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 一部自治体において、厚生労働省の事務連絡(2020年3月27日付)にも反する医療機関宛ての事務連絡が発出されたり、本来支給されるべき検査費用が支給されないなどの不適切な運用が行われ、現場に混乱が見られます。
 そこで、改めて上記事務連絡を周知徹底するとともに、傷病者が多い生活保護利用者こそスムーズにPCR検査を受けられるよう、検診命令の活用による柔軟な運用を求める新たな事務連絡を発出するよう要望しました。



2021年2月24日


生活保護利用者こそPCR検査を円滑に受けられるよう
新たな事務連絡の発出を求めます


厚生労働大臣 田村憲久 殿
生活保護問題対策全国会議


 新型コロナウイルス感染症の終息の目途が立たない中、PCR検査の円滑な実施が重要な課題となっています。ところが、一部自治体において、厚生労働省の事務連絡(2020年3月27日付)にも反する医療機関宛ての事務連絡が発出されたり、本来支給されるべき検査費用が支給されないなどの不適切な運用が行われ、現場に混乱が見られます。
 そこで、当会議は、改めて上記事務連絡を周知徹底するとともに、傷病者が多い生活保護利用者こそスムーズにPCR検査を受けられるよう、検診命令の活用による柔軟な運用を求める新たな事務連絡を発出するよう要望するものです。

第1 感染が疑われる場合に関する2020年3月27日付厚生労働省事務連絡の周知徹底
1 A市の福祉事務所は、2021年1月14日付けで、医療機関に対し、「生活保護受給者がPCR検査を実施する場合は、必ず福祉課までご連絡下さい」と求める事務連絡を発出しました。その事務連絡には、「一部の検査費用について医療扶助の対象とならないことがありますので、ご注意ください」とした上で、「検査を実施する経緯、症状の有無等を確認」すること、「検査結果の判明後に必要な書類(医療券、医療要否意見書等)を発行」すること、「検査実施の経緯、検査結果により発生した費用の請求先が異な」ること等が記載されています。

2 この点、厚生労働省は、2020年3月27日、事務連絡「新型コロナウイルス核酸検出の保険適用に伴う検査に係る生活保護における取扱いの変更について」を発出し、医師の医学的判断により、新型コロナウイルス感染症の患者であることが疑われる者に対して、感染症指定医療機関や、それ以外の医療機関で都道府県等が認めた医療機関(感染症指定医療機関等)で行われたPCR検査については、令和2年4月診療分より、結核感染症課長通知に基づく給付(初再診料等を除く)が、医療扶助による給付より優先して適用されるため、医療扶助による給付は発生しないこと(患者負担がないこと)を示しています。
 このように、医師の判断で感染の疑いがあれば、PCR検査を受けるに際して医療扶助(初再診料等を除く)が発生することはないため、当然ながら、福祉事務所への連絡や医療要否意見書による確認は必要ありません。また、医師が必要と認めないPCR検査が医療扶助の対象とならないことは自明のことですから、このような記載をする必要は全くありません。上記のA市の事務連絡は、検査の際の連絡を必須化し、検査を実施した経緯、症状の有無等の報告を求めており、上記の厚生労働省の事務連絡に反する生活保護利用者のPCR検査に対する過剰な規制であり、到底理解しがたいものです。
 なお、初再診料等については、必要に応じて、一般の医療扶助と同様に医療券を発行すれば済むことであり、検査を行う場合に事前連絡を義務化する理由にはなりません。

3 したがって、同様の誤った運用が行われないよう、改めて2020年3月27日付事務連絡の内容及び趣旨を周知徹底することが必要です。

第2 感染の疑いがない場合の新たな事務連絡発出の必要性
1 一方、精神科等の病院に入院する場合、施設に入所する場合、就職する場合等に事前にPCR検査をして感染していないことの確認を求められることがありますが、かかる場合は、上記厚生労働省事務連絡の適用対象外となります。
 しかし、この場合は生活保護の実施上必要な検査として検診命令(生活保護法28条)を発出することによって医療扶助を適用し、生活保護利用者の自己負担を発生させないことが可能です。実際に大阪府内の自治体では、検診命令の発出による費用負担を行っている自治体が少なくありません。

2 ところが、B市において、かかる運用が行われず、やむを得ず別の支援制度の利用を余儀なくされたケースが生じました。
 生活保護利用者は病気の人が8割を超えます(2018年被保護者調査)。病気と貧困の関りは深く、生活保護利用者こそ、心配なく、円滑にPCR検査が受けられるようにすべきです。

3 ついては、上記のように、入院・入所・就職等に先立ちPCR検査によって感染していないことの確認を必要とする場合には、柔軟に検診命令(生活保護法28条)を発出することによって医療扶助の適用が可能であることを周知する事務連絡を新たに発出することが必要です。

4 新型コロナウイルス感染対策に関連して各自治体や関係機関に発出した通知、事務連絡等は、逐次ホームページに掲載していただいているところですが、上記2020年3月27日付け事務連絡文書のように一部掲載されていない例もありますので、自治体の不適切な取扱いを防ぐためにも、漏れなく掲載するようにお願いいたします。

以 上






厚生労働省令和2年3月27日付事務連絡はこちらから click!

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