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18日・19日全体の暫定報告(一部集計地域あり)


1.実施
・日時 4月18日(土)19日(日)10時~22時
 (地域により終了時刻は異なります)
・開催地域 25地域・31会場
・電話回線 延べ125回線
・相談員数 延べ468名 

2.相談件数 4834件(18日3044件確定・19日1790件暫定)

3.相談者の年代別件数(一部未集計地域あり)
 10代 14件
 20代 74件
 30代 134件
 40代 360件
 50代 524件
 60代 614件
 70代 450件
 
4.職業・地位別相談件数(一部未集計地域あり)
 正社員 163件
 パート・アルバイト 220件
 契約社員 81件
 派遣 115件
 業務請負・個人事業主 325件
 自営業 459件
 無職 874件
 他 134件
 
5.月収別相談件数(一部未集計地域あり)
 ~10万 484件
 ~20万 256件
 ~30万 31件
 ~40万 14件
 ~50万 161件
 51万~ 84件
 
6.分野別相談件数(一部未集計地域あり)
 生活費問題 2091件
 うち、10万円給付金に関する相談 1024件
 住宅問題 176件
 債務問題 118件
 労働問題 505件
 家庭問題 74件
 健康問題 174件
 他 753件
 
7.アンケート「国の施策を評価しますか」
 全く評価しない 407件
 評価しない 697件
 どちらともいえない 564件
 評価する 292件
  ※「一律給付について」とのコメントあり
 高く評価する 50件


1日目集計報告(暫定)

1.実施
・日時 4月18日(土)10時~22時(地域により終了時刻は異なります)
・開催地域 21地域・26会場
・電話回線 72回線
・相談員数 204名 

2.相談件数 2816件(群馬、神奈川除く)

3.相談者の年代別件数(一部未集計地域あり)
 20代 16件
 30代 38件
 40代 119件
 50代 209件
 60代 254件
 70代 253件
 聞き取る余裕がなかった 996件

4.職業・地位別相談件数(一部未集計地域あり)
 正社員 64件
 パート・アルバイト 94件
 契約社員 25件
 派遣 39件
 業務請負・個人事業主 119件
 自営業 211件
 無職 454件
 他 56件
 
5.月収別相談件数(一部未集計地域あり)
 ~10万 267件
 ~20万 153件
 ~30万 18件
 ~40万 9件
 ~50万 2件
 51万~ 4件
 
6.分野別相談件数(一部未集計地域あり)
 生活費問題 1011件
 住宅問題 53件
 債務問題 49件
 労働問題 221件
 家庭問題 32件
 健康問題 75件
 他 315件
 
7.アンケート「国の施策を評価しますか」
 全く評価しない 175件
 評価しない 283件
 どちらともいえない 309件
  ※「遅い」とのコメント多数
 評価する 131件
  ※「一律給付について」とのコメント多数
 高く評価する 34件

8.アンケート「国に求める施策は?」
・とにかく、スピーデイにやってほしい(50代・男性)
・高齢者が買い物でスーパーなどに行かなくいいようにしてほしい(70代・女性)
・困っている人の声が届く政治に(60代・女性)
・マスクを早く支給してもらいたい(70代・男性)
・とにかく政府の対応は後手後手。もっと早く対策を(不明)
・末端で暮らす国民に目を向けて、税金の使い方をもっと考えてほしい(50代・女性)
・都道府県ごとにばらばらなので足並みを揃えて欲しい
・迅速に決めて欲しい、ぶれないで欲しい(60代)
・この状態で地震が起きて避難所に人が密集したらコロナの感染リスクがある、このようなケースに対して考えて欲しい(60代)
・もっと金額を出して欲しい(70代)
・労働問題にもっと取り組んで欲しい(50代)
・広く休業補償して欲しい
・年金と生活保護受給者を手厚く保護してほしい(70代)
・検査を誰でも受けれるようにしてほしい(60代)
・10万円支給を何回も支給して欲しい(60代)
・若いホームレスを助ける施策を、食料備蓄(60代)
・8割接触するなというならもっと補償が必要(50代)
・30万残したまま10万支給にしてほしかった
・マスクだけでなくアルコールも欲しい(50代)
・貧困の方々も支援してほしい
・マスク支給よりほかの医療関係にお金を投入したほうが良い
・年収に応じた給付をしてほしい(50代)
・マスクより医療関係者にお金をかけてほしい(70代)
・強制的にお店を閉めるなど首相がリーダーシップをとってほしい(60代)
・休業補償の対象以外にも補償してほしい(50代)
・水道料金を支払わなくても停止をしないよう要望する
・需要をテコ入れする経済を国にしてほしい
・10万円を今後も継続してほしい(40代)
・銀行に金利に対して支持を出してほしい(70代)
・各知事を厳しく指導してほしい(60代)
・整体師も補償の業種にしてほしい(40代)
・不安定なアルバイトのことをもう少し考えてほしい、貸付を受けても返せる自信がない(50代)
・消費税を下げてほしい(60代)"
・医療従事者への支援(60代)
・国民へのマスクの配布(60代)
・中小企業の救済(40代)
・飲食業等の自営業の救済(40代)
・10万円の早期支給(60代)
・高校の休校への対応・保障
・ワクチンや治療薬の早期開発支援
・国民の困っていることをもっと聞いて政策を考えて欲しい(50代)
・マスクの増産支援(60代)
・病院関係者の支援(60代)
・観光関連産業への支援(60代)
・子ども手当の増額(20代)
・検査の迅速化(80代)
・生活保護利用者にも10万円給付(60代)
【補償】
・一過性ではない生活の保障をして欲しい(60代男性)
・店舗等の休業の補償をきちんとしてもらいたい(50代)
・家賃の保障をしてもらいたい。
【税金】
・税金の支払いの猶予等をしてもらいたい
【医療】
・望む者全てにPCR検査を受けさせて欲しい
・医療従事者への配慮、専門機関の拡充をしてもらいたい(複数)"
・年金の引き下げはやめてほしい
・もっと生活のことを考えてほしい
・現金支給を早急に
・10万円の給付は課税対象外にして欲しい。
・安倍首相がぶれているのが嫌
・弱者に目を向けて欲しい、他人事に見受けられる。
・生活命を守って欲しい。国はすぐにお金を出すべき。
・1回だけではなく継続した支援を.
・麻生発言は許せない
・対応が遅い、もっと迅速に。
・持続化給付金の速やかな支給
・持続化給付禁について、今年から事業を開始した者への支援
・10万円給付に対する収入認定除外"
・本当に100万円ほしい(男性)
・早く支給してほしい(3人)
・マスクいらない(1人)
・遅い
・制度は早く決めてほしい
・スピード感を持って対応してほしいとの声多数
・生活保護受給者のことも考えて欲しい
・10万円を収入認定してほしくない
・もっと早く対応して欲しい
・PCR検査を簡単に出来るようにしてほしい
・マスクより現金を
・収入がなくなった者には、直ちに貸付でなく、当面の援助をして欲しい
・迅速に対応して欲しい
・2転3転するので、整理してから公表して欲しい
・日本は補償が少ない
・国も大変でしょうが、母子家庭を守って欲しい
・お金を出すのは良いが、申請手続が大変である
・自粛の対象にならない業種にも,休業補償をして欲しい
・10万円を支給されるのは良いが、一時的ではなく継続的に給付して欲しい
・10万円給付の対象者に外国人も含むのか。支給範囲が決まる前に十分議論して欲しい。
・対策がぼんやりしている。不要不急とは何か、どれくらい移動してはいけないのかなど、もっと具体的に示して欲しい。


