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自宅で死亡した生活保護利用者を3カ月間放置していたことが問題になっている東京都江戸川区。
私たちが、2023年8月21日、「生活保護行政に関する公開質問状」を提出したところ、同年9月4日付けで回答書が届きましたが、なお疑義が残ったため、同年9月19日、「生活保護行政に関する公開質問状⑵」を提出しました。
http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-492.html

これに対し、江戸川区から同年10月20日付けで下記の回答書が届きました。

今後、専門委員会が十分な審議検討を行うとともに、「公開できるものはできる限り公開」し、「議事録及び非公開の場合の議事概要の公表及び最終的な調査報告書の公表において説明責任を果たしていく」とのことですので、実効性のある検証が行われることを期待して、推移を注視したいと思います。

生活保護行政に関する公開質問状(2) (回答)





令和5年10月20日


生活保護問題対策全国会議
代表幹事 弁護士 尾藤廣喜 様

江戸川区長 斉藤 猛


生活保護行政に関する公開質問状(2) (回答)


貴団体より受領した令和5年9月19 日付け「生活保護行政に関する公開質問状(2)」に対し、回答します。

1 検証・検討委員会の調査・検証方法等について
 本件事案に係る調査・検証等の当区方針については、2023年8月21月付け「生活保護行政に関する公開質問状(回答)」の「1委員の選任等について」「2検証・検討事項について」で回答したとおりであり、区として決定したものです。
 100人以上の関係職員のヒアリング、事務処理状況の確認のため180ケースの台帳調査等を含めた本件事案の事実調査や課題分析等には相当の人員、時間等を要し、全て外部専門家に委託すれば多大な時間、予算措置等の必要性が見込まれます。公正性・客観性を確保した十分な検証が必要である一方、再発防止策の策定及び当区の生活保護行政への反映はなるべく早期に着手する必要性があることを踏まえれば、内部検討委員会が基礎資料準備のための内部調査並びに第三者専門委員会の事務局としての調査補助等の役割を果たし、検証及び再発防止策の策定の円滑化を図ることは現実的かつ妥当な判断であると考えます。
 なお、関係職員へのヒアリングは、生活援護第三課の業務に関わりのない福祉部管理職と職員課係長級職員等が主体となり、原因分析の観点で一般的に必要と考えられる共通の質問項目をリスト化し、質問者の主観や聞き方によって差が生じないよう配應の上実施し、その調査方法及び結果については、全て第三者専門委員会に報告済みです。
 上記のヒアリング以外に、第三者専門委員会が、直接関係職員等からヒアリングを行う必要性があると判断した場合は、第三者専門委員会の意見・要望に即したヒアリング等を実現するよう諸調整を行い、実施されることになっています。
 既に回答したとおり、貴会の指摘するガイドラインが想定する第三者委員会は当区の方針とする調査・検証方法とは異なる上、組織不祥事に係る日本弁護士連合会のガイドライン等においても、内部調査に弁護士等が関与する手法も含め内部調査自体の有用性は否定されているものではありません。現実的には予算措置等の限界もある中で、外部有識者等による専門委員会を主催する基礎自治体が、事務局として委員会で作成する基礎資料の作成や調査及び報告書作成等の事務補助を担うことは一般的な運用となっており、殊更に当区のみに当てはまる運用との認識はありません。
 当区が、第三者専門委員のみの合議による検証体制を確保し、その公正性・客観性が担保されるよう配慮した体制をとっていることも既に回答したとおりであり、現に、第三者専門委員から種々の意見・要望を受け、内部検討委員会が追加調査・報告を実施しているところです。
 貴会が指摘するような「当区幹部にとって都合のいいストーリーに沿った「供述がため」」や第三者専門委員の意見・調査等を阻害するような対応を当区が行っている事実はありません。

