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 定塚由美子厚生労働省社会・援護局長と面談し、生活保護基準引き下げの撤回と生活保護「改正」法案の一部削除を求める要請書を署名(追加提出分1万2946筆、これまでの総計7万8860筆)とともに渡しました。山井和則衆議院議員(希望)、初鹿明博衆議院議員(立民)、高橋千鶴子衆議院議員(共産)、山本太郎参議院議員(自由)も立会いのもと、当事者4名と支援者らが厳しい生活の実情を訴えました。残念ながら今回はかないませんでしたが、安倍首相が3月5日の予算委員会で山本議員の質問に対して「当事者の声は担当の厚生労働大臣がしっかり聞く」旨答弁したとおり、私たちは引き続き政務三役(大臣、副大臣、政務官)が直接当事者の声を聴く場の設定を求めていきます。




2018年3月19日


生活保護基準の引き下げと生活保護法「改正」等に
関する要望事項


厚生労働大臣 加藤 勝信 殿


いのちのとりで裁判全国アクション
生活保護問題対策全国会議
〒530-0047 大阪市北区西天満3-14-16
西天満パークビル3号館7階
℡06-6363-3310 FAX 06-6363-3320
事務局長 弁護士小久保哲郎


1 2013年度からの史上最大(平均6.5%、最大10%、総額670億円)の生活扶助基準の引き下げを撤回してください。

2 2018年10月からのさらなる生活扶助基準の引き下げ(平均1.8%、最大5%、総額160億円)はしないでください。

3 今国会で審議予定の生活保護「改正」法案(正確には「生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案要綱」)のうち次の各条文案は削除してください。

①  生活保護法63条に基づく「払いすぎた保護費の返還債権」について非免責債権化するとともに保護費からの天引き徴収を可能とする生活保護「改正」法案77条の2及び78条の2


② 生活保護利用者については「原則として後発医薬品によりその給付を行う」とする生活保護「改正」法案34条3項



4 2018年度から全国的に推進するとしている「薬局一元化事業」は実施しないでください。

5 すみやかに政務三役が直接当事者・支援者の声を聴く機会をもうけるとともに,今後,生活保護基準の見直しや法改正を行う場合には,必ず当事者や支援者の意見を聞くようにしてください。

以 上




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生活保護を利用している母子世帯の高校生が、せっかく給付型奨学金を受けたのに福島市が全額収入認定して保護費を減額したという鬼のようなケース。
国家賠償(各5万円の慰謝料支払い)を認める福島地裁の判決について福島市が控訴を断念したため、本日、原告勝訴の判決が確定しました。

福島市に「控訴するな」の声を寄せた全国の皆さまに感謝するとともに、今後の取り組みの決意を表明する声明を、原告弁護団が発表しました。

声明にも触れられているとおり、今後、福島市には、原告に対する真摯な謝罪と、保護行政全般の運用改善に向けた取り組みが求められています。




福島市奨学金収入認定事件の判決確定を受けての声明


2018年1月31日

福島市奨学金収入認定事件弁護団


 去る1月16日,福島地方裁判所(金澤秀樹裁判長)は,福島市奨学金収入認定事件(平成27年(行ウ)第6号。以下,「本件」という。)につき,原告勝訴の判決(以下,「本判決」という。)を言い渡した。この判決について,被告福島市福祉事務所長は,控訴期限である1月30日までに控訴をしなかったことから,本判決は確定し,本件訴訟は終了した。
 本判決の後,原告本人や原告の支援者をはじめ,全国の心ある市民から,福島市に対し,「本判決を真摯に受け止め,控訴をしないでほしい」との申入れなどが多数寄せられた。こうした全国からの声は,福島市が本判決について控訴しないという態度を決定する上で,大きな力となった。私たち弁護団は,全国の皆さんからのご支援ご協力に心から感謝の意を表明する。
 しかし,本件は,福島市が控訴せず本判決により命じられた慰謝料を支払っただけで完全解決に至ったという評価をすることはできない。様々な困難を乗り越えて本件訴訟を提起してたたかってきた原告らの真の思いは,福島市が本件処分の誤りを自ら認め謝罪するとともに,このような誤りが二度と生じないよう,生活保護の運用等の改善を図ってほしいという点にある。福島市は,違法な処分を行った行政庁として,また要保護者に対し最低生活の保障と自立助長に向けた支援を行うべき生活保護実施機関として,本判決確定を機に,これらの原告らの思いに真摯に向き合うことが求められている。
 各種報道によると,福島市長は,本判決を受けて「裁判の結果を,重く受け止めております。生活保護は,生活に困窮する方々の最低限度の生活を保障するとともに,自立を助長することを目的としております。本件の訴えは,この点への配慮に欠けていたことが原因であると考えております。生活保護法,実施要領等を遵守した支援につながるよう,研修を充実させるなど努めて参ります」旨のコメントを発表したとのことである。こうしたコメントに見られる福島市長の姿勢は,本判決について控訴しないという福島市の態度にも反映していると考えられ,私たち弁護団は,このような福島市長の姿勢を前向きなものと評価し,このコメントの内容を着実に実行することを求める。
 その第一歩は,本件への真摯な反省の上に立ち,原告らに対して謝罪するとともに,原告らとの話し合いのテーブルにつき,今後の運用改善などについて,原告らの意見に真剣に耳を傾けることである。
 原告ら及び原告団は,本件について,福島市との対話による完全解決を目指していくことを表明し,完全解決に向け,福島市民をはじめ,全国の皆さんの引き続きのご支援をお願いするものである。