 生活保護問題対策全国会議は、2020年4月16日、大阪市の公益通報窓口に対して、迅速かつ公正な判断がなされることを期待し、以下のとおり、生活保護のケースワーカー配置について公益通報しました。

※大阪市の公益通報制度とは https://www.city.osaka.lg.jp/somu/page/0000011524.html



【通報内容】
大阪市の生活保護行政について市内の全福祉事務所で行われている事実です。


① 大阪市は、生活保護のケースワーカー配置について社会福祉法第16条の定める標準数(被保護世帯80世帯に対して1名)を遵守せず、高齢被保護世帯280~380世帯に1名配置するという独自基準を定めている。これは標準数の3倍以上であり明らかに容認できる限度を超えた水準である。このような独自基準を定めること自体が不適切な取り扱いではないか(また、高齢世帯 ケースワーカー4名に対して査察指導員1名を配置するという独自基準を定めており、これも不適切である)。

② 上記の高齢世帯担当のケースワーカーは、280世帯以上の担当業務を現業員1人で処理することは到底不可能であるため、ケースワーカーの下に訪問等を担当する非常勤嘱託職員を配置し、実質的に訪問業務を委託する形にしている。この訪問業務は、見守りを目的として実施されており、生活保護法や関連通知に基づく生活保護の実施・決定に必要な世帯状況を把握するための定期的な「訪問調査」ではない。

その結果、大阪市の福祉事務所では、生活保護世帯の状況を充分に把握せずに(ケースワーカーによる定期訪問調査を実施せずに)、保護の認定を何年間にも渡って漫然と決定し続けていることとなり、これは違法・不適切な取り扱いである(国は少なくとも年2回以上の訪問調査を義務づけている)。このような違法・不適切な取り扱いによって、世帯の状況をケースワーカーが直接把握せずに保護を決定することは不適切な公金支出にあたる。また高齢の被保護世帯にとっても、ケースワーカーによる直接支援を受ける機会が奪われていることになり、本来あるべき支援業務を怠っているといえる。


③ 上記の非常勤嘱託職員について、大阪市被保護高齢者世帯訪問等非常勤嘱託職員要綱では第2条で任用にあたって必要な資格を定めている。これによると社会福祉主事・社会福祉士資格以外の「介護福祉士資格・看護師(准看護師含)免許を有する者・実務者研修修了者・介護職員初任者研修修了者、または、生活保護現業経験と同等の業務経験を1年以上有する者」も任用可能としているが、これらの資格は社会福祉主事任用資格に該当するものではない。社会福祉主事以外の者が、実質的に委託された訪問業務に従事していることになり、社会福祉法第15条6項違反ではないか。無資格者に訪問業務を行わせる可能性のあるこの要綱自体が違法性が疑われるのではないか。


①②については、国からの監査をはじめ10年以上に渡り指摘され続けており、地方自治法に基づく市の監査委員による定期監査(平成30年度定期監査)でも一部指摘されている。そうした指摘にもかかわらず、大阪市は不適切な独自基準や、非常勤嘱託職員への訪問業務の委託という違法・脱法的行為を廃止せずに温存し続けている。

ケースワーク業務の一部を非常勤嘱託職員へ委託するような違法・不適切な仕組みを改め、社会福祉主事資格を有するケースワーカーによる直接の訪問調査・訪問支援を行う適法な仕組みに転換すべきである。現行の人員体制状況、非常勤嘱託職員の訪問状況などを全て公表した上で、解消の目標年度を具体的に定めたロードマップを設定し、改善に取り組むべきではないか。


通報内容はこちらから

→2020.7.13付で、上記通報の審議結果の通知が次のとおりありました。
審査結果はこちらから
「本内容については公益通報制度としての調査・その他の措置をとる必要が認められませんでした。
指摘内容については、業務の参考意見として大阪市公正職務審査委員会を通じて、大阪市長宛てに送付されました。」



相談会



コロナ災害を乗り越える
いのちとくらしを守る何でも相談会

~住まい・生活保護・労働・借金etc…~

新型コロナウイルスの影響が全国に広がっています。
弁護士、司法書士、社会福祉士、労働問題の専門家などが
無料で相談にお答えします。
お困りの方、お気軽にご相談を!

例えば、

コロナを理由に雇止めにあった。 
売り上げが激減して、営業が続かない。
家賃が払えず、追い出されないか心配。 
収入がなくなり、生活保護を受けたい。
補助制度を使いたいが、どうすれば。



実施日時

4月18日(土)・19日(日) 10時~22時(両日とも)


電話番号

0120-157930(ひんこんなくそう)
フリーダイヤル(全国どこからでも上記時間帯通話料無料でつながります)



主催:「コロナ災害を乗り越える いのちとくらしを守る何でも相談会」実行委員会

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 2020年1月17日深夜、愛知県海部福祉相談センターの職員2名が、立つことも話すこともできない70代男性を名古屋市中村区の公園まで公用車で連れて行き、置き去りにするというショッキングな事件が発生しました。

 当会議は、本日、反貧困ネットワークあいち・東海生活保護利用支援ネットワークとともに、愛知県海部福祉相談センターと同県大治町を訪れ、公開質問状を提出しました。






2020年2月28日

愛知県海部福祉相談センター長 様
生活保護問題対策全国会議
代表幹事 尾藤廣喜
反貧困ネットワークあいち
共同代表 内河惠一、和田肇、藤井克彦
東海生活保護利用支援ネットワーク
代表幹事 内河惠一

(連絡先)460‐0002  名古屋市中区丸の内3-6-41 DDSビル5階
いこいの森法律事務所
弁護士 森  弘 典


高齢者置去り事件に関する公開質問状


 報道(2020年2月6日朝日新聞、同年2月8日毎日新聞Web版)によると、下記の通り、高齢者の置去り事件が発生しています。
事件に関して、貴センターに対し、以下のとおり質問致します。
ご多忙中にお手数をおかけして恐縮ですが、3月23日までに上記連絡先宛てに文書にて回答くださるようお願い致します。なお、回答内容についてはSNS等を通じて公開しますので予めご承知おきください。