2 検証・検討委員会の公開等について
 江戸川区生活保護業務不適切事案の検証及び再発防止対策検討委員会設置要綱第6条第2項第1号及び第2号は、江戸川区情報公開条例第7条第1項各号で不開示情報が定められる趣旨及び行政機関の保有する情報の公開に関する法律(情報公開法)において非公開とされる各種情報の性質、関連する裁判例等を踏まえ、会議を非公開とすべき場合を定めたものです。貴会が問題であると主張する上記要綱第2号の規定も、情報公開法、情報公開条例等にも定めがある意思形成過程段階にある会議体内部の審議、検討、協議等を公開することで、外部の圧力、干渉等の影響を受け、率直な意見交換が妨げられ、意思決定の中立性が阻害されるおそれがある場合等に非公開とすることが認められる旨の規定と同種のものです。これらの規定は、相当数の裁判例、行政不服審査会の答申においても、協議・検討段階にある会議体の審議の公正性を確保するという規定の趣旨に基づき非開示判断の根拠とする適法性が認められており、関係法令及び裁判例等の基準に則した一般的な規定です。また、これらの規定の趣旨は、検証・検討委員会にも当てはまるため、上記要綱にも同様の規定を制定したものです。
 現実に、本件事案の性質に鑑みれば、専門委員会での検証過程においては、職員の安全衛生・健康管理を目的として実施した多数の職員の面談結果、守秘を前提とした内部検討委員会のヒアリングにおける多数の職員の発言、関係職員の病気休職の理由や具体的内容、亡くなられた方の病状や扶養義務者の状況など、(一部要配應個人情報に該当する)個人情報・プライバシーに関わる部分や人事管理に関する情報、公開すると当区の今後の事務事業に支障が生じ得る情報等、情報公開条例で非公開と指定される多数の情報について、第三者専門委員が具体的に触れ、それらをもとに議論される可能性があり、現にされているものと認識しています。当区においてもこれらの具体的な事項を包み隠さず専門委員会に開示し、専門委員会において必要なすべての情報に触れ、活発に議論することが、今後の改善に向けた提言に寄与するものと考えます。また、専門委員会が関係職員等にヒアリング調査等を行う場合、調査対象者が、自己の記憶に基づき正直にその認識する事実や考えを述べられるよう、環境設定への配慮の観点から非公開が必要な場合も考えられます。これらの諸事情を踏まえれば、特に専門委員会については、率直な審議や事務に支障が生じることについて、抽象的な可能性ではなく実質的な蓋然性が認められ、公正かつ必要十分な議論を行うために非公開とすべき場合が多いことについては、上記要綱のみならず、情報公開条例等関係法令に照らしても、合理性があると考えます。
 なお、第1回検証・検討委員会及び専門委員会、第2回専門委員会、第3回専門委員会は、いずれも、委員長が全委員の意見を確認の上、上記の観点から、委員会で取り扱う情報内容やヒアリング等の調査方法を踏まえ、公開・非公開の意見を決定しており、当区は、いずれもその判断内容に合理性があると考え、委員会の判断を尊重した決定を行っています。
 貴会は、「検証委員会の識論は市民の目からの批判に耐えうるものでなければならない」旨主張しますが、その前提として、専門委員会が審議、議論に必要十分な情報を得ること、及び、外部からの不当な圧力、干渉等を受け率直で自由な発言を躊躇するような影響を受けない環境が整備されること等、客観的で公正な審議が確保される体制が必要であると考えます。このような考えは、上記のとおり、会議情報を含む行政機関の保有する情報の公開に係る関係法令及び裁判例の基準に則っており、上記要綱に基づく検証・検討委員会の公開・非公開の決定に係る運用もそれらの観点で行っているものです。
 当区はこのような観点を踏まえ、公開できるもめは出来る限り公開していきますし、情報の公表は、公開における議事録及び非公開の場合の議事概要の公表及び最終的な調査報告書の公表において説明責任を果たしていく考えです。
 以上が、当区の公開・非公開の判断に係る貴会の指摘に対する基本的考えですが、それ以外に付随する貴会からの質問については以下のとおりです。

① 傍聴について
 会議を公開する場合の傍聴申込期間は、今後は十分な期間を設定する予定ですが、オンライン申し込みについては、対応する環境を有しない傍聰希望者がいる可能性もあるため、現在予定しておりません。また、マスコミ関係者も含め、傍聴可能人数は、その都度会場の広さにあわせて決定します。なお、第1回の委員会では、マスコミ関係者、傍聴人ともに、希望者全員が会場に入ることができています。

② 特設ページ開設、議事録等の公開について
 特設ページ開設の予定はありませんが、公開された会議の議事録については、できる限り迅速に区公式ホームページに掲載する予定です。
上記のとおり非公開の会議については、議事要旨を区公式ホームページに掲載する予定です。

③ 小田原市の検証作業経験者の意見聴取等について
 当区は、既に回答したとおり、本件事案の性質及び事実関係等に鑑み、必要・適切な調査・検証等に係る方針を策定し、それに則り、現在専門委員会の検証を中心とした検証作業を進めていると考えています。
小田原市の事案と当区の事案は基本的事実関係が異なり、特に検証において法令に照らし非公開と取り扱うべき情報を多数取り扱うことが想定される点に相違があるため、公開・非公開の判断が一概に比較できるものとは考えていません。
以上



2023/10/30


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