以上



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福島市の生活保護を利用している母子世帯の高校生が、せっかく給付型奨学金を受けたのに福島市が全額収入認定して保護費を減額したという鬼のようなケースで、1月16日、福島地裁が、国家賠償(各5万円の慰謝料支払い)を認める、原告勝訴の判決を言い渡しました。

奨学金の収入認定に関する厚生労働省通知の改善や、生活保護世帯の子どもの大学進学問題の社会問題化の切っ掛けともなったこの事件で、当たり前とはいえ、当事者の方の精神的苦痛を認める国賠判決が出たことには大きな意味があります。

福島市が控訴して、これ以上母子につらい思いをさせることのないよう、福島市に対して、「控訴するな!」の声を寄せていただければと思います。

<福島市HP「福島市へのご意見」>
http://www.city.fukushima.fukushima.jp/skyodo-kocho/shise/kocho/300.html





福島市奨学金収入認定事件の判決を受けての声明


2018年1月16日

福島市奨学金収入認定事件弁護団


  本日,福島地方裁判所(金澤秀樹裁判長)は,福島市奨学金収入認定事件(平成27年(行ウ)第6号。以下,「本件」という。)につき,原告勝訴の判決(以下,「本判決」という。)を言い渡した。

1 福島市福祉事務所長の処分の違法性及び過失
 本判決は,給付型奨学金は自立更生のための恵与金(次官通知第8の3の⑶のエ)に該当し,給付型奨学金が保護費で賄うことができない費用等に使用されることを確認すれば収入認定除外されるということを前提に,次のとおり,違法性及び過失を認めた。

(1)保護費で賄えない就学費用が現実に発生した場合には,生活費に不足する結果となることが十分にありえるのであるから,給付型奨学金を収入認定することについては慎重な態度で臨むべきである。

(2)保護の実施機関としては,給付型奨学金の収入認定除外を検討することなく収入認定をした場合には,生活扶助費を割り込むおそれがあることに照らすと,被保護者に対して適切に助言するとともに,自ら調査すべき義務があった。

(3)被告福祉事務所は,本件各奨学金について収入認定除外の対象となるか否かの検討を行わず,したがって,原告Aから提出された自立更生計画書や添付資料の検討をせずに,除外認定に当たって必要な資料の追加提出等の指示もしないままに,本件各処分を行ったものであって,公務員に与えられた裁量権を逸脱したものということができ,本件各処分はいずれも国家賠償法1条1項にいう違法がある。
 本判決は,生活保護法等に照らし処分が法的に違法であることを認めており,行政による違法な運用を是正し,生存権をよりよく保障しようとするものであるとともに,子どもの積極的な学びの機会を保障し子どもの貧困をなくすという観点から極めて当然かつまっとうな司法的な判断であると評価できる。福島市のみならずすべての自治体において本判決を真摯に受け止め,給付型奨学金を一方的に収入認定することがないよう求める。

2 原告らが受けた損害
 本判決は,事後的に奨学金相当額を追加支給したために損害は発生していないとの福島市の主張を排斥し,次の要素に着目して,原告親子にそれぞれ5万円(計10万円)の損害の発生を認めた。

(1)奨学金が収入と認定され,生活保護費が減額されたとしても,高等学校への通学を継続しなければならないから,その結果,生活費をきりつめて困窮した生活を送らなければならなくなる。このようなことから,事後調整や追加支給は合理性がない。

(2)実際にきりつめた生活を余儀なくされ,高校就学を経済的に支えることができなくなるかもしれない母親の深刻な不安,努力して奨学金を獲得したにもかかわらず,これを事実上没収されたことにより,自らの努力を否定されるような経験をした子どもの精神的苦痛を認定し,賠償に値する損害が現に生じたことを認めた。
 通常,経済的な損害が補填されれば精神的な苦痛はないとみる裁判例が多い中,本判決は,生活保護世帯の母親と子どものそれぞれの精神的苦痛に踏み込んで損害の発生を認めたもので,その点は高く評価できる。

3 最後に
 原告ら,支援者及び弁護団は,福島市を含む自治体において本件と同様に奨学金を奪われるという事件が再び起こらないことを願い,闘いを継続してきた。本判決を受け,我々は次の事項を求める。

(1)子どもの貧困対策の観点から,そもそも奨学金は収入認定の対象とすべきではない。訴訟において原告らが提出した末冨芳氏の意見書にも,自立更生計画の弊害が言及されている。それにもかかわらず,その点を適法として十分な検討をしていない本判決には不十分な点がある。
 奨学金の充実・拡充が検討され,実現されようとしている現在,かかる取り扱いは,法の趣旨・政府の方針とそぐわない。我々は,厚生労働省に対し,早急に生活保護実施要領を見直し,奨学金を収入認定の対象から除外するよう求める。

(2)また,福島市を含むすべての生活保護実施機関に対し,生活保護世帯の子どもが奨学金を学びのために有効かつ適時に使用することができるよう,生活保護法が掲げる自立助長の観点から適法な運用をするよう求める。

以上



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2017年12月22日、政府は、生活保護基準を最大5%引き下げ、年間160億円削減する2018年度予算案を閣議決定しました。
これに対して、昨年末の12月26日に、引き下げに対する緊急ホットラインが開催されましたが、9時間で273件の生活保護利用者やそうでない方からの、反対の声が寄せられました。
 
これに続いて、生活保護利用者もそうでない方も含めた私たちの声を集めて国に届けたいと思います。
ぜひ、あなたの声をお寄せください。

下記リンクから、投稿フォームにジャンプできます。

→2018年度の生活保護基準引き下げに対して、国に声を届けましょう!