〇高齢者置去り事件の概要
 本年1月17日夕刻、大治町のスーパーでキャッシュカードを持たずにATMを操作していた70代男性を津島署が保護し、大治町に引継を依頼した。大治町の民生課は「生活保護業務は担当外」として、愛知県海部福祉相談センターを紹介し、男性をセンターに引き継いだ。センター職員2人は簡易宿泊所などの受け入れ先を探したが見つからず、電話で上司に相談。上司は男性を消防の管轄が変わる場所まで連れて行き、名乗らずに119番通報して消防に保護させるように指示した。
 職員2人は17日深夜、男性を名古屋市中村区の公園まで公用車で連れて行き、18日未明に「高齢男性が公園で倒れている」と偽名で119番通報。市消防局が男性を保護し、県警中村署に引き継いだ。当時の気温は6度ほど。18日朝、不審に思った中村署が通報した職員と指示した上司に話を聞いたところ、2人は「男性が宿泊所から自ら立ち去った」とうそをついた。男性の家族は19日に捜索願を出し、24日に身元が判明した。中村署がセンター次長を呼び出した28日になって、関わった3人は真相を打ち明けた。職員2人は「時間外の対応経験がなく、受け入れ先も見つからず、上司の指示に従った」と弁明。上司は「悪いことをした」と話しているという。

1 事実の経過について
 事実経過については、上記「高齢者置き去り事件の概要」のとおりで間違いありませんか。異なる点や補足があればご説明ください。

2 当該高齢者の状態について
 報道によれば、当該高齢男性は、立っていられないなど健康状態が悪く、話ができず、筆談もできない状態であったとされています。大治町から貴センターが引き継いだとき、当該高齢男性はどのような状態だったか、お答えください。

3 急迫保護について
 報道による2のような状態は、いわゆる急迫状態(生活保護法第25条1項)の可能性があったと考えられます。貴センターは、急迫かどうかの判断をしたのかどうか、お答えください。もし急迫でないと判断したのであれば、その理由をお答えください。さらに、過去5年間で急迫を理由に職権保護した件数を年別にお答えください。

4 生活保護の適用について
 3の急迫保護の対象でなかったとしても、要保護状態であった可能性は高く、このような場合には、生活保護を適用すべきであると考えられます。貴センターは生活保護の適用の可否について検討したのかどうか、その結果生活保護が必要でないと判定したのであればその理由をお答えください。また、生活保護適用の可否について検討しなかった場合もその理由をお答えください。

5 生活困窮者自立支援法に基づく一時生活支援事業の適用について
 当該高齢男性は、生活困窮者自立支援法に基づく一時生活支援事業の対象となった可能性があります。同事業の適用を検討したのかどうか、また検討の結果、適用しなかったのであればその理由をお答えください。
 また、貴センターにおいて取り組まれている一時生活支援事業の具体的内容と、過去5年間で同事業を適用した件数を年別にお答えください。

6 老人福祉法による措置入所について
 急迫、要保護状態の有無にかかわらず、また生活困窮者自立支援制度による対応ができなかったとしても、老人福祉法第11条(下記※参照)の条項にしたがい、当該高齢者を養護老人ホームや特別養護老人ホームに入所させる義務があると考えられますが、この措置を検討されましたか、お答えください。検討されていない場合は、その理由をお答えください。

7 保護責任者遺棄罪について
 報道によれば、2人の貴センター職員は、1月17日深夜、上司の指示により、男性を名古屋市中村区の公園まで公用車で連れて行き、18日未明に「高齢男性が公園で倒れている」と偽名で119番通報、市消防局が男性を保護し、県警中村署に引き継ぎいたとあり、当時の気温は6度ほどであったとあります。
 会話ができず立っていられないような状態の高齢者を、気温6度の公園に置き去りにするのは極めて危険な行為です。貴センター職員とその上司の行為は保護責任者遺棄罪(刑法218条)に該当する可能性があったと考えられますが、この点についての貴センターの見解をご回答ください。

8 生活保護ケースワーカー数、保護世帯数等について
 貴センターの生活保護ケースワーカーの数、担当保護世帯数(1ケースワーカー当たり平均)、経験年数(1人当たり平均)、資格保有状況(社会福祉主事、社会福祉士、精神保健福祉士それぞれの保有者数)を回答してください。

9 定まった住所を持たない人に対する貴センターのこれまでの対応について
 定まった住所を持たない人を把握した場合、貴センターは、どのような対応をされているかをお答えください。過去5年間の生活保護を適用した件数、適用場所(居宅、生活保護施設、無料低額宿泊所、医療機関、その他)の各件数、移送費を支給した件数を年別にお答えください。

※【参考】
(老人ホームへの入所等)
第11条 市町村は、必要に応じて、次の措置を採らなければならない。
一 65歳以上の者であつて、環境上の理由及び経済的理由(政令で定めるものに限る。)により居宅において養護を受けることが困難なものを当該市町村の設置する養護老人ホームに入所させ、又は当該市町村以外の者の設置する養護老人ホームに入所を委託すること。
二 65歳以上の者であつて、身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難なものが、やむを得ない事由により介護保険法に規定する地域密着型介護老人福祉施設又は介護老人福祉施設に入所することが著しく困難であると認めるときは、その者を当該市町村の設置する特別養護老人ホームに入所させ、又は当該市町村以外の者の設置する特別養護老人ホームに入所を委託すること。

以 上





2020年2月28日

愛知県大治町長 様
生活保護問題対策全国会議
代表幹事 尾藤廣喜
反貧困ネットワークあいち
共同代表 内河惠一、和田肇、藤井克彦
東海生活保護利用支援ネットワーク
代表幹事 内河惠一

(連絡先)460‐0002  名古屋市中区丸の内3-6-41 DDSビル5階
いこいの森法律事務所
弁護士 森  弘 典


高齢者置去り事件に関する公開質問状


 報道(2020年2月6日朝日新聞、同年2月8日毎日新聞Web版)によると下記の通り、高齢者の置去り事件が発生しています。
事件に関して、貴町に対し、以下のとおり質問致します。
ご多忙中にお手数をおかけして恐縮ですが、3月23日までに上記連絡先宛てに文書にて回答くださるようお願い致します。なお、回答内容についてはSNS等を通じて公開しますので予めご承知おきください。

