7/24 新宿区が本件訴訟について上告しないことを表明しました!
→新宿区のホームページ
生活保護に対する逆風が吹き荒れる中、司法が、生存権確立に一歩近づく判断を
しました。
ぜひとも、下記にご協力をお願いします。
新宿七夕訴訟東京高裁判決に対し上告しないことを求める要請のお願い
新宿区ホームレス生活保護裁判弁護団
事務局長 弁護士 戸舘圭之
本年7月18日、東京高等裁判所は、生活保護開始申請却下処分取消等請求控訴事件について、新宿区の生活保護却下決定を取り消し、生活保護開始を決定するよう命じた一審東京地裁判決(昨年11月8日)を支持し、同区の控訴を棄却しました。
本件は、ホームレス状態にあった原告が、アパートに住んで住居を確保した上で就職活動をしたいと考え、新宿区福祉事務所に生活保護を申請したところ、新宿区福祉事務所の職員から自立支援システムを利用するよう強く求められ、原告がこれを断ったところ、「稼働能力を十分活用しているとは判断できない」として、3度にわたり生活保護申請を却下したことに対し、最初の却下処分の取消と生活保護開始決定の義務付けを求めるものでした。
一審判決は、原告の請求を全面的に認め、新宿区に対し、平成20年6月2日付で新宿区福祉事務所長がなした生活保護開始申請却下処分の取消し及び、同日から居宅保護の方法により生活保護を開始せよという生活保護開始決定の義務付けを命じ、東京高裁もかかる判断を維持しました。
すなわち、生活保護の稼働能力活用の判断について、3つの要件(稼働能力の有無、活用の意思、活用の場)を踏まえて、特に稼働能力活用の場の有無については、「現に特定の雇用主がその事業場において当該生活困窮者に当該雇用主の下で就労する意思さえあれば直ちに稼働することができるというような特別な事情が存在すると認めることができない限り,」「その意思のみに基づいて直ちに稼働能力を活用する就労の場を得ることができると認めることはできない」とした一審判決を支持したものです。
このような判断は、生活保護法の本来の理念、現在の雇用をめぐる情勢や原告の年齢、経歴、置かれた状況に照らしてみても至極自然なものであり、被告である新宿区の福祉行政の過ちを断罪したものです。
弁護団では、新宿区に対し、この判決を真摯に受け止め、生活困窮者、特にホームレス状態にある者に寄り添った福祉行政をすすめていくよう改めることを求めるとともに、いたずらに訴訟を長引かせて原告や数多くのホームレス状態にある者を苦況に陥れることのないよう、上告をしないように求める要請活動をしています。
ぜひ、ご協力いただきますよう、お願いいたします。
下記より要請書をダウンロードしていただき、新宿区に対して本件訴訟を上告しないよう、FAXを送って下さい。上告期限は8月1日です。
ダウンロードはこちらから
→新宿七夕訴訟東京高裁判決に対し上告しないことを求める要請書
参考:日弁連 新宿区ホームレス生活保護裁判東京高裁判決に対する会長談話
→新宿区のホームページ
生活保護に対する逆風が吹き荒れる中、司法が、生存権確立に一歩近づく判断を
しました。
ぜひとも、下記にご協力をお願いします。
新宿七夕訴訟東京高裁判決に対し上告しないことを求める要請のお願い
新宿区ホームレス生活保護裁判弁護団
事務局長 弁護士 戸舘圭之
本年7月18日、東京高等裁判所は、生活保護開始申請却下処分取消等請求控訴事件について、新宿区の生活保護却下決定を取り消し、生活保護開始を決定するよう命じた一審東京地裁判決(昨年11月8日)を支持し、同区の控訴を棄却しました。
本件は、ホームレス状態にあった原告が、アパートに住んで住居を確保した上で就職活動をしたいと考え、新宿区福祉事務所に生活保護を申請したところ、新宿区福祉事務所の職員から自立支援システムを利用するよう強く求められ、原告がこれを断ったところ、「稼働能力を十分活用しているとは判断できない」として、3度にわたり生活保護申請を却下したことに対し、最初の却下処分の取消と生活保護開始決定の義務付けを求めるものでした。
一審判決は、原告の請求を全面的に認め、新宿区に対し、平成20年6月2日付で新宿区福祉事務所長がなした生活保護開始申請却下処分の取消し及び、同日から居宅保護の方法により生活保護を開始せよという生活保護開始決定の義務付けを命じ、東京高裁もかかる判断を維持しました。
すなわち、生活保護の稼働能力活用の判断について、3つの要件(稼働能力の有無、活用の意思、活用の場)を踏まえて、特に稼働能力活用の場の有無については、「現に特定の雇用主がその事業場において当該生活困窮者に当該雇用主の下で就労する意思さえあれば直ちに稼働することができるというような特別な事情が存在すると認めることができない限り,」「その意思のみに基づいて直ちに稼働能力を活用する就労の場を得ることができると認めることはできない」とした一審判決を支持したものです。
このような判断は、生活保護法の本来の理念、現在の雇用をめぐる情勢や原告の年齢、経歴、置かれた状況に照らしてみても至極自然なものであり、被告である新宿区の福祉行政の過ちを断罪したものです。
弁護団では、新宿区に対し、この判決を真摯に受け止め、生活困窮者、特にホームレス状態にある者に寄り添った福祉行政をすすめていくよう改めることを求めるとともに、いたずらに訴訟を長引かせて原告や数多くのホームレス状態にある者を苦況に陥れることのないよう、上告をしないように求める要請活動をしています。
ぜひ、ご協力いただきますよう、お願いいたします。
下記より要請書をダウンロードしていただき、新宿区に対して本件訴訟を上告しないよう、FAXを送って下さい。上告期限は8月1日です。
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→新宿七夕訴訟東京高裁判決に対し上告しないことを求める要請書
参考:日弁連 新宿区ホームレス生活保護裁判東京高裁判決に対する会長談話