12月26日に開催された生活保護基準引き下げに反対します(緊急ホットライン)~私たちの声を聞いてください~では、東京・埼玉・大阪の3会場計13回線に対して、273件の電話が寄せられました(実際には、対応できなかった電話も相当数あったものと思われます)。
これを受けて、ホットライン実行委員会より、以下のとおりの要望書が内閣総理大臣、厚労大臣に提出されました。




→印刷版(PDF) はこちらから click!

要 望 書

2017年12月27日

内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
厚生労働大臣 加藤 勝信 殿

生活保護基準引き下げに反対します(緊急ホットライン)実行委員会
代表 森 川   清


第1 要望の趣旨

1 厚生労働省は、生活保護利用当事者の真摯かつ悲痛な声を受け止めて、現在進めている生活保護基準の見直し案に基づく生活扶助基準(母子加算、児童養育加算を含む。)の引下げを撤回すること

2 厚生労働省は、生活保護基準の見直しにあたって生活保護利用当事者(以下「当事者」という。)を審議会に参加させ、当事者の意見の聴取および具体的な家計状況の調査を大規模に実施して、当事者の意見および事情を反映させた見直しをすること

3 内閣は、上記生活扶助基準引下げ部分について第1項の撤回に基づいて予算案の変更をすること
 を要望する。


第2 要望の理由
1 厚労省案の発表

  厚生労働省は、2017年12月8日に母子加算及び児童養育加算を含む生活扶助基準の引下げ方針を発表し、その後、同月14日付け社会保障審議会生活保護基準部会報告書(以下「報告書」という。)を受けるかたちで、2018年10月から生活扶助を3年かけて最大5%引き下げる方針を示し、見直しにより生活保護費は3年間で160億円とされている。そのうち、母子加算(子一人)については月額約5000円、児童養育加算の3歳未満児については月額5000円の引下げをしようとしている(以上をまとめて「厚労省案」という。)。
  2017年12月22日、内閣は、厚労省案に基づく生活扶助基準引下げを含んだ予算案を閣議決定した。

2 当事者を蔑ろにした厚労省案の問題
  報告書においては、2013年から行われた生活保護基準の大幅な引下げの影響の把握・評価について、生活保護利用当事者(以下「当事者」という。)の生活扶助基準の増減額の割合、家計の支出割合の統計的な推移の報告にとどまっていることが明らかにされている。
  生活保護基準は、生活保護法8条2項により「必要な事情を考慮」することが強く要求されており、必要な事情を把握するためには、当事者などの影響を強く受ける人々の生活実態について大規模なインタビューや家計調査などを実施する必要があるにもかかわらず、いずれも実施されていない。
また、Nothing About Us Without Us (私たちのことを、私たち抜きに決めないで)という考え方は生活保護においても適用されるべきであって、基準部会の議論に当事者の参加が求められるべきであるが、生活保護においては2017年3月の小田原市生活保護行政のあり方検討会以外に当事者の参加がなされていない。

3 ホットラインの開催
  当事者が蔑ろにされている中で生活保護基準引下げがなされる状況のなか、生活保護問題に取り組む法律家及び市民の有志である我々は、実行委員会を組織し、厚生労働大臣に当事者の切実な生活状況及び意見を伝えるべく、2017年12月26日午前10時から午後7時まで東京・さいたま・大阪で電話13回線により「生活保護基準引き下げに反対します(緊急ホットライン)」を開催した。
電話は、同日午後7時まで鳴り止まず、多数の電話が寄せられた。

4 2013年引下げの影響
当事者からは、2013年からの引下げによって、①食事が削られている(中にはおかずがなく白米に醤油をかけて食べることもあるというものも複数あった)、②入浴回数が月に1回になってしまっている、③耐久消費財を購入する資金を保有する余裕が全くなく耐久消費財が壊れてしまったら買い換えられない、④衣服を買う余裕がなくサイズの合わない昔の服を着続けている、⑤冬はコタツだけで暖をとって暖房を使えない、⑥真冬に灯油が買えず肺炎になった、⑦交際費が捻出できず一切外出しない、などの声が寄せられる。
これらはいずれも日本国憲法が保障する「健康で文化的な」生活とは程遠いものというべきである。
厚生労働省は、かかる声があることを踏まえて、まずは2013年から行われた生活保護基準の大幅な引下げにより当事者にどのような影響があるかについて徹底的に調査すべきである。