〇高齢者置去り事件の概要
 本年1月17日夕刻、大治町のスーパーでキャッシュカードを持たずにATMを操作していた70代男性を津島署が保護し、大治町に引継を依頼した。大治町の民生課は「生活保護業務は担当外」として、愛知県海部福祉相談センターを紹介し、男性をセンターに引き継いだ。センター職員2人は簡易宿泊所などの受け入れ先を探したが見つからず、電話で上司に相談。上司は男性を消防の管轄が変わる場所まで連れて行き、名乗らずに119番通報して消防に保護させるように指示した。
 職員2人は17日深夜、男性を名古屋市中村区の公園まで公用車で連れて行き、18日未明に「高齢男性が公園で倒れている」と偽名で119番通報。市消防局が男性を保護し、県警中村署に引き継いだ。当時の気温は6度ほど。18日朝、不審に思った中村署が通報した職員と指示した上司に話を聞いたところ、2人は「男性が宿泊所から自ら立ち去った」とうそをついた。男性の家族は19日に捜索願を出し、24日に身元が判明した。中村署がセンター次長を呼び出した28日になって、関わった3人は真相を打ち明けた。職員2人は「時間外の対応経験がなく、受け入れ先も見つからず、上司の指示に従った」と弁明。上司は「悪いことをした」と話しているという。

1 事実の経過について
 事実経過については、上記「高齢者置き去り事件の概要」のとおりで間違いありませんか。異なる点や補足があればご説明ください。

2 当該高齢者の状態について
 報道によれば、当該高齢男性は、立っていられないなど健康状態が悪く、話ができず、筆談もできない状態であったとされています。津島署が貴町に保護の依頼をした当時、当該高齢男性はどのような状態だったか、お答えください。

3 当該男性を愛知県海部福祉相談センターに紹介したことについて
 報道によれば、当該男性に対して、「生活保護業務は担当外」として、愛知県海部福祉相談センターを紹介したとありますが、これは事実でしょうか、お答えください。

4 町長の応急措置義務について
 生活保護法第19条6項は、「福祉事務所を設置しない町村の長(以下「町村長」という。)は、その町村の区域内において特に急迫した事由により放置することができない状況にある要保護者に対して、応急的処置として、必要な保護を行うものとする。」と規定し、町長に救護義務を課しています。
(1)当該男性は、この応急的処置の対象者であった可能性がありますが、貴町は、その検討をされたか、お答えください。検討されなかった場合は、その理由をお答えください。
(2)過去5年間で生活保護法19条6項による応急的処置を行ったことはありますか。行っていた場合、各年ごとの件数をお答えください。

5 老人福祉法による措置入所について
 4の応急的処置の対象でなかったとしても、当該高齢者は、老人福祉法第11条(下記※参照)の条項にしたがい、養護老人ホームや特別養護老人ホームに入所させる義務があると考えられますが、この措置を検討したか、お答えください。検討していない場合は、その理由をお答えください。

6 定まった住所を持たない人に対する貴町のこれまでの対応について
定まった住所を持たない人を把握した場合、貴町は、どのような対応をされているか、お答えください。また、過去5年間の愛知県海部福祉相談センターへの紹介件数を年別にお答えください。

※【参考】
(老人ホームへの入所等)
第11条 市町村は、必要に応じて、次の措置を採らなければならない。
一 65歳以上の者であつて、環境上の理由及び経済的理由(政令で定めるものに限る。)により居宅において養護を受けることが困難なものを当該市町村の設置する養護老人ホームに入所させ、又は当該市町村以外の者の設置する養護老人ホームに入所を委託すること。
二 65歳以上の者であつて、身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難なものが、やむを得ない事由により介護保険法に規定する地域密着型介護老人福祉施設又は介護老人福祉施設に入所することが著しく困難であると認めるときは、その者を当該市町村の設置する特別養護老人ホームに入所させ、又は当該市町村以外の者の設置する特別養護老人ホームに入所を委託すること。

以 上





「愛知県海部福祉相談センター」宛て公開質問状(PDF)
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「愛知県大治町」宛て公開質問状(PDF)
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CW外部委託問題学習会





生活保護・ケースワーク業務の外部委託化を考える
緊急学習会


 2019年12月23日に閣議決定された「令和元年の地方からの提案等に関する対応方針」において、政府は、生活保護のケースワーク業務に関し、「現行制度で外部委託が可能な業務」については「令和2年度中に整理した上で必要な措置を講」じ、法改正を要する業務についても外部委託を可能とする方向で検討し「令和3年度中に結論を得る」ことを明記しました。
 福祉行政の現場ではかねてから外部委託化・職員の非正規化が進んでいますが、とうとう、生存権保障の根幹である生活保護行政にまで、急ピッチでその流れが迫っています。
 そこで、これまでの経緯と今後想定される動きを共有した上で、ケースワーク業務の外部委託化にはどのような問題があるのか、意見交換する場をもうけることとしました。危機感を共有する方々とともに、今後どのような取組みが必要か考えたいと思います。
 
【日時】2020年3月1日(日)午後1時30分~午後4時30分(受付開始午後1時)
【場所】エル・大阪 南館10階(南1023号室)

アクセス
資料代1000円・申込不要



報告1 「生活保護・ケースワーク業務外務委託化の経緯とこれから」
      桜井啓太さん(立命館大学准教授・元堺市ケースワーカー)

報告2 「生活保護・ケースワーク業務外部委託化の問題点」
      吉永純さん(花園大学教授・全国公的扶助研究会会長)

報告3 「自治体行政の外部委託、現場実態から考える」
      谷口伊三美さん(リカバリハウスいちご・元大阪市職員)

(質疑・意見交換)

   
主催:生活保護問題対策全国会議
(連絡先)〒530-0047 大阪市北区西天満3-14-16
西天満パークビル3号館7階 ℡06-6363-3310 FAX 06-6363-3320
あかり法律事務所 弁護士 小久保 哲郎




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精神保健福祉士養成課程から「生活保護制度」の科目を廃止する省令案に反対するパブリックコメント


 社会福祉士と精神保健福祉士の養成課程において共通科目とされていた「低所得者に対する支援と生活保護制度」を廃止する省令(案)に対するパブリックコメントが年末年始をはさんだ2019年12月20日から2020年1月18日まで募集されていました。
 社会福祉士については,専門科目としての「貧困に対する支援」が創設されますが,精神保健福祉士については,「貧困」や「生活保護」を体系的に扱う独立した科目はなくなろうとしています。
 当会議は,特に精神保健福祉士養成課程の変更が問題であると考え,以下のパブリックコメントを提出しました。

【意見の趣旨】
 精神保健福祉士養成課程から「低所得者に対する支援と生活保護制度」の科目を廃止することに反対する。生活保護制度の沿革・理念・実践的対応策等を体系的に習得し得る,独立した科目を継続または創設すべきである。

