉相談センター長 様
生活保護問題対策全国会議
代表幹事 尾藤廣喜
反貧困ネットワークあいち
共同代表 内河惠一、和田肇、藤井克彦
東海生活保護利用支援ネットワーク
代表幹事 内河惠一

(連絡先)460‐0002  名古屋市中区丸の内3-6-41 DDSビル5階
いこいの森法律事務所
弁護士 森  弘 典


高齢者置去り事件に関する公開質問状


 報道(2020年2月6日朝日新聞、同年2月8日毎日新聞Web版)によると、下記の通り、高齢者の置去り事件が発生しています。
事件に関して、貴センターに対し、以下のとおり質問致します。
ご多忙中にお手数をおかけして恐縮ですが、3月23日までに上記連絡先宛てに文書にて回答くださるようお願い致します。なお、回答内容についてはSNS等を通じて公開しますので予めご承知おきください。

〇高齢者置去り事件の概要
 本年1月17日夕刻、大治町のスーパーでキャッシュカードを持たずにATMを操作していた70代男性を津島署が保護し、大治町に引継を依頼した。大治町の民生課は「生活保護業務は担当外」として、愛知県海部福祉相談センターを紹介し、男性をセンターに引き継いだ。センター職員2人は簡易宿泊所などの受け入れ先を探したが見つからず、電話で上司に相談。上司は男性を消防の管轄が変わる場所まで連れて行き、名乗らずに119番通報して消防に保護させるように指示した。
 職員2人は17日深夜、男性を名古屋市中村区の公園まで公用車で連れて行き、18日未明に「高齢男性が公園で倒れている」と偽名で119番通報。市消防局が男性を保護し、県警中村署に引き継いだ。当時の気温は6度ほど。18日朝、不審に思った中村署が通報した職員と指示した上司に話を聞いたところ、2人は「男性が宿泊所から自ら立ち去った」とうそをついた。男性の家族は19日に捜索願を出し、24日に身元が判明した。中村署がセンター次長を呼び出した28日になって、関わった3人は真相を打ち明けた。職員2人は「時間外の対応経験がなく、受け入れ先も見つからず、上司の指示に従った」と弁明。上司は「悪いことをした」と話しているという。

1 事実の経過について
 事実経過については、上記「高齢者置き去り事件の概要」のとおりで間違いありませんか。異なる点や補足があればご説明ください。

2 当該高齢者の状態について
 報道によれば、当該高齢男性は、立っていられないなど健康状態が悪く、話ができず、筆談もできない状態であったとされています。大治町から貴センターが引き継いだとき、当該高齢男性はどのような状態だったか、お答えください。

3 急迫保護について
 報道による2のような状態は、いわゆる急迫状態(生活保護法第25条1項)の可能性があったと考えられます。貴センターは、急迫かどうかの判断をしたのかどうか、お答えください。もし急迫でないと判断したのであれば、その理由をお答えください。さらに、過去5年間で急迫を理由に職権保護した件数を年別にお答えください。

4 生活保護の適用について
 3の急迫保護の対象でなかったとしても、要保護状態であった可能性は高く、このような場合には、生活保護を適用すべきであると考えられます。貴センターは生活保護の適用の可否について検討したのかどうか、その結果生活保護が必要でないと判定したのであればその理由をお答えください。また、生活保護適用の可否について検討しなかった場合もその理由をお答えください。

5 生活困窮者自立支援法に基づく一時生活支援事業の適用について
 当該高齢男性は、生活困窮者自立支援法に基づく一時生活支援事業の対象となった可能性があります。同事業の適用を検討したのかどうか、また検討の結果、適用しなかったのであればその理由をお答えください。
 また、貴センターにおいて取り組まれている一時生活支援事業の具体的内容と、過去5年間で同事業を適用した件数を年別にお答えください。

6 老人福祉法による措置入所について
 急迫、要保護状態の有無にかかわらず、また生活困窮者自立支援制度による対応ができなかったとしても、老人福祉法第11条(下記※参照)の条項にしたがい、当該高齢者を養護老人ホームや特別養護老人ホームに入所させる義務があると考えられますが、この措置を検討されましたか、お答えください。検討されていない場合は、その理由をお答えください。

7 保護責任者遺棄罪について
 報道によれば、2人の貴センター職員は、1月17日深夜、上司の指示により、男性を名古屋市中村区の公園まで公用車で連れて行き、18日未明に「高齢男性が公園で倒れている」と偽名で119番通報、市消防局が男性を保護し、県警中村署に引き継ぎいたとあり、当時の気温は6度ほどであったとあります。
 会話ができず立っていられないような状態の高齢者を、気温6度の公園に置き去りにするのは極めて危険な行為です。貴センター職員とその上司の行為は保護責任者遺棄罪(刑法218条)に該当する可能性があったと考えられますが、この点についての貴センターの見解をご回答ください。

8 生活保護ケースワーカー数、保護世帯数等について
 貴センターの生活保護ケースワーカーの数、担当保護世帯数(1ケースワーカー当たり平均)、経験年数(1人当たり平均)、資格保有状況(社会福祉主事、社会福祉士、精神保健福祉士それぞれの保有者数)を回答してください。

9 定まった住所を持たない人に対する貴センターのこれまでの対応について
 定まった住所を持たない人を把握した場合、貴センターは、どのような対応をされているかをお答えください。過去5年間の生活保護を適用した件数、適用場所(居宅、生活保護施設、無料低額宿泊所、医療機関、その他)の各件数、移送費を支給した件数を年別にお答えください。