5 今回引下げで保護費が減額された場合にどうするか
  寄せられた声の中には、今回厚労省案により生活扶助基準引下げがなされ、3000円が減額された場合、衣服は普段から買っていないので、食費を削るしかないという意見も多かった。
  また、これまで節約をし続けて、これ以上、生活費のどこを削ったらいいか想像もできないという意見も複数寄せられた。
  中には、3袋100円のうどんを買って毎昼食べているが、いつも素うどんではさびしいので、卵をかけている。今回保護費が減額したら、卵をかけるのをやめるしかないという当事者もいた。それでも数百円しか節約できず、あとはご飯を削る、そこから先は想像できないという意見であった。
このように引下げ後の自分たちの生活について、想像もできず、自分たちの生活にビジョンを抱けない当事者が複数いる。低所得者との比較によって引き下げようとする厚労省案は、具体的な当事者の生活について、全くビジョンを欠いているというべきである。

6 まとめ
  本ホットラインにおいて、当事者からは「生活していけない」「死んでくれと言われているようだ」「死ぬしかない」「弱いものいじめはしないでほしい」「当事者の声を聞いてほしい」「逆にあげてほしい」など、意見が多く寄せられた。
  厚生労働省は、生活保護利用当事者の真摯かつ悲痛な声を受け止めて、当事者の意見および事情を反映させていない厚労省案に基づく見直しを含めて引下げを伴う生活保護基準の見直しを撤回すべきであり、内閣は、閣議決定した予算案のうち生活扶助基準引下げの部分を上記撤回に基づいて変更すべきである。


2018年度生活保護基準引き下げに反対する各団体声明一覧
※当会が認識した限りのものであり、すべてを網羅するものではありません。

2017年12月23日現在 32団体

2017年12月9日 NPO自立生活サポートセンター・もやい
緊急声明「生活扶助基準の引き下げを止めてください」
http://www.npomoyai.or.jp/20171209/3799

2017年12月10日 貧困研究会第10回大会参加者一同
緊急声明「生活保護基準額の引下げは断じて認められません」
http://hinkonken.org/statement20171210/

2017年12月11日 生活保護問題対策全国会議
「子どもとお年寄りを狙い撃ちにし、市民生活の底下げをもたらす生活保護基準引下げの提案に強く抗議する緊急声明」
http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-292.html

2017年12月12日 シンママ大阪応援団
「シングルマザーはじめ女性たちと子どもたちの今の暮らしと希望ある未来を破壊する生活保護基準の大幅引き下げに強く抗議する緊急声明」
http://shinmama-osaka.com/info/278

2017年12月12日 全日本民主医療機関連合会
「生活保護受給者のいのちと暮らしを脅かし、さらなる格差と貧困を拡大する生活扶助基準引き下げに反対し強く抗議する」
http://end-childpoverty.jp/archives/2682

2017年12月13日 千葉県弁護士会
「さらなる生活保護基準引下げの提案に反対する会長声明」
http://www.chiba-ben.or.jp/wp-content/uploads/2017/12/e680797b0dbdd59701e6628d8f8ab0e3.pdf

2017年12月13日 全日本民主医療機関連合会ソーシャルワーカー委員会
「生活保護基準の引き下げに断固抗議し、権利としての生活保護制度の充実を求めます」
https://www.min-iren.gr.jp/?p=33636

2017年12月14日 全国生活と健康を守る会連合会
「生活保護基準引き下げに断固抗議し撤回を求める」
http://665257b062be733.lolipop.jp/20171214zenseirenseimei.pdf

2017年12月15日 日本精神保健福祉士協会
「生活保護基準の引き下げの見直しについて(要望)」
http://www.japsw.or.jp/ugoki/yobo/2017.html#15

2017年12月15日 全国青年司法書士協議会
「生活保護基準引下げの動きに強く抗議する会長声明」
http://www.zenseishi.com/opinion/2017-12-15-03.html

2017年12月15日 愛媛・人間らしく生きたい裁判原告団他
「さらなる生活保護基準の引き下げに反対する声明」
https://www.facebook.com/ehimeseizonken/

2017年12月18日 なくそう子どもの貧困ネットワーク世話人会
緊急アピール「生活保護基準の引き下げに反対します。」
http://end-childpoverty.jp/archives/2682

2017年12月18日 大阪弁護士会
「生活保護基準引き下げ見送りを強く求める会長声明」
http://www.osakaben.or.jp/speak/view.php?id=164

2017年12月18日 反貧困ネットワーク大阪
緊急声明「厚生労働省の生活保護基準の見直し、削減に反対します」
https://www.facebook.com/antipovertyosaka/

2017年12月18日 ホームレス総合相談ネットワーク
生活保護基準の引き下げ方針に対する緊急声明
http://lluvia.tea-nifty.com/homelesssogosodan/2017/12/post-8d97.html

2017年12月18日 反貧困ネットワーク信州
「生活保護基準の引き下げを許さない緊急声明」
http://665257b062be733.lolipop.jp/171218seimeishinshu.pdf

2017年12月19日 日本司法書士会連合会
厚生労働省社会保障審議会生活保護基準部会報告書案に対する会長声明
http://www.shiho-shoshi.or.jp/association/info_disclosure/statement/44611/

2017年12月19日 群馬県司法書士会
「生活保護基準の引き下げに反対する会長声明」
http://www.gunma-shihoshoshi.or.jp/cms/wp-content/uploads/2017/12/74b840064c5748a655ffaf0213a31c63.pdf