【意見の理由】
1 精神保健福祉士の支援対象者には生活困窮者が多い
 精神保健福祉士が支援の対象とする精神障がいのある人は,働くことに制約を受けるため生活に困窮している場合が非常に多い。
 その証左に例えば,生活保護入院患者総数11.4万人中,精神関係は4.8万人(42.5%)を占め(平成28年度被保護者調査),ホームレス状態の人のうち中軽度の知的障がい,アルコール依存症,うつ病等何らかの精神疾患の疑いのある人が41%を占めるとの調査もある(NPOてのはし2009年路上生活者調査)。

2 精神保健福祉士が職責を果たすためには生活保護に関する専門知識の習得が不可欠
 生活に困窮する精神障がいのある人は,仮に障害年金を受給できたとしても,それだけでは地域での居宅生活を維持することができない。
 残念ながら,今の日本では,生活保護制度に関する教育や周知は不十分で,誤解や偏見も根強くある。生活保護ケースワーカーの人員体制や専門性も脆弱で,未だに窓口での違法な「水際作戦」や,保護利用後も違法な指導指示等が後を絶たないのが現状である。
 こうした状況下で精神保健福祉士がその本来の職責を果たすためには,生活保護制度を必要とする人を確実に制度につなぐとともに,保護利用後も不当な扱いを受けることのないよう適切に支援することができるよう,生活保護制度に関する専門的知識を深く習得することが必要不可欠である。不当な福祉事務所の対応を前にして,単に支援対象者に「寄り添う」うだけでなく,侵害されたその権利の実現・回復のため共に闘う術を身につけなければ,ソーシャルワーカーとしての職責を果たしたことにはならないからである。

3 「細切れ」ではなく専門性のある教員による体系的教育が必要
 厚生労働省資料(「精神保健福祉士養成課程における教育内容等の見直し」)等によれば,「低所得者に対する支援と生活保護制度」(30時間)は,新科目である①社会保障論,②精神保健福祉士制度論,③ソーシャルワーク演習に「再構築」されるという。
 しかしながら,精神保健福祉士が2で述べた期待される専門性を身に着けるためには,生活保護制度について専門性のある教員が,制度の沿革,理念,諸原則をふまえ,実務上問題となり得る諸論点について,法律,通達,裁判例,裁決例を駆使した実践的対応法を体系的に教育する必要がある。3つの科目に「細切れ」に分解したのでは,教員の専門性の点でも体系的教育の点でも,こうした要請を満たすことは期待できない。
 また,大雑把な目安ではあるが,総時間を項目数で機械的に割っていくと,「低所得者に対する支援と生活保護制度」関連の項目は,上記①②科目の合計でわずか8.7時間にとどまる(下記※参照)。これに③の演習が加わるが,教員の裁量が広い演習においてどれほど貧困支援に時間が費やされるかは教員次第となるおそれが強い。
 したがって,現行30時間が大幅に減少し,教育時間の面でも希薄化することは避けられない。
※再編後の講義時間の概算
① 「社会保障論」(60時間)→うち生活保護関係は,60÷7÷7=1.2時間
【大項目(教育に含むべき事項)】⑥社会保障制度の体系(7項目中の1つ)
【中項目(想定される教育の例)】5生活保護制度の概要(7項目中の1つ)
② 「精神保健福祉制度論」(30時間)→うち低所得等支援は30÷4=7.5時間
【大項目(同上】④精神障害者の経済的支援に関する制度(4項目中の1つ)
【中項目(同上)】(4項目中の4つ〔全部〕)
1 生活保護制度と精神保健福祉士の役割
2 生活困窮者自立支援制度と精神保健福祉士の役割
3 低所得者対策と精神保健福祉士の役割
4 精神障害者の経済的支援制度に関する課題

4 まとめ
 当会議内の議論では,現状においても,社会福祉士と精神保健福祉士養成課程における生活保護制度に関する教育内容や専門知識の習得は必ずしも十分ではなく,実務に就いた後も,生活保護制度活用の必要性を理解するソーシャルワーカーは少数派であるとの哀しい指摘もあった。そのような中で生活保護制度に関して体系的に学ぶ独立した科目を廃止することは,この哀しい状況をより悪化させるであろう。
 「自助」「互助」が強調される「地域共生社会」が推進される中,目の前にいる生活に困窮する人が,本来生活保護を利用することができるのに,それに気づかずに手をこまねくだけのソーシャルワーカーがより一層増えるかもしれない。それは,支援対象者の「ウェルビーイング」はおろか,健康や生存そのものを害することにつながる。
 当会議は,精神保健福祉士が「真のソーシャルワーカー」として,その職責を十分に果たし得る資格であり続けることを強く期待する立場から,本意見を述べるものである。

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 2019年8月、「無料低額宿泊所の設備及び運営に関する基準」が厚生労働省令第4号として公布されたことから、今後、無料低額宿泊所を所管する都道府県、政令市、中核市が無料低額宿泊所に関する条例を制定する動きが本格化することが見込まれています。
 制定される条例の内容によっては、無料低額宿泊所入所者の権利侵害を放置又は誘発する事態の発生も懸念されるため、当会議は、「無料低額宿泊所に関する条例制定についての意見書」を公表し、無料低額宿泊所がある50の自治体(都道府県18、政令市15、中核市17)に郵送で執行しました。



2019年11月27日


無料低額宿泊所に関する条例制定についての意見書


生活保護問題対策全国会議
代表幹事 尾 藤 廣 喜


 無料低額宿泊所の設置・運営基準は平成15年7月31日社援発第0731008号厚生労働省社会・援護局長通知の別紙「無料低額宿泊所の設備、運営等に関する指針」(以下「ガイドライン」という)で定められていた。
 今般、社会福祉法(以下「法」という)の規定に基づく「無料低額宿泊所の設備及び運営に関する基準」が2019年(令和元年)8月19日に厚生労働省令第4号(以下「省令」という)として公布され、2020年(令和2年)4月1日から施行されることとなった。同省令第1条で、厚生労働省令で定める基準は、都道府県、指定都市、中核市(以下「都道府県等」という)が条例を定めるに当たって標準とすべき基準ないし参酌すべき基準であるとされている。また、2019年(令和元年)9月10日には、厚労省社会・援護局長名で「無料低額宿泊所の設備及び運営に関する基準について(通知)」(以下「解釈通知」という)が発出されている。
 こうした動きをふまえ、今後、都道府県等において、無料低額宿泊所に関する条例を制定する動きが本格化することが見込まれるが、その内容によっては、無料低額宿泊所入所者の権利侵害を放置又は誘発する事態が懸念される。
 そこで、当会議は、都道府県等がかかる条例を制定するにあたって留意すべき諸点について、以下のとおり意見を述べる次第である。