※【参考】
(老人ホームへの入所等)
第11条 市町村は、必要に応じて、次の措置を採らなければならない。
一 65歳以上の者であつて、環境上の理由及び経済的理由(政令で定めるものに限る。)により居宅において養護を受けることが困難なものを当該市町村の設置する養護老人ホームに入所させ、又は当該市町村以外の者の設置する養護老人ホームに入所を委託すること。
二 65歳以上の者であつて、身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難なものが、やむを得ない事由により介護保険法に規定する地域密着型介護老人福祉施設又は介護老人福祉施設に入所することが著しく困難であると認めるときは、その者を当該市町村の設置する特別養護老人ホームに入所させ、又は当該市町村以外の者の設置する特別養護老人ホームに入所を委託すること。

以 上





2020年2月28日

愛知県大治町長 様
生活保護問題対策全国会議
代表幹事 尾藤廣喜
反貧困ネットワークあいち
共同代表 内河惠一、和田肇、藤井克彦
東海生活保護利用支援ネットワーク
代表幹事 内河惠一

(連絡先)460‐0002  名古屋市中区丸の内3-6-41 DDSビル5階
いこいの森法律事務所
弁護士 森  弘 典


高齢者置去り事件に関する公開質問状


 報道(2020年2月6日朝日新聞、同年2月8日毎日新聞Web版)によると下記の通り、高齢者の置去り事件が発生しています。
事件に関して、貴町に対し、以下のとおり質問致します。
ご多忙中にお手数をおかけして恐縮ですが、3月23日までに上記連絡先宛てに文書にて回答くださるようお願い致します。なお、回答内容についてはSNS等を通じて公開しますので予めご承知おきください。

〇高齢者置去り事件の概要
 本年1月17日夕刻、大治町のスーパーでキャッシュカードを持たずにATMを操作していた70代男性を津島署が保護し、大治町に引継を依頼した。大治町の民生課は「生活保護業務は担当外」として、愛知県海部福祉相談センターを紹介し、男性をセンターに引き継いだ。センター職員2人は簡易宿泊所などの受け入れ先を探したが見つからず、電話で上司に相談。上司は男性を消防の管轄が変わる場所まで連れて行き、名乗らずに119番通報して消防に保護させるように指示した。
 職員2人は17日深夜、男性を名古屋市中村区の公園まで公用車で連れて行き、18日未明に「高齢男性が公園で倒れている」と偽名で119番通報。市消防局が男性を保護し、県警中村署に引き継いだ。当時の気温は6度ほど。18日朝、不審に思った中村署が通報した職員と指示した上司に話を聞いたところ、2人は「男性が宿泊所から自ら立ち去った」とうそをついた。男性の家族は19日に捜索願を出し、24日に身元が判明した。中村署がセンター次長を呼び出した28日になって、関わった3人は真相を打ち明けた。職員2人は「時間外の対応経験がなく、受け入れ先も見つからず、上司の指示に従った」と弁明。上司は「悪いことをした」と話しているという。

1 事実の経過について
 事実経過については、上記「高齢者置き去り事件の概要」のとおりで間違いありませんか。異なる点や補足があればご説明ください。

2 当該高齢者の状態について
 報道によれば、当該高齢男性は、立っていられないなど健康状態が悪く、話ができず、筆談もできない状態であったとされています。津島署が貴町に保護の依頼をした当時、当該高齢男性はどのような状態だったか、お答えください。

3 当該男性を愛知県海部福祉相談センターに紹介したことについて
 報道によれば、当該男性に対して、「生活保護業務は担当外」として、愛知県海部福祉相談センターを紹介したとありますが、これは事実でしょうか、お答えください。

4 町長の応急措置義務について
 生活保護法第19条6項は、「福祉事務所を設置しない町村の長(以下「町村長」という。)は、その町村の区域内において特に急迫した事由により放置することができない状況にある要保護者に対して、応急的処置として、必要な保護を行うものとする。」と規定し、町長に救護義務を課しています。
(1)当該男性は、この応急的処置の対象者であった可能性がありますが、貴町は、その検討をされたか、お答えください。検討されなかった場合は、その理由をお答えください。
(2)過去5年間で生活保護法19条6項による応急的処置を行ったことはありますか。行っていた場合、各年ごとの件数をお答えください。

5 老人福祉法による措置入所について
 4の応急的処置の対象でなかったとしても、当該高齢者は、老人福祉法第11条(下記※参照)の条項にしたがい、養護老人ホームや特別養護老人ホームに入所させる義務があると考えられますが、この措置を検討したか、お答えください。検討していない場合は、その理由をお答えください。

6 定まった住所を持たない人に対する貴町のこれまでの対応について
定まった住所を持たない人を把握した場合、貴町は、どのような対応をされているか、お答えください。また、過去5年間の愛知県海部福祉相談センターへの紹介件数を年別にお答えください。

※【参考】
(老人ホームへの入所等)
第11条 市町村は、必要に応じて、次の措置を採らなければならない。
一 65歳以上の者であつて、環境上の理由及び経済的理由(政令で定めるものに限る。)により居宅において養護を受けることが困難なものを当該市町村の設置する養護老人ホームに入所させ、又は当該市町村以外の者の設置する養護老人ホームに入所を委託すること。
二 65歳以上の者であつて、身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難なものが、やむを得ない事由により介護保険法に規定する地域密着型介護老人福祉施設又は介護老人福祉施設に入所することが著しく困難であると認めるときは、その者を当該市町村の設置する特別養護老人ホームに入所させ、又は当該市町村以外の者の設置する特別養護老人ホームに入所を委託すること。

以 上





「愛知県海部福祉相談センター」宛て公開質問状(PDF)
→ダウンロードはこちらから
「愛知県大治町」宛て公開質問状(PDF)
→ダウンロードはこちらから



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