2017年12月19日 東京弁護士会
「さらなる生活保護基準の引き下げに強く反対する会長声明」
https://www.toben.or.jp/message/seimei/post-486.html

2017年12月19日 日本ソーシャルワーカー連盟
(特定非営利活動法人日本ソーシャルワーカー協会、公益社団法人日本社会福祉士会、公益社団法人日本医療社会福祉協会、公益社団法人日本精神保健福祉士協会、一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟)
http://www.japsw.or.jp/ugoki/yobo/2017.html#16

2017年12月19日 愛知県弁護士会
「生活保護基準の引下げを行わないよう強く求める会長声明」
https://www.aiben.jp/opinion-statement/news/2017/12/post-6.html

2017年12月19日 大阪福祉事業財団 救護施設 高槻温心寮
「生活保護基準引き下げ対する反対声明文」
http://www.t-onshinryo.jp

2017年12月19日 ユニオンぼちぼち
「生活保護費大幅削減の撤回と社会保障・労働行政施策の拡充を求める声明」
http://rootless.org/botiboti/blog/blog-entry-2361

2017年12月20日 東京司法書士会
「生活保護基準の引下げに反対する会長声明」
https://www.tokyokai.jp/news/2017/12/post-218.html

2017年12月20日 労働者福祉中央協議会(中央労福協)
「生活保護基準の引下げの撤回を求める!(声明)」
http://www.rofuku.net/data/171220document.pdf

2017年12月20日 生活保護基準引下げ反対埼玉連絡会
「【緊急声明】生活保護基準引下げ反対声明 ~引下げは一切許されない!」
http://saitama.seihorenrakukai.com/archives/524

2017年12月20日 日本弁護士連合会
「生活保護基準について一切の引下げを行わないよう求める会長声明」
https://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2017/171220.html

2017年12月21日 反貧困ネットワーク京都
「生活保護基準の引き下げに抗議する緊急声明」
http://hanhinkonkyoto.blog104.fc2.com/blog-entry-122.html

2017年12月21日 富山弁護士会
「生活保護基準引き下げを行わないよう求める会長声明」
http://urx.mobi/HHOa

2017年12月21日 青森いのちのとりで裁判原告団
「生活保護基準の引き下げに断固反対する声明」

2017年12月21日 青森いのちのとりで裁判弁護団
「生活保護基準の引き下げに断固反対する声明」

2017年12月21日 いのちのとりで裁判青森アクション
「生活保護基準の引き下げに断固反対する声明」



12月26日緊急ホットライン開催!
1 実施の趣旨
 社会保障審議会生活保護基準部会(以下「基準部会」)は、平成29年12月14日、社会保障審議会生活保護基準部会報告書(以下「報告書」)をとりまとめました。
報告書には、多くの留意事項がありますが、検証結果として、大幅な生活保護基準削減の計算が示されています。
世帯人員別の指数を実データで算出する場合では、夫婦と10歳未満の子2人世帯の類型では、1級地の1のケースにおいてマイナス13.7%など、最大10%を超える引き下げとなる検証結果となっており、これまでにない史上最大の引き下げの可能性がある報告です。
既に2013年から3回にわたり生活扶助が引き下げられ(平均6.5%,最大10%)、困窮する被保護者の生活が〝絶対的な(生活)水準を割ってしまう懸念〟すら指摘されるほど深刻な状況です。
私たちは何にもまして問題だと思っているのは、貧困当事者、生活保護利用者の生活実態がまったく考慮されていないことです。まずは、当事者の声を聞くべきです。
そこで、当事者の声を、内閣総理大臣、厚生労働大臣に届けるために、次の要領で、ホットラインを開設したいと思います。

2 概要
(1)名称
生活保護基準引き下げに反対します(緊急ホットライン)
~私たちの声を聞いてください~

(2)日時
2017年12月26日(火)午前10時~午後7時
(3)電話 
共通フリーダイヤル 0120-193518
東京会場5回線、さいたま会場5回線、大阪会場3回線
 /合計13回線
(4)実施主体
「生活保護基準引き下げに反対します(緊急ホットライン)」実行委員会

【共催】
生活保護問題対策全国会議
反貧困ネットワーク埼玉
ホームレス総合相談ネットワーク


171219緊急院内集会/もうひとつの生活保護基準部会

緊急院内集会
もうひとつの生活保護基準部会 ~厚生労働省は当事者・生活保護基準部会の声を聴け!~

 
 厚労省が来年度から生活保護基準を大幅に引き下げる方針を示しています。減額幅を5%に抑えるという報道も出ていますが、5%でも十分過酷な大幅引き下げです。2013年から生活扶助基準、住宅扶助基準・冬季加算が相次いで引き下げられ、29都道府県で違憲訴訟が争われているさなか、さらなる引き下げ自体があり得ません。
 
 下から10%の最貧困層の生活水準に合わせての引き下げは、市民生活全体の際限ない「引き下げスパイラル」を招くもので、生活保護基準部会も決して容認しているわけではありません。

 当事者・支援者の現場からの声を聴いてください!