第1 意見の趣旨
 都道府県等は、無料低額宿泊所に関する条例を制定するに当たって、以下の諸点に留意し、当該条例に明記するべきである。

1 居宅保護が原則であることに鑑み、利用者が希望すれば、居宅生活ができない場合、居宅生活によっては保護の目的を達しがたい場合を除き、居宅保護を行うこと。
2 介護保険法、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等に基づいて提供されるサービスを利用して日常生活を営むことができる場合は、「居宅生活が可能な場合」に該当し、安易に無料低額宿泊所に入所させてはならないこと。
3 保護の実施機関及び無料低額宿泊所が、無料低額宿泊所入所後も速やかに居宅へ移行できるよう支援すべきであること。
4 無料低額宿泊所の入所期間の上限(原則3か月、最大6か月)を具体的に定めること。
5 条例に定める無料低額宿泊所の職員のうち施設長の資格要件については、少なくとも、「法第19条第1項各号のいずれかに該当する者若しくは社会福祉事業等に2年以上従事した者」に限定すること。
6 条例の定める無料低額宿泊所の設備基準については、物理的水準としても居住空間として相応しい施設となるよう、居室の面積は、経過措置を設けず、少なくとも7.43平方メートル(四畳半)以上、例外なく個室とし、入居者に対し1日に1回の頻度で入浴の機会を提供しなければならないこと。
7 無料低額宿泊所が入居者の金銭管理を行ってはならないこと。
8 無届施設に対する届出勧奨を進めるとともに、最低基準を満たさない施設を無届で運営している事業者に対しては、社会福祉法72条3項に基づく事業の制限・停止命令を行い得ること。



第2 意見の理由
1 居宅生活が基本であること
(1) 居住、移転の自由、居宅保護の原則

 日本国憲法22条1項は居住、移転の自由を保障している。また、生活保護法30条1項は「生活扶助は、被保護者の居宅において行うものとする」として居宅保護の原則を定めている(同項本文)。
居宅での生活は誰もが望むものである。と同時に地域社会で自らの意思決定に基づいて生活することこそが「自立の助長」という生活保護法の目的(同法1条)を達成するためにふさわしいからである。
 2015年(平成27年)に厚生労働省社会・援護局保護課が全国の都道府県、指定都市、中核市本庁において行った「無料低額宿泊事業を行う施設に関する調査」から明らかなように、無料低額宿泊所の入所者の大多数は生活保護利用者である(届出施設537施設、入所者総数15,600人のうち生活保護利用者14,143人)。そして、無料低額宿泊所のうち要件を満たして届出を行う社会福祉住居施設の多くが日常生活支援住居施設と位置づけられ、生活保護利用者の一時的居住の場となると予想される。
 無料低額宿泊所が社会福祉住居施設、日常生活支援住居施設という位置づけに変わったとしても、そこに入所している利用者は、あくまでも例外的に施設に入っているだけであって一日も早く居宅への移行を果たせるよう支援をしなければならない人であることに変わりはない。無料低額宿泊所が社会福祉住居施設、日常生活支援住居施設と位置づけられることによって、それがあたかも住居の1つであるかのように扱われ、居宅保護の原則が後退するようなことがあってはならない。


(2) 障害や困難があっても居宅生活は可能である

 経済的困難のみならず日常生活においても支援が必要だから無料低額宿泊所に入所しているのだと言われることがあるが、身体上または精神上の障害があっても居宅生活は可能である。介護保険法に基づく介護サービスや、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(以下「総合支援法」という)に基づく障害福祉サービスは、居宅生活を前提としたものも当然に存在する。そのほか、成年後見制度や、都道府県・指定都市社会福祉協議会が実施主体となって定期訪問や日常的金銭管理を行う日常生活自立支援事業(社会福祉法2条3項12号)等、様々な制度やサービスを用いて居宅生活を送ることが可能である。
 この点、解釈通知の第1の2(2)も、「介護保険法、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等に基づいて提供されるサービスを利用して独立して日常生活を営むことができる場合」が、「入居者が一般の居宅等において独立して日常生活を営むことができる」場合に含まれることを明記しているところである。
 したがって、かかる場合は、「居宅生活が可能な場合」に該当し、安易に無料低額宿泊所に入所させてはならないことを条例に明記すべきである。


(3) 他法の改正にみる居宅生活促進の動き

 2017年(平成29年)10月25日に施行された改正住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(住宅セーフティネット法)では、高齢者、障害者、低額所得者等の住宅確保要配慮者に対し、民間の空き家・空き室を活用した入居を拒まない賃貸住宅の供給を促進し、併せて、入居相談や見守りなどの生活支援を充実させる方針が打ち出された。
 また、2018年(平成30年)4月1日に施行された改正総合支援法では、従前の地域移行支援・地域定着支援サービスに加え、障害者支援施設やグループホーム等から一人暮らしへの移行を希望する障害者について、本人の意思を尊重した地域生活を支援するため、一定期間、定期的な巡回訪問等の支援を行う自立生活援助というサービスを新たに創設した。
 これらは、施設ではなく居宅生活を希望する人の意思をできる限り尊重し、地域での生活を支援していこうという取り組みである。
 今回の法改正による社会福祉住居施設及び日常生活支援住居施設の創設が、これらの地域移行への動きと矛盾し、逆行する結果とならないよう留意が必要である。


(4) 入所者の居宅生活への移行支援

 省令3条3項では、無料低額宿泊所は基本的に一時的な居住の場であるとされており、同条4項では、入居者の円滑な退居のための必要な援助に努めなければならないとされている。
 したがって、仮に居宅生活ができない、あるいは、居宅生活によっては保護の目的を達しがたい、あるいは、生活保護利用者が希望した場合に該当したとして(生活保護法30条1項但書)、無料低額宿泊所に入所したとしても、保護の実施機関及び無料低額宿泊所は、入所者が可及的速やかに居宅生活に移行するための支援を行うことが重要である。



2 無料低額宿泊所は一時的な居住の場であること

 「宿泊所」とは「一時的な宿泊をさせる場所」とされている(社会福祉法令研究会編『社会福祉法の解説』96頁)。無料低額宿泊所が一時的な利用に供する場所であることは、厚生労働省も前提としていたところである(平成25年5月15日社援保発0515第2号厚生労働省社会・援護局保護課長通知、平成27年5月13日社援保発0513第1号厚生労働省社会・援護局保護課長通知)。
 社会福祉住居施設ないし日常生活支援住居施設という位置づけがあっても、無料低額宿泊所である以上「一時的な宿泊をさせる場所」であることに変わりはない。速やかに居宅へ移行するか、真に居宅生活が困難な場合は老人ホームやグループホーム等、必要な支援が整っている施設へ入所することが本人の利益に適うことである。
 特に日常生活支援住居施設は、生活保護施設となるため無料低額宿泊所の「一時的な利用の場」という性質は後退するようにも考えられるが、居宅保護が原則であり施設保護は例外であることを考えるならば、その利用は必要最小限にとどめるべきである。
 省令3条3項では、無料低額宿泊所は基本的に一時的な居住の場であるとされている。「一時的」の基準は必ずしも明確ではないが、生活困窮者自立支援法において、一定の住居を持たない生活困窮者に対し一時的な宿泊場所を供与する事業として法制化されている一時生活支援事業に鑑みれば、「原則3か月、最大6か月」とするのが妥当である(生活困窮者自立支援法施行規則7条参照)。