【日時】2017年12月19日(火)午後2時~

    ※午後1時30分から衆議院第1議員会館ロビーで通行証を配布します

【場所】衆議院第1議員会館多目的ホール

    ※入場無料・事前予約不要


【内容】
「生活保護基準部会報告書をどう読むか」
布川日佐史さん(法政大学教授、元生活保護制度の在り方専門委員会委員)

「厚労省案のどこが問題か」
森川清さん(弁護士、元葛飾区ケースワーカー)

「子どものいる世帯の扶助・加算削減の影響」
桜井啓太さん(名古屋市立大学専任講師、元堺市ケースワーカー)

当事者・関係者のリレートーク
国会議員発言(適宜)


主催:「もうひとつの生活保護基準部会」実行委員会

   連絡先:あかり法律事務所 弁護士 小久保哲郎 (06-6363-3310)


生活保護基準引下げ案:子どものいる世帯の削減額は総額83.1億円以上、影響を受ける子どもは延べ39.7万人以上


桜井啓太氏(名古屋市立大学専任講師)の試算によると、保護世帯の大学等進学支援策(住宅扶助削減の廃止と入学時の一時金支給)の恩恵を受けるのは5000人弱で増額予算はわずか8.7億円。

これに対し、

〇 母子加算削減で年間69.8億円、18.8万人の子どもに影響

〇 児童養育加算(3歳未満)削減で年間13.3億円、2万人の子どもに影響

〇 学習支援費廃止で18.9万人の子どもに影響(削減幅は不明)

が出るということです。


削減額は総額83.1億円以上で、影響を受ける子どもは延べ39.7万人に及びます。

生活扶助費本体の削減額も考慮すれば、削減額も影響を受ける子どもの数もさらに飛躍的に増えます。


今回の生活保護基準引下げ案が、「子どもの貧困の削減」、「貧困の連鎖解消」という政府方針に真っ向から反していることは明らかです。




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■政府方針「保護世帯大学進学支援」に関するメモ
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■子どものいる世帯の扶助・加算の削減案の影響
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当会は、本日以下の緊急声明を発表しました。



2017年12月11日


子どもとお年寄りを狙い撃ちにし

市民生活の底下げをもたらす生活保護基準引下げの提案に強く抗議する緊急声明


生活保護問題対策全国会議


第1 引き下げの内容の過酷さ
1 前代未聞を更新する大幅引き下げ
 厚労省は,2017年12月8日の第35回生活保護基準部会において,2018年度から生活扶助基準本体や母子加算を大幅に引き下げる方針を示しました。
 最大で13.7%もの削減となる世帯(夫婦子2人世帯)も生じる可能性があり,これは,後に述べる2013年から2015年までに行われた「前代未聞」の削減をも上回る大幅削減案です。
2004年からの老齢加算の段階的廃止,史上最大であった2013年からの生活扶助基準の削減(平均6.5%,最大10%),2015年からの住宅扶助基準・冬季加算の削減に引き続くもので,生活保護利用世帯の厳しい生活をさらに追い詰める過酷な仕打ちというほかありません。
 特に,子どものいる世帯,高齢世帯が狙い撃ちされており,この国の生活保護バッシングは,国による一種の「児童虐待」「高齢者虐待」の域に達しつつ感があります。

2 子どものいる世帯の大幅削減
 部会で配布された資料(1・14~15頁)によると,生活扶助費は,夫婦子2人世帯(都市部)で18万5270円から15万9960円へと2万5310円(13.7%),子2人の母子世帯(都市部)で15万5250円から14万4240円へと1万1010円(7.1%)もの大幅削減となる可能性があります。また,母子加算についても,平均2割(都市部で2万2790円の場合4558円)削減の可能性があると報じられています(2017年12月9日付毎日新聞朝刊)。
 夫婦子2人の多人数世帯は2013年の引き下げでも,平均18万6000円から16万9000円へ1万7000円(9%)もの削減をされています。このような,子どものいる世帯に対する相次ぐ引き下げは,一方で,国が「子どもの貧困対策の推進に関する法律」で進めようとしている貧困の連鎖解消の方針に真っ向から反するものです。
 生活保護世帯の子どもが大学等に進学すると「世帯分離」され当該子どもの保護費が打ち切られることもあり,一般世帯の大学等進学率が73.2%(浪人を含めると80%)であるのに対し,生活保護世帯の大学等進学率はわずか36%と半分以下です。
 このことが社会問題となり超党派の国会議員連盟が是正を求めたこともあり,国は,来年度,生活保護世帯の大学生等の住宅扶助費の削減を取りやめ,入学時の一時金を支給するという,ごく小幅の改善を検討していると報じられています。
 しかし,その原資を捻出するために,子どものいる世帯の保護費を大幅削減するというのであれば,全く本末転倒です。わずかな貧困対策をしても「焼け石に水」どころか,大学進学にたどり着く前に生活保護世帯の子どもたちの成長の芽を摘み,大学等進学率はより一層悪化することになるでしょう。

3 高齢世帯に対する相次ぐ削減
 部会で配布された資料(1・15頁)によると,単身高齢(75歳)世帯(都市部)で7万4630円から6万8840円へと5790円(7.8%),高齢(65歳)夫婦世帯(都市部)で11万9200円から10万6020円へと1万3180円(11.1%)の削減がされる可能性があります。
 しかし,単身高齢世帯については,2013年検証の際の生活保護基準部会報告書では,平均7万3000円から7万7000円に4000円(5%)の引き上げが必要とされていました。これは,2004年からの老齢加算(都市部で1万7930円)の段階的廃止で下げ過ぎたので,第1十分位(下位10%)の低所得層と比べても生活扶助基準が低くなり過ぎていたことによるものです。
 ところが,このとき国は,基準部会報告書を全く無視して,部会が出した数値を勝手に2分の1にし,さらに,「デフレ考慮」と称して「生活扶助相当CPI(消費者物価指数)」という全く独自の計算方法で,生活保護世帯は,一般世帯の消費者物価指数の下落率(2.34%)の2倍以上(4.78%)もデフレの恩恵にあずかっているというあり得ない数値を偽装しました。そして,結局,高齢単身世帯の生活扶助基準は,平均7万1000円へと2000円引き下げられたのです。
 このような,相次ぐ高齢世帯の生活保護費削減は,財政の削減効果を出すために,生活保護世帯の大多数を占める高齢世帯をターゲットにしたものとしか考えられません。

4 「引き下げありき」の「引き下げ部会」か
 現在,政府の政策もあり,物価は上昇局面にあります。ところが,今回の検証ではインフレを考慮するという話は一切出てきていません。「デフレは考慮するがインフレは考慮しない」というのは,まさしく「引き下げありき」で検証がされていることが明らかです。
 第25回の生活保護基準部会で岩田正美部会長代理が「次々と保護課の方からお題が出てきて,部会が開かれるごとに何かを下げている。引き下げ部会みたいなイメージがある」と指摘したとおり,生活保護基準部会は「引き下げ部会」に成り下がるのでしょうか。

第2 引き下げの根拠の乏しさ
 今回の引き下げの考え方は,第1十分位という,所得階層を10に分けた一番下(下位10%)の階層の消費水準に合わせて生活保護基準を引き下げるというものです。
 しかし,以下述べるとおり,この手法自体が根本的に間違っていますし,これまでの生活保護基準部会での議論の流れにも反しています。

1 引き下げスパイラルを招く
 日本では,生活保護の捕捉率(生活保護を利用する資格のある人のうち実際に利用している人が占める割合)が2割以下といわれ,先進諸国と比べても著しく低くなっています。つまり,第1十分位(下位10%)層の中には,生活保護以下の生活をしている人たちがもともと大量に含まれているのであり,その人たちが放置されていることこそが問題です。国に求められているのは,ドイツのように国が生活保護の利用を呼び掛けて捕捉率を上げること,最低賃金を上げ,最低保障年金制度をつくって低所得者層の生活水準を底上げすることです。
 生活保護を利用していない低所得者層と生活保護基準を比べれば,当然生活保護基準が高いという結果になり,これをもとに保護基準のあり方を考えれば,保護基準を下げるしかありません。これでは,どこまでも生活保護基準を下げ続ける引き下げスパイラルを招きます。
 生活保護基準は,ナショナル・ミニマム(国民生活の最低水準)ですから,最低賃金,住民税非課税基準,就学援助など様々な低所得者施策と連動しています。生活保護基準の引き下げスパイラルは,生活保護を利用していない市民全般の生活水準の引き下げスパイラルにつながります。実際,生活保護基準が下げられた後,就学援助の基準が下がる自治体が続出し,年金,医療,介護とあらゆる社会保障制度が削減,自己負担増となり,今や市民生活全般が危機に瀕しています。
 ドイツでは,2010年2月9日の連邦憲法裁判所が,「参照世帯に含まれるのは,統計上確実に社会扶助受給レベルを上回る個人及び世帯でなければならない」として基準額違憲判決を言い渡しています。
 これを契機として,「基準算出需要法」が制定され,単身世帯については下位15%,家族世帯については下位20%を参照世帯とすることが法律で定められました。それでもなお,「隠れた貧困層」(社会扶助を受けられるのに受けていない層)が参照世帯に含まれているのは問題ではないかという議論が続いているのです(ヨハネス・ミュンダー「貧困研究」14号34頁以下,嶋田佳広「ドイツにおける社会扶助基準設定の新たな展開」)。

2 これまでの生活保護基準部会での議論の流れに反する
(1)2013年検証の際の議論
 2013年検証の際の第9回と第11回の生活保護基準部会では,富裕層が「富の取り分」を増やす一方,中間層を含む低所得層が「富の取り分」を減らしているデータが示されました。
緊急声明グラフ
 これを見ると上位30%はいずれも「富の取り分」を増やし,全体所得の約6割を占めていること,「平均的世帯」とされてきた第5・6十分位(=第3五分位)以下の階層のシェアは全体の3割の位置にあること,第1十分位のシェアも減少傾向でほとんど地べたに張り付いていることが分かります。
 この点に関する議論をふまえ,駒村部会長は,このような傾向が続くのであれば,「今後もこの方法(第1十分位を比較対象とする方法)でいいのだろうか。将来この方法を使えるだろうかという懸念がある」と言及していました(第11回部会)。

(2)2013年検証の際の部会報告書~「新たな検証手法の開発が部会の使命」
 こうした議論も踏まえ,どうやって水準均衡方式の相対比較をするのかという手法の開発こそが基準部会の使命と責任である旨の岩田部会長代理の意見で(第12回部会),2013年の基準部会報告書(9頁)に「本部会の議論においては,国際的な動向も踏まえた新たな最低基準についての探索的な研究成果の報告もあり,将来の基準の検証手法を開発していくことが求められる。」と記載されました。