3 無料低額宿泊所の設備・運営基準
(1) 職員の資格要件

 省令は「無料低額宿泊所の長(以下「施設長」という。)は、法第19条第1項各号のいずれかに該当する者若しくは社会福祉事業等に2年以上従事した者又はこれらと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない」と規定した(6条)。これはガイドラインの定める要件と同じである。
 しかし、「これらと同等以上の能力を有すると認められる者」という判断基準は曖昧であり、資格要件を課した趣旨が没却しかねない。職員が利用者に対して適切な支援を行い、速やかに居宅移行させることが肝要であり、そのために職員とりわけ施設長の資質は担保しなければならい。
 よって、「これらと同等以上の能力を有すると認められる者」という規定は削除すべきである。


(2) 居室の床面積について

 省令は、一居室の面積は7.43平方メートル(四畳半)以上とし、地域の実情によりこれにより難い場合は、居室の床面積が1人当たり4.95平方メートル(三畳)以上確保することとしている(省令12条6項1号ハ)。これはガイドラインの基準と同じである。
 しかし、住生活基本法に基づいて2016年3月18日に定められた住生活基本計画によれば、単身者の最低居住面積水準は25平方メートルである。これと比較すると、無料低額宿泊所の基準は著しく低い。さらには、平成27年6月以前からある無料低額宿泊所の場合は3.3平方メートル(二畳)以上であれば「当分の間は」容認されるかのような基準となっている(附則3条)。そもそも、従前のガイドラインが2015年4月に改正された際にも、原則7.43平方メートル(例外4.95平方メートル)という床面積の基準に満たない施設は、段階的、計画的に基準を満たすよう整備することとされていた。それからすでに4年以上が経過している現時点においてもなお、段階的、計画的に基準を満たすことができていない施設が、この先、基準を満たせるという保証はない。
 以上から、居室の面積は少なくとも7.43平方メートル(四畳半)以上とし、経過措置は設けるべきではない。


(3) 個室について

 省令では、個室を原則とし(省令12条6項1号イ)、多人数個室及び簡易個室については3年の間に解消を図ることとするなど(附則2条)、一定の前進はみられる。しかし、経過措置が3年というのは長すぎる。
 無料低額宿泊所がときに「貧困ビジネス」と非難される主要な原因の一つが相部屋・簡易個室である。仮に2023年3月まで相部屋・簡易個室を温存する条例が制定されるとなれば、貧困ビジネス対策は「骨抜き」との批判は免れない。
 したがって、例外なく個室とし、経過措置は設けるべきではない。


(4) 入浴回数について

省令は「無料低額宿泊所は、入居者に対し1日に1回の頻度で入浴の機会を提供しなければならない。ただし、やむを得ない事情があるときは、あらかじめ、当該入居者に対し当該事情の説明を行うことにより、1週間に3回以上の頻度とすることができる」と定める(19条)。これも、ガイドラインの「入浴は、週に3回以上行うこと」という基準を踏襲したものと思われる。
 しかし、近時の夏の暑さは異常であり、真夏にも1週間に3回しか入浴できないとなると、衛生上及び健康上、多大な支障が生じる。1週間に3回の入浴しかできない施設は居住空間として不適切である。但書以下は条例に設けるべきではない。



4 金銭管理
(1) 無料低額宿泊所(社会福祉住居施設を含む)で「生活の扶助」は行えないこと

 日本弁護士連合会の2010年6月18日「『無料低額宿泊所』問題に関する意見書」で述べられているとおり、「生計困難者を無料又は低額な料金で入所させて生活の扶助を行うことを目的とする施設を経営する事業」が第一種事業であり、「生計困難者のために、無料又は低額な料金で、簡易住宅を貸し付け、又は宿泊所その他の施設を利用させる事業」が第二種事業であって、その違いを端的に言うならば施設内で「生活の扶助」を行うかどうかである。
 施設の入所者に対して「生活の扶助」を行うことは、その入所者の人格に対して非常に大きな影響を及ぼしうるため、経営の適正化を欠くようなケースが生じれば、非常に重大な人権侵害を生ずる可能性がある。そのため、第一種事業は、事業経営の適正化を確保することが不可欠であることから、強い公的規制を行うこととされているのである(社会福祉法令研究会編『社会福祉法の解説』69頁)。
 しかるところ、本来、無料低額宿泊所(社会福祉住居施設を含む)は第二種事業であるため、「生活の扶助」を行うことはできない。この基本的な規定は今般の社会福祉法改正後も変わっていない。


(2) 無料低額宿泊所と入居者は対等な契約当事者となりにくい状況があること

 無料低額宿泊所によるサービスの提供及び対価の受領は、利用者から文書で同意を得る、または入居契約とは別に契約書を作成する、ということが求められてはいるが、ほかに行く場所がなく、自力で他の居所を設定することもできない入居者(だからこそ無料低額宿泊所に来ているのである)が、施設から、金銭負担を伴うサービス(金銭管理を含む)の提供を提案されて、契約締結を拒むことが可能であるとは考えにくい。
 したがって、本来、施設側と入居者の契約の場面における力の差を考えれば、無料低額宿泊所における、入所者の金銭負担を伴うサービスの提供(生活の扶助)は禁止すべきである。省令16条が、入所者からの「基本サービス費」の受領を許容していることには問題があると言わざるを得ない。


(3) 無料低額宿泊所による入居者の金銭管理

 省令では、入居者の金銭管理について、入居者本人が行うことを原則としつつ、「金銭の適切な管理を行うことに支障がある入居者であって、無料低額宿泊所による金銭の管理を希望するもの」に対しては、入居にかかる契約とは別に金銭管理に係る契約を行うこと等を条件に、無料低額宿泊所が日常生活に係る金銭を管理することを妨げないという規定も置かれている(省令26条)。
 しかしながら、「金銭の適切な管理を行うことに支障がある」かどうかを判断するのは当該無料低額宿泊所であるから、その判断が適正になされることの担保がない。平成29年3月1日さいたま地裁判決は、生活に困窮した人を無料低額宿泊所に入所させ、生活保護を申請させて、入所者に劣悪なサービスしか提供せず、生活保護費の大半を搾取して不当な利益を得ていた事業者に対し、「生活保護法の趣旨に反し、その違法性は高い」「最低限度の生活を営む利益を侵害したものとして不法行為が成立する」として、総額約1580万円の損害賠償や支払った利用料の返還を命じた。この事案にみられるように、無料低額宿泊所が入居者の金銭管理を行うことは、生活保護費の大半を取得し、本人には少額の小遣いしか渡さないといった悪質な貧困ビジネスにつながりかねない。
 したがって、善意で入居者支援としての金銭管理を実施する無料低額宿泊所が存在するとしても、一方で悪質な貧困ビジネスの温床となっている実態がある以上、少なくとも金銭管理は例外なく禁止し、成年後見制度、社会福祉協議会の日常生活自立支援事業の活用など他の手法に委ねるべきである。