(3)突然登場した第1十分位との比較論
 こうした経緯から,今回の2017年検証に際しても当初は,「新たな検証手法の検討」が検討課題としてあげられる一方,第1十分位を比較対象とするといった議論はなされてきませんでした。むしろ,岩田部会長代理や山田委員などから第1十分位などの低所得層を比較対象とすることに対して否定的な意見が述べられ,駒村部会長や阿部委員,岡部委員など多くの委員が,その意見に賛意を示していたのです。
 それが,「新たな検証手法の検討」については,2017年6月6日開催の第29回部会の参考資料1における,「現行の水準均衡方式が導入された昭和59年に比べて,雇用基盤や世帯構成などの変化によって社会経済情勢は大きく変化しており,今日の状況により相応しい生活扶助基準の改定方式の開発を目指して,新たな検証手法を検討する必要がある。」等の記述を最後に消えてしまいました。そして,報告書のとりまとめ直前になって,なぜ突然,2013年検証においても疑問視され始め,今回の2017年検証においても委員の多くが疑問を呈していた第1十分位との比較をすることが結論とされたのか,全く理解できません。
 第35回の部会資料1によると,第1十分位と比較する方法と全所得層と比較する方法がありうる(4頁)としながら,後者をとらなかった理由については一応の説明があるものの(13頁「18~64歳の年齢別指数に特異な傾向がみられたほか,2類費について3級地で費用が増加する結果となった」。要はデータに不具合があったということのようですが,中身が分からないので本当かどうかも不明です。),なぜ前者をとるのかの説明は一切ありません。
 (4)アで紹介する2007年検討会報告書が示唆したように,またドイツの法律が定めているように,第1五分位(下位20%)層と比較するなど,別の方法がなぜ検討されていないのか不可解というほかありません。

(4)これまでの検証手法とも矛盾
ア 第1十分位の高齢単身世帯の消費水準が著しく低いことが無視されている
 第35回基準部会資料1(17頁)によると,第3・五分位(平均的所得階層)と比較した第1十分位の消費水準は,夫婦子1人世帯は66%ですが,高齢夫婦世帯は61%,高齢単身世帯は50%にとどまっています。
 2007年検証でも,同様に「平均的所得階層」とされていた第3五分位と第1十分位の消費水準の比較がなされ,夫婦子1人世帯は70%だが,単身高齢世帯は50%にとどまることから,単身高齢世帯について第1十分位を比較対象とすることについて委員から強い異論が出ました。
 そのため,検討会報告書にも,「単身世帯(60歳以上)では,第1十分位の消費支出は第3五分位の消費額の5割程度にとどまっていて低いことから,第1十分位を比較基準とすることが適当であるかどうかは,その消費支出が従来よりも相対的に低くなってしまうことに留意すべきである(5頁脚注6)」こと,そして,この点を考慮して,「仮に第1五分位を基準にした場合,現在の生活扶助基準額は均衡した状態にあると評価される(5頁2つ目の〇)」ことが記述されました。そして,引下げに反対する世論が高まる中,検討会委員5名全員が連名で出した「『生活扶助基準に関する検討会報告書』が正しく読まれるために」という異例の文書でも,「『生活扶助基準額の引き下げには,慎重であるべき』との考えを意図し,全委員の総意により,確認されたところである」と説明されているのです。
 このように,2007年検証では,第3五分位と比較した第1十分位の消費水準が単身高齢世帯で50%に止まることが引き下げ見送りの理論的根拠とされました。にもかかわらず,今回の検証では,この点が全く問題とされていないのは一貫性を欠きます。 今の基準部会には,2007年の検討会と同じ委員(駒村康平部会長,岡部卓委員)もおられるのに,なぜこの点を無視した案が提出されているのか不可解でなりません。
イ 必需的耐久消費財の保有率の検討がされていない
 また,2007年検証,2013年検証では,いずれにおいても,「必需的な耐久消費財の保有率」が第1十分位層と第3五分位層とで遜色ないことが,第1十分位を比較対象とすることの正当性として検討されていました。
 上記の2007年検証,2013年検証が必需的耐久消費財のみを検討対象としたこと,何を「必需的」と見るかの選別方法も厳格に過ぎることから,私たちには,両検証の結論そのものに強い異論があります。しかし,それを措くとしても,今回はその検討がされた形跡さえありません。なぜ検討されていないのか,仮に同じような検討をしたらどうなるのか,この点にも疑問が残ります。

第3 これ以上の引き下げは許されない
 2013年からの生活扶助基準の引き下げに対しては,現在,全国29都道府県において955名の原告が違憲訴訟(いのちのとりで裁判)を提起して闘っています。
 既に憲法が保障する「健康で文化的な生活」を維持し得ていない生活保護利用者をさらに追い詰め,市民生活全般の底下げをもたらす生活保護基準の引き下げは断じて容認できません。
 私たちは,この暴挙に対して最大限の抗議の意思を表明するとともに,全国の当事者,支援者に対して,ともに声をあげることを呼びかけます。

以 上




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