5 無届施設の届出勧奨
 社会福祉法68条の2第2項は、社会福祉住居施設を設置して、第二種社会福祉事業を経営しようとするときは、その事業の開始前に、同条1項各号に掲げる事項の届出を義務付けているが、周知のとおり、無料低額宿泊所に類似する施設を無届で運営している事業者も散見される。省令、ひいては社会福祉法改正の趣旨を踏まえるならば、無届施設に対しては届出を勧奨し、規制の対象に加えていくことが重要である。
 社会福祉法72条3項は、届出をせずに第二種社会福祉事業を経営する者に対してでさえ、その事業に関し不当に営利を図り、若しくは福祉サービスの提供を受ける者の処遇につき不当の行為をしたときは、その者に対し、社会福祉事業を経営することを制限し、又はその停止を命ずることができる旨を定めている。「不当に営利」、「不当の行為」の判断基準が曖昧であることが運用上の障害になっているものの、社会福祉法68条の5第1項、同規定に基づく省令1条、2条の基準を満たさずに無料低額宿泊所を運営した場合には改善命令がなされること(社会福祉法71条)に鑑みると、最低基準を満たさない施設を運営している無届事業者に対しては、社会福祉法72条3項を適用して事業の制限・停止命令を行い得ることを明記することによって、同条項の活用を図るべきである(2010年9月13日付、大阪弁護士会「大阪府被保護者に対する住居・生活サービス等提供事業の規制に関する条例(案)に対する意見書」参照)。

以 上




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目次

はじめに

第1章 申請
Q1 生活保護とは
Q2 どこに行けばよいか
Q3 福祉事務所と接するときの心構え
Q4 保護「申請」の有効性
Q5 本人申請の際の助言内容
Q6 法「改正」で申請手続はどうなったか
Q7 申請代理・同行援助
Q8 同席・代理申請を拒否されたら
Q9 申請に同行する意義
Q10 相談の際の聴取事項
Q11 法律相談と法律扶助
Q12 保護申請・審査請求援助と法律扶助

第2章 調査・決定
Q13 申請時にあるとよい書類、要否判定に必要な書類
Q14 決定までの期間
Q15 つなぎ資金
Q16 要否判定のしくみ
Q17 決定金額チェックの必要性
Q18 保護費の種類
コラム あいつぐ生活保護基準の引き下げ

第3章 生活保護申請を拒否された場合の対処法
Q19 最低生活費をわずかに上回る収入がある場合(境界層該当)
Q20保護申請時の稼働能力活用
Q21 借金と生活保護
Q22 年金担保融資利用者と生活保護
Q23 自動車の所有・借用
Q24 持ち家の取り扱い
Q25 リバースモーゲージ(不動産担保融資型生活資金制度)
Q26 住宅ローンが有る場合の取り扱い
Q27 現金、預貯金の取り扱い
Q28 生命保険等の取り扱い
Q29 学資保険の取り扱い
Q30 親兄弟や配偶者等がいる場合
Q31 高額家賃の場合の取り扱い
Q32 世帯認定
Q33「世帯分離」とは
Q34 母子生活支援施設
Q35 ホームレスと生活保護
Q36 ホームレス状態の人に対する敷金支給・居宅保護
Q37 刑務所出所者と生活保護
Q38 無料低額宿泊所等からの転居
Q39 DVの場合
Q40 外国人と生活保護

第4章 生活保護利用中によく問題になる論点
Q41 通院交通費
Q42 自助グループ参加のための交通費
Q43 ジェネリック医薬品の使用
Q44 転居と生活保護
Q45 働いた分だけ保護費は差し引かれるか(基礎控除)
Q46 就職活動関連費の支給
Q47 生活保護と大学進学
Q48 収入認定しないものの取り扱い
Q49 年金の遡及支給と法63条返還
Q50 過払金と生活保護
Q51 福祉事務所の過誤払による法63条返還
Q52 過払い金と生活保護
Q53 交通事故の賠償金と法63条返還
Q54 離婚に伴う慰謝料の取り扱い
Q55 耐久消費財購入についての給付や貸付
Q56 78条(不正受給)と63条返還の違い
Q57 保護費の「天引き」
Q58不正受給・過払保護費徴収債権の非免責債権化
Q59 認知症と障害者加算

第5章 廃止
Q60 保護廃止が許される場合
Q61 終了指導と保護廃止
Q62 辞退届
Q63 退院即保護廃止

第6章 争訟
Q64 審査請求
Q65 裁判
Q66 当面の生活の確保(再申請・執行停止・仮の義務付け)
Q67 ケース記録の情報開示

第7章 災害と生活保護
Q68避難所などの避難先での生活保護受給
Q69 被災地に残した資料や試算
Q70 避難所で受け取れる生活保護費
Q71 義援金その他の給付金と生活保護
Q72 被災者の自動車保有と生活保護
Q73 避難先との世帯認定
Q74 避難先からの住宅の確保
Q75 家具什器代、布団代、被服費

書式・資料集

執筆者(アイウエオ順)
今村雅夫(認定NPO法人大津夜まわりの会)
大口耕吉郎(全大阪生活と健康を守る会連合会)
木原万樹子(大阪弁護士会)
小久保哲郎(大阪弁護士会)
佐々木育子(奈良弁護士会)
田川英信(元世田谷区職員、社会福祉士)
谷口伊三美(大阪ダルク)
徳武聡子(大阪司法書士会)
觜本 郁(神戸の冬を支える会)
尾藤廣喜(京都弁護士会)
舟木浩(京都弁護士会)
村田悠輔(東京自治問題研究所研究員)
森川清(東京弁護士会)
横山秀昭(横浜市職員)
吉田雄大(京都弁護士会)
吉永 純(花園大学社会福祉学部教授)

監修
谷口伊三美(大阪ダルク)


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○弁護士・司法書士 5,000円
○団体      5,000円
○一般      2,000円
(生活保護利用者、それに準じる所得の方は1,000円)

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とくたけ司法書士事務所
司法書士 徳武聡子
電話 072-648-